日本建築仕上学会 大会学術講演会研究発表論文集
2013年大会学術講演会研究発表論文集
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2013年大会学術講演会研究発表論文集
  • 田村 雅紀, 小川 剛司
    p. 01-
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/01/24
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    本研究は、災害廃棄物の実態調査を踏まえた海洋生物殻材料の適用有効性の検討を行った後、材料としての蓄熱抑制効果が期待される本研究試料の高速道路SA/PAへの適用状況を色彩特性と熱的性能の評価と併せて実態調査し、最終的には当該材料の多層構成要素ごとの遮熱性、透水・蒸発に伴う潜熱による蓄熱抑制効果に関する実験的検証を行った。その結果、海洋生物殻を混和した多層構造型空隙コンクリート材料におけるその材料の物理化学特性に基づく構造特性と、蓄熱抑制特性を含む遮熱効果との関係が実験的に確認された。
  • その2 劣化挙動と表面塗布剤の保護効果
    吉田 俊介, 永井 香織, 松井 勇
    p. 02-
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/01/24
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    大谷石は近代建造物の内・外装材として多く用いられている。外装材として用いられる場合の劣化要因として、吸水膨張に伴う表面の変化、寒冷地における凍結融解作用などが挙げられている。本報では、大谷石の劣化挙動の把握及び各種表面塗布剤を大谷石に使用した場合の基本性能の把握を行った結果について述べる。
  • 今本 啓一, 清原 千鶴
    p. 03-
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/01/24
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    外壁にスクラッチタイルが使用された学習院大学南1号館および東大3号館を対象として躯体耐久性に及ぼすタイルの影響調査を行う機会を得た。本報はこれらの調査結果を報告するとともに,現在、一般に普及しているタイル、下地モルタルとの比較の下に,黎明期の仕上げ材料の躯体保護効果について述べる。
  • 水上 卓也, 小川 晴果, 三谷 一房, 片岡 弘安
    p. 04-
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/01/24
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    外装タイル接着剤張り工法は,タイルの剥離防止性能を有する工法として期待されているが,タイル下地となるコンクリートの表面処理が,接着耐久性能に及ぼす影響について不明な点も多い。本報では,タイル後張り工法で施工する事例の多いRC下地および穴あきPC板下地に対して同工法を採用する際に懸念される下地の表面処理が接着耐久性能に及ぼす影響を確認するため,熱冷繰返し抵抗性試験前後に引張接着強度試験を行い,評価を試みた。
  • その3 目地シーリング材と接着剤の接触による影響評価
    鈴木 貴大, 岡本 肇, 高橋 拡, 松原 道彦, 山本 正人, 楠木 孝治
    p. 05-
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/01/24
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    前報(その1,2)では、開発した下地調整用接着剤で下地調整を行い、タイル張り用接着剤でタイルを張り付ける工法(トータルフレックス工法R)の概要、接着性評価および耐疲労性評価試験について報告した。本工法では、目地部でのシーリング材との取合いが想定され、下地調整用およびタイル張り用接着剤と、躯体伸縮調整目地およびタイル伸縮調整目地のシーリング材が直接接触することによる、可塑剤移行等が懸念された。本報では、接着性評価試験と、シーリング材の表面の汚染性ならびに硬さを代用特性として、接触することによる影響評価試験結果について報告している。本工法の納まりでは、物性変化は伴うが、接着性、汚染性および硬さに関して実用上問題が発生する程度ではないことを確認した。
  • その2 被災動物保護施設の事例から学ぶ段階的設置の考え方
    平井 潤子, 坪田 義一, 田村 雅紀, 金巻 とも子, 浅見 樹里
    p. 06-
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/01/24
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    日本国内で近27年に発生した大規模自然災害は噴火災害が4回,地震災害は7回に上り,住民の避難や飼育動物の保護が行われた。しかし現状では,避難所施設内での公衆衛生や非飼育者の精神衛生を踏まえ,動物の受け入れ行われないケースもあり,人の居住スペースと動物の飼育スペースの分離配置や動線を交えないルール作りなど,災害時におけるペット共棲環境向上のためのシステムの構築が求められている。本研究においては,災害時におけるペット共棲住環境のQOL改善を目的に,避難所・被災動物保護施設,および関連団体への実地調査と関連文献の調査を行い,災害ごとの被災動物保護施設の設置状況を調査した。これらに基づき被災動物保護施設の段階的改善の基礎的検討を行う。
  • その3 仮設プレファブ建築物(リース物件)におけるシェルターの具体的改善例
    坪田 義一, 平井 潤子, 田村 雅紀, 金巻 とも子, 浅見 樹里
    p. 07-
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/01/24
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    大規模災害発生時の被災動物保護施設の設置には,緊急性が求められることから,既存の建築物を利用するか,プレファブ建築物などを用いて新たに設置することとなる。プレファブ建築物は、レイアウトや仕様(構造材、下地材、仕上材、機能材)に制約があり、動物の飼養管理に適した施設ではない場合もあることから、中長期的な運営に際してはQOLの観点から幾つかの施設改善が求められる。本研究では、その改善例と実施目的・具体的な使用方法について評価する。
