日本フットケア学会雑誌
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特集:末梢動脈疾患に対する薬物療法
  • 横井 宏佳
    15 巻 (2017) 3 号 p. 95-98
    公開日: 2017/09/30
    ジャーナル 認証あり

    【要旨】PAD 患者の治療の最終目標は QOL(症状)の改善と心血管イベントの抑制である.その目的を達成するために薬物療法は重要である.跛行患者と重症下肢虚血患者では治療の最終目標が異なる.跛行患者は症状の改善のためにシロスタゾールが効果的であり,心血管イベント抑制のために抗血小板剤(アスピリン,ADP 受容体拮抗薬)が有効である.重症下肢虚血患者は症状の改善のためにプロスタグランジン製剤は有効であるが抗血小板剤には予後を改善するエビデンスは明らかではない.PAD 患者全般に二次予防のためにスタチンによる LDL の低下,RSA 系阻害剤による降圧,HbA1c 7.0% 前後の血糖管理が推奨されている.

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  • 日髙 寿美, 大竹 剛靖, 小林 修三
    15 巻 (2017) 3 号 p. 99-104
    公開日: 2017/09/30
    ジャーナル 認証あり

    【要旨】腎障害患者では,動脈硬化の進展により多血管病を呈することが多い.末梢動脈疾患(PAD)は動脈系の血栓形成の影響が強いため,抗血小板薬を忘れずに投与することが重要である.PAD に対する抗血小板薬治療は,虚血による下肢の症状を軽減し,かつ心血管疾患リスクを減少させることを目標とする.抗血小板薬の選択では,有効性・忍容性が高く,患者が実感する副作用が少ないことが重要である.しかし,透析患者の PAD に対する抗血小板薬の効果を示す文献は少ない.抗血小板薬の中でアスピリンが広く使用されているが,アジア人では出血性合併症が多いため注意が必要である.シロスタゾールは透析患者において,下肢血管内治療後の再狭窄予防で有用性が示されたが,うっ血性心不全を有する患者では心不全悪化や脈拍数増加による狭心症発現のおそれがあるため,禁忌である.セロトニン 5-HT2A 受容体拮抗薬であるサルポグレラートやプロスタグランジン I2 誘導体であるベラプロストは,PAD を有する透析患者の皮膚灌流圧を有意に改善することが明らかとなった.腎不全患者ではこれら抗血小板薬に加え,早期からのリン・カルシウム代謝異常にも配慮し,血管石灰化を抑制する治療が必要である.

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  • 石井 義輝
    15 巻 (2017) 3 号 p. 105-111
    公開日: 2017/09/30
    ジャーナル 認証あり

    【要旨】末梢動脈疾患(PAD)を有する患者には,末梢動脈の閉塞・狭窄による虚血に起因する疼痛,糖尿病などの基礎疾患に伴って発症する神経障害に起因する疼痛,さらに潰瘍などの病変を有する場合には,病変自体に起因する疼痛と,病変に対する処置に起因する疼痛も加わってくる.こうした疼痛は難治性であることが多く,患者の生活にとって大きなストレスになるばかりでなく,フットケアや局所治療の支障にもなっている.ただ,難治性となっている背景には,われわれ医療者側が疼痛の原因に対する評価と薬剤の種類・投与量の選択に関する適切な知識を持たないままに管理を続けているという現状が存在する.本稿においては,PAD に関連して発生する疼痛,特に虚血自体に伴うものと創傷管理に附随して生じる疼痛について,その発生の機序や背景要因について述べるとともに,主として薬物による疼痛管理の方法について述べていく.読者の日常診療並びにケア,さらには疼痛に苦しむ患者の救済につながれば幸いである.

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  • 高木 元, 宮本 正章, 清水 渉
    15 巻 (2017) 3 号 p. 112-115
    公開日: 2017/09/30
    ジャーナル 認証あり

    【要旨】近年増加している糖尿病や閉塞性動脈硬化症は,人口の高齢化もあいまってかつてなく増加しており,その結果発症する末梢神経障害や末梢動脈疾患は,下肢壊疽・潰瘍の有病率も同時に増加させていると考えられる.抗生剤が無効な多剤耐性菌感染を合併すると標準的治療法では治癒困難な慢性創傷を生じ,難治性のため最終的に患肢の大切断に至る場合が多い.難治性潰瘍患者の加療は,治療抵抗性であるばかりではなく,外科的デブリードマンをはじめとする手術や毎日の創処置にかかる手間と時間は患者や医療関係者の長期に渡る負担となる.また治療経過中抗生物質耐性菌を検出する機会も多く,感染症悪化やその他の合併疾患による死亡率も高率であるため,各医療機関でも対応に苦慮しているのが実際と考える.このため,より簡便で有効性の高い治療法の確立が切望されている.日本国内における創処置の基本について述べ,使用される薬剤に関する最新のエビデンスを,世界的に信頼度の高く最も厳しいと言われるコクランレビューを参考に紹介する.また臨床応用についても解説する.

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総説
  • 田尻 寿子, 田沼 明
    15 巻 (2017) 3 号 p. 116-123
    公開日: 2017/09/30
    ジャーナル 認証あり

    【要旨】婦人科がんなどに対するリンパ節郭清術後などに生じるリンパ浮腫は,下肢の腫脹や硬化などがある場合は膝が曲がりにくいなどの関節可動域制限や,脚が重いために階段昇降や歩行などの ADL(日常生活動作)に困難を生じたり,家事や仕事,趣味などの IADL(日常生活関連動作)を制限したりせざるを得ない場合がある.リハビリテーション関連職種である作業療法士は,対象者の心身機能の障害を改善・軽減するのみでなく,対象者がより満足のできる生活を構築(再編)していけるよう,様々な治療・指導・援助を行う.そのため,リンパ浮腫の改善を目指すと当時に,股・膝関節などの関節可動域制限の改善や,そこから派生する ADL や,家事・仕事・趣味などについても生活上での工夫点を模索し,対象者が大切にしている「生活」が少しでも安全にできる方法を検討したいと考える.そのため,リンパ浮腫に対する保存的治療である複合的治療を行う際に,①家事・仕事・趣味などの生活行為を極力妨げない圧迫方法の検討,②下肢リンパ還流を「促進する」「阻害しない」生活の仕方の提案,③困難な動作に関しての,代償的動作・福祉用具・自助具などの提案なども行っている.

