ファルマシア
Online ISSN : 2189-7026
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52 巻 , 3 号
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目次
  • 52 巻 (2016) 3 号 p. 198-199
    公開日: 2016/03/01
    ジャーナル フリー
    特集にあたって:時代の流れは,アカデミアでの研究成果が少しでも早く実用に供することを求めるようになってきた.その橋渡しツールとしての「特許」の正しい活用が重要性を帯びてきている.しかし,残念ながら現在アカデミアにおいては,その重要性が表面的・総論的には認知されていても,具体的かつ深い部分では必ずしも理解されていない.特許に対する「産学共通認識の形成とその深化」をなすことが,アカデミアで得られた大切な発見・素材を「医療福祉」に有効に役立てるための鍵となる.本特集号では,「特許」への理解を深め,それを軸に,その国際展開からベンチャーキャピタルに至るまでの,今日的な「アカデミア研究成果の出口戦略」を考える.
    表紙の説明:この特集号(52巻3号)は,アカデミア研究成果を,特許・導出へと導く道案内となることを目的としている.さらにそこには,製品化の高速道路の入口も待っている.本表紙では特集号の内容に関して,全体的な流れとその相互関連性を示すとともに,各コラムの執筆者名とその開始頁を表示した.
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オピニオン
  • 山中 伸弥
    52 巻 (2016) 3 号 p. 197
    公開日: 2016/03/01
    ジャーナル フリー
    iPS細胞は樹立当初から幅広い医療分野への貢献が期待され,臨床応用に向けた技術開発も加速度的に発展してきた.2014年には理化学研究所の高橋政代博士らにより,加齢黄斑変性を対象として,世界初のヒトiPS細胞を用いた臨床研究が開始され,他の疾患に対してもiPS細胞を使った治療がヒトで実施される日も視野に入りつつある.iPS細胞は,再生医療で注目を集めている一方で,創薬にも応用が可能である.iPS細胞を使って薬が開発されても,おそらく使用する方はiPS細胞が使われたことに気付かず目立たないが,私自身は,実はこちらの方が重要な使い方になると期待している.
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Editor's Eye
セミナー
  • 山本 貴史
    52 巻 (2016) 3 号 p. 205-209
    公開日: 2016/03/01
    ジャーナル フリー
    国立大学が法人化されて11年が経過した.近年の科学技術政策では,度々基礎研究の重点化に加え,イノベーションの実現が大きなテーマとして取り上げられる.では,イノベーションとは何か? イノベーションの定義には,シュンペーターの創造的破壊,技術革新,経済協力開発機構(Organisation for Economic Co-operation and Development:OECD)による定義など様々な見解があるが,マサチューセッツ工科大学のWilliam Aulet教授は,シンプルに

    イノベーション=インベンション(発明)ではなく,
    イノベーション=インベンション×コマーシャライゼーション

    であると定義しており,つまりイノベーションは「価値」であると言及している.このように考えると,とてもシンプルである.つまり,イノベーション立国を実現するには,質の高いインベンション(発明)を数多く生み出し,これを事業化できる環境を整備すれば良いということである.
    我が国における産学連携活動は,1998年の技術移転機関(Technology Licensing Organization:TLO)法案,2003年知財本部整備事業,2004年の国立大学法人化と様々な施策が講じられ活発化しつつあるが,今回は,発明が生まれて事業化されるまでの一連の流れを示し,我が国がイノベーション立国になるために求められる様々な施策について言及したい.
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セミナー
話題
最前線
話題
  • 木村 紘子
    52 巻 (2016) 3 号 p. 224-228
    公開日: 2016/03/01
    ジャーナル フリー
    創薬領域においては,オープンイノベーションの動きが活発化しており,特に大学に対しては基礎研究のみならず,ヒト臨床試験まで到達した有望な創薬シーズを生み出す役割が期待されるようになった.この流れの中で,スタンフォード大学では,研究者自らがトランスレーショナルリサーチを推進するためのトレーニングプログラム「SPARK」が開発された.本稿では,SPARKプログラムの概要,その国際的な展開状況,および東京大学における取組について一部紹介する.
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最前線
話題
  • 大杉 義征
    52 巻 (2016) 3 号 p. 234-236
    公開日: 2016/03/01
    ジャーナル フリー
    トシリズマブ(商品名:アクテムラ)は,ヒト化抗ヒトIL-6受容体抗体である.日本発抗体医薬第一号,そして世界初のIL-6阻害剤として開発され,世界100か国以上で関節リウマチの治療に用いられている.本稿では,トシリズマブ成功のポイントは何か,大学のシーズであるIL-6をどのようにして新薬創出につなげたのか,などについて解説する.30年も前に始まった昔話になるが,過去の一事例として読んで頂き,読者,特に若手諸氏の勇気づけになればこのうえない喜びである.