  • その4 ペットと人の5感特性への影響因子分析
    金巻 とも子, 田村 雅紀, 程原 恵多, 谷口 萌, 鹿野 正顕, 長谷川 成志
    p. 08-
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/01/24
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    近年の犬猫などの家庭動物の室内飼育率が高まり,都市部では居住面積の縮小と高層・密集化によって,家庭動物には性格の温順さが求められる。このため,犬の飼育と学習手法の啓発が獣医行動学分野からなされているが,音を主とした知覚を刺激する環境要因が動物の心的負荷となり,その手法運用の障害になっている状況も多い。東日本大震災の家庭動物の同伴入居が行われた応急仮設住宅の調査において,この環境要因が飼育家庭と近隣への大きな負担となっていることも確認された。そこで,ペット共棲住環境の人とペットに関しての影響因子と影響領域を,五感特性を踏まえた区分と分析,騒音実験などを行った。
  • その1 研究背景および素材実験
    柳橋 拓, 大宮 喜文, 山本 弘樹, 鈴木 淳一, 鈴木 弘之, 菅原 進一
    p. 09-
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/01/24
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    建築物全体の構造特性および火災外力を考慮した合理的な耐火性能評価手法の構築に必要な基礎的知見を収集するために、一般に使用される乾式間仕切壁の材料であるせっこうボードおよびけい酸カルシウム板の熱特性値を把握するために素材実験を実施した。せっこうボードは、普通せっこうボードおよび強化せっこうボードの種類による熱特性の顕著な差は見られなかった。せっこうボードの主な挙動は、100~200℃で二水石膏の結晶水が脱離して無水石膏に変質し、400℃付近までにボード表裏面原紙の焼失が起こった。さらに、800℃以上では収縮が大きくなり、亀甲状の亀裂が発生する結果となった。また、成分分析により加熱温度が高くなるとせっこうボード中の無水石膏が溶融し、ボードの収縮に影響を与えるものと考えられる。
  • その2 加熱条件を変化させた耐火性能試験
    大宮 喜文, 山本 弘樹, 柳橋 拓, 鈴木 淳一, 鈴木 弘之, 菅原 進一
    p. 10-
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/01/24
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    既往の結果から乾式間仕切壁の耐火性能は、ISO834に従った加熱条件による知見が主であり、加熱条件が変化した場合の知見は乏しい。本研究では、区画を形成する乾式間仕切壁に着目し、特にせっこうボードを用いた乾式間仕切壁の加熱条件を変化させた耐火性能試験を実施し、その加熱性状に関する知見の収集を目的とした。その結果、・試験体加熱時間が長くなるにつれボードの目地の開きが大きくなり、火災温度上昇係数が大きいほどその開きは大きくなること、加熱面側のボード裏面温度は、火災温度上昇係数α=350の場合、測定位置によらず概ね同様の温度変化となり、それ以外の火災温度上昇係数では、400℃付近までは同様の変化を示すが、400℃を超える付近から、ボード部に比べ目地部の温度が高くなる傾向がみられること、などの知見が得られた。
  • その3 熱伝導解析
    山本 弘樹, 大宮 喜文, 柳橋 拓, 鈴木 淳一, 鈴木 弘之, 菅原 進一
    p. 11-
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/01/24
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    間仕切壁の温度分布性状に対する目地部の影響を把握するため、加熱面ボード、空気層、非加熱面ボードの境界面温度に着目した。今回の結果では、せっこうボードの熱収縮率が増加する約300℃付近でボード部の温度勾配が変化する結果となった。また、空気層の境界面温度は差は山なりに変化し、非加熱面側ボードは直線上に変化する結果となった。1次元定常熱伝導の理論を用いて、空気層の見かけ上の熱伝導率を算出した。その結果、既往に文献値に比べ、300℃から600℃の間の見かけ上の熱伝導率は約倍の値となる結果が得られた。
  • 高橋 泰一
    p. 12-
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/01/24
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    すべての平面図形が4色塗り分け可能であることはすでに証明されているが、ある種の条件を満たす平面図形は、3色塗り分けや、2色塗り分け可能なものが存在することは、経験的によく知られている。建築仕上げでは、2色塗り分け平面図形は、水玉模様など地と図からなる模様が知られ、さらに壁面や床・天井面などの枠付平面では、網代編を始めとする市松模様やストライプ模様など、多くの事例をあげることができる。本研究では、一般的な自由平面、及び枠付平面の双方を対象に、どのような条件が満たされれば2色塗り分け可能かを、グラフ理論の双対構造を用いて構造分析を行ない、基本的な類型パターンを分類・整理して、建築仕上パターンの新たな可能性を追求したものである。
  • 中井 明日香, 田中 章夫, 庭野 究, 雨宮 栞, 今本 啓一, 清原 千鶴, 佐藤 幸惠
    p. 13-
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/01/24
