日本フットケア学会雑誌
Online ISSN : 2424-1350
Print ISSN : 2187-7505
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15 巻 , 4 号
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特集:透析患者の下肢末梢動脈疾患重症化予防の取り組み
  • 大浦 紀彦, 匂坂 正信, 関山 琢也, 松永 洋明, 寺部 雄太, 森重 侑樹, 木下 幹雄, 多久嶋 亮彦
    15 巻 (2017) 4 号 p. 155-159
    公開日: 2017/12/26
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    【要旨】平成 28 年度 3 月の診療報酬改定により新設された「下肢末梢動脈疾患指導管理加算」は,透析患者の下肢のスクリーニングを行い,末梢動脈疾患を抽出し,専門病院に紹介する新たな医療制度である.疾患の重症化予防するという国の取り組みの一環である.この制度は,現在全国の透析関連施設の 7 割程度まで普及している.この制度の普及によって透析患者の重症下肢虚血に対する取り組みが加速すると考えられるが,専門病院側の課題もある.透析施設がこの制度をどのように活用すればいいか概説した報告はまだなく,この報告では透析施設の目線で CLI 患者をどのように治療していけばいいかを提示した.

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  • 内田 裕士, 満生 浩司, 菰田 哲夫, 百武 宏幸
    15 巻 (2017) 4 号 p. 160-166
    公開日: 2017/12/26
    ジャーナル フリー

    【要旨】末梢動脈疾患(peripheral arterial disease;PAD)は大動脈以遠の閉塞性動脈硬化症であり,その後,進展し重症下肢虚血(critical limb ischemia;CLI)に至ることで四肢切断を余儀なくされた場合,その予後は極めて不良であることが報告されている.特に血液透析患者においては PAD の有病率が高いことが知られており,慢性腎臓病(CKD)自体が PAD の独立した危険因子となる上に,糖尿病性腎症症例における糖尿病足病変などの合併,CKD-MBD による血管石灰化など様々なリスクが関与していると考えられる.また,Fontaine 分類 II 度,III 度を飛び越えた I 度から IV 度への急速な病態進展も血液透析患者における PAD の特徴とされる.四肢切断は通院など透析患者の ADL に大きな影響を及ぼし患者自身の QOL を著しく損ない,医療経済に負担をかけるのみならず,生命予後に大きな影響を与える.PAD の予防や早期発見・早期治療を行うことは,透析患者および医療者にとって重要な問題である.PAD 重症化予防の観点から 2016 年 4 月には診療報酬改定により新たに「下肢末梢動脈疾患指導管理加算」が算定可能となった.同加算は血液透析患者における PAD のスクリーニング,透析施設と専門医療機関との連携強化を目的としている.今回,我々は福岡県内の透析施設における透析患者のフットケアの現状,および加算開始後のフットケアの取り組みの変化を調査した.今後,同加算による CLI への進展抑制,四肢切断回避が期待される.

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  • 菊地 勘
    15 巻 (2017) 4 号 p. 167-172
    公開日: 2017/12/26
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    【要旨】透析患者の新規の四肢切断率は高率であり,四肢切断の有病率は年々増加している.四肢切断後の患者は ADL や QOL が低下するだけでなく生命予後が不良であることから,透析患者における足病対策は非常に重要であると考えられ,2016 年 4 月の診療報酬改定で「人工透析患者の下肢末梢動脈疾患重症化予防の評価」が算定可能となった.今回,透析施設での末梢動脈疾患の管理の実態調査を行い,この調査を今後のガイドライン作成や足病対策に生かすことを目的に行った.結果,診療報酬改定により,フットチェックおよびフットケア,下肢血流検査を全患者に施行する施設が増加していた.また,2017 年の東京都における下肢切断既往の有病率は 424/13,020 人(3.3%),切断部位は大腿切断(AK)10.6%,下腿切断(BK)34.7%と,患者の歩行機能が著しく制限される大切断が45.3%と約半数を占めていた.血液透析は週 3 回の通院が否応なく必要となり,歩行が困難となった場合,患者の ADL や QOL が低下するだけでなく,患者家族の負担増加,医療や福祉財政への負担となる.維持透析クリニックでの PAD の予防,早期発見と治療,連携病院での重症下肢虚血(CLI)に対する集学的治療が必要となる.今回の診療報酬改定は維持透析クリニックへの加算であったが,維持透析クリニックでの足病管理だけでなく,PAD 患者を紹介される基幹病院にも影響を与えていることが分かった.クリニックと基幹病院の連携により1人でも多くの救肢がなされることが期待される.