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話題
話題
話題
  • 長谷川 宏之
    52 巻 (2016) 3 号 p. 243-245
    公開日: 2016/03/01
    ジャーナル フリー
    バイオベンチャーの盛り上がりムードは2004年頃にピークを迎えたが、バイオベンチャーは2005年頃からの株式市場での上場バイオベンチャーに対する評価見直し,ライブドア事件に端を発した新興株式市場への不信感による株価下落および世界金融危機により厳しい時代を経験した.その後,2012年の山中伸弥博士によるノーベル賞受賞,アベノミクスによるライフサイエンス分野に対する各種施策等から,最近はその盛り上がりを戻しつつある.薬学・製薬企業出身のベンチャーキャピタリストが、大学発バイオベンチャーに対する投資検討する上でどのような観点でその技術・事業を見ているのかを紹介した.
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家庭薬物語
薬学を糧に輝く!薬学出身者の仕事
くすりの博物館をゆく
トピックス
  • 兵頭 功
    52 巻 (2016) 3 号 p. 252
    公開日: 2016/03/01
    ジャーナル フリー
    酵素は,特定の分子をポケット内に取り込み,非共有結合を巧妙に駆使することで複数考えられる高エネルギー遷移状態の1つを選択的に安定化する.その結果,フラスコ内では実現し難いような分子変換を非常に高い精度で達成している.超分子カプセルは酵素類似の疎水性反応場を提供し,その特徴を利用した選択性および特異性の高い触媒反応の開発が活発に行われている.今回Raymondらは,超分子カプセル1を用いたaza-Prins環化反応において,イミニウムイオン中間体の熱力学的に不安定な遷移状態をカプセル内で安定化し,バルク溶液中の反応では得られない生成物を選択的に得ることに成功したので,以下に紹介する.
    なお、本稿は下記の文献に基づいて、その研究成果を紹介するものである。
    1) Christianson D. W., Chem. Rev., 106, 3412-3442 (2006).
    2) Avram L. et al., Chem. Commun., 47, 5368-5375 (2011).
    3) Kaphan D. M. et al., J. Am. Chem. Soc., 137, 9202-9205 (2015).
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  • 垰田 善之
    52 巻 (2016) 3 号 p. 253
    公開日: 2016/03/01
    ジャーナル フリー
    フルオロキノロン(FQ)は抗菌スペクトルが広く,比較的副作用が少ない薬剤である.しかし,その使用頻度や期間の拡大により耐性菌の出現が増加してきた.例えば,大半のバンコマイシン耐性腸球菌(VRE)とメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)は,FQに対しても耐性を示すことが知られている.今回,天然物であるデオキシニボマイシン(DNM)とその誘導体がこれらの多剤耐性菌に対して興味深い抗菌活性を示すことが報告されたので,本稿にて紹介する.
    なお、本稿は下記の文献に基づいて、その研究成果を紹介するものである。
    1) Parkinson E. I. et al., Nat. Commun., online, 2015, doi : 10.1038/ncomms7947.
    2) Hiramatsu K. et al., Int. J. Antimicrob. Agents, 39, 478-485 (2012).
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  • 横山 諒
    52 巻 (2016) 3 号 p. 254
    公開日: 2016/03/01
    ジャーナル フリー
    植物は,薬など我々人間にとって有用な化合物を提供してくれる.しかし,本来,植物は生育上何らかの利点があるため,その生合成経路を積極的に進化させ多様な化合物を生み出してきた.植物がいかにして二次代謝産物生合成経路を多様化させてきたかを知る1例として,トマトのアシル化糖類に関する研究を紹介したい.
    なお、本稿は下記の文献に基づいて、その研究成果を紹介するものである。
    1) Schilmiller A. L. et al., Plant Cell, 27, 1002-1017 (2015).
    2) Schilmiller A. et al., Plant J., 62, 391-403 (2010).
    3) Weinhold A., Baldwin I. T., Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A., 108, 7855-7859 (2011).
