ファルマシア
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62 巻, 7 号
選択された号の論文の43件中1~43を表示しています
目次
  • 2026 年62 巻7 号 p. 614-615
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/07/01
    ジャーナル フリー

    特集:ロボティクスおよびオートメーションの最前線

    特集にあたって:人手不足が深刻化する昨今,ロボティクスおよびオートメーションへの注目がかつてなく高まっている.創薬から医薬品製造・調剤にいたるまで,その活用範囲は幅広く,業務効率化や品質向上,さらにはヒューマンエラーの低減への貢献が大いに期待される.一方で,複雑な工程のどこを自動化すべきか,導入時のハードルをどう乗り越えるか,ランニングコストをいかに抑えるかなど,解決すべき課題も少なくない.本特集では,各分野で先駆的に取り組む専門家の方々に,導入までの道筋と最新の活用事例を解説していただいた.

    表紙の説明:ラボオートメーションとロボティクスは,創薬から調剤まで幅広い分野における新たな革新の核である.精密なロボットアームや自動化システムが研究者・薬剤師と有機的に連携し,実験や作業の高速化・高精度化を実現する.人とテクノロジーが融合することで,薬学現場の未来が拓かれていく.

オピニオン
Editor's Eye
セミナー
最前線
  • 山田 亜由美, 小島 ゆか
    2026 年62 巻7 号 p. 625-630
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/07/01
    ジャーナル 認証あり
    電子付録

    バイオ医薬品の品質管理試験の1つである生物学的活性試験(バイオアッセイ)の自動化は、単なる省人化ではなく、操作差・時間差の低減、および試験の成立性と説明性を高める品質施策である。本稿では、製薬企業のGMP環境において、ベックマン・コールター社のBiomek FXp/iシリーズを用いて進めたバイオアッセイ自動化の考え方を概説し、(1)酵素活性を定量するバイオアッセイの自動化、(2)細胞添加の自動化、という2つの事例を通じて、GMP環境におけるバイオアッセイの自動化の“最前線”としての実装ポイントを紹介する。

最前線
最前線
最前線
最前線
  • 道田 誠
    2026 年62 巻7 号 p. 646-651
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/07/01
    ジャーナル 認証あり
    電子付録

    医薬品プロセス開発における中量合成実験の自動化システムを開発した。社内調査に基づき、①液体添加、②試薬滴下、③サンプリング-HPLC分析、④分液、⑤減圧濃縮の5操作を開発スコープとして選定した。シングルポンプ式液体添加システム、協調ロボットアームを用いた試薬滴下機構、Easy SamplerTMとHPLCの自動連携、画像AIを応用した界面・液面検知システム、および自動真空度調整機能を組み合わせた減圧濃縮機構をそれぞれ開発した。さらに、プログラミング知識不要なドラッグ&ドロップ式UIと実験データの自動記録機能を実装し、データインテグリティの確保と研究者の業務効率化を両立した。

最前線
最前線
承認薬の一覧
  • 新薬紹介委員会
    2026 年62 巻7 号 p. 663
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/07/01
    ジャーナル 認証あり

    本稿では厚生労働省が新たに承認した新有効成分含有医薬品など新規性の高い医薬品について,資料として掲載します.表1は,当該医薬品について販売名,申請会社名,薬効分類を一覧としました.

    本稿は,厚生労働省医薬局医薬品審査管理課より各都道府県薬務主管課あてに通知される“新医薬品として承認された医薬品について”等を基に作成しています.今回は,令和8年3月6,23日付分の情報より引用掲載しています.また,次号以降の「承認薬インフォメーション」欄で一般名,有効成分または本質および化学構造,効能・効果などを表示しますので,そちらも併せて参照して下さい.

    なお,当該医薬品に関する詳細な情報は,医薬品医療機器総合機構のホームページ→「医療用医薬品」→「医療用医薬品 情報検索」(https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuSearch/)より検索できます.

承認薬インフォメーション
  • 新薬紹介委員会
    2026 年62 巻7 号 p. 664-665
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/07/01
    ジャーナル 認証あり

    本稿では既に「承認薬の一覧」に掲載された新有効成分含有医薬品など新規性の高い医薬品について,各販売会社から提供していただいた情報を一般名,市販製剤名,販売会社名,有効成分または本質および化学構造,効能・効果を一覧として掲載しています.

    今回は,62巻4号「承認薬の一覧」に掲載した当該医薬品について,表解しています.

    なお,「新薬のプロフィル」欄においても詳解しますので,そちらも併せてご参照下さい.