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原著
  • 岡田 仁志, 甲斐 司, 前田 温子, 瀬尾 明裕, 尾崎 賢, 坂上 貴光, 横井 宏佳, 宮原 茂
    15 巻 (2017) 3 号 p. 124-129
    公開日: 2017/09/30
    ジャーナル 認証あり

    【要旨】血液透析(HD)患者は動脈硬化症のリスクが健常人に比して高いとされている.足関節上腕血圧比 (ankle brachial pressure index:ABI) は動脈硬化症のスクリーニング検査として重要であるが,その 0.9 未満の症例において栄養障害と動脈硬化の関連した病態を有する症例の多いことが報告された.HD 患者 29 名を対象に ABI を測定し,geriatric nutritional risk index (GNRI) を含めた種々のパラメータとの関連について検討した.ABI は栄養指標の GNRI,Alb,body mass index (BMI)(τ=0.39,0.31,0.25)や糖尿病,WBC,CRP,LDL-C(τ=0.27,0.27,0.24,0.21)と相関を認めた.HD 患者において ABI は各種栄養指標との関連性を認め,特に GNRI と密接な関連があることが示唆された.各種栄養指標の中で,GNRI は ABI と最も強い相関を認め,GNRI が動脈硬化症の病態を反映する 1 つの指標となりうると考えられた.

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研究報告
  • 五十嵐 愛子, 愛甲 美穂, 大平 吉夫, 今井 亜希子, 守矢 英和, 日高 寿美, 大竹 剛靖, 小林 修三
    15 巻 (2017) 3 号 p. 130-134
    公開日: 2017/09/30
    ジャーナル 認証あり

    【要旨】当院では 2011年6月より月 2 回フットウェア外来を開設し,義肢装具士とともにフットケア指導士である看護師が介入する外来を行っている.今回,当外来の受診率,基礎疾患,切断部位など横断的研究を行い,フットケア指導士の役割を検討した.2015年6月末までの 4 年間に当外来を受診した患者数は 304 名(延べ 1,614 名),男性 133 名,平均年齢 64 歳であった.基礎疾患は糖尿病 129 名,慢性腎臓病(CKD) 91名(透析 76 名),関節リウマチ 14 名であった.末梢動脈疾患(PAD)合併患者が 81 名で,下肢潰瘍の患者は 62 名であった.大切断 13 名,足趾切断 34 名,外反母趾などの足変形が 94 名であった.受診状況は終了 156 名,中断 65 名,継続中 83 名であり,通院継続率は 78.6% であった.フットウェア外来におけるフットケア指導士の役割は,外来補助を行いながら同時に必要なケアや教育を行うことにあると考える.外来受診時に行うケアや教育により,フットウェアの重要性を繰り返し教育することが可能となり,通院継続率を比較的高く保つことに貢献できたと考える.

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実践報告
  • 馬場 まゆみ, 不自由者棟看護師・介護員 , NST委員会 , 褥瘡委員会
    15 巻 (2017) 3 号 p. 135-138
    公開日: 2017/09/30
    ジャーナル 認証あり

    【要旨】近年,糖尿病有病者においては,患者数の増加のみならず,合併症の理解度の低さや医療費の増加も問題となっている.足病変の有病率や下肢切断率,また下肢切断患者の死亡率や再切断率は,軽視できないレベルであるが,他の合併症と比較して足病変の認識は十分ではない.糖尿病,ハンセン病後遺症,足切断歴など,多数のリスクに対して,認知症のため患者教育は困難であったが,NST 委員会・褥瘡委員会によるチーム医療や,DESIGN-R®・SPP を用いたスタッフ教育にて救肢に成功した 1 例を報告する.対肢のショパール関節離断術から約 5 年,潰瘍の治癒から 1 年 4 ヶ月,新たな潰瘍の発生はなく,存命している.

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シリーズ:フットケアと栄養管理
  • 鈴木 英司, 武田 純
    15 巻 (2017) 3 号 p. 139-141
    公開日: 2017/09/30
    ジャーナル 認証あり

    【要旨】高血糖状態が続くと下肢の神経障害が起こり,閉塞性動脈硬化症も進行する.2013 年日本糖尿病学会は,これらの細小血管障害や動脈硬化などの合併症予防のための血糖コントロール目標(HbA1c 値)は 7% 未満であるとした(熊本宣言).社会の高齢化に伴い糖尿病患者数が増加している.2015 年日本糖尿病学会と日本老年医学会の合同作業により,75 歳以上またはフレイル(要介護)の 65 歳以上の高齢者は治療上特に注意を要するとした.サルコペニア(筋肉量減少),認知機能低下,ADL (日常生活動作)低下,フレイルを予防するための HbA1c は高めに設定され,多くの場合 7~8% である.足病変は活発に活動する患者から,廃用により寝たきりとなった患者にも起こりうる病態である.健康長寿を続けるためには,皮膚破綻を防止するための予防的なフットケアとともに,栄養管理により廃用を防止し自立を促す取り組みが重要である.

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シリーズ:フットケア指導士による実践報告リレー
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