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  • 田母神 淳
    52 巻 (2016) 3 号 p. 255
    公開日: 2016/03/01
    ジャーナル フリー
    癌に対して様々な治療法が確立された現代においても, 病巣から癌細胞を完全に取り除き, 転移による再発を防ぐことは困難であるといわれている.癌の転移・再発のメカニズムとして現在有力とされているのは, 腫瘍細胞中に一部存在する自己複製能, 多分化能をもつ癌幹細胞(Cancer stem cells:CSCs)が起点となって癌細胞の増殖が進行するという考え方(癌幹細胞仮説)である.この仮説が提唱されて以降, CSCsを標的とした治療法の研究が進められてきた.しかしながら, 腫瘍細胞中に存在するCSCsの割合は非常に少なく, 単離するのが難しいため, 治療薬のスクリーニングは技術面・コスト面からも困難を伴う.その一方で, 薬に対する反応性は個々の患者ごとに異なるため, 効果的な治療薬と投与量の組み合わせを見つけるためには, 網羅的に調査を行い, 統計学的にデータを蓄積していく必要がある.
    本稿では, こうした問題を克服し, 個々の癌患者に対応した薬物スクリーニング・ライブラリを構築するための試みとして, Carstensらにより新たに開発された薬剤溶出性マイクロアレイについて紹介する. 
    なお、本稿は下記の文献に基づいて、その研究成果を紹介するものである。
    1) Reya T. et al., Nature, 414, 105-111 (2001).
    2) Carstens M. R. et al., Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A., 112, 8732-8737 (2015).
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  • 渡辺 政志
    52 巻 (2016) 3 号 p. 256
    公開日: 2016/03/01
    ジャーナル フリー
    慢性感染症やがんにおいてT細胞受容体を介する抗原特異的シグナルの持続および共刺激・共抑制シグナル(CD28やPD-1などT細胞受容体以外のアクセサリー分子からの刺激または抑制シグナル)のアンバランスは,T細胞疲弊と呼ばれるT細胞の機能不全状態を引き起こす.近年,新しい抗がん療法として,がん微小環境において誘導されるT細胞疲弊の阻害を標的とした免疫チェックポイント阻害療法が大きな注目を集めている.同様の観点から感染症や自己免疫疾患に対してもT細胞疲弊が治療標的と成り得るか興味深い点であろう.実際にT細胞疲弊は,ウイルス感染の持続を招き感染症の予後不良に関連することが知られている.一方,T細胞疲弊が自己免疫疾患の予後に影響するかに関する知見は乏しい.本稿では,T細胞疲弊が自己免疫疾患および炎症性疾患の予後と関連することを示したMcKinneyらの報告を紹介する.
    なお、本稿は下記の文献に基づいて、その研究成果を紹介するものである。
    1) Wherry E. J., Kurachi M. J., Nat. Rev. Immunol., 15, 486-499 (2015).
    2) Sharma P., Allison J. P., Science, 348, 56-61 (2015).
    3) McKinney E. F. et al., Nature, 523, 612-616 (2015).
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  • 長野 雄介
    52 巻 (2016) 3 号 p. 257
    公開日: 2016/03/01
    ジャーナル フリー
    痛みは侵害刺激の局在と強度の認知に関わる感覚的側面と,不安・恐怖・嫌悪などの不快情動生起に関わる情動的側面を有している.特に,痛みが長時間持続する慢性疼痛下においては,痛みによって引き起こされる不快情動は患者のQOLを著しく低下させるのみならず,精神疾患や情動障害の引き金と成り得るため,痛みの感覚的側面と情動的側面の両方を考慮した疼痛治療が重要である.しかしながら,痛みの感覚的側面と情動的側面の調節を決定する神経回路に関して,いまだに不明な点が多く残されており,引き続き精力的な研究が求められている.本稿では,Leeらによって報告された,痛みの慢性化における皮質線条体系の役割について紹介する.
    なお、本稿は下記の文献に基づいて、その研究成果を紹介するものである。
    1) Lee M. et al., J. Neurosci., 35, 5247-5259 (2015).
    2) Apkarian A. V. et al., Eur. J. Pain, 9, 463-484 (2005).
    3) Navratilova E., Porreca F., Nat. Neurosci., 17, 1304-1312 (2014).
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  • 服部 友紀子
    52 巻 (2016) 3 号 p. 258
    公開日: 2016/03/01
    ジャーナル フリー
    エリスロポエチンは,エリスロポエチン感受性を有する後期赤芽球系前駆細胞に作用し赤血球産生を促進する.しかし,溶血や敗血症,遺伝的骨髄不全疾患などの貧血患者においてはこの応答性が十分でなく,エリスロポエチン治療に抵抗性を示す.したがって,このような貧血の治療には,同じく赤血球産生増加作用を有するグルココルチコイドが用いられる.しかし,グルココルチコイドは骨粗しょう症,肥満,高血圧,糖尿病といった様々な副作用を誘発することから,患者の生活の質を高められるよりよい治療法の確立は早急な課題である.本稿では,核内受容体であるペルオキシソーム増殖活性化受容体α(peroxisome proliferator-activated receptor α:PPARα)の活性化がグルココルチコイド依存的な赤血球産生を促進することを見いだし,エリスロポエチン抵抗性貧血に対する新たな治療法となる可能性を示したLeeらの報告について紹介する.
