マルチエージェントのテストベッドであるRRSではシミュレーション管理ツールと連携することにより膨大な数の災害シミュレーションが可能であるが，多様な地域を扱うには地図が少ないという問題がある．そこで本研究では，RRS用の地図作成を容易とするツールの設計と実装をおこなう．本システムではフリーの地図データであるOSMをRRS用のGMLファイルに変換するアプローチをとる．変換に際し，災害救助活動を可能とするため，すべての建物データには矛盾なく出入口を追加し，OSMの線で表現されている道路を空間に拡張する必要がある．結果として，おおよその自動化を達成し，地図の自由な作成・追加を可能とした．

本論では、J-REITの「投資口価格」に影響を与える要因を実証的に分析し、最終的に投資口価格を簡便に予測するため、多変量解析手法を用いた、システマティックなアプローチ手法を試みる。すなわち、「重回帰分析を活用して、モデルの適用可能性と各指標の寄与度を分析する。次に、投資口価格に影響を与える主要な要因を主成分分析によって抽出し考察を加える。その後、得られた主成分の得点を対象にクラスター分析を行い、投資法人自体を分類し、その特徴を分析する。最後に、重回帰分析、主成分分析及びクラスター分析による結果をあわせて総合的な考察を加える。

Among many dimensional and dimensionless amplitude parameters, Kurtosis (4-th normalized moment of probability density function) is generally regarded as a sensitive good parameter for machine diagnosis. However, higher order moment may be supposed to be much more sensitive. Bicoherence is an absolute deterioration factor whose range is 1 to 0. The theoretical value of n-th moment divided by n-th moment calculated by measured data would behave in the same way. We propose a simplified calculation method for an absolute index of n-th moment and name this as simplified absolute index of n-th moment. The case in which the rolling elements number is nine is examined. Some favorable results are obtained.

Recently in Japan, Low Cost Carriers (LCC) have entered into the market and the fierce competition is unfolded. It is our great concern that how become the selection of airline. In order to clarify the preference shift of airline, we have made the questionnaire investigation. In the general case of purchasing, it is often observed that consumers select/purchase upper class brand when they purchase next time. Suppose that former purchasing data and current purchasing data are gathered. Also suppose that upper brand is located upper in the variable array. Then transition matrix becomes upper triangle matrix under the supposition that former purchasing variables are set input and current purchasing variables are set output. If the top brand were selected from lower brand in jumping way, corresponding part in upper triangle matrix would be 0. Then in the airline selection case, how does it become. The questionnaire investigation to airline ticket purchasing case is executed and above structure is confirmed. If transition matrix is identified, S-step forecasting can be executed. Generalized forecasting matrix components’ equations are introduced. Thus, this proposed approach enables to make effective marketing plan.

現在，農業においてパイプの破損による漏水が問題となっている．本研究では，漏水の場所を正確に把握するため，音波とOFDM技術を用いた位置推定手法の提案を行う．また，従来の手法を改善することで，以前より単純かつ長距離での位置推定が行えるような手法を提案することを目的とする．

ロボットが自律制御を行うためには，環境を認識し行動を決定することが必要となる．本発表ではステレオビジョンシステムを用いたロボット制御のための画像処理アルゴリズムについて発表する．USBカメラを用いてステレオカメラを作成し，距離の測定および対象をラベリングし重心を求めることで3次元的な位置を推定した．画像処理により得られた座標を元にロボットを制御することを試みる．

我々の以前の自動帆走機は、位置情報のみを使用し、帆走速度を最大にするために帆と舵を制御した。そのため、我々の以前の帆船は風上に向かうことができなかった。本研究では、速度ベクトルの目標方向成分を用いた新しい制御法則を提案する。ラズベリーパイとGPSモジュールを搭載した小型の帆船に提案した制御法則を実装し、実環境の実験で検証した。2つの目標位置を持つ三角コースを設定し、出発点に戻るよう指示した実験の結果、目標方向成分の使用が効果的に働き、十分な風が吹く場合には、三角コースの帆走に成功した。

RoboCup サッカーシミュレーション 2D リーグにおいて，ほとんどのチームは行動選択時に評価関数を用いている．評価関数を調整することはチーム性能に強く影響する．本論文ではチーム性能を向上させる手法として，ニューラルネットワークを用いた強豪チームの評価関数モデリングを提案する．ゲームログから抽出した強豪チームの行動列に教師信号を与えることで，ニューラルネットワークの重みを更新する．RoboCup 2017 サッカーシミュレーション 2D リーグで優勝したチームの行動列を教師データとして学習させた結果，勝率や得点などのチーム性能が向上した．

