Experimental Animals
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41 巻, 2 号
選択された号の論文の19件中1~19を表示しています
  • ―マウス乳癌モデルのヒト乳癌への外挿―
    螺良 愛郎, 森井 外吉
    1992 年 41 巻 2 号 p. 111-121
    発行日: 1992/04/01
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
  • 大野 民生, 石川 明, 山縣 高宏, 並河 鷹夫, 富田 武
    1992 年 41 巻 2 号 p. 123-129
    発行日: 1992/04/01
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    行動異常変異形質がスンクスの実験室系統において発見された。行動異常個体は左右両方向への旋回行動と水平方向の首振り行動を特徴としており, 少なくとも生後10日齢において, 明確に判別できた。これら異常個体は生涯, 安定的かつ継続的に異常行動を示した。交配実験により, この行動異常形質は常染色体性の単一遺伝子座の劣性遣伝子により支配され, 浸透度は完全であることが判明した。さらに家系解析により, この遺伝子は沖縄県宜野湾市で捕獲した1匹の野性雄個体に由来することが判明した。そこで, この行動異常形質を「Waltzing」と命名し, 遺伝子記号wzを提唱した。Waltzing個体は旋回行動や首振り行動のほかに, 尾を持って持ち上げると体を頻繁にくねらせたり, 水中で頭部をまったく水面上に維持できない行動を示す。それ故, 一連の異常行動は平衡感覚器の異常と関係があると予想された。しかし, 行動異常個体は, 妊娠期間・産仔数・離乳率および体重についてほぼ正常であり, 毎世代30匹以上から成る閉鎖集団 (WZライン) として育成されている。
  • 福田 俊, 飯田 治三
    1992 年 41 巻 2 号 p. 131-137
    発行日: 1992/04/01
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    実験用生産施設で育成したビーグル犬の骨代謝の個体差を明確にする目的で, 骨代謝に影響を及ぼす運動, 日光浴, ミネラル含有量などが異なった2つの飼育環境下で育成したビーグル犬の腸骨骨梁骨の形態計測値および骨に関連した血清成分値について検索した。動物は離乳後から14ヵ月齢まで1時間/日, 週6日間屋外で運動および日光浴させ, それ以外は人工太陽灯のない室内の個別ケージで育成した10例 (第1群) と, 人工太陽灯が設置された屋内で離乳時から生後6ヵ月齢までは終日自由運動ができる大型ケージで, 6ヵ月齢から14ヵ月齢までは個別ケージ内で育成した17例 (第2群) を用いた。14ヵ月齢時に, 骨組織学的形態および動態を測定する目的でテトラサイクリンとカルセインを投与して骨2重標識した後, 生検によって得た腸骨の非脱灰骨組織標本を作製した。標本の海綿骨エリアを対象にして画像解析装置を用いて骨形態計測を行った。血清成分は, 総カルシウム, リン, アルカリフォスファターゼ活性値, 副甲状腺ホルモン, カルチトニンについて測定した。骨形態計測の結果では, 雌の類骨量 (p<0.05) , 全骨梁表面に対する類骨面比 (p<0.01) 以外の測定項目には両群間の差は認められなかった。血清成分の測定結果では, 雄のアルカリフォスファターゼ活性値 (p<0.001) 以外の測定項目には両群間の差はみられなかった。以上の結果から, 飼育環境や条件が異なっても正常な管理下で育成されたビーグル犬の骨代謝には, 個体差はほとんどないことが認められた。
  • 稲葉 智之, 脇坂 美国
    1992 年 41 巻 2 号 p. 139-151
    発行日: 1992/04/01