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    昭和40年頃の高度経済成長を受け、鉄筋コンクリート造建築物が多く建設された。現在これらの建築物は経年によって劣化している状態であり、また社会的に建築物の長寿命化が望まれていることなどから既存建築物の補修や改修の必要性が高まっており、調査・診断を行うことで建物の劣化の過程や状態を把握することは重要といえる。しかし、既存RC造建築物の調査事例は必ずしも多くない。そこで本研究では劣化予測、劣化状態を非破壊に評価する手法および各種仕上げ材料と躯体の中性化進行の関係について検討するための基礎的資料とすることを目的に、昭和40年代に建設されたRC造建築物2件を対象に目視による外壁のひび割れ、コアを採取し圧縮強度や中性化深さの測定および非破壊な手法の透気試験を実施した。
  • 赤谷 樹一郎, 大塚 秀三, 荒巻 卓見, 降旗 翔
    p. 14-
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/01/24
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    これまでに圧縮強度の制御を指向した場合の施工方法および構成割合が版築供試体に及ぼす影響を検討してきた。その結果,版築供試体の固化機構が物理的固化機構および化学的硬化機構に分けて促えられる可能性を把握した。しかし,いずれの固化機構が圧縮強度に寄与しているか不明な点が残る。そこで本研究では,版築供試体の構成割合を変えることによりいずれの固化機構が圧縮強度に寄与しているかについて検討した。さらには,形状変化に及ぼす影響についても併せて検討した。その結果,圧縮強度および形状変化に最も寄与している固化機構は消石灰の硬化反応であることがわかった。
  • 熊野 康子, 田村 雅紀, 古賀 純子, 栗原 拓央, 森本 美喜子, 花澤 周志, 山田 裕介, 品川 肇, 笠原 悠, 横井 健, 金巻 ...
    p. 15-
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/01/24
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    2012年度の15歳未満の子供の数は約1694万人で、36年間毎年減少している。現在は共働き世帯がふえ、家事や育児に母親も父親も参加する家庭が多い。従って家事や子育てを楽に行えるような工夫や、子供の怪我や日常生活の汚れなどの対応ができるだけ軽減できる住空間が求められている。日本建築学会関東支部材料施工専門委員会ユニバーサルデサイン建材WGでの活動の一環として実施した「子育て用住宅の建材に関するアンケート」の結果から、建材選択における結果の考察を行い、今後必要とされる子育て住宅用の建材について検討したのでその一部を報告する。たとえば、どのような室内の汚れが気になるか挙げ、気になるものを居間,台所,子供室のそれぞれについて3つまで選択させた。居間では意識の男女差が少なく、壁紙のはがれ、床汚れが気になる傾向があった。台所では床材の汚れのほか、女性は壁紙の汚れも気にする傾向があった。子供室では男性が傷、床材の汚れが気になる傾向が見られたが、女性は壁面の汚れた壁、床、傷など意見が分かれていていることが特徴であった。全体として子供がつけた傷も汚れと同様に気にする傾向が見られた。
  • その1
    浦 憲親, 後藤 正美, 鈴木 祥之, 山本 智大
    p. 16-
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/01/24
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    本報では、実際に使用している土壁用の原土を左官業および建材業より集め、土質試験規格に準じて調べた材料特性について述べている。試験用試料は2.5mmふるいを通過したものである。その結果、土壁の粘土割合はS/Cに関係なく、圧縮強度と密接な関係があり一次式で表される。粒度分布は、レーザー回折式粒度分布測定装置を用いてもJISの手ふるいと差異がないことを示した。また、荒壁土は産出地による違いも認められるが、中塗土および原土は顕著でないことを明らかにした。
  • 高山 美幸, 田村 雅紀
    p. 17-
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/01/24
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    建築環境計画や環境デザインは、実際に生活する人の空間感覚にもとづいて環境を実体化することであり、場所に根ざし、周囲の環境と連携した固有性ある空間形成行為である。建物の作り手は「品質管理」を行う条件に加え、使い手のニーズを満たすことに係わる「長期的な品質保証」や「長期的資産価値」として顧客満足度の視点が重要となるため、使い手側の評価として大きな影響を及ぼす、感覚の根幹にある自然風土を踏まえた検討が必要となる。これまでの日本建築において、意匠や構造、機能的役割として活用され、土壌によって異なる土を対象とし、環境評価の根幹となる『土』の記憶色を半定量的及び官能調査を行い、基礎的検討を行った。
  • 和田 環, 冨田 洸, 佐々木 正治
    p. 18-
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/01/24
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    本研究は,塗り床のふくれ発生を防止する技術について検討した。塗り床の施工時のコンクリート下地の表層特性(水分量,吸水性,表面硬度,表面強度,表面粗さ)とふくれ発生面積の関係を強制ふくれ試験で検討した。これらの結果から,水分量と吸水性の影響が認められたことから塗り床施工時の下地乾燥状態の指標となる評価方法を提案した。さらに,コンクリート下地の水分量が多い場合にふくれ防止に効果のある材料評価を行ない,バリヤー性の高い工法がふくれ防止に効果があることを示した。
  • 石原 沙織, 奈良 圭一, 林 幸一, 西村 岳志, 田中 英雄, 鶴田 裕, 田中 享二
    p. 19-
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/01/24