　マイクロブログやSNS（Social Networking Service）の普及により，様々なユーザがライフログの投稿を行っている．この投稿内容を分析することで，ユーザの性別，年代，職業，居住地といった属性を取得することができる．これらのユーザ属性は，企業の販売戦略などでの活用が期待されている．特に，居住地はエリアマーケティングでの有用性が高いと言える．居住地推定に関する既存手法では，トピックモデルから選択した地域特徴語を用いた研究やユーザの居住地ごとの嗜好の違いを分析した研究が提案されている．しかし，前者は，雪などといった季節に関するトピックは時期によって出現数が異なる．そのため，抽出される地域特徴語の出現数に違いができ，地域特徴語が表す地域が異なる課題がある．一方，後者は，ユーザの嗜好と居住地の相関が低く推定が難しい課題がある．そこで，本研究では，同義であるが地域ごとに用いる語句が異なる類語に着目した手法を検討する．

建設現場では多くの産業事故が発生する。また、高齢化や後継者の不足により、労働者の負担が増えている。したがって、労働災害の増加が懸念される。特に、疲労による集中力の低下に伴って人為的ミスの確率が増加すると考えられる。したがって、労働者の状態を常に把握し、安全対策を講ずることが重要である。既存の研究では、血液や心電波から疲労やストレスの度合いを把握する方法がある。しかし、これらの方法は、オペレータの状態をリアルタイムで把握することには適していない。一方、近年のセンサ技術の発達に伴い、心拍を容易かつ安価に測定できるスマートウォッチが注目されている。スマートウォッチを使用して疲労を検出できると、効果的な安全管理が可能となる。そこで、本研究では、スマートウォッチの心拍数データを用いて疲労度を検出し、その適用性を検証する。

スマートフォンやIoTの普及に伴い、企業や個人が提供するサービスを活用する機会が増加している。これらのサービスを利用する際には，利用規約や約款が表示されるが，内容を確認せずに同意することが多く、トラブルに発生するケースがある。この問題への対策としてあらかじめ登録された共通重要概念を用いて重要文の抽出する手法が提案されているが、未知の新たな条約へ対応できない課題がある。そこで、本研究では，利用規約を項目ごとに分割して類似度判定と特徴量判定処理を行い，一般事項と異なる未知の項目を抽出する手法を提案する。

わが国の介護保険は、高齢者の介護を社会全体で支援する制度である。本研究では、持続可能な介護保険サービスの構築を目指して高齢者福祉に関する主観的健康感を推定する。すなわち、市民に対する高齢者福祉に関する意識調査データを利用して、主観的健康感の構成要素を具体化する。このとき、深層学習の方法を用いて、意識調査データに基づく主観的健康感の推定モデルを構築する。最終的に、市民意識から発生する主観的健康感を踏まえて、高齢者福祉に関する今後の有効な政策について整理することができる。

A different approach to the index selection problem is proposed, with partial indexes as the focal point.　FP-Growth, as well as a dynamic programming algorithm for optimization, is adopted from a previous research project, which also serves as a basis for the proposed solution.　The aim of this research is to minimize wastage of memory and, ultimately, allow for more indexes to expedite the processing of incoming queries. Instead of suggesting potential indexes based solely on which attributes appear most frequently in the workload of queries, the density of filtered queries are also accounted for, i.e. columns of corresponding attributes are only indexed in smaller portions as long as these portions satisfies the majority of all queries for said attributes. MAFIA, a subspace clustering technique based on CLIQUE, has been implemented in order to discover these dense areas. To evaluate the effectiveness of the solution, a comparison to the former solution was made through numerous experiments, and the performance brought about by the generated indexes was benchmarked and compared between different test-cases.

近年，多くの情報推薦手法が提案されており，その多くは購買意欲を掻き立てるアイテムの推薦を対象としている．一方で，冠婚葬祭用の服などは，時間，場所，場合(TPO)が限定されるものは意欲とは別に購入することも多い．しかし，TPOが限定されるものはマナーなどの拘束条件があり知識が必要とされることも多く，アイテムの購入時に困ることもしばしばある．本稿では，冠婚葬祭用の服などTPOで制約を受けるものを対象として情報推薦を行う手法について提案する．

組織標本解析は，組織病理学の分野において疾患の原因究明や治療法の確立のための重要な作業である．一般的に，生検により採取された病理組織は細胞核の大きさや形状，位置関係といった組織性状に基づいて組織の良悪や疾患の進行度が評価される．しかしながら，同じ進行度に分類された病理標本であっても，各患者によって発現遺伝子のパターンは異なる場合がある．すなわち，病理組織画像上で同じ進行度とされたものの中にもサブタイプが存在する可能性がある．テイラーメイド医療の観点からもサブタイプの発見と原因遺伝子の特定は非常に重要となる．そこで本研究では，病理画像から得られる特徴量とゲノミクスデータを用いて，サブタイプ特定と原因となる遺伝子の特定を試みる．ここではその基礎検討として，Glioblastomaの病理画像を対象とし，筆者らにより決定された疾患度分類に関する画像特徴量用いてクラスタ分析を行った．実験の結果，同一進行度に属する病理画像からサブタイプの存在の可能性が明らかとなった．

