ソフトウェア工学の基礎ワークショップ論文集
Online ISSN : 2436-634X
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  • 水野 修
    p. 11
    発行日: 2025/11/06
    公開日: 2026/05/15
    会議録・要旨集 フリー

    本講演では,講演者がこれまでに行ってきたソフトウェアリポジトリマイニングやソフトウェア不具合検出を中心とする一連の研究を概観し,方法論的,教育的,そして実務的な応用へと広がる研究を紹介する.こうした研究成果を通じて,ソフトウェア工学における実証的研究が,いかに教育支援や実務適用を含む幅広い領域へと展開しているかを示す.

  • 鎌田 夏実, 西本 優作, 吉田 則裕, 槇原 絵里奈, 井上 克郎
    p. 13-22
    発行日: 2025/11/06
    公開日: 2026/05/15
    会議録・要旨集 フリー

    ファジングとは,不具合を引き起こす可能性がある入力の自動生成とプログラムの自動実行を繰り返すプロセスを指す.ファジングツールは,大規模OSSから数多くの不具合を発見した実績を有する.しかし,ファジングは不具合を引きおこす可能性がある入力を開発者に提示するのみであり,プログラムからのバグ位置の特定については支援を行わない.プログラム中のバグ位置の特定を支援する技術として,Spectrum-Based Fault Localization (SBFL)が挙げられる.SBFLでは,各行の疑惑値(バグを含む確からしさ)を算出することで,バグ位置の特定を支援する.これまでのSBFLに関する研究において,様々な疑惑値の算出式が提案されてきたが,ファジングツールが発見する不具合に対して,どの算出式が有効であるか明らかになっていない.本論文では,ファジングツールが発見した不具合を対象として,5つの疑惑値算出式の有効性を調査した.具体的には,8個のプログラムに対してAFLおよびAFL++を適用し,5つの疑惑値算出式について有効性の比較評価を行った.その結果,疑惑値算出式の1つであるOp2が,他の疑惑値算出式であるBarnielやDstarよりも優れていることがわかった.

  • 松本 竣吾, 丸山 勝久
    p. 23-32
    発行日: 2025/11/06
    公開日: 2026/05/15
    会議録・要旨集 フリー

    ソフトウェア開発および保守支援において,自然言語記述に基づく意味的コード検索は広く普及しつつある.特に近年では,Transformerベースのエンコーダを応用した意味的コード検索手法がいくつも提案されている.筆者らは,8つのプログラミング言語における関数コードとそれに対する説明文の対で構成された学習コーパスを準備し,BERTの改良版であるModernBERTを活用した学習モデルを構築した.本論文では,筆者らが構築したModernBERTベースの学習モデルを説明し,コード検索における既存の学習モデルとの性能比較の結果を述べる.また,構築した学習モデルを採用した意味的コード検索システムを,統合開発環境Visual Studio Codeに組み込んだ実装を提案する.

  • 新 伊織, 戸田 航史, 井垣 宏
    p. 33-42
    発行日: 2025/11/06
    公開日: 2026/05/15
    会議録・要旨集 フリー

    コードの流用,すなわちコードをコピーして別の箇所で再利用する行為は広く行われている.コードの流用は常に問題となるわけではない.実装の手段として良いコード片を様々なコードベースから取得することは広く行われており,最近では生成AIから出力されたコードの流用も行われている.本研究では,大学のJavaプログラミング演習における学生のソースコード流用行動を細粒度履歴データを用いて分析する.細粒度履歴データは授業中に収集された47万件を超えるコードスナップショットである.正規化およびハッシュ化を用いてスナップショット間差分からコードの流用と思われるスナップショットペアを検出する.流用元が(1)自己か他者か,(2)同一課題内か別課題か,の2軸4種類に分類し,その発生頻度や規模,時系列的な発生タイミングを詳細に調査した.分析の結果,最も頻繁に発生するのは「自己・同一課題」での流用であり,課題の初期段階や終了間際に多く見られた.また,流用されるコード行数の中央値は8行程度となっており,多くが比較的新しく作成されたものであるが,過去の課題から流用されているケースも確認された.

  • 井上 智博, 崔 恩瀞
    p. 43-52
    発行日: 2025/11/06
    公開日: 2026/05/15
    会議録・要旨集 フリー

    LLM生成コードには,人間が書いたコードとは異なる特徴が現れる可能性がある.特に,LLMが生成した自然言語文には,人間が書いた文とは異なる特徴があることが知られているため,コード中のコメントにもLLM特有の特徴が表れている可能性がある.しかし,LLM生成コードの検出においてファインチューニングに用いられているデータ中のコメントの有無が検出精度に与える影響については調査した既存研究は,我々が知る限り存在しない.そこで本研究では,LLMを用いたLLM生成コード検出において,ファインチューニングに用いるデータに含まれるコメントの有無が検出精度にどのように影響をするかを調査した.その結果,コメントを含むデータでファインチューニングしたLLMは,コメントを含むコードに対しては高い検出精度を示した一方で,コメントを含まないコードに対しては検出精度が著しく低下することが確認された.また,コメントを含まないデータでファインチューニングしたLLMは,コメントの有無にかかわらず安定して高い検出精度を示した.

