農業経営研究
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20 巻, 2 号
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  • 児玉 賀典
    1982 年 20 巻 2 号 p. 1-5
    発行日: 1982年
    公開日: 2012/10/29
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  • -水稲作を事例として-
    今井 〓蔵
    1982 年 20 巻 2 号 p. 15-25
    発行日: 1982年
    公開日: 2012/10/29
    ジャーナル フリー
  • 能美 誠
    1982 年 20 巻 2 号 p. 26-38
    発行日: 1982年
    公開日: 2012/10/29
    ジャーナル フリー
  • -京都府養蚕主業農家の事例的考察-
    白川 雄三
    1982 年 20 巻 2 号 p. 39-48
    発行日: 1982年
    公開日: 2012/10/29
    ジャーナル フリー
  • 塚田 章二郎
    1982 年 20 巻 2 号 p. 49-60
    発行日: 1982年
    公開日: 2012/10/29
    ジャーナル フリー
  • 小野 誠志
    1982 年 20 巻 2 号 p. 6-14
    発行日: 1982年
    公開日: 2012/10/29
    ジャーナル フリー
    1. 牛肉の小売価格は卸売市場価格と連動せず, 小売価格は下方硬直的である。したがって小売価格は安定しているが, 小売のマージン率が高い。その高率マージンの物的条件は, 店舗規模が小さく, 商圏を拡大して規模の経済を追求できないからであるが, その理由は1) 消費者の店舗選好距離は少量当用買いのために短かい。2) 参入障壁が低いので零細資本でも参入できること。3) そのために零細店舗が棲分けて, 原則として1商圏に1店舗が立地し, 局地的寡占類似の小売市場を形成していることである。
    2. 生産者は経営の安定向上のために, 価格が高値で安定している小売市場へ直接参入しようと試みる。その流通経路選択が生産者の直売である。しかし直売は安定的に生産物を小売市場へ供給し, また直売店舗や流通施設を整備しなければならないので, 経営規模が大きくなければならない。肉用牛での成功例は少ないが, 本稿では広島県下のN畜産と福山市の小売市場について考察した。
    3. 消費者の食肉購買行動の範囲は, 少量の当用買で価格弾力性が小さいことから, 局地的であった。だが近年価格弾力性が大きくなり, 当用買からまとめ買いへの移行, 買出しの交通手段の発達や家庭冷蔵庫の普及, 食生活の変化等で消費者は経済合理的選択の行動範囲が拡大した。それに伴って小売市場は, 局地寡占的小売市場から拡大された地域寡占的小売市場へと転形した。
    4. 寡占市場において小売商が販売成果を高めるには, 非価格競争で消費者をアピールしなければならない。その手段が製品差別, 消費者需要に見合う品揃え, 動機づけ, 情報サービスといった一連のマーケティング活動である。地域寡占的小売市場では, さらに大量仕入, 大量販売, 価格競争の条件が加わり, 大量の販売能力と豊富な資金力, 高度の販売技術を具えた小売業者が市場シェアーを掌握する。その典型がスーパーであり, 総合食料品店であるが, 生産者でこのような小売市場へ参入できるのは, 大企業経営をおいて他にない。
    5. N畜産は年間1, 800頭の肉牛を直営4店舗と年間契約店舗10~20店を対象に, 計画的に生産し, 供給している。福山市内市場の40%を掌握しているが, そこでのマーケティング活動は, (1)消費者が望む品質の肉を適正な価格で供給し, (2)ショッピングセンターでは高級肉を, 住宅地では並肉をというように製品差別を重視し, とくにブランドイメージを消費者へ滲透させるようにそれに合せた計画生産を行っている。また, (3)特売の頻度を高め, 新聞折込み広告等で消費を動機づけている。消費者需要に見合う価格設定ができるのは, 生産から小売まで一貫した経営を確立しているからである。
    6. 直売店舗を市内から県下へ拡大しているが, 小売価格が低廉なことから一部には他の食肉店の仕入れもみられ, 仲卸しの機能を果しているものもある。その結果, 大量生産, 大量販売の規模の経済が確立している。と同時に肉用牛自家生産と契約農家60戸で生産されているが, 契約生産は地域の畜産振興に貢献している。契約農家へは素牛と飼料を一括して供給し, 枝肉として評価して購入している。肉質が均一となり, また農家はその向上に努力すれば所得が向上できるという管理システムをとっている。生産者価格は卸売市場より高く, また飼料価格が暴騰すれば補助をする等契約農家との連繋強化の措置を講じている。
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