全身麻酔に必要な筋弛緩薬は効果時間の調整や残留性の問題から,一般的に筋弛緩回復薬と合わせて利用される.最も汎用的な筋弛緩薬と回復薬の組み合わせはロクロニウム(1)とシクロデキストリン類のスガマデクスであり,スガマデクスが迅速に1を内包してホスト-ゲスト複合体を形成することで回復作用を示す.しかし,スガマデクスは対応可能な筋弛緩薬が限定的であるため,より広域な筋弛緩薬を迅速に捕捉可能な回復薬の開発が求められている.これまでにMaらは,非環式のククルビット[n]ウリル(acyclic cucurbit[n]urils: acCBs)2の高水溶性と生体適合性,および3の高い筋弛緩回復活性を報告したものの,これらの性質を併せ持つ分子を見いだしていなかった.本稿ではFengとMaらによる,上記3つの性質を持つacCBの開発研究を紹介する.
なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
1) Ma D. et al., Angew. Chem., Int. Ed., 51, 11358-11362(2012).
2) Hoffmann U. et al., Anesthesiology, 119, 317-325(2013).
3) Feng K. et al., J. Med. Chem., 67, 17905-17918 (2024).
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