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    皮膚色素研究用にWeister-Maples [WE] 系モルモットを米国のBackshire社より導入し, クローズドコロニーとして繁殖を行なっている。1978年5月から1983年12月末日までの間に417産, 1271匹の産子が得られた。平均1腹産子数は3.05匹, 死産率は15.2%, 育成率は93.5%, 性比は1.01であった。腟初開口時の日齢および体重は31.4日, 29α5gで, その後は17日前後のほぼ一定した発情周期をくり返した。妊娠期間は腟開口日を0日とする推定では56日から76日の間に及び, 平均67.9日であった。1腹産子数は妊娠期間が長くなるにつれ減少する傾向が認められた。また1腹産子数の増加と共に離乳率は低下したが, 産次回数による離乳率の変化は認めれなかった。出生時体重は, 1腹産子数の増加に伴って減少し, 雄は雌に比べて重い傾向が認められた。出生時平均体重は雌88.3g, 雄93.3gであり, その後2週齢の離乳時には雌181.1g, 雄198.8gになった。成熟したと考えられる30週齢時には雌758.7g, 雄1018.0gであった。以上の成績は, 現在使用されている他系統のモルモットに劣らない良好なものであった。
  • 山口 孝雄, 勝山 慎, 鈴木 亘, 斎藤 徹, 高橋 和明
    1992 年 41 巻 2 号 p. 153-159
    発行日: 1992/04/01
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    hCGまたはPMSGを4日性周期を反復しているマウス, シリアンハムスター, ラットのDiestrusの日に単回投与し, 翌日の排卵成績より1動物当たりならびに体重1kg当たりの50%排卵誘起量 (ED50値) を求めて比較検討した。hCGの静脈内・腹腔内・皮下の各投与ルートにおけるED50値は, マウスでは1動物当たり0.2・0.3・0.71Uと体重1kg当たり7。7・11.5・26.91U, シリアンハムスターでは1.0・1.8・2.61Uと9.5・17.1・24.81U, ラットでは1.3・3.5・7.51Uと4.6・12.3・26.31Uであった。PMSGの各値は, マウスでは1動物当たり0.8・2.0・2.81Uと体重1kg当たり30.8・76.9・107.7IU, シリアンハムスターでは, 3.6・8.0・13.2IUと34.3・76.2・125.7IU, ラットでは6.0・20.8・76.81Uと21.1・73.0・269.5IUであった。以上の如く両ホルモンの3投与ルートのED50値は3動物種とも静脈内<腹腔内<皮下の順に高い数値となった。3動物種のED50値は, 1動物当たりではマウス<シリアンハムスター<ラットの順に体重の重い動物種ほど高い数値を示す傾向がみられた。しかし, 体重1kg当たりでは各投与ルートともに, 動物種間に著しい差異はみられず, 最低値に対する最高値の割合は1.1~2.5倍量であった。特にhCGの皮下およびPMSGの腹腔内ルートでは殆ど差異がみられなかった。
  • 松崎 哲也, 若菜 茂晴, 江袋 進, 伊藤 守, 神谷 正男
    1992 年 41 巻 2 号 p. 161-166
    発行日: 1992/04/01
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    エゾヤチネズミ (Clethrionomys rufocanus bedfordiae) の実験動物化を目的として, 北海道当別町で捕獲された野生エゾヤチネズミを用いた実験室内繁殖の成績を報告する。エゾヤチネズミの繁殖成績について見ると, 2年間 (1987-1988) の成績では, 妊娠率は35.4%, 出産率94.6%, 離乳率は79.5%と比較的良好であった。産仔数は1-9匹と幅があり, 平均5.1±1.6匹であった。また, 妊娠期間は18-22日であり, 平均20.0士0.7日であった。以上の結果から, エゾヤチネズミの実験室内繁殖は, 既存の市販固形飼料の給与により回転輪を使用せずに可能であった。また, 今回系統化を進めるため, 実験室内繁殖に用いた野生エゾヤチネズミにおけるミトコンドリアDNAの変異を調べた結果, 切断パターンに4型が存在することが明らかとなった。
  • 松崎 哲也, 田中 亨, 斉藤 亮一, 山中 聖敬, 斉藤 宗雄, 野村 達次
    1992 年 41 巻 2 号 p. 167-172
    発行日: 1992/04/01
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    1983年以降1988年迄の6年間にわたり, クローズドコロニースンクス (Suncus murinus) の計画生産を行い, 以下の成績が得られた。交配に使用した雌延べ3, 016匹の繁殖成績では, 出産率77.2%, 平均産仔数3.4匹, 離乳率82.3%で, 平均生産指数は2.2であった。産仔数は, 年々わずかずつではあるが減少する傾向がみられた。産次別に生産指数を比較すると, 2産目から4産目迄が2.3-2.6と高値で, スンクスの生涯で繁殖能力の最も優れていた時期であった。また, スンクスには繁殖における季節的変動は観察されず, 周年繁殖が可能であった。なお, 上記の結果, 安定した生産が可能となり, 供給体制も確立できたこのスンクスのクローズドコロニーをJic: SUN系と命名した。
