繭層セリシンをその溶解性により分別し,その劃分を夫々繭絲表面より順次にI, II及びIII層セリシンとした。次いで各層セリシンに就きその粘度的擧動を追究して次の結果を得た。
(1) 粘度と濃度との關係は, I層セリシンに於てはη
sp=
Ac, II及びIII層セリシンではη
sp/
c=
Ac+
Bc2+
Cc3で表はされた(
A, B, Cは何れも恆數)。
(2) かゝる結果より, I層セリシンはII及びIII層セリシンより軸比の小なる粒子形態を取り,これに對してII及びIII層セリシンに於ては相當大なる軸比の粒子よりなるものと推定した。
(3) 各層セリシンのゾル粘度の加熱による變化より, II及びIII層セリシンゾルの粘度の差異は加熱に併ふゾル粒子の崩壞によるものであり,粒子の大いさに於てその間に何等本質的の差異の無いものと推定した。
抄録全体を表示