    なお、本稿は下記の文献に基づいて、その研究成果を紹介するものである。
    1) Wessely O. et al., EMBO. J., 16, 267-280 (1997).
    2) Lee H. Y. et al., Nature, 522, 474-477 (2015).
    3) Flygare J. et al., Blood, 117, 3435-3444 (2011).
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  • 座間味 義人
    52 巻 (2016) 3 号 p. 259
    公開日: 2016/03/01
    ジャーナル フリー
    日本における心肺停止患者数は,年間約10万人で,高齢化に伴って更に増加していくと予想されている.全世界では毎年約1億人の心肺停止患者が発生しており,国際的な課題となっている.心肺蘇生法の進歩により,救命率が向上しているものの,心拍再開後に高頻度で蘇生後脳症を合併するため,社会復帰率は非常に低い.蘇生後脳症に対する治療は長期にわたり,後遺症が残ると介護が必要になるために,医療費増大による経済的損失は計り知れない.現時点で心肺停止に合併する蘇生後脳症を改善する薬剤は存在しないため,新規治療薬の開発が望まれている.そこで,本稿では血糖降下薬であるグリベンクラミドが,心肺停止に合併する蘇生後脳症を改善することを見いだした基礎研究の論文を紹介する.
    なお、本稿は下記の文献に基づいて、その研究成果を紹介するものである。
    1) Huang K. et al., Crit. Care Med., 43, e341-349 (2015).
    2) Mizushima T., J. Biochem., 149, 499-505 (2011).
    3) Weigl M. et al., Resuscitation, 65, 21-39 (2005).
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追悼
  • 赤池 昭紀
    52 巻 (2016) 3 号 p. 261
    公開日: 2016/03/01
    ジャーナル フリー
    高木博司先生が,平成27年11月17日にご逝去されました.享年91歳でした.9月にご自宅にお尋ねした時には,お元気なお姿を拝見していましたので,突然の訃報に深い悲しみに包まれています.
    高木先生は,京都大学医学部にて薬理学の教育,研究に携われ,38歳の若さで京都大学薬学部に新設された薬品作用学講座(後に薬理学講座)の教授に就任されました.神経薬理学および神経科学に関わる研究を推進され,薬学における薬理学領域の礎を築かれました.特に麻薬性鎮痛薬の研究領域でたえず世界をリードされ,日本の薬理学の国際的な発展のためにご尽力されました.
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薬学と50年
談話室
  • 奥住 竜哉
    52 巻 (2016) 3 号 p. 204
    公開日: 2016/03/01
    ジャーナル フリー
    最近,“バランス感覚”について考えることが多くなった.「あの人はバランス感覚いいよね」「あの人はバランス感覚に欠けるよね」など,日常会話でしばしば使う言葉である.感覚的に理解しているつもりになっているが,解釈は意外と難しい.“バランス感覚”とはどんな意味だろうか? 改めて考えてみると,「相反する2つの指標の間で,状況に応じて適切なポジションを取る力」のように思う.仕事をする中で,正反対のことがいずれも大事であるということは往々にしてある.例えば,大胆さと慎重さ,攻めと守り,安定と変化など挙げればきりがない.これら2つの正反対の指標の間で,置かれた状況を踏まえて適切なポジションをとって物事を進めていける力,が“バランス感覚”なのではないだろうか.「慎重かつ大胆に進めてくれ」と言われたら普通の人は面食らうだろうが,そこで落ち着いて状況を分析して適切な行動を起こせる人は,バランス感覚に優れた人と言える.考えてみれば仕事とは矛盾の塊である.企業の例で言えば,端的なのが「利益を上げる」という言葉だ.利益を上げるためには,売上を増やしてコストを減らすことが必要であるが,一般に売上を増やすにはコストがかかるからである.したがって,利益を最大化しようとすると「売上とコスト」という2つの相反する指標の間で適切なポジショニングを取る必要があるわけである.仕事の本質とは,このような矛盾する2つの指標の間で適切なポジションを取り,課題を解決することだと考えれば,バランス感覚という能力は仕事をする上で必要不可欠な能力と言える.
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