  • 大野 民生, 織田 銑一, 石川 明, 並河 鷹夫
    1992 年 41 巻 2 号 p. 173-179
    発行日: 1992/04/01
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    スンクスにおいて新たな毛色変異形質が発見された。変異個体は淡い灰色の毛, ピンク色の皮膚, 赤眼を特徴としていた。この形質は常染色体性の単一劣性遺伝子により支配されていること, および1983年に沖縄県那覇市で捕獲された野生個体の中の少なくとも4匹 (雄2匹, 雌2匹) のヘテロ型個体に由来することが判明した。そこで, この毛色変異を「red-eyed dilution」と命名し, 遺伝子記号rdを提唱した。リンケージテストの結果, rd遺伝子座とcr (クリーム毛色) およびch (巻き毛) 遺伝子座の間に, 少なくとも強い連鎖関係は認められなかった。red-eyed dilution個体 (+/+, rd/rd) は, クリーム毛色で暗赤色眼を示すクリーム個体 (cr, /cr, +/+) , および淡いクリーム毛色でピンク色の眼を示すcrとrd遺伝子についての二重ホモ個体 (cr/cr, rd/rd) から容易に区別することができた。現在, rd遺伝子はOKI系統内で, 毎世代約75%の遺伝子頻度で維持されている。また, cr, ch及びrdの3つの遺伝子をホモ型に持つ系統を育成中である。
  • 潘 甜美, 下田 耕治, 前島 一淑, 久原 孝俊, 津久美 清, 浦野 徹
    1992 年 41 巻 2 号 p. 181-187
    発行日: 1992/04/01
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    実験動物由来の2株の好気性芽胞形成桿菌 (Bacillus) 芽胞を106個ずつ滅菌した濾紙, 床敷用木屑, 木綿作業衣片, 固型飼料に浸込ませ, あるいはステンレス鉄板に滴下し, それぞれ乾燥させ, 相対湿度90%のオゾンに曝露した。濾紙に浸込ませたBacillus芽胞は, 濃度200ppmのオゾンに6時間曝露させることによって確実に殺されたが, 木屑内, 木綿内および鉄板上の芽胞の殺菌にはより長い時間あるいは高い濃度の処理が必要であると推測された。ところが固型飼料内の芽胞については, 500ppmないし1, 000ppmで6時間または200ppmで24時間の処理でも殺すことができなかった。固型飼料内の芽胞が殺菌できない主な理由は, 多分, 共在する飼料タンパク質の阻害効果に基づくものと思われた。今回の実験から, 固型飼料を除けば, ケージ, 床敷, 作業衣, その他の実験動物用器材の実用的な滅菌には, 濃度600ppm, 6時間のオゾン処理が必要と思われた。
  • 稲葉 智之, 脇坂 美国
    1992 年 41 巻 2 号 p. 189-201
    発行日: 1992/04/01
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    Weiser-Maples系モルモットの後頭骨から胸椎にかけていくつかの異常が認められた。後頭骨では, 側方型頭蓋底陥入症と考えられる変形を122例中40例 (32.8%) に認めた。そのうち右側性24例, 左側性11例, 両側性5例であった。ヒトの頭蓋底陥入症に関連する奇形として知られている, 大孔及び環椎の狭窄・変形, 扁平頭蓋底, 先天性頸椎癒合も認められ, 軸椎, 第3頸椎間の癒合は114例中12例 (10.5%) であった。また, 骨の変形は後頭骨以外に, 頭頂間骨, 側頭骨, 環椎, 軸椎にも及んでいた。第7頸椎と第1胸椎間の癒合形成が89例中46例 (51.7%) と高率に見られた。しかし, この部位の癒合は, 軸椎, 第3頸椎間の癒合形成とは異なった原因により生じていることが考えられた。これらの奇形は遺伝性疾患と考えられることから, 選抜交配を行っていくことによりWeiser-Maples系モルモットは大孔付近の異常の研究に有用な実験動物となることが期待される。