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    ウレタン塗膜防水層で最も重要な品質は膜厚であるが、現状での膜厚管理は、使用した材料の量を確認することによってなされることが多い。しかしウレタン塗膜防水層は、流動状態の材料を施工現場に搬入し、塗布して初めて防水層となるため、完成後の膜厚は材料使用量に加え、施工過程での諸要因、すなわち下地の状態,施工方法,施工具,希釈率,施工技能,作業環境等の影響を受ける。上述のような施工過程での諸要因が重要であるにもかかわらず、膜厚との関係はこれまで十分に研究されてこなかった。本研究は第一段階として、作業空間が狭隘で塗布作業の制約を受け、施工の影響を強く受けやすいと思われる集合住宅のベランダの平場及び側溝を対象として、施工具と希釈率が、完成後の膜厚に及ぼす影響について述べたものである。
  • その6 プライマーの硬化性とふくれ発生を低減させる要因
    神山 慶之, 鈴木 博, 若林 秀幸, 齊藤 隆, 今井田 和典
    p. 20-
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/01/24
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    ウレタン塗膜防水を施工する場合は、一般的に下地となるコンクリートに含有される水分を十分に乾燥させてから防水材料を塗付することとされているが、コンクリートの品質や耐久性を考慮すると、乾燥させることは必ずしも適切ではないと判断される。しかし、防水材料が塗付されて硬化した後に、ふくれや剥離のような不具合が散見され、そのメカニズムを容易に説明することは難しいのが現状である。これらのことから、下地となるコンクリートの含水量とウレタン塗膜防水に生じるふくれの関係について研究を継続しており、前報では、プライマーの硬化の早さに着目し、触媒によって硬化促進させた汎用プライマーの実験結果を述べ、ふくれ発生を低減させる要因を検討した。本報では、樹脂組成の違う速乾性プライマーを用いた実験結果を述べ、ふくれ発生を低減する要因を検討する。
  • その1 開発したウレタン塗膜防水材の引張り接着力試験結果
    吉野 兼司, 渡辺 光, 本橋 健司
    p. 21-
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/01/24
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    本報は、既存が露出アスファルト防水層の場合に想定される下地各種に対し、防水性能を保有すると考えられる塗膜材各種によってオーバーレイを行なった際の接着力と破壊状態を日本建築仕上学会認定試験器にて確認したので報告する。
  • 法身 祐治, 渡辺 光, 名知 博司, 田中 享二
    p. 22-
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/01/24
    会議録・要旨集 フリー
    ウレタン塗膜防水の膜厚検査は、防水性能の品質を確保する上での重要管理項目である。膜厚測定方法の管理方法は確立されておらず、精度も明らかではない。本報は、既存ビル改修工事時にウレタン塗膜防水の切り取り検査を行い、測定方法の違いによる膜厚について調査したものである。
  • 宇田川 和男, 松川 忠文, 佐々木 洋一
    p. 23-
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/01/24
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    ビニル壁紙の上から珪藻土とゼオライトを主成分とした機能性塗材を塗ることで、本来ビニル壁紙が持ち合わせていない調湿性・ホルムアルデヒド等の低減性が基礎試験及び実空間での試験によって確認されたので報告する。さらに機能性塗材の付帯性能として悪臭物質の低減効果もあることがわかった。ビニル壁紙の改修にこの工法を採用することにより、ビニル壁紙の廃材を出すことなく室内環境の大幅な改善に寄与でき、さらに環境負荷の低減になるものと考えられる。
  • 御園 麻衣子, 今本 啓一, 永井 香織, 清原 千鶴
    p. 24-
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/01/24
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では,RC建築物の劣化予防保全に資する材料として,前報につづき表面含浸材と表面コーティング材を取り上げ,それら中性化抑制効果および,水蒸気としての水分の浸透抑制効果について実験行い、併せて実建造物の調査を通してその効果の検証を行った。その結果,表面含浸材ではケイ酸塩系は湿潤状態になることで中性化抑制効果を発揮することが確認されたが、主成分に関わらず水蒸気としての水分浸透抵抗性は高くないことが分かった。それに対し表面コーティング材は複層になることで水蒸気としての水分の浸透抑制効果が高くなることが確認された。また、実地調査を通して塗布材の劣化に対する抑制効果の低減は透気試験にて評価できることが確認された。
  • その2 病棟トイレへの適用
    袴谷 秀幸, 行武 俊行, 板谷 俊郎, 手島 菜奈絵, 吉崎 隆, 宅間 真, 菊野 理津子, 大谷 勇作, 井岡 裕二
    p. 25-
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/01/24
    会議録・要旨集 フリー
    筆者らは、病院における院内感染対策のツールとして、院内感染対策トイレシステムの構築を検討している。前報(その1)では、新たに開発した光触媒コーティング剤について、JISに定められた試験方法を行い、優れた抗菌性能を有していることを確認した。本報(その2)では、実際に運用している病棟のトイレにおいて、開発した光触媒コーティング剤の塗布など、院内感染対策を目的とした改修工事を行い、改修前後の微生物検査やATPふき取り検査などから、以下のことが分かった。(1)改修後の臭気レベルの平均値は、改修前と比べると低くなった。(2)改修後の早朝では、ほとんど生菌が検出されず、光触媒により菌の繁殖が抑制されたと推察できる。(3)ATPふき取り検査において、改修後は相対発光量が減少しており、改修工事により清掃度が向上し、有機物の汚れが付着しにくくなったと推察できる。
  • その2 舗装面における各種施工条件での除染試験
    吉田 真悟, 杉田 敬太郎, 高橋 拡
    p. 26-
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/01/24
    会議録・要旨集 フリー