  • 應治 沙織, 倉林 利行
    p. 53-62
    発行日: 2025/11/06
    公開日: 2026/05/15
    会議録・要旨集 フリー

    近年,ソフトウェア開発の要件定義・設計・コーディング・テストなどの各工程において大規模言語モデル(LLM)の利用が検討されている.LLMを用いた開発において,求められる要求に沿った要件を定義し,それに沿う設計を行い,コーディング,テストと工程を進めていくためには,各工程で作成される開発資材(ドキュメントやソースコードなど)をLLMに正しく解釈させることが重要となる.開発資材には図や表といったビジュアル情報が含まれている場合が多く,ビジュアル情報には開発対象の挙動や利用の際のユースケース,ハードウェア構成など開発に欠かせない情報が含まれている.この中でも特に,開発対象の挙動やユースケースなどを示す振る舞い図は,ソフトウェア開発工程の中でも上流工程にあたる要件定義や設計の段階で作成されることが多く,ユーザの要求するソフトウェアを正しく開発するために重要な情報となる.現在,画像を入力可能なマルチモーダルLLMとして市中製品として広く利用されているChatGPTやClaude等では,画像を読み込み,当該画像の示す機能や振る舞いを解釈する機能を具備するものが多くあるが,画像上の文字の読み取りや画像内のオブジェクト間の関係等の細かい情報の読み取りで読み取り漏れやハルシネーション等が発生するという課題がある.本研究ではマルチモーダルLLMを用いて振る舞い図を読み取る精度を向上させる技術を提案する.

  • 飯村 結香子, 應治 沙織, 斎藤 忍
    p. 63-72
    発行日: 2025/11/06
    公開日: 2026/05/15
    会議録・要旨集 フリー

    システム開発の要求定義工程においては,専門家ではないユーザは日々の生活で特に意識せずに使われる曖昧な表現を用いてシステムの仕様を開発者に伝達しがちである.これらの曖昧表現により開発者が要求を捉え違えると,ユーザの要求に即さないシステムが実装されてしまう.要求仕様における曖昧表現の見直しは,システム開発の成否に影響する重要な課題である.これまでに筆者らは,曖昧表現の見直しノウハウ(曖昧となる理由や見直し方針)を個々の曖昧表現に対して提示する「曖昧表現の見直しガイドライン」を提案している.本稿では,ガイドラインが取り上げている90個の曖昧表現を取り上げ,曖昧となる理由やその見直し方針が類似するものでグルーピングした,11個の曖昧表現パターンを提案する.曖昧表現パターンは,システム開発の失敗につながる誤ったやり方(曖昧さが残る要求の表現)を,べからず集として整理したアンチパターンである.開発者はアンチパターンを学習することで,誤ったやり方を是正するための指針を得られる.その上で,提案する曖昧表現パターンの学習効果を検証するため,企業のシステム開発の初心者を被験者とした実験を行った.被験者は,曖昧表現パターンの学習の前後で,曖昧表現の発見や解消(書換え)を問う問題に回答した.実験結果より,学習前と比較して,学習後の被験者は曖昧表現を正しく解消(書換え)できることが統計的に実証された.

  • 角田 雅照, 松本 健一, 大岩 佐和子, 押野 智樹
    p. 73-82
    発行日: 2025/11/06
    公開日: 2026/05/15
    会議録・要旨集 フリー

    ソフトウェアの価格は見積時のもので固定されるとは限らず,ソフトウェア開発が完了するまでに,価格が上昇,または低下することが発生する.本稿では,ソフトウェア開発における見積価格と実績価格の差分に着目し,その要因を分析する.分析では実績価格が見積価格を上回る場合,実績価格が見積価格を下回る場合,実績価格以上に実績工数が上昇する場合の3つのケースを想定し,前者2つはユーザにおけるリスク,残りはベンダにおけるリスクとみなした.企業横断的に収集された773件のデータを分析した結果,見積価格が規模と比較して大きい場合,実績価格が見積価格よりも変動しやすい傾向などが見られた.

  • 佐々木 瞭磨, 名倉 正剛
    p. 83-92
    発行日: 2025/11/06
    公開日: 2026/05/15
    会議録・要旨集 フリー

    近年,生成AIを用いてコーディング作業を支援する統合開発環境が登場している.それらの環境では,ソースコードのコメントをもとに複数のコードの候補を生成することができる.そして開発者は生成されたコード候補群の中から使いたいコードを選択し利用する.しかし,複数のコード候補から適切なコードを選択するためには各コード候補の内容を理解し比較する必要があり,この作業は開発者にとって負担となる.そこで本研究では,生成AIによって提案されたコードの候補群に対して,コードを選択する基準となる情報を付加することで開発者を支援する手法を提案する.この際にコードを選択する基準となる情報として付加する情報は,提案されたコードとコメントの意味的な類似性と,提案されたコードの保守性である.提案手法に対し,既存のデータセットで評価をおこなったところ,コメントに基づいて生成 AI によって提案されたコード候補群のうち,適切なコードを選択できるように,付加情報を提示できる可能性があることを確認した.

