近年, 多くの研究者がResearch Diagnostic Criteria for Temporomandibular Disorders (RDC/TMD) を評価している。このRDC/TMDは英語以外に18言語訳があり, 慢性疼痛評価にはGrading of Severity of Chronic Pain (GSCP) を用いている。しかし, 文化や言語の違いが疼痛評価に影響を及ぼす危険がある。
目的: RDC/TMDに含まれているGSCPの妥当性を日本人顎関節症患者で評価する。
方法: 448名 (542名中) の顎関節症初診患者が回答したGSCP日本語訳を用いた。交叉妥当性には対象群を2グループに分けてMokken分析を用いた。構成概念妥当性には全対象群を用いて構造方程式モデリング (SEM) で評価した。外的基準関連妥当性には日常生活障害度質問表と現在疼痛VASを用いた。
結果: Mokken分析ではスケーラビリティはグループ1 (item H: 0.64~0.72, scale H=0.70), グループ2 (item H: 0.43~0.62, scale H=0.57) ともに良好であった。SEMは良好な適合度指標を示した。GSCPの外的基準関連妥当性は検証できた。
結論: 日本人顎関節症患者でGSCPの妥当性が示された。
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