    福島第一原子力発電所事故に由来する放射性セシウムにより汚染された汚染状況重点調査地域内の外構舗装面(コンクリート面、アスファルト面)において、吐出圧力・水量、ノズル種類、ノズル-洗浄面距離の3つの条件を変化させて高圧洗浄による除染を行い、除染前後の放射線量(表面計数率)を測定し、除染効果を求めた。前報(その1)で報告した洗浄面圧力と除染効果の関係を整理し、考察を加えた。コンクリートについては、洗浄面圧力が大きくなっても除染効果はあまり変化せず、アスファルトについては、洗浄面圧力が大きくなるに従って除染効果が大きくなり、洗浄面圧力と除染効果に一定の関係が認められた。
  • その3 洗浄条件と屋根材の損傷の関係に関する調査
    杉田 敬太郎, 吉田 真悟, 高橋 拡
    p. 27-
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/01/24
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    前報では、高圧洗浄の洗浄面圧力に関する研究と題し、前報までに「高圧洗浄機の吐出圧・水量」、「ノズルの種類」、「ノズル-洗浄面距離」の各因子が洗浄面圧力へ及ぼす影響について、ならびにコンクリート面とアスファルト面の洗浄面圧力と除染効果の関係について報告した。本報では、住宅用の屋根材を高圧洗浄する場合において、高圧洗浄機、ノズルの種類、ノズル-洗浄面間の距離の3因子が洗浄水の損傷強さへ及ぼす影響と、屋根材別の損傷の受けやすさを評価した。また、洗浄面圧力と洗浄水の損傷強さとの関係を考察し、洗浄面圧力の評価方法の1つである極大圧力が、屋根材の損傷程度との相関が強いことを導出した。さらには、屋根材ごとに損傷が生じる極大圧力の閾値を推定した。
  • 岡部 貴之, 永井 香織, 松井 勇
    p. 28-
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/01/24
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    建築物の外壁のよごれとして、降雨水により発生する局所的な筋状のよごれ(以降雨筋よごれと呼ぶ)が、顕著であり、建築物の美観を損ねている。雨筋よごれは、特に外壁に取り付けられた給排気口や通気口、看板などの取り付け部品が発生原因となっている。取り付け部品形状の違いによる塵埃の蓄積、雨水の流下経路を調査したところ、取り付け部品の形状、角度、大きさ、出寸法が大きな原因となっていることが分かった。そこで、本実験では、取付け部品の接合部を模した試験体を用い、発生原因である形状、角度、大きさ、出寸法が、雨筋よごれに及ぼす影響を検討する。
  • その1 ALCの密度と諸物性の関係
    水谷 吉克, 松沢 晃一, 中川 清之, 橘高 義典
    p. 29-
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/01/24
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    建物の高耐久性、高性能化が求められ、建築物に多用されているALCパネルについても、改良が求められている。ALCの高密度化は高性能化の一つの方法であり、本研究では、高密度ALCパネルを試作し、その性能を確認した。その1では、高密度ALCの性質について検討した。対象となるALCの密度は、現在の量産型の生産システムにて、主原料をそのままに、調合の変更(気泡材の量など)により製造可能な範囲である450~750kg/m3程度のものとし、圧縮強度、曲げ強度、引張強度、せん断強度、弾性係数、長さ変化、断熱性について密度との関係を明らかにした。
  • その2 ALCパネルの曲げ強度設計と床遮音性
    津守 義寿, 松沢 晃一, 水谷 吉克, 橘高 義典
    p. 30-
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/01/24
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    前報に引き続き、その2では高密度ALCパネルについて、曲げ強度設計方法ならびに床パネルの重量衝撃音遮断性能について検討する。研究の対象とした高密度ALCパネルは、現在のALCと同様の施工が可能なように、密度を650kg/m3とし、パネルの最大幅を500mmとした。その結果、高密度ALCパネルの強度設計に用いる諸係数は短期許容応力度を3.0N/mm2、長期許容応力度を2.0N/mm2、ヤング係数を2500 N/mm2とすることができる。また、通常ALCに比較し、150mm厚さの高密度ALCパネルを床パネルとして用いた場合の重量衝撃音遮断性能は、63Hz帯の音圧レベルで1.7dbの性能の向上を示した。
  • 松沢 晃一, 水谷 吉克, 橘高 義典, 進藤 美慧
    p. 31-
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/01/24
    会議録・要旨集 フリー
    ALにタイル仕上げを行なった場合,張付け材にエポキシ樹脂やシリコーン樹脂などの樹脂系接着剤を用いると,ALCからタイルへのひずみ伝達が小さくなることが明らかとなっており,ALCパネルの曲げひび割れ荷重の低下を軽減させる可能性がある。また,セメント系張付け材によりタイル仕上げとしたALCパネルの曲げ試験では,寸法の大きなタイルを張り付けた場合に曲げひび割れ荷重が著しく低下することが報告されている。本研究では,様々な張付け材,寸法の異なるタイルを用いてタイル仕上げとした実大ALCパネル供試体の曲げ性状について検討を行った。また,FEM非線形解析を実施し,変形時のひずみ分布に関する検討を行なった。
  • 阿知波 政史, 湯浅 昇, 谷川 伸
    p. 32-
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/01/24
    会議録・要旨集 フリー
    ALCの主な劣化現象は,炭酸化,凍害および内部補強鉄筋の発錆であるが,仕上塗材の種類ごとの防止効果を包括的に検討した事例はない.本報では,各種劣化環境におけるALCの保護とこれを用いた建物の長寿命化を目的として,アクリルゴム系外壁用塗膜防水やJIS A 6909(建築用仕上塗材)に規定する代表的な仕上塗材による保護効果を評価した.