  • 桑原 大昇, 木村 祐太
    p. 93-98
    発行日: 2025/11/06
    公開日: 2026/05/15
    会議録・要旨集 フリー

    ソフトウェア開発における技術的負債は,将来的な保守性や生産性に影響を及ぼす重要な課題であり,その認識と対処方法についての議論はオンラインプラットフォーム上でも活発に行われてきた.従来,Stack Overflow は技術的な課題解決の場として広く利用されてきたが,近年では GitHub Discussions のような新たなコミュニケーションプラットフォームが登場している.本研究では,技術的負債に関する開発者の議論の場がどのように変化しているのかを明らかにするため,Stack Overflow および GitHub Discussions における投稿数と投稿内容の変化について初期的な調査を行った.投稿数の推移を分析した結果,Stack Overflow では減少傾向にある一方で,GitHub Discussions では増加傾向が見られた.また,TF-IDF によるキーワード分析により,Stack Overflow ではツールや実装に関する話題が,GitHub Discussions では開発プロセスやリリース管理などマネジメント的な話題が中心であることが明らかとなった.本研究は,技術的負債に関する知識共有の場がツール・実装志向からプロジェクト運営志向へと変容しつつある可能性を示唆している.

  • 祐谷 創, 木村 祐太
    p. 99-104
    発行日: 2025/11/06
    公開日: 2026/05/15
    会議録・要旨集 フリー

    本研究は,GitHub Issues に共有された ChatGPT のリンクを含む 736 件を対象に,機械的な感情解析と人手による判定を比較し,開発者が満足した出力に結びつくプロンプトの特徴を検討した.先行研究では感情解析を満足度の代理指標とする手法が提案されているが,技術的命令文を含むプロンプトはネガティブに判定されやすく,実際の満足度を反映しにくいという問題がある.本研究の分析では,機械感情解析では Negative が多数を占めたのに対し,人手判定では Positive が優勢であり,両者に明確な差が見られた.さらに,プロンプトのトークン総数,試行回数,1 試行当たりのトークン数については有意な差が確認されなかった.一方で,満足度の高い事例では,要件や前提,期待する出力形式が具体的に記述されていることが多く観察された.これらの結果から,プロンプトの量よりも内容の具体性が良好な出力につながる重要な要因であり,単純な感情解析による満足度推定には限界があることが示唆された.

  • 野本 崇史, 依田 みなみ, 松野 裕
    p. 105-110
    発行日: 2025/11/06
    公開日: 2026/05/15
    会議録・要旨集 フリー

    AI 技術の進展とリモートワークの定着により,ソフトウェア開発には迅速な変化対応が求められ,アジャイル導入が広がっている.しかし,ハードウェアを含む機能安全システムでは製造プロセスの固定性や厳格な安全規格が障壁となり,アジャイル開発の適用は限定的である.本研究は,機能安全タスクの課題とアジャイル導入阻害要因を明らかにすることを目的に,共同研究企業における機能安全分野の開発部門を対象としたアンケート調査を実施した.分析の結果,安全要求定義,規格準拠確認,およびドキュメント作成が恒常的なボトルネックであり,経験年数に応じて審査関連タスクの負荷が集中する実態が明らかとなった.さらに,要求変更の影響把握や曖昧さ低減に向けた仕組み,効率的な文書化やトレーサビリティ支援が必要であることが示唆された.今後の展望として,これらの課題に対しては,若手とベテランで構成されるチームに部分的にスクラムを導入することが有効であると考える.

  • 松井 健吾, 萩原 茂樹
    p. 111-116
    発行日: 2025/11/06
    公開日: 2026/05/15
    会議録・要旨集 フリー

    本研究は,ストランド空間モデルを用いて,ブロックチェーンにおけるProof of Work(PoW)の完全性を形式的かつ抽象的に記述・検証する新たな枠組みを提案する.従来のPoWの安全性評価は,計算論に基づく定量的手法に依存してきた.これらの手法は,複雑かつ詳細なモデルを特徴とし,特定の前提や数値条件によって制約される.しかし,PoWが完全性を満たすことを示すためには,具体的な値に依拠せずに定性的な表現を与えることで十分であるはずである.そこで本研究では,PoWにおける本質的な操作,すなわちトランザクション生成,パズル生成,計算努力,および検証に着目し,これらの要素を因果的につながる記号的な構造として表現することで,PoWプロトコルが完全性を満たす仕組みを定性的に捉える.特に,計算努力を拡張メッセージとして導入し,その十分性をアスタリスク記号によって表現することにより,マイナーの行動が完全性にどのように影響するかを形式化する.本モデルは,正当なマイナーが多数を占める場合には完全性が保証され,不正なマイナーが支配的な場合には改ざんが可能となり得ることを示す.本研究は,PoWの安全性に関する構造的な理解を提供し,将来的な機械的検証や自動解析手法への基盤を築くものである.

