福島医学雑誌
Online ISSN : 2436-7826
Print ISSN : 0016-2582
最新号
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原著論文
  • 山本 晃裕, 高瀬 信弥, 若松 大樹, 五十嵐 崇, 石田 圭一, 横山 斉
    2026 年76 巻1 号 p. 1-6
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/04/14
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    要旨:【目的】皮膚灌流圧(skin perfusion pressure:SPP)は末梢循環評価に用いられているが,開心術後の循環動態との関連は十分に検討されていない。本研究の目的は,心臓手術後早期におけるSPPと主要な循環指標との関連を明らかにし,術後循環をベッドサイドで簡便にスクリーニングする指標としての有用性を検討することである。

    【方法】2016年7月〜2017年6月に人工心肺下開心術を受けた成人21例を対象とし,術後ICU管理中に計63回のSPP測定を行った。同時に平均動脈圧(mAP),平均肺動脈圧(mPAP),心係数(CI),混合静脈血酸素飽和度(SvO2),血中乳酸値などを記録し,SPPとの関連を相関解析および重回帰分析で検討した。

    【結果】SPPはmAP(r=0.346,p=0.005)およびSvO2r=0.290,p=0.021)と有意な正の関連を示した。mAP,SvO2,CI,乳酸値,mPAPを説明変数とした重回帰分析ではSvO2のみがSPPの独立した関連因子として抽出され,回帰式は mSPP = 10.795 + 0.883×SvO2で表された。

    【結論】開心術後早期においてSPPは平均動脈圧と混合静脈血酸素飽和度と関連し,とくにSvO2との関連が最も強かった。SPPは非侵襲的で繰り返し測定できることから,術後循環のベッドサイドスクリーニングに用いうる指標と考えられた。

症例報告
  • 香取 順太, 宮下 優輝, 佐藤 俊, 坂 充, 木暮 敦子, 大島 康嘉, 近藤祐一郎 , 三原 圭太, 西間木 淳, 渡辺 智, 木暮 ...
    2026 年76 巻1 号 p. 7-13
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/04/14
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    要旨:胆嚢捻転症は遊走胆嚢が胆嚢頸部で捻転することで血流が途絶え,症状が急激に増悪し緊急手術が必要となる疾患である。そのため腹部超音波検査や造影CTなどの画像診断を用いて早期に診断することが望ましい。

    症例1は85歳女性。右下腹部痛,便秘,嘔気を主訴に前医受診し,腹部単純撮影で結腸ガスを著明に認め,大腸癌やそれに伴う腸閉塞が疑われ当科に紹介された。血液生化学検査では,肝胆道系酵素の軽度の上昇と炎症反応を認めた。腹部超音波検査では胆嚢の腫大と胆嚢壁のびまん性肥厚を認めた。造影CTでは胆嚢は腫大し胆嚢壁の造影効果は乏しかった。腫大した胆嚢は尾側に偏位し肝床部から胆嚢が遊離していた。胆嚢捻転症と診断され同日緊急で腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行された。胆嚢は頸部で360度反時計回りに捻転しており,うっ血が強く暗赤色に壊死していた。術後合併症なく経過し,第8病日に退院となった。

    症例2は85歳女性。食欲低下,下腹部痛,発熱を主訴に当科を受診した。血液生化学検査では肝胆道系酵素の軽度の上昇と炎症反応を認めた。腹部超音波検査では胆嚢は腫大し,胆嚢壁は全周性に肥厚し血流が乏しく,胆嚢頸部の狭小,胆嚢管にかけての高エコー域,胆嚢管の途絶を認めた。造影CTでは胆嚢は腫大し,胆嚢壁の造影効果は乏しかった。胆嚢頚部において動脈と,その周囲の捻れによる渦巻き像を認め,肝床と胆嚢は遊離していた。胆嚢捻転症と診断され緊急手術が必要であったが,術前の心臓超音波検査で当院での対応困難と判断され,高度医療機関に転院搬送され腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行された。胆嚢は頸部で捻転しており胆嚢全体が壊死していた。術後合併症なく経過し,第11病日にリハビリ目的に当院へ転院となった。

    胆嚢捻転症は緊急手術が必要とされるため,特徴的な病態や画像所見を理解しておくことが重要である,と考えられた。

横断研究
  • 髙栁 宏史, 菅家 智史, 濱口 杉大
    2026 年76 巻1 号 p. 15-21
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/04/14
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    要旨:背景:家庭医療専門医が日本の医療制度に与える影響は十分に評価されていない。本研究の目的は,外来診療の医療費について,家庭医療専門医とそれ以外の医師との間で比較することである。

    方法:福島県喜多方市の国民健康保険データベースから2012年4月から2013年3月までのレセプトデータを使用して横断研究を実施した。期間中,1か所の医療機関の外来診療を受けた患者のうち,学会認定の家庭医療専門医が診療する喜多方地域・家庭医療センター(KCCFM)の患者を「KCCFM受診群」,他の診療所の患者を「他の診療所受診群」と定義した。傾向スコアマッチングの後,外来診療に関連する医療費を比較した。

    結果:対象患者1,170名のうち,傾向スコアマッチングの後,119人がKCCFM受診群と他の診療所受診群に割り当てられた。年間総医療費(p=0.003,KCCFM 受診群,中央値 32,340円,他の診療所受診群,中央値 62,180円)と年間受診回数(p=0.001,KCCFM 受診群,中央値 2.0,他の診療所受診群,中央値 4.0)において統計学的に有意差を認めた。

    結論:家庭医療専門医の外来診療を受けている患者は,それ以外の医師と比較して年間受診回数が少なく,そのため年間総医療費が低い可能性がある。

第520回福島医学会学術研究集会抄録
第521回福島医学会学術研究集会シンポジウム抄録
第38回福島県輸血懇話会抄録
第23回福島小児血液・腫瘍研究会
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