岩鉱
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87 巻, 12 号
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  • 三宅 明, 村田 恵理, 森下 修
    1992 年 87 巻 12 号 p. 475-480
    発行日: 1992/12/05
    公開日: 2008/03/18
    ジャーナル フリー
    Three types of andalusite porphyroblasts occur in the Ryoke metamorphic rocks from the Nukata area, Aichi Prefecture. The first type porphyroblast has only one kind domain (oblique Si domain) of which inclusion trail (Si) is oblique to the schistosity of the matrix (Se). The second type has another kind domain (parallel Si domain) of which Si is parallel to the Se. The third type porphyroblast consists of two kinds of domains: central oblique Si domain and outer parallel Si domains. From the systematic distribution of these type porphyroblasts in the area, the oblique and parallel Si domains are considered to have grown during regional and contact metamorphic events, respectively.
  • 富田 克利, 堀江 正治, 河野 元治
    1992 年 87 巻 12 号 p. 481-490
    発行日: 1992/12/05
    公開日: 2008/03/18
    ジャーナル フリー
    琵琶湖底の1,400mボーリングコア試料について鉱物学的に検討した。組成鉱物は,主に石英,長石,それにスメクタイト,クロライト,イライト,カオリナイトの粘土鉱物である。この他に少量の沸石,角せん石,菱鉄鉱などが含まれている。石英,長石はどの試料にも含まれており,イライト,クロライト,カオリナイトもほとんどの試料に含まれている。スメクタイトに関しては極く少量含む試料やほとんど含んでいない試料がある。この事から,古い時代の琵琶湖の大きさの大小(水位の上下)の変化を推定することができる。スメクタイトの含有量の多い試料が堆積した時代は,琵琶湖は大きかったと推定され,少ない場合はその逆である。スメクタイト,石英,長石の含有量の変化から,これまでに琵琶湖におけるこれらの堆積物に変化を与えたような環境の変化が数回あったことが推定できる。
  • 村上 英樹, 木股 三善, 下田 右, 伊藤 英司, 佐々木 聡
    1992 年 87 巻 12 号 p. 491-509
    発行日: 1992/12/05
    公開日: 2008/03/18
    ジャーナル フリー
    合成された純粋な灰長石,それぞれMgO, SiO2に富んだ灰長石を, EPMAと四軸自動X線回折装置を用いて化学組成と格子定数の測定を行い,三宅島産灰長石との比較を行った。複合イオン置換に基づく検討から,天然及び合成の灰長石は, MgをCaMgSi3O8, 過剰のSiは ?? Si4O8端成分として,固溶する可能性が指摘された。さらにMgに対するこの端成分を確認するため, EPMAによるMgの化学シフトを解析した。その結果,合成灰長