  • 本橋 健司, 濱崎 仁, 川畑 裕也, 川村 康晴
    p. 33-
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/01/24
    会議録・要旨集 フリー
    建築用仕上塗材や塗料の中性化抑制効果は銘柄、塗付量、樹脂量、上塗りの有無等により異なると考えられる。以上のような目的意識から、種類や塗付条件の異なる建築用仕上塗材、外壁塗膜防水材、塗料を施工したコンクリート試験体の対象とし、促進中性化試験を実施し、中性化率を検討した。
  • 長谷川 拓哉, 千歩 修
    p. 34-
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/01/24
    会議録・要旨集 フリー
    既往の研究において、仕上塗材を施工したコンクリートを対象として、水分移動をコンクリート中および仕上塗材中の拡散現象として捉えたモデルを構築し、数値計算によるシミュレーションを行い、長期的なコンクリート中の含水状態を示した。本研究では、既往の研究の仕上塗材に加え、モルタル仕上げも対象として、同様のモデルによるシミュレーションを行った。その結果、乾燥過程では、仕上塗材と比較して、モルタルのコンクリート内部の水分逸散を抑制する効果は小さいこと、いずれの仕上材においても、長期的には仕上材なしのものと含水率が変わらなくなることなどの知見を得た。
  • 坂田 直子, 千歩 修, 長谷川 拓哉
    p. 35-
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/01/24
    会議録・要旨集 フリー
    CB(コンクリートブロック)造部材を構成するCBの種類、目地工法及びモルタルの種類が、雨水を模擬した降水による水分移動に及ぼす影響を検討した。CB造の壁の一部をモデル化した試験体内部に含水率測定用の電極と熱電対を埋め込み、その試験体に噴霧器で雨水を模擬したモデル降水を行い、含水率の変化を測定した。結果、降水後の含水率の変化は、CBではA種を用いたもの、目地種類では突付け目地としたものが大きかった。降水でフェイスシェル裏面に到達する水分は、目地部で部分的に変化せず、一様に浸透した。
  • 長谷部 美紅, 枝広 英俊
    p. 36-
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/01/24
    会議録・要旨集 フリー
    酸化チタン微粉末(以下、Ti02)は白色顔料及び光触媒効果をもつ物質として塗材での利用が広く知られているが、モルタル・コンクリートの混和材として用いられた事例は数少なく、基本的性質についての検討も十分とはいえない。そこで本研究では、Ti02置換率を変化させた白色モルタル試験体を作製し、フレッシュ性状や強度特性、Ti02光触媒の効果を期待して防汚効果や窒素酸化物除去性能等に関する各種実験を行い、基本的性質の一端を明らかにするため検討を行った。その結果、Ti02置換率の増加に伴い強度が若干減少するものの、防汚性は向上する傾向であることを示唆した。
  • 倉澤 尚人, 大塚 秀三, 高橋 宏樹, 三井 実, 荒巻 卓見
    p. 37-
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/01/24
    会議録・要旨集 フリー
    本研究は,コンクリート表面の視覚的な仕上がり状態を規定する一因である色むらに主眼を置き,定量的な評価手法を用いた品質管理システムを構築することが最終目的である。本報告では,試料サイズおよび距離に起因する視野角の相違がコンクリート表面の色むらに関する官能評価と画像解析による定量的評価の関係に及ぼす影響について検討した。その結果,官能検査による色むら評価尺度と視野角の関係は,試料サイズに関わらず色むら度合ごとで高い相関性を示した。画像解析による明度の標準偏差と視野角の関係は,視野角が狭くなると標準偏差は低下する傾向を示したが,試料サイズの相違によって誤差が生じた。また,色むら評価尺度と明度の標準偏差の関係は,試料サイズごとで高い相関性を示した。
  • 野中 英, 湯浅 昇, 三谷 和裕
    p. 38-
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/01/24
    会議録・要旨集 フリー
    本研究は,表層透気性を評価する方法である簡易透気試験により,表面処理剤によるコンクリートの品質改善効果の評価を行うことを目的に,養生条件,水セメント比の異なるコンクリートの各種試験を実施した結果をまとめたものである。各種試験は,簡易透気試験,促進中性化試験,塩化物イオン浸透性試験を実施した。
  • その2 旭川とつくばにおける実大住宅の挙動解析と目地ムーブメントの考察
    堀居 令奈, 今本 啓一, 兼松 学, 萩原 伸治, 中島 史郎, 吉野 利幸, 野口 貴文
    p. 39-
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/01/24
    会議録・要旨集 フリー