  • 石川 明, 蛭薙 観順, 織田 銑一, 並河 鷹夫, 富田 武
    1992 年 41 巻 2 号 p. 203-214
    発行日: 1992/04/01
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    バングラデシュを起源とするスンクス (Suncus murinus) BAN系統の5世代目において, 縮毛を呈するミュータントが発見された。交配実験の結果, このミュータント形質は, 常染色体性単一の劣性遺伝子kc (kinky coat) によって支配されていることが明らかにされた。沖縄県多良間島由来のTr系統において, 常染色体性単一の劣性遺伝子ch (curly hair) によって支配されている巻毛ミュータントが報告されている。対立性の検定を行ったところ, kech遺伝子は異なった遺伝子座にあることが判明した。kc/keホモ型個体はほぼ正常な生存・繁殖能力を有していたので, この遺伝子は有用な遺伝標識になるものと考えられた。外観上, ホモ型個体は触毛および尾毛の顕著な縮れと体毛のわずかな縮れによって特徴づけられた。体毛の長さと幅にはホモ型と正常個体間で有意な差異はみられなかった。体毛を光学顕微鏡下で観察すると, ウェーブまたは髄質構造の異常を伴う膨らみが観察された。また, 触毛, 体毛および尾毛を走査型電子顕微鏡下で観察すると, これら3種の毛には, 裂溝, ねじれ, 窪みなどの変形がみられた。これらの変形が, 外観および光学顕微鏡下で観察された3種の毛の縮れまたはウェーブを引き起こしているものと考えられた。
  • ヘーゲル ハラルド
    1992 年 41 巻 2 号 p. 215-220
    発行日: 1992/04/01
    公開日: 2010/12/09
    ジャーナル フリー
    Him: OF1マウス非近交系の核コロニーにおける蛋白質多型を調べたところ, この系で53座のうち8座が可変性であることが示された。これら8座 (Idh-1, Mup-1, Pgm-1, Ldr-1, Gpi-1s, Hbb, Mod-1, Ce-2) の対立遺伝子頻度は調査の対象となった世代間で変化していた。これらの座についてのヘテロ接合体マウスの平均比率は世代を経ると共に低下した。これは遺伝的浮動が種畜で起こったことを示唆していた。繁殖記録を調べた結果, この遺伝的浮動が恐らくは頻回な職員の交代と動物専門技師の訓練が不十分だったことによる交配の誤りに起因するものであることが示された。マウスの交配は所定の計画通りに行われず, 近縁個体間での交配と, 交配に用いる同腹仔数の減少が生じた。ホモ接合体の増加は繁殖のパラメータにはほとんど影響を与えず, 交配と第一仔および第二仔の間の間隔が有意に増加した。
  • 大和田 一雄
    1992 年 41 巻 2 号 p. 221-224
    発行日: 1992/04/01
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    直接法により, 30頭のゴールデンハムスターの体表面積を測定し, その値を基に2つの計算式における恒数 (K値) を求めると共にその有効性について検討した。Dubois and Duboisの式における恒数は5.31, Meeh-Rubnerの式では11.89であった。これらの値は動物の体重や性別に関係なく一定の値を示した。求めた恒数の有効性を確認するために, 別の20頭の動物について実測値と計算値との比較を行ったところ, 両者に有意な差は認められなかった。従って, 今回求めたそれぞれの恒数は, 実際に体表面積を計算する場合に使用可能であることが確認された。
  • 堀切 和哉, 中島 裕夫, 松浦 哲朗, 奈良間 功, 藤本 安彦, 尾崎 幸洋
    1992 年 41 巻 2 号 p. 225-230
    発行日: 1992/04/01
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    白内障誘発に伴う水晶体内の蛋白質および水の変化を定量的に評価するために亜セレン酸塩投与による白内障ラットを作製し, ラマン分光法を用いて水晶体内の水およびSH残基の相対含量と, 芳香族アミノ酸残基の微環境の変化を定量的に測定した。正常例では, 生後3~8週の間で加齢に伴って水およびSH残基の相対含量が減少した。一方, 白内障例の水晶体では, 正常例と比較して水の相対含量の増加, SH残基の相対含量の一層の減少およびチロシン残基の微環境変化がみられた。