  • 佐藤 広大, 関澤 俊弦
    p. 117-122
    発行日: 2025/11/06
    公開日: 2026/05/15
    会議録・要旨集 フリー

    ロボットは社会を支えており重要な役割を果たしている.ロボットの役割が増加するに伴い,自律走行や追従などさまざまな形態がある.ロボットの制御や振る舞いはシミュレーションやテストなどで確認されてきたが,十分に検証されているとは言い難い状況である.特に,外乱やロボット間の通信障害などの影響があるときの振る舞いは複雑となる.本研究は,ロボット間の通信に基づき速度を制御することにより追従動作を行うロボットに対して,モデル検査を用いてその振舞いを検証する.特に,通信障害が発生する状況下での速度制御による振舞いに着目し,具体的な対象系を扱う.検証結果は,追従動作が維持できる場合と維持できない場合がある.追従動作が維持できない原因について,反例解析による結果も示す.

  • 岸 知二, 磯島 直輝
    p. 123-128
    発行日: 2025/11/06
    公開日: 2026/05/15
    会議録・要旨集 フリー

    ファミリーベースモデル検査は複数の構成の性質を同時に検証する技術だが,スケーラビリティの問題がより顕著となる.その課題に対して,我々は検証モデルを分割し,それらを並列検証する方法を検討している.本稿では,並列検証での分割モデルの順序付けに機械学習を援用する手法について基本的な検討を行う.

  • 花川 典子, 尾花 将輝
    p. 129-134
    発行日: 2025/11/06
    公開日: 2026/05/15
    会議録・要旨集 フリー

    大学のシステム開発教育に有効なYuminVillageマルチフロントエンドシステム開発教育環境を構築した.学生の興味に合わせたフロントエンド側のアプリケーション開発,バックエンドの基盤的なサービス機能開発,インフラ構築等をチーム開発にて継続的に開発教育ができる環境である.2021年度からゼミ学生がのべ100人程度で4年間かけて開発した.本システムをつかってシステム開発教育をした結果,初心者学生の期待するマルチプレイゲームのような高度なアプリケーションが容易に開発でき,中級者には特定ゲームサーバのサーバシステム開発,上級者にはバックエンドの汎用WebAPIサービス開発,さらにインフラ構築の基礎を学ぶ効率的な環境が実現できた.

  • 佐々木 虎太郎, 伊藤 恵
    p. 135-140
    発行日: 2025/11/06
    公開日: 2026/05/15
    会議録・要旨集 フリー

    2022年頃より生成AIの活用が社会的に注目され,プログラミング教育においてもその応用が広がっている.生成AIを用いた支援システムは,学習者の理解を支援するだけでなく,教員やTA(Teaching Assistant)の指導負担を軽減する手段としても期待されている.しかし,既存の多くのシステムでは生成されたコードを直接提示する形式が主流であり,学習者の主体的な思考を促すうえで課題がある.また,従来の教育現場では教員やTAが個別のつまずきや理解状況を把握し,それに応じた支援を行うことが困難である.本研究では,このような課題に対応するため,生成AIを活用した学習支援システム「バーチャルTA」を開発した.本システムでは,AIの出力をヒント形式に限定することで,学習者の思考を促す支援を重視するとともに,学習者がAIに送信した質問を可視化してTAや教員が参照できる機能を備えている.本稿では,著者らの所属大学における2年次前期必修科目「情報処理演習I」において前期を通して運用したバーチャルTAのうち,中間試験までの期間におけるアンケート調査の結果を中心に報告する.特に,AIに送信された質問内容をTA・教員に開示する仕組みを構築し,授業支援における有効性や課題,今後の教育現場における活用可能性について検討を行う.

  • 中才 恵太朗, 木村 祐太, 新妻 弘崇
    p. 141-146
    発行日: 2025/11/06
    公開日: 2026/05/15
    会議録・要旨集 フリー

    本稿では,プログラミング課題に対するフィードバックコメント生成および採点作業を,AIエージェント(Claude Code)を用いて自動化する試みについて報告する.従来のプログラミング課題自動採点手法は,事前に作成したテストケースによる評価を基盤としていたため,テストケースの詳細な記述が必要であり,課題内容も厳密に定義される必要があった.これに対し,AIエージェントベースの採点手法を導入することで,曖昧な要件定義の下でも具体的かつ有用なフィードバックコメントの生成が可能となる.本稿では,授業課題の自動採点・フィードバックに向けた予備実験として,実際の授業提出課題を用いて自動成績評価・フィードバックが可能であるか検証を行った.その結果,自動フィードバックは妥当である結果を出力したが,自動成績評価については課題が残るため,現状では実際の成績評価・フィードバックには利用できていない.

  • 阿部 光希, 依田 みなみ, 松野 裕
    p. 147-152
    発行日: 2025/11/06
    公開日: 2026/05/15
    会議録・要旨集 フリー

    製品の開発において,安全規格に基づく安全認証は欠かせない要素である.本研究では,複雑な国際規格IEC 61508の要求事項間の参照関係を分析し,それをアシュアランスケースの表記法であるDependability Case (D-Case)を用いて体系的に構造化する手法を提案する.この提案手法により,規格のテキストに埋もれた依存関係を可視化し,規格適合性の確認をより網羅的かつ効率的に行うことを可能にする.機能安全に関する国際規格であるIEC 61508の第1部~第3部を対象に,要求事項の参照先の種類を7つに分類し,さらに「要求参照」と「資料参照」の2つのグループに大別した.また,D-Caseを用いて要求の関連を記述するための手法の提案を行なった.トップゴールを「対象節の要求事項を全て満たす」と定め,戦略ノードで要求ごとにサブゴールを分割し,要求参照は追加のサブゴール,資料参照はサブゴールにおける前提ノードとして,節ごとにIEC 61508の要求事項の関連性を体系的に記述した.今後の展望として,製品開発における実際問題に合わせた実用的な開発者支援ツールの作成が挙げられる.構造化した D-Case と製品の仕様書や認証ドキュメントとの紐付けを行い,製品開発の傾向を踏まえた構造の実現を目指す.

