無花粉スギ種子生産のための省力的な受粉技術を確立するため、花粉を懸濁した溶液を雌花に散布する溶液受粉について検討した。花粉の液体増量剤として、10% のショ糖を溶かした水溶液を用い、これに重量比で20 倍希釈になるように花粉懸濁液を調整した。この懸濁液を市販の噴霧器を用いて開花期の雌花に散布した結果、従来の花粉銃を用いた受粉方法(SMP 法)と同等の球果サイズ及び種子の発芽率が得られた。また、作業時間はSMP 法と比較して1/4 程度に短縮されることが明らかになった。これらのことから、本技術を用いることで、花粉の使用量や作業時間を軽減させることが可能になり、受粉作業の省力化に繋がると考えられた。
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