森林遺伝育種
Online ISSN : 2187-350X
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2 巻, 3 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
原著論文
  • 渡部 公一
    原稿種別: 原著論文
    2013 年 2 巻 3 号 p. 83-88
    発行日: 2013/07/25
    公開日: 2020/07/13
    ジャーナル フリー

    多雪地帯の採種園において、外部花粉を抑えて園内交配を向上させる目的で、スギミニチュア採種園の受粉動態を5年間調査した。気象条件が合致すれば、園内のスギの開花が遅れることによって、園内交配チャンスが高まる可能性があることが分かった。外部花粉の混入を低く抑えられる条件は、(1)園内のスギの開花期が園外のスギの開花期とずれること、(2)園内の雄花と雌花の開花期のばらつきが少なく、短期間に開花終了すること、(3)園外のスギが短期に集中して開花することである。このための気象的な要因としては、積雪が多く、融雪から開花期にかけては暖かい天候が続くことが重要と考えられた。これらの条件と合致した2006年と2008年の開花期間中に飛散した外部空中花粉は、シーズン全体の外部花粉数の10%未満で、採種園への花粉混入は少ないと考えられた。しかし、条件と合わない年には何らかの人為的な対応が必要である。

  • 遠藤 良太, 小林 沙希
    原稿種別: 原著論文
    2013 年 2 巻 3 号 p. 89-99
    発行日: 2013/07/25
    公開日: 2020/07/13
    ジャーナル フリー

    千葉県で選抜した花粉の少ないヒノキなど6クローンをつぎ木後2〜3年間育成した幼齢木に着花結実促進処理を試みた。その結果、ジベレリンペースト1.5mgを幼齢木の幹へ包埋処理する方法が着花結実促進に効果があり、かつ葉枯れによる幼齢木の成長(葉量の増加)への影響もほとんどなかった。加えて、幼齢木にカメムシ防除対策としてネット袋掛けを行った種子の発芽率は20.69%となり、林木育種事業用に配布可能な発芽率を有することが明らかとなった。本試験から得られたデータを用いて、スギで実用化されているミニチュア採種園方式によって千葉県内の種子供給量を賄うために必要な採種園面積を試算したところ、造成を検討することが現実的な0.565haであった。

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