  • 大竹 聖, 沢田 篤史
    p. 153-158
    発行日: 2025/11/06
    公開日: 2026/05/15
    会議録・要旨集 フリー

    要求文書の整合性評価は,ソフトウェア開発で重要である.要求文書は曖昧さや不整合が生じやすく,効率的な整合性評価が課題である.本研究では,ユースケース図と記述との間の整合性を,大規模言語モデル(LLM)を利用して評価する方法を確立することを目的とする.技術的課題として,整合性評価の出力の精度と一貫性の向上を挙げる.課題解決へのアプローチとして,Zero-shot Prompting,PlantUML の使用,Zero-Shot Chain of Thought Prompting,Chain of Thought Prompting の技術を組み合わせたプロンプト設計を行った.LLMは単純な不整合の検出に一定の成果を上げたが,複雑なフローやユースケース間の相互依存性を正確に評価するには限界があることがわかった.これらの実験を通じ,課題として,LLMから出力される修正案をより具体的で一貫したものにする必要があることを確認した.LLMが複雑なユースケースを正確に解釈し,適切な提案を生成するには,プロンプトの改良や補助的な指示の提供が重要であることがわかった.

  • 石井 里彩, 佐伯 元司, 沢田 篤史
    p. 159-164
    発行日: 2025/11/06
    公開日: 2026/05/15
    会議録・要旨集 フリー

    要求仕様書における曖昧な記述は,後工程での手戻りや品質低下を招く要因となりうる.従来の曖昧性判定では主に単語レベルや構文レベルの分析に留まっており,文脈を考慮した文全体の曖昧性の検出は十分に行われていない.本研究では,判定対象文の前後にある文,意味的に類似した文が文脈情報を持っていると考え,これらと判定対象文をペアとして扱い,言語モデルの一つであるBERTに学習させ,要求仕様書中の文の曖昧性判定を自動的に行う手法を提案する.評価実験を行いこれらの手法の評価を行った結果,意味的に類似した文が文脈情報を持っているとしてファインチューニングしたBERTモデルでの判定精度が高かった.

  • 西川 和寿, 是木 玄太, 鹿糠 秀行
    p. 165-170
    発行日: 2025/11/06
    公開日: 2026/05/15
    会議録・要旨集 フリー

    開発者は作業時間の多くをソースコード理解に費やすため,コードコメントの内容が重要である.しかし,その内容は開発者の経験に依存し,ばらつきや不足が生じる.LLMやRAGを用いた自動コメント生成が注目されているが,設計書の内容を日本語コメントに適切に反映できない.本研究では,設計書から抽出した用語とその意味で構成される用語辞書によるコメント生成手法「Term Retrieval-Augmented Comment Generation」を提案する.従来のRAGとのRAGASによる比較評価の結果,LLMによらず,Context Precisionが0.39pt,Faithfulnessが0.17pt向上した.

  • 切貫 弘之
    p. 171-176
    発行日: 2025/11/06
    公開日: 2026/05/15
    会議録・要旨集 フリー

    大規模言語モデル(LLM)を用いたコード生成において,設計文書を中間生成物として活用するアプローチの有効性を,関数単位ではなく,複数ファイルから成るより実践的な開発規模で検証した.DevEvalデータセットのJavaリポジトリを用い,設計文書の有無および,設計文書に対する人手修正の有無による3パターンのコード生成・修正プロセスを比較した結果,特にファイル数が多い場合において,設計文書を介したコード生成は開発者によるコード修正工数の削減に寄与することが示された.この効果は,修正行数やコードの意味的類似度では説明できず,主にクラス構造変更の数に依存していた.また,設計文書を人手で修正した上でコード生成を行うことで,修正負荷がさらに低減することが分かった.本論文では,LLMを用いた開発において設計文書を中間生成物として活用することの有効性と,その適用範囲に関する知見を報告する.

  • 赤坂 虎大朗, 高田 眞吾
    p. 177-182
    発行日: 2025/11/06
    公開日: 2026/05/15
    会議録・要旨集 フリー

    近年のモバイルアプリケーションの急速な普及に伴い,その開発の効率化が求められている.自動GUIテストは,自律的に動作するエージェントが対象アプリケーションのGUIを操作してその欠陥を探すテストであり,モバイルアプリケーション開発のテスト工程を効率化することが期待されている.自動GUIテストの先行研究では,対象アプリケーションの未発見の機能を探索することで網羅率の向上を目指す,好奇心駆動と呼ばれる手法が盛んに研究されている.他方,対象アプリケーションの特定の機能を重点的にテストする研究は行われていない.そこで本研究では,対象アプリケーションで行われた処理の指標として,状態遷移の履歴であるパスを定義する.その上で,任意のメソッドを対象に,対象メソッド呼び出しまでのパスを多く試す自動GUIテストツールを提案する.対象メソッドには,欠陥が予測されたメソッドを想定する.提案手法は,対象アプリケーションのGUIを操作するにあたり,2つのDeep Q-Networkにパスの探索と対象メソッドの実行を分担させ,両者が交代しながら行う.多様なパスを通して対象メソッドを実行することで,好奇心駆動の手法では発見が難しい欠陥の検出を目指す.3つのアプリケーションの9つのメソッドを対象に,提案手法のパス発見力を測る実験を行い,好奇心駆動の既存手法と比較した.その結果,4つのメソッドで提案手法がより多くのパスを発見した.4つのメソッドでは,両者ともパスを発見できなかった.

