日本フットケア学会雑誌
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最新号
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原著
  • 平尾 由美子, 小笠原 祐子
    原稿種別: 原著
    2019 年 17 巻 4 号 p. 175-180
    発行日: 2019/12/25
    公開日: 2019/12/25
    ジャーナル フリー

    【要旨】フットケア実施率向上への示唆を得ることを目的とし,訪問看護師による在宅療養高齢者へのフットケアに関する実態調査(2016年9月)の質問項目の1つである「在宅療養高齢者のフットケアについて感じていること」の自由記述回答を分析した.全国750か所の訪問看護事業所に対して郵送法により245施設(32.7%)から返送され,上記質問には122人から回答があった(回答率49.8%).質的記述的に分析し,319コードが得られ,【重要性・必要性】(88コード),【困難】(231コード)の2つのコアカテゴリーに分けられた.コード数が7割を占めた【困難】は,《療養者の要因》,《看護師の要因》,《環境の要因》のカテゴリーで構成された.《療養者の要因》から,在宅療養高齢者の医療処置を含むフットケアニーズの高まりが明らかとなった.在宅において,予防的フットケアの推進と同時に,医療的フットケアが実施可能な環境の整備の必要性が示唆された.

  • 次山 航平, 今岡 信介, 松本 健吾, 古川 雅英
    原稿種別: 原著
    2019 年 17 巻 4 号 p. 181-185
    発行日: 2019/12/25
    公開日: 2019/12/25
    ジャーナル フリー

    【要旨】2015年の糖尿病足病変に対する国際ワーキンググループガイドラインでは,変形を伴う足潰瘍と胼胝の発生予防のために足趾屈筋腱切離術が推奨されている.一方で本邦における足趾屈筋腱切離術に関する報告は極めて少ない.本研究では,再発予防を目的に足趾屈筋腱切離術を施行された対象者の歩行能力と足底負荷量の変化を報告する.対象は,再発予防を目的に足趾屈筋腱切離術を施行された5名.術前後で裸足歩行をシート式足圧接地足跡計測装置ウォークWay MW-1000(アニマ社製)を使用し計測した.術前後で歩行速度,歩幅,歩行FIM得点は,著明な変化を認めず,過荷重部位の足底負荷量は,平均22%程度の軽減が図れた.足趾屈筋腱切離術は低侵襲であることから早期の荷重リハビリテーション開始が可能となるため,歩行能力の維持と足底負荷量の軽減に有効である.

研究報告
  • 種村 智香, 布谷 麻耶, 宮本 摂, 川端 京子
    原稿種別: 研究報告
    2019 年 17 巻 4 号 p. 186-191
    発行日: 2019/12/25
    公開日: 2019/12/25
    ジャーナル フリー

    【要旨】慢性創傷の疼痛は,急性創傷の疼痛とは異なり,侵害受容性疼痛のみならず,神経障害性疼痛,非器質的疼痛にも起因した痛覚過敏やアロディニアを生じる複雑な疼痛であると報告されている.そのため,慢性創傷患者の疼痛評価においては,従来より多用されているVisual Analogue Scale(VAS),Numerical Rating Scale(NRS)といった痛みの強さの評価だけではなく,これらの性質を含めた疼痛評価が必要である.そこで,A大学病院の形成外科,皮膚科の混合病棟に入院中の下肢に慢性創傷をもつ患者7名を対象として,VASに加え日本語版Short-Form McGill Pain Questionnaire-2(SF-MPQ-2)を用いて,疼痛の性質や特徴を評価することを目的として調査を行った.SF-MPQ-2は,持続的・間欠的・神経障害性・感情的表現の4領域の性質および22の痛み表現から成る疼痛評価ツールである.VASを用いた評価では,1名のみが中等度以上の強さの痛みを認めた.一方,SF-MPQ-2を用いた評価では,対象者の半数以上で4領域すべての性質の痛みを認め,約40%は神経障害性疼痛の可能性があった.また,70%以上で痛覚過敏,アロディニアに関連した痛み表現を認め,SF-MPQ-2総合得点が高い者は,神経障害性疼痛の可能性があり,感情的表現の性質と痛覚過敏,アロディニアに関連した痛み表現が強く認められた.

症例・実践報告
  • 正井 静香
    原稿種別: 症例・実践報告
    2019 年 17 巻 4 号 p. 192-196
    発行日: 2019/12/25
    公開日: 2019/12/25
    ジャーナル フリー

    【要旨】関節リウマチ(以下RAと略する)は様々な関節に炎症を起こし,腫れや痛みが日常生活に影響を及ぼすためセルフケア能力が低下しやすい.足の変形に伴う巻き爪や胼胝形成は,創傷形成のリスクがあり,またRA治療薬による免疫能低下のため感染への留意が必要である.これらをふまえ,RA患者へのフットケアが重要であると考えた.当院でのリウマチ膠原病センター設置に伴い,看護師によるRA患者へのフットケアを開始した.2016年12月から約1年間にフットケアを行ったRA患者は42名であり,実施件数は延べ149件であった.約8割の患者に複数回実施した.ケアの主な内容は,足の観察,足浴,爪切り,胼胝・鶏眼の処置,自宅での手入れの方法や靴の選び方の説明等である.足のケアを行うだけでなく,体調の変化やライフヒストリーを聴き,療養調整の方法やサポート状況についての情報を得て,リウマチという慢性疾患とともにどのように生活しているのかを理解する機会となることを意識して,日々実践している.看護師がRA患者にフットケアを行う意義は大きいと考えるが,他職種と連携して行うことが重要であり,また,より多くの患者に実践できるための体制づくりが今後の課題と考える.

資料
  • 榊 聡子, 梅原 裕樹, 杉村 僚平, 藤森 一史, 寺部 雄太
    原稿種別: 資料
    2019 年 17 巻 4 号 p. 197-201
    発行日: 2019/12/25
    公開日: 2019/12/25
    ジャーナル フリー

    【要旨】末梢動脈疾患のリハビリテーションでは,Rutherford分類の1~3の間歇性跛行(intermittent claudication: 以下IC)においてエビデンスレベルも高く,リハビリテーションは治療の一つと定義されている.一方4~6の重症虚血肢(critical limb ischemia:以下CLI)では,リハビリテーションの有効性や安全性の報告は希少である.よってA病院をはじめとして,「足病変患者のリハビリテーション研究会」を発足し,さまざまな施設と研修会や多施設の研究活動を開始した.今回,我々の活動の一つである研修会「FREE conference」でアンケートを実施し,参加施設の現状を調査した.調査結果では血行再建術の件数に対しリハビリテーション介入件数はIC,CLIともに10%程度と少ないことが明らかとなった.CLIの治療はチーム医療が重要とされている.今回我々の調査では,11施設中8施設はフットケアチームとして活動しており,創傷治療医の診療科はさまざまであった.義肢装具士の介入状況は,11施設中8施設は義肢装具士が介入していた.今回の調査では,足病変患者に対してリハビリテーションが十分介入できておらず,各施設のフットケアチーム構成はさまざまであった.さらにリハビリテーション職種や義肢装具士がチームとして活動できていないことも明らかとなった.今後,研修会や研究活動を通して多くの人に興味をもってもらい,足切断の予防に向けた活動を行いたいと考える.

シリーズ: スキンケアと外用薬
フットケア指導士による実践報告リレー
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