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  • 中村 秀敏
    15 巻 (2017) 4 号 p. 173-178
    公開日: 2017/12/26
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    【要旨】下肢末梢動脈疾患(PAD)は動脈硬化によって起こること,壊疽から感染症にもつながることから,透析患者の死亡に関わる合併症といえる.また下肢切断ともなれば病床を長期間占有することになり医療経済的にも損失となる.そこで透析専門病院として PAD の重症化予防に力を尽くすことが望まれる.まずは内科的予防の強化をし,PAD 自体の発症を予防することが重要である.患者や職員への啓発活動を展開し,PAD 予防や早期発見につなげたい.フットケアチームを構築し,スクリーニングにより早期発見できるシステムを整備することが望まれる.看護師や医師だけでなく,多職種連携できる環境を整えたい.連携病院との顔の見える連携を通じて切断の回避を図りたい.自施設の取り組みのみが突出してもバランスが悪くなるので,地域を挙げての連携を充実させることが望ましい.自施設のある北九州市は,PAD 治療に熱心な連携病院や周囲の透析施設・人的資源に恵まれ,地域連携モデルになり得ると期待している.透析専門病院は中核病院と透析クリニックとの架け橋になる役割も担い,透析患者の PAD 治療の中心的存在になれるよう尽力することが望まれる.

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  • 古川 雅英, 松本 健吾, 立川 洋一
    15 巻 (2017) 4 号 p. 179-187
    公開日: 2017/12/26
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    【要旨】「下肢末梢動脈疾患指導管理加算」により当院は血行再建・創傷治癒センターとして透析施設からスクリーニングされた患者を受けて虚血に対して精査と評価を行い,透析患者の下肢末梢動脈疾患・足病の重症化予防に取り組んだ.2016 年 4 月 1 日から 2017 年 1 月 31 日までの間に紹介された 24 例の 2017 年 5 月 1 日まで(最長 13ヶ月)の経過を後ろ向きに検討した.結果として重症化(大切断)に至った症例はなかった.8 例(33.3%)で重症虚血下肢となり治療を施行し,4 例(16.7%)で小切断となったが,20 例(83.3%)では完全に足を保てた.死亡例は 2 例であり死因から下肢末梢動脈疾患・足病との関連はないと思われた.現状で「下肢末梢動脈疾患指導管理加算」による下肢末梢動脈疾患・足病の重症化予防は有用であると思われた.

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  • 松本 健吾, 菊池 守
    15 巻 (2017) 4 号 p. 188-194
    公開日: 2017/12/26
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    【要旨】2016 年度の診療報酬改定にて下肢末梢動脈疾患指導管理加算が新設され,透析施設と専門施設が連携して重症化予防に取り組むこととなった.これは,地域包括の概念を取り込んだ画期的な加算要件と評価されるが,臨床現場の医療連携体制はこの加算の求める要件に追いついていないのが現状である.我々はこれらの問題解決のために,施設間医療連携をサポートする遠隔連携ソフトウェア「足ケアナビ」を制作・提供する取り組みを行っている.具体的には,現状の下肢末梢動脈疾患指導管理加算に準じる下肢の検査項目・写真画像情報・診察所見を遠隔連携ソフトウェアで情報共有し,問題のある症例や相談したい症例についてはチャット機能を用いて遠隔地の医師と相談できるものである.実際の診察ではないため触診や細かい診察はできないものの,デバイスについたカメラ機能やデータの共有をうまく行うことで,患者に長距離の移動を強いる必要がなく,また医療者同士もスムーズに情報を共有し連携する環境を作り上げることができると考える.今回我々は,透析施設での末梢動脈を含めた足病変の評価と連携に特化した遠隔連携ソフトウェア「足ケアナビ」を臨床試験として導入し,透析室と創傷センターを日常的にリンクさせることにより,足病の早期発見・早期治療のためのスムーズな連携体制の構築を目標とした取り組みを行ったため報告する.

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原著
シリーズ:フットケアと栄養管理
フットケア指導士による実践報告リレー
学会報告
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