  • 桑原 寛明, 渥美 紀寿
    p. 183-188
    発行日: 2025/11/06
    公開日: 2026/05/15
    会議録・要旨集 フリー

    本稿では,ソフトウェア開発において利用ライブラリのバージョン移行を行う際に,削除されるメソッドの呼び出しの修正を支援する手法を提案する.ライブラリの進化に伴ってAPIが変更されると,APIを利用するソースコードの修正が必要となるが,修正方法が必ずしも文書化されているとは限らない.提案手法では,既存のプロジェクトから収集された,利用ライブラリのバージョン移行と同時に実施された被削除メソッドの呼び出しの修正のデータを検索し,実施したい利用ライブラリのバージョン移行に必要なソースコード修正を提示する.実プロジェクトで実施された利用ライブラリのバージョン移行を対象とする適用実験の結果を示す.

  • 高橋 正和, 金子 智樹, 渡辺 喜道
    p. 189-190
    発行日: 2025/11/06
    公開日: 2026/05/15
    会議録・要旨集 フリー

    本研究では,システムの設計情報とハザード解析情報を共通に取り扱うことのできるモデルを開発し,そのモデルを用いて,システムの構成要素の間で発生するハザードの原因を分析する手法を提案する.本研究では,個別に動作するシステムの構成要素の間で発生するハザードを検出するSystem Theoretic Process Analysis (STPA) とFunctional Resonance Analysis Processの分析手順を,前述の共通モデルに適用できるように拡張し,アルゴリズムとして定義する.ハザード分析手法のアルゴリズム化により,分析の漏れや誤りを減少させ,さらにモデルを共通化することで設計・分析作業の効率化を実現する.これにより,システムの安全化に貢献する.

  • 興津 綾弓, 林 香織, 小林 展英, 森崎 修司
    p. 191-192
    発行日: 2025/11/06
    公開日: 2026/05/15
    会議録・要旨集 フリー

    車載ソフトウェアのような人の命や財産に関わる領域では,開発過程や成果物の説明可能性を確保することは重要だが,生成AIを利用した開発においてこれらを担保することは容易ではない.本稿では,アクティビティ図やGSN(Goal Structuring Notation)に着想を得た新しい手法を提案し,ブラックボックス化しがちなソフトウェア開発の透明性や妥当性根拠の可視化を目指す.

  • 小川 秀人
    p. 193-194
    発行日: 2025/11/06
    公開日: 2026/05/15
    会議録・要旨集 フリー

    大規模言語モデル(LLM)によるコード生成が急速に普及している.本稿では,LLM利用を前提としたプログラミング言語の要件を探るため,LLMを用いて架空の言語仕様を設計し,それに基づくコード生成を評価した.その結果,プログラム意図の記述,品質や安全性の検証,開発支援などの仕組みが必要であることが示唆された.また,学習データがない新言語でも,仕様書に従えば小規模なコード生成は可能であることが確認された.

  • 野林 緑朗, 山川 広人, 関澤 俊弦
    p. 195-196
    発行日: 2025/11/06
    公開日: 2026/05/15
    会議録・要旨集 フリー

    教育において演習問題は知識を定着させるために重要であり,内容が講義内容に沿っていることを評価する必要がある.本研究の目的は,プログラミング科目の演習問題の内容を形態素解析に基づき評価することである.カリキュラム標準とシラバスに対する演習問題文の類似度を比較する.類似度の算出では,一般名詞等を除去するフィルタリング処理を導入する.評価の結果,類似度のみの評価には限界があるものの演習問題の内容推定に繋がると考えらえる.

  • 宮下 拓也, 若山 明日架, 横森 励士
    p. 197-198
    発行日: 2025/11/06
    公開日: 2026/05/15
    会議録・要旨集 フリー

    スマートフォンアプリケーションにおけるレビューは開発者にとって開発や運営の方針を決めるための指針となる.本稿では,レビューを自動で入手し,分類した結果を開発者に示すことで開発を支援するシステムについて提案し,対話型AIを用いたシステムの実現方法について考察する.

  • 中越 渉太, 稲吉 弘樹, 門田 暁人
    p. 199-200
    発行日: 2025/11/06
    公開日: 2026/05/15
    会議録・要旨集 フリー

    本稿では,地方公共団体の情報システム仕様書(提案依頼書)を対象とし,LLM(大規模言語モデル)によるセキュリティ要件の自動評価を試みた結果について報告する.