    本研究は,窯業系サイディング住宅外装材の維持管理手法を確立することを目的としたものである。外装材は気温変化,風雨や紫外線など直接的に受ける部材であるが,この外装材の維持管理手法として確立されたものはない。実環境下における挙動を把握し,将来的な劣化予測とモニタリング手法からなる維持管理手法を確立する上で,特に外装材の弱点となる目地の挙動に着目し,温度ムーブメントの低減率等について検討した。
  • 村山 豊, 村山 仁
    p. 40-
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/01/24
    会議録・要旨集 フリー
    窯業系サイディング(以後単にサイディングと呼ぶ)を張った木造住宅では、冬季になると、サイディングの表面に縞模様が認められることがある。実は、サイディングを重ね張りした住宅でも、その後再び縞模様が見られる住宅がある。筆者は、前回の報告で、この原因は室内の水蒸気であると仮定した。今回、その仮定が事実であると証明できることを実験で確認したので、その実験方法、装置、事実の価値、今後の役立て方などについてまとめた。今回はさらに、断熱材としてよく使用されるグラスウールが、実は凍害の原因の一つではと思われる知見も得られたので、これもまとめて報告する。
  • その1.実験結果
    北野 公一, 小山 明男, 金澤 光明, 難波 三男, 菊池 雅史
    p. 41-
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/01/24
    会議録・要旨集 フリー
    窯業系サイディングメーカーは,製品の長寿命化をはじめ多くの製品開発を行っている。しかしながら,耐候性試験は一般に時間がかかることから,迅速な性能評価への期待は大きい。また,窯業系サイディングメーカー各社では,工程管理用試験や製品開発での評価方法としてメタルハライドランプ光源による試験方法が広く用いられている。そこで,日本窯業外装材協会では,JIS A 5422改正委員会を組織し,品質評価の面から耐候性に関する促進試験方法について実験・検討を行った。本論文では,オープンフレームカーボンアークランプ方式による促進耐候性試験と,メタルハライドランプ方式の促進耐候性試験の比較試験結果について述べる。
  • その2.規格化に関する検討
    小山 明男, 北野 公一, 金澤 光明, 難波 三男, 菊池 雅史
    p. 42-
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/01/24
    会議録・要旨集 フリー
    本論文は,前報その1に継続するもので,日本窯業外装材協会に設置された「JIS A 5422(窯業系サイディング)改正委員会(以下,JIS改正委員会という)」において実施した耐候性試験方法に関する検討の成果を取りまとめたものである。本報では,JIS改正委員会で実施した実験を踏まえ,メタルハライドランプ光源による試験の活用方法について,製造者,使用者,有識者を対象に行ったアンケート結果などから,耐候性に関する試験方法の適用性についての課題を洗い出し,規格化を目標とした今後の進め方についての検討結果を報告する。
  • その1 各種粉体塗料の基本物性及び耐候性評価
    朝倉 崇博, 大澤 悟
    p. 43-
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/01/24
    会議録・要旨集 フリー
    建築外装用アルミニウム合金建材の塗装仕様として、従来の加熱硬化形溶剤系塗料に替わる環境配慮型塗装システムとして注目される粉体塗料について、2008年から行っている基本物性試験・促進劣化試験・屋外暴露試験にて評価を行った。基本物性試験では従来の塗装システムと大差無く、性能上問題が無いことが確認された。また、促進劣化試験や屋外暴露試験によって、ふっ素樹脂粉体塗料は溶剤系ふっ素樹脂塗料と同等の耐候性が確認された一方で、暴露環境によっては3年も経過すると樹脂系に関わらず光沢低下が著しいことがわかり、劣化塗膜をFT-IR分析を行い劣化メカニズムの調査を行った。その結果、メカニズム解明には至らなかったが、顔料である酸化チタンの光触媒反応により、塗料樹脂が酸化劣化していることが示唆され、(その2)にて、その改善効果が期待できるふっ素・ポリエステルハイブリッド粉体塗装システムを評価することとした。
  • その2 ふっ素・ポリエステルハイブリッド粉体塗装システムの評価
    大澤 悟, 朝倉 崇博
    p. 44-
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/01/24
    会議録・要旨集 フリー
    ふっ素・ポリエステルハイブリッド粉体塗料はふっ素樹脂とポリエステル及び顔料・添加剤などを含有した粉体塗料である。樹脂の性質により、焼付時に表層にふっ素、下層にポリエステルが配向されると言われている。(その1)にて、酸化チタン顔料の光触媒反応による塗料樹脂の劣化現象が示唆され、それに対する改善効果が期待されるふっ素・ポリエステルハイブリッド粉体塗料システムについての評価試験(基本物性・耐沸騰水性・耐食性・促進耐候性・屋外暴露耐候性)計画と、基本物性試験の結果について報告する。ふっ素・ポリエステルハイブリッド粉体塗料はふっ素樹脂の耐久性とポリエステル樹脂の素地との密着性を有することから、品質・コスト面で優位となる可能性がある。またポリエステル樹脂を配合することで添加剤として働き、酸化チタン顔料の光触媒反応を抑制する効果が期待できるため、耐候性評価試験について経過・観察を行い、評価していく予定である。
