プラスチックは現代社会に不可欠な素材である一方,環境中での高い残留性から,その継続的摂取による健康影響が懸念されている.脳は血液脳関門(blood-brain barrier: BBB)によって厳密に保護されているが,ナノプラスチックはBBBタイトジャンクション構造を損傷し,過透過性を引き起こすことが報告されている.しかし,BBB障害を引き起こす細胞死メカニズムや詳細な分子機構については,未だ十分に解明されていない.本稿では,主要なプラスチックの一種であるポリスチレンのナノプラスチック(polystyrene nanoplastics: PSNP)がエンドリソソーム系の機能障害を引き起こし,それに続く非典型的細胞死methuosis がBBB障害に関与することを示したYinらの研究を紹介する.
なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
1) Kim E. et al., Ecotoxicol. Environ. Saf., 289, 117471(2025). 2) Yin S. et al., Ecotoxicol. Environ. Saf., 303, 118800(2025). 3) Liang B. et al., Part. Fibre Toxicol., 18, 20(2021). 4) Lv J. et al., J. Hazard. Mater., 486, 137114(2025).
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