我々は、FCM法にTsallisエントロピー最大化と確定的アニーリング（DA）法を組み合わせた、単一のq値を用いるクラスタリング手法を開発した。さらに我々は、単一のq値を用いる手法を拡張して、クラスタごとにそれぞれｑ値を割り当てる手法を提案した。同手法では、各q値は、帰属度関数がクラスタの分布に合うように定める必要があるが、このため、新たにパラメータを導入して各q値を算出している。しかしながら、このパラメータ値によってクラスタリングの精度が変化するという問題が残されていた。本研究では、各q値の決定にパラメータを必要としない手法を提案する。乱数を用いて生成したデータ及び、""SDSS quasar spectra""データセットを用いて実験を行い、提案手法が正しく動作してクラスタリングの精度を向上させることを確かめ、既存手法に対する優位性を示す。

被験者に対して，「サクランボ」と「バナナ」，「カキ」など，10種類の果物のモノクロ画像をランダムに提示し，その名称を想起させた．本研究では，10種類の画像のうち「イチゴ」提示時における脳波の時空間的部位推定を試みた結果を「サクランボ」と「バナナ」，「カキ」，「スイカ」，の先行研究の結果と比較して報告する．この際の判別に角回の部位の反応が重要であることを示す．

本研究では，複数の評価者が複数の基準の下で，個別に評価した複数の対象のうち，ひとつを評価対象とし，その内部評価を導く．各評価者は，各対象を定められた評価基準の下で一対比較を行い，全対象に関する直感的な判断を与え，評価対象は，全評価者から評価される．したがって，評価対象に関する一対比較行列グループと各評価者に関する一対比較行列グループが考えられる．それぞれに固有のグループ内の相関に着目して，それを対応するウェイトベクトルの包含関係で表す．前者のグループ内の判断をまとめることで，評価対象の内部評価は得られるが，さらに，後者のグループにより，だれが評価したかを考慮して，評価者の特性を反映する．各グループ内の包含関係を順次緩和し，得られる区間ウェイトベクトルからファジィウェイトベクトルを導く．

本研究は人とロボットの集団内において人が不快に思わないロボットの立ち位置探索モデルの提案とその有用性の検証を行う．今日，人とロボットの衝突回避の研究が盛んに行われており，ロボットは人と一定の距離感を保って移動する必要がある．その際，他者に近付かれると不快に感じる空間であるパーソナルスペースに踏み入れないこともまたロボットには求められる．しかし，人とロボットのやり取りの間には親しみ度合いが存在する中，常に一定の距離があると親しみが感じられない．そこで，集団内の遠すぎず近すぎない立ち位置の発見を目的とする．提案モデルをシミュレーションによって検証し，結果として提案モデルは77％の場合において他者のPSを侵害しないことが明らかになった．提案モデルは人間が規定するPSを概ね守りながら立ち位置を決められた．

実際に食べ物を食べることなく、食べているという行為を擬似的に体験させるシステムを提案する。食べ物の食感を表現した触覚刺激、食べ物の見た目を表現した視覚刺激、食べ物の味付けに似た液体による味刺激の３つの刺激を同時に提示することによって、食べているという感覚を再現する。このときに味刺激は単一のもののみを使用し、触覚刺激と視覚刺激の組み合わせのみを変えることによって、味の似た複数の食べ物を表現する。

近年，コミュニケーションを通じて人間に癒しを与えるロボットが普及しつつある．これらのロボットはコミュニケーションロボットと呼ばれており、代表的なロボットのひとつとしてペットロボットが挙げられる．従来のペットロボットは感情生成におけるアルゴリズムが単純であるため，表出可能な感情も単調なものとなってしまい，ユーザに飽きられてしまうといった問題を抱えている．このような問題を解決するためには，複雑な感情を生成する感情生成アルゴリズムと生成した感情を的確に表出するためのアルゴリズムが必要となる．そこで本研究では行動に主点を置いた情動表出の最適化モデルを提案する．最適化に対話型遺伝的アルゴリズムを用いることで，ロボットはユーザの感性に合わせ情動表出を最適化することが可能になる．本稿では提案モデルの動作について擬似ユーザを用いたシミュレーションにより検証を行った．本シミュレーションの結果から，提案モデルは事前学習という段階において，情動の表出を最適化可能であることがわかった．

指差しでの対象指示において、ユーザの主観に基づく指示位置と機器による計測位置の間に相違が生じることが判明している。日常のしぐさとしての指さしは、対象の位置を意識することなくユーザの手指の身体位置覚のみで表現される。測定システムは、身体位置覚に従って客観的な計測位置と主観的な指示位置の関係を構築するべきである。本稿では、ユーザの手指の身体位置覚と指差し指示動作との関係性について考察する。

本稿では，ロボットのセンサ情報を取得するだけでなく，居住地域や年齢，職業など人間の個人情報を取得するヒューマンロボットインタラクションシステムを提案する．また，分類されたユーザ情報に基づいて，人間のペルソナ及び様々なインタラクション方法を分類することができるようにシステムの拡張を行う．提案された方法は，一連の実験と実際のロボットの実装によって検証されている．