新薬のプロフィル
  • 長谷 川輝
    2026 年62 巻7 号 p. 666-667
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/07/01
    ジャーナル 認証あり

    遺伝性血管性浮腫(HAE)は、皮膚・粘膜、消化管、気道などに予測不能で反復性の血管性浮腫発作をきたす希少な常染色体顕性遺伝性疾患であり、HAE診療ガイドラインではすべての発作に対して可能な限り早期治療することが推奨されている。1)

    国際共同第Ⅲ相検証試験(KONFIDENT試験)および国際共同第Ⅲ相継続投与試験(KONFIDENT-S試験)において、成人および12歳以上の小児HAE患者に対するセベトラルスタット(以下、本剤)の有効性および安全性が検討された。これらの結果に基づき、本剤の製造販売承認申請を行い、2025年12月に「遺伝性血管性浮腫の急性発作」を効能または効果として承認された。

新薬のプロフィル
日本ベンチャーの底力 その技術と発想力
薬用植物園の花ごよみ
期待の若手
期待の若手
トピックス
  • 大野 祥平
    2026 年62 巻7 号 p. 678
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/07/01
    ジャーナル 認証あり

    ポリケチドは生物活性天然物に広く見られる重要な化合物群であり,高度に官能基化された炭素骨格と連続した不斉中心を有するという構造的特徴がある.しかしながら,ポリケチド骨格の合成には,不斉アルドール反応やアリル化反応などを起点に多工程を要することが多く,合成効率の低さが課題となっていた.近年では,遷移金属触媒を用いたオレフィンとカルボニル化合物の不斉カップリング反応などが発展してきたものの,そのほとんどは2成分反応であり,複雑なポリケチド骨格を一挙に構築することは依然として困難であった.

    なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.

    1) Holmes H. et al., Chem. Rev., 118, 6026-6052(2018). 2) Ma J.‐T. et al., J. Am. Chem. Soc., 147, 45648-45659(2025). 3) Tahiri N. et al., Angew. Chem. Int. Ed., 59, 7555-7560(2020).

  • 若木 貴行
    2026 年62 巻7 号 p. 679
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/07/01
    ジャーナル 認証あり

    抗体薬物複合体(ADC)は,抗体の標的選択性と高活性ペイロードを組み合わせた創薬モダリティとして発展しており,トポイソメラーゼI(Topo I)阻害剤を用いたADCは近年大きな臨床的成功を収めている.一方で,実用化されているTopo Iペイロードの種類は限られており,新規scaffoldの探索や薬剤耐性への対応は依然として重要な課題である.さらに,がん細胞内で遊離したペイロードが細胞膜を透過し周囲の腫瘍細胞にも作用するbystander効果は,Topo I系ADCの薬効発現における重要な要素であり,新規ペイロードでもこの特性を維持できるかが鍵となる.本論文は,ADC用ペイロードとして新規に設計されたメチレンジオキシカンプトテシン誘導体PBX‐7016の創製と前臨床評価を報告したものである.

    なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.

    1) Chun Y. et al., J. Med. Chem., 69, 413-438(2026). 2) Mathi G. R. et al., Bioorg. Med. Chem. Lett, 118, 130085(2025).

  • 古山 祐貴
    2026 年62 巻7 号 p. 680
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/07/01
    ジャーナル 認証あり

    黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)は健康なヒトの皮膚からも検出される常在細菌であるが,皮膚・軟部組織感染症や敗血症などを引き起こす主要病原菌でもあり,methicillin耐性株(methicillin‐resistant S. aureus: MRSA)に代表される薬剤耐性株による院内感染が深刻な問題となっている.さらに,本菌はバイオフィルム形成能が高いことが知られている.バイオフィルムは,固体表面に付着・凝集した微生物群集が細胞外多糖やペプチド等を産生することで形成される.バイオフィルムが形成されると物理的障壁として機能し,抗菌薬の作用が低減され除去が困難になるとともに,薬剤耐性菌出現の一因にもなる.そのため,バイオフィルム形成阻害剤の開発は,これら薬剤耐性菌に対する非常に重要なアプローチとなる.本稿では,S. aureusに対するバイオフィルム形成阻害剤の探索源として皮膚常在細菌叢が有望であることを示したLeらの研究を紹介する.

    なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.

    1) Le V. H. et al., Microbiol. Spectr., 13, e0130625(2025). 2) Glatthardt T. et al., Appl. Environ. Microbiol., 86, e02539-19(2020). 3) Zipperer A. et al., Nature, 535, 511-516(2016).

  • 真川 明将
    2026 年62 巻7 号 p. 681
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/07/01
    ジャーナル 認証あり

    前立腺特異的膜抗原(prostate‐specific membrane antigen: PSMA)を標的としたPET/CTは,特に転移を伴う去勢抵抗性前立腺がん(metastatic castration‐resistant prostate cancer: mCRPC)において,診断から治療までを一体的に支える技術として急速に普及している.また,病変検出にとどまらず,定量的画像指標を用いた予後予測・治療効果予測という,新たな役割も担い始めている.

    本稿では,2025年報告の177Lu‐PSMA‐617(Lu‐PSMA)とエンザルタミド併用療法の有効性を検証したENZA‐p試験のサブスタディの内容を中心に,PSMA‐PET/CTから得られる画像バイオマーカーの臨床的意義について紹介する.

    なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.