  • 五反田 正浩, 大西 創, 小比賀 亮仁, 小板 隆浩
    p. 201-202
    発行日: 2025/11/06
    公開日: 2026/05/15
    会議録・要旨集 フリー

    本研究は,検索ベースソフトウェアテスト(SBST)ツールであるPynguinと,大規模言語モデル(LLM)であるChatGPTを連携させることで,生成AIによるテスト生成におけるカバレッジを向上させる手法を提案する,本手法は,Pynguinのカバーできていない箇所を分析し,その情報を基にLLMが補完的なテストを生成するものである.30個のPythonモジュールコードを対象とした評価実験において,提案手法はPynguin単体と比較して行カバレッジを平均で19.5%,ChatGPT単体と比較して分岐カバレッジを平均7.9%向上させた.これは,SBSTとLLMがテスト生成において相補的な関係にあることを示すものである.

  • 有川 康幸, 西浦 生成, 水野 修
    p. 203-204
    発行日: 2025/11/06
    公開日: 2026/05/15
    会議録・要旨集 フリー

    本研究では,京都工芸繊維大学における「言語処理プログラミング」演習を支援するため,コンテナ技術を活用した自動テスト・情報収集システムを開発した.本システムは,学生の開発環境の差異を吸収し,統一された環境でのテスト実行を実現するとともに,学習データの自動収集機能により,学生の学習過程の詳細な分析を可能にする.本稿では,主にシステムの設計・実装について論じる.

  • 鈴木 孝太郎, 西浦 生成, 水野 修
    p. 205-206
    発行日: 2025/11/06
    公開日: 2026/05/15
    会議録・要旨集 フリー

    Webブラウザはオンラインサービスとユーザのインタフェースとして重要な役割を担っているが,扱うデータの多様さ故に,悪意のある人間にとっての格好の標的となっている.本論文ではWebブラウザユーザなら誰でも利用できる「コンソール」という機能を通じて,セキュリティ上の課題を評価できるかを調査する.

  • 河口 怜央, 林 香織, 佐藤 博之, 小林 展英, 竹内 広宜
    p. 207-208
    発行日: 2025/11/06
    公開日: 2026/05/15
    会議録・要旨集 フリー

    ソフトウェア開発においては,開発効率向上を目的とした生成AIの活用が期待される.しかし,生成AIの成果物は生成プロセスがブラックボックス化されるため,品質確認が課題となる.本論文では仕様書の内容が過不足・誤りなくコードに反映されていることの確認(整合性確認)を対象に,その確認手法を生成AIで自動化した結果を報告する.

  • 藤木 智広, 大西 淳, 小形 真平, 岡野 浩三
    p. 209-210
    発行日: 2025/11/06
    公開日: 2026/05/15
    会議録・要旨集 フリー

    ソフトウェア要求文書は自然言語で記述されることが多く,しばしば一意に解釈できない曖昧な要求文を含む.この曖昧な要求文は,開発者間で認識の齟齬を招き,開発の失敗や大きな手戻りの要因となり得る.そのため,近年では大規模言語モデル(LLM: Large Language Model)により曖昧な要求文を検出する手法が研究されている.そして,N-Shot Promptingにみられるように,LLMにより曖昧な要求文を的確に指摘させるには,問題点が整理されている曖昧な要求文の例文が少なからず必要と考えられる.しかし,そのような例文を豊富に得ることは困難である.そこで曖昧な要求文例の獲得を支援するため,本稿では,要求文に敢えて曖昧な表現を注入し,注入前後でどのような曖昧さが生じているのかの情報を含めて,曖昧な要求文を自動生成する``曖昧要求文生成器''について紹介する.

  • 大石 慶一朗, 本位田 真一, 中川 博之
    p. 211-212
    発行日: 2025/11/06
    公開日: 2026/05/15
    会議録・要旨集 フリー

    分散データに対する機械学習技術の一つとして連合学習が注目されている.連合学習はプライバシや通信などの要素が重要となってくるため,従来の機械学習よりも要件定義が難しい.本研究では,コンテキストエンジニアリングを用いて連合学習の要求分析をする技術の研究を行う.特に本論文では,コンテキストエンジニアリングの一つであるプロンプトエンジニアリングを用いた技術を提案する.大規模言語モデルに複数の専門家の視点をシミュレートさせることで,連合学習の要件の網羅性と質を向上させることを目指す.シンプルなプロンプトと提案手法による大規模言語モデルの出力結果を比較し,その有用性を考察する.本研究は,連合学習における要求分析の課題を解決するための第一歩となる.

  • 本田 澄, 鷲崎 弘宜, 多賀 正博, 中川 和之, 菊地 泰祐, 酒井 優介
    p. 213-214
    発行日: 2025/11/06
    公開日: 2026/05/15
    会議録・要旨集 フリー

    本論文は,Gitリポジトリの開発履歴であるコミットログを分析し,異なる組織に属するプロジェクトの開発の特徴とバグ混入傾向を比較する試みである.ApacheのGroovy,MicrosoftのVSCodeとFastの3つのオープンソースプロジェクトを対象に,コミットの時間帯とバグの混入率の関係を分析した.本研究は組織という視点を導入し,組織ごとにバグ混入の傾向を分析した.分析の結果,それぞれの組織が持つプロジェクトの性質(コミュニティ主導,企業主導)や開発規模が,深夜や週末などの特定の時間帯におけるバグの混入率の差異に影響を与える可能性が示唆された.