  • 庄司 陽子, 伊藤 豊志雄, 鍵山 直子
    1992 年 41 巻 2 号 p. 231-234
    発行日: 1992/04/01
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    CARバチルスがMEM培地に牛胎仔血清とハムスター気管の培養上清をそれぞれ10%と20%添加した人工培地で増殖することを明らかにした。菌数は培養8日後に接種時の30倍になった。さらに, 本培地で5から6代継代したCARバチルスのマウスに対する病原性も確認された。
  • 立花 資和, 筏井 洋, ガティカ エルザ, 今道 友則
    1992 年 41 巻 2 号 p. 235-237
    発行日: 1992/04/01
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    ラットの精巣上体をpolyacrylamide gel電気泳動を用いて分析した結果, esteraseの新たな多型が近交系ラットの系統間で発見された。この多型は調査した全ての系統に, 速いバンド (A) または遅いバンド (B) のいずれかとして認められ, その系統間分布は他のesterase isozymeの表現型の系統間分布と異なっていた。遺伝解析の結果, この多型は共優性の遺伝子 (Es-19aEs-19b) に支配されていることが明らかとなった。リンケージテストを行った結果, Es-19は第I連鎖群, 第II連鎖群, 第IV連鎖群, 第V連鎖群, 第VI連鎖群および第XIII連鎖群に属さないことが示唆された。
  • 安田 彰典, 久保田 久代, 木内 吉寛, 三枝 順三
    1992 年 41 巻 2 号 p. 239-242
    発行日: 1992/04/01
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    加齢WHT/Htマウスの胸腺内には多数のプラズマ細胞とB細胞が存在した。プラズマ細胞のほとんどはIgGを産生して主に皮質に存在し, 髄質には瀘胞様構造の形成も認めた。したがって, WHT/Htマウスは胸腺内でのリソパ球の分化を研究するうえで非常に興味深い系統であると考えられる。
  • 鳥居 隆三, 和 秀雄
    1992 年 41 巻 2 号 p. 243-246
    発行日: 1992/04/01
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    非交尾期の夏季に無月経と無排卵を示すメスニホンザルの11頭を用いて, PMSG-hCGによる誘起排卵を行い, 9頭で腹腔鏡により排卵を確認した。これらの個体にペニス法で得たオス精液を経膣法によって, 子宮頸管内に6頭, 子宮腔内に3頭注入を行った。その結果, 子宮腔内に注入できた3頭の中の1頭で排卵後19日目に, 超音波診断装置によって妊娠の成立を示すGestational Sacを確認し得た。しかしその後は妊娠を維持することは出来なかった。
  • ウォング P. T. H., テオ W. L.
    1992 年 41 巻 2 号 p. 247-249
    発行日: 1992/04/01
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    ジメチルスルポキシド (DMSO) 中に溶解したオキサゼパムを単回投与 (60mg/kg) されたSwiss albinoマウスの20%が7日以内に死亡した。Swiss albino系統由来のジアゼパム感受性マウスでも同様の高い死亡率 (37%) が認められた。これに対し, DMSOまたはジアゼパム (35mg/kg) を投与されたSwiss albinoマウスの死亡率はゼロだった。ジアゼパムの投与量が60mg/kgになっても死亡率は10%にすぎなかった。同様の処理を行ったBALB/cマウスの死亡率が7%にすぎなかったことから, Swiss albinoマウスでオキサゼパムによる死亡率が高いのは系統差によるものと思われた。この結果はDMSOは注射によるオキサゼパムの投与に便利な唯一の賦形剤であることから汎用されているが, 動物の不必要な損失を避けるためには実験に際して適切な系統を選ぶ必要があることを示唆している。
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