    1) Emmett L. et al., Lancet Oncol., 26, 1168-1177(2025). 2) Buteau J. P. et al., Lancet Oncol., 23, 1389-1397(2022). 3) Jackson P. et al., J. Nucl. Med., 66, 1811-1817(2025).

  • 李 賢哲
    2026 年62 巻7 号 p. 682
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/07/01
    ジャーナル 認証あり

    プライム編集はCRISPR/Cas9システムを利用したゲノム編集技術の1つである.1)  どのような配列に対しても欠失・挿入・置換といったゲノム編集を施すことが可能であることから,理論上,疾患と関連するヒト遺伝子バリアントの約89%がプライム編集により治療可能であると提唱されている. 一方,プライム編集の際には標的部位に無視できない確率で塩基の欠失や挿入(indel)などのゲノムエラーが起こることが知られており,臨床応用上の障壁の1つとなっている.本稿では,ゲノムエラーを最小限に抑える改良プライムエディターについて報告したChauhanらの論文を紹介する.

    なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.

    1) Anzalone A. V. et al., Nature, 576, 149-157(2019). 2) Chauhan V. P. et al., Nature, 646, 1254-1260(2025).

  • 小林 正樹
    2026 年62 巻7 号 p. 683
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/07/01
    ジャーナル 認証あり

    細胞老化は,酸化ストレスやDNA損傷などの外的・内的要因により誘導される,不可逆的な細胞周期停止状態として定義される.老化が誘導された細胞(老化細胞)は,加齢に伴い様々な組織や臓器に蓄積し,炎症性サイトカインなどの生理活性物質を分泌する表現型(senescence‐associated secretory phenotype: SASP)を介して,加齢性疾患の原因となることが示唆されている.近年,老化細胞を標的とした加齢性疾患の治療戦略として,老化細胞を選択的に除去するセノリティック薬や,その有害な働きを抑制するセノモルフィック薬の開発が進められている.これらの開発手法の確立のためには,信頼性の高い細胞老化マーカーおよび評価系が必要である.老化関連βガラクトシダーゼ(SA‐β‐gal)活性は,代表的な細胞老化マーカーとして広く用いられている.SA‐β‐gal活性は,pH6.0の弱酸性条件下においてβ‐galの基質であるX‐Galの加水分解産物である青色の色素を明視野で検出することで評価されるが,これは主として定性的な手法であり,感度や定量性に課題がある.本稿では,より高感度な蛍光検出によるSA‐β‐gal活性測定法を用いた老化細胞抑制薬スクリーニング系に関する研究を紹介する.

    なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.

    1) Hu Y. et al., Commun. Biol., 8, 1316(2025). 2) Levitsky K. L. et al., Sci. Rep., 3, 2937(2013).

  • 鈴木 楓大
    2026 年62 巻7 号 p. 684
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/07/01
    ジャーナル 認証あり

    プラスチックは現代社会に不可欠な素材である一方,環境中での高い残留性から,その継続的摂取による健康影響が懸念されている.脳は血液脳関門(blood-brain barrier: BBB)によって厳密に保護されているが,ナノプラスチックはBBBタイトジャンクション構造を損傷し,過透過性を引き起こすことが報告されている.しかし,BBB障害を引き起こす細胞死メカニズムや詳細な分子機構については,未だ十分に解明されていない.本稿では,主要なプラスチックの一種であるポリスチレンのナノプラスチック(polystyrene nanoplastics: PSNP)がエンドリソソーム系の機能障害を引き起こし,それに続く非典型的細胞死methuosis がBBB障害に関与することを示したYinらの研究を紹介する.

    なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.

    1) Kim E. et al., Ecotoxicol. Environ. Saf., 289, 117471(2025). 2) Yin S. et al., Ecotoxicol. Environ. Saf., 303, 118800(2025). 3) Liang B. et al., Part. Fibre Toxicol., 18, 20(2021). 4) Lv J. et al., J. Hazard. Mater., 486, 137114(2025).

  • 三上 龍生
    2026 年62 巻7 号 p. 685
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/07/01
    ジャーナル 認証あり

    関節リウマチなどの炎症性リウマチ疾患患者が感染症に罹患した際,免疫調整薬(immunomodulatory agents: IA)を一時的に休薬することは,多くのガイドラインで推奨される一般的な対応である.その根拠はIAによる免疫抑制状態を一時的に解除することで感染症の重篤化を防ぐことにあるが,この慣行を支持する質の高いエビデンスは乏しい.特にIAの多くは半減期が長く,休薬の効果が得られるまでに時間がかかる.またIAの休薬は原疾患のフレア(増悪)を招き,結果的に感染症リスクを高める可能性がある.むしろ過剰な炎症反応に対するIAの抑制効果を考慮すると,継続する方が治療上有益である可能性もある.本稿では,この臨床的疑問に対し,感染症発症時のIAの休薬あるいは継続の効果をランダム化比較試験(RCT)によって検証したOpdamらの報告を紹介する.

    なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.

    1) Opdam M. A. A. et al., Clin. Infect. Dis., 82, 420-426(2026).

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