森林遺伝育種
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原著論文
  • 斎藤 真己
    原稿種別: 原著論文
    2025 年14 巻4 号 p. 111-117
    発行日: 2025/10/25
    公開日: 2025/11/06
    ジャーナル オープンアクセス

    無花粉スギさし木苗の増産体制を強化するため、休耕田を無花粉スギの採穂園に活用する管理技術の開発に取り組んだ。採穂木の植栽前に休耕田(試験地)の土壌診断を行った結果、地下水位50 cm以下、作土深20 cm程度で大きな問題は認められなかった。そのため、本試験地に491個体の採穂木を植栽した結果、生存率は98.8%と高かった。また、採穂木の育成中に年2回(春と秋)の施肥を行った結果、3成長期後には83.1%の個体が断幹の基準となる2.3m以上の樹高になった。このことから、休耕田の地下水位が50 cm以下、作土深20 cm程度で適度な施肥を実施することで、植栽から3年程度で休耕田に造成した採穂園から採穂可能になると考えられた。

  • 斎藤 真己
    原稿種別: 原著論文
    2025 年14 巻4 号 p. 118-124
    発行日: 2025/10/25
    公開日: 2025/11/06
    ジャーナル オープンアクセス

    無花粉スギさし木苗の増産体制を強化するため、休耕田をさし木コンテナ苗の水耕栽培に活用する省力的な苗木生産技術の開発に取り組んだ。農業用水をかけ流しにした休耕田に水深5 cm程度の育苗プールを造成した後、さし木コンテナ苗の水耕栽培を行った。寒冷紗をかけたトンネル内で水耕栽培を行った結果、苗木の生存率は90%以上と高かった。また、さし穂の長さを30 cmに調整し、元肥(ハイコントロール085)を10 g/Lの濃度で培土に混合して水耕栽培を行うことで、1成長期後の平均苗高37.3 ± 6.9 cm、得苗率が55.0%となり良好な生育を示した。これらのことから、本研究で行った栽培法は、育苗プールにさし穂を直挿ししたコンテナを浸けておくだけで簡便であり、ビニールハウスや自動散水装置も不要なため、省力的かつ低コストな育苗法であると考えられた。

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