  • 清水端 康佑, 稲吉 弘樹, 門田 暁人
    p. 215-216
    発行日: 2025/11/06
    公開日: 2026/05/15
    会議録・要旨集 フリー

    本稿では,Kotlinの慣用表現 (kotlinic idiomsと呼ぶ)について調査する.まず,kotlinic idiomsにはどのようなものがあるのかを調査する.次に,非kotlinic idiomsとの可読性の比較を行う.

  • 浜元 健成, 角田 雅照
    p. 217-218
    発行日: 2025/11/06
    公開日: 2026/05/15
    会議録・要旨集 フリー

    近年,ソフトウェア工学の研究においても,開発者の性の多様性に着目した研究が取り組まれつつある.本研究ではそのような研究を支援することを目的に,LLMを用いて自由記述から性の多様性に対する態度を計測するアプローチの計測のフィージビリティを評価した.

  • 近藤 颯, 上林 亮介, 水谷 凌大, 角田 雅照
    p. 219-220
    発行日: 2025/11/06
    公開日: 2026/05/15
    会議録・要旨集 フリー

    本研究では,運転者の嗜好を楽しいと感じる地点と危険と感じる地点とし,これらを考慮して経路探索を行うことを目的とする.そのためには,それらの地点を運転手ごとに記録した,パーソナライズされた地図が必要となる.運転中の会話を大規模言語モデルで解析することにより,それらの地点を特定して地図を作成する方法を提案する.

  • 松橋 尚也, 尾花 将輝
    p. 221-222
    発行日: 2025/11/06
    公開日: 2026/05/15
    会議録・要旨集 フリー

    近年のソフトウェア開発ではDockerを使って環境が作られることが多い.一方で,実際のサービスとして利用する際にはKubernetesなどのコンテナオーケストレーションが利用される事が多いが,開発中のソフトウェアがKubernetesへ対応するには設計思想を十分に考慮する必要がある.結果,設計思想に反する実装を行った場合はソースコードレベルの修正が必要となり,移行に大きなコストが発生する.そこで,本稿では既存のプロジェクトがKubernetesパターンをどの程度反映しているかの調査を行った.

  • 小林 勇貴, 尾花 将輝, 花川 典子
    p. 223-224
    発行日: 2025/11/06
    公開日: 2026/05/15
    会議録・要旨集 フリー

    ソフトウェア開発においてOSSを利用する際には開発の継続性を熟知しておくことが望ましい.しかし,継続性の判断を人手で行うことは困難なうえ,把握には膨大なコストを要する.そこで,OSSの開発の継続性を把握できるツールを開発した.開発したツールをPythonライブラリ20件に適用した結果,16件のライブラリが今後も開発が継続する可能性が高いと分類でき,OSSの選定を支援できる可能性を示唆することができた.

  • 津田 大翔, 尾花 将輝
    p. 225-226
    発行日: 2025/11/06
    公開日: 2026/05/15
    会議録・要旨集 フリー

    大規模なシステムを開発する際には情報提供依頼書(RFI)や提案依頼書(RFP)を利用してベンダにシステム開発を依頼することが多い.しかし,これらRFIやRFPはレビューを行う必要があるが,規模が大きくなるほどレビューが難しくなる.本研究では,大規模マルチモーダルモデル(LMM)を用いて,非形式化文書である要求仕様書のレビュー支援ができるかの可能性を調査した.結果,LMMはプロジェクトごとの特性を加味した調整を行えば利用できる可能性があることが示された.

  • 井上 蒼士, 西浦 生成, 水野 修
    p. 227-228
    発行日: 2025/11/06
    公開日: 2026/05/15
    会議録・要旨集 フリー

    Gitを用いたバージョン管理においてコミットメッセージの品質は開発効率に大きな影響を与える.しかし実際の開発現場では,変更内容を適切に要約したコミットメッセージが作成されない場合がある.本研究ではGitコミットの差分データから自動的にコミットメッセージを生成し,人間が作成したコミットメッセージとの品質比較を行う.具体的には,大規模言語モデルを用いて差分内容の要約を生成し,Sentence-BERTによる意味的類似度評価によってその品質を定量化する.予備実験として4766件のコミットを持つseL4/seL4リポジトリを対象とした評価を実施し,LLMによる自動コミットメッセージ生成の実用性と限界について検討した.

  • 宮永 翔多, 崔 恩瀞, 水野 修
    p. 229-230
    発行日: 2025/11/06
    公開日: 2026/05/15
    会議録・要旨集 フリー

    近年,ChatGPTを用いることでコード生成が容易になっているが,ChatGPT生成コードの保守性や品質は十分に調査されていない.そこで,本研究では,人間作成コードとChatGPT生成コードを対象に,Lines of Code,Cyclomatic Complexity,Halstead VolumeとPylint用いて分析した.その結果,ChatGPT生成コードは複数の指標で有意差を示し,特に複数行文字列や空白行の使用に顕著な特徴が確認された.

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