  • 奥田 章子, 堀 長生
    p. 45-
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/01/24
    会議録・要旨集 フリー
    アルミニウム合金製建築材料へ適用が増加している加熱硬化型塗装の中で、粉体塗装はVOCが排出されない環境配慮型塗装として注目される。そこで、各種粉体塗装について3種類の促進耐候性試験を実施して耐候性を評価した。その結果、ふっ素樹脂粉体は、溶剤系ふっ素樹脂塗料と同等の耐候性を示し、高耐候性であることがわかった。一方、海外で実績の多いポリエステル樹脂系粉体の耐候性は不十分であると判断された。
  • その8 海外における性能評価方法の概要
    後藤 善光, 近藤 照夫, 野平 修, 佐藤 信幸
    p. 46-
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/01/24
    会議録・要旨集 フリー
    アルミニウム合金の表面仕上げとして粉体塗装を施した材料を建築外装に普及展開させることを目的として、実験的な評価や海外における実態調査を実施して、適用可能性を継続的に報告している。本報では、建築用アルミニウム合金材料に対する評価方法として、海外で一般化しているAAMAとQOALICOATの内容を示している。詳細には異なる評価内容が採用されており、これらの内容を踏まえて、日本で採用する評価方法の検討を継続する。
  • 北川 将司, 近藤 照夫, 木口 忠広
    p. 47-
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/01/24
    会議録・要旨集 フリー
    建築用アルミニウム合金材料の表面仕上げには、主として工場における加熱硬化形塗装が施されている。近年では、地球環境の保全や人間の健康安全に対する世界的な要求から、日本国内では有機溶剤を含まない粉体塗料の適用可能性に関する研究成果が、多数報告されている。本報では、樹脂特性が異なるポリエステルとふっ素樹脂を練合せ混合して、層構成が異なる複数の硬化塗膜を形成して、促進耐候性試験や屋外暴露耐候性試験の結果から、建築外装用材料としての適用可能性について検討する。
  • 増田 豊, 岡本 将
    p. 48-
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/01/24
    会議録・要旨集 フリー
    塗色の遮熱性能試験において、太陽と相関する人工光源を検討した。。試験方法は(財)建材試験センターJSTM-6100(2003)を用いた。SAT計が80℃になる温度で様々な色を測定した。その結果、太陽下と光源下の塗板の温度の一致度は、メタルハライドランプが決定係数R^2=0.91(太陽との誤差4.9%)、ハロゲンランプがR^2=0.75(誤差10.8%)であった。様々な色の遮熱性能の測定には白色のメタルハライドランプを利用すべきである。
  • その2
    上田 博紀, 園田 健, 浜村 高広, 青山 泰三, 山田 智博, 張 天豫, 竹林 英樹
    p. 49-
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/01/24
    会議録・要旨集 フリー
    本報では前報に引き続き、外壁の雨筋汚染防止を目的に開発された低汚染化技術を高日射反射率塗料に応用し、日射反射率へ与える影響を、実物件を用いて検証した結果について報告する。検証の結果、塗装後2ヶ月程度から汚れが原因と思われる日射反射率の低下が確認され、低汚染型の高日射反射率塗料は、従来型のものと比較して日射反射率および明度の低下が小さく、表面温度もやや低いことが確認された。さらに本研究では、高日射反射率塗料を塗布した建物の温度、電力、屋上面の熱収支等に関する測定も行った。高日射反射率塗料の導入による空調負荷削減効果を評価し、熱負荷計算により日射反射率の経時変化が空調負荷に与える影響を考察した。その結果熱負荷計算により、低汚染型の方が、従来型に比べて電力削減量が大きいと算定された。
  • その9 色相の違いによる耐候性試験と試験後の日射反射率
    田村 昌隆, 本橋 健司, 清水 亮作, 上平 崇弘, 林 昭人
    p. 50-
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/01/24
    会議録・要旨集 フリー
    近年、高日射反射率塗料の利用が促進され年々需要が増えつつある。高日射反射率塗料の効果については、各種検討を行ってきた。高日射反射率塗料は、主な用途として建築物の部位で最も劣化が進むといわれる屋根部に塗装されることが多く、その耐候性は遮熱性能の持続性に係わるものと考えられる。本報告では既報その8に引き続き、さらに実用化されている高日射反射率塗料について、様々な色相にて耐候性試験を実施すべく実験を進め、促進耐候性5000時間後、および屋外暴露2年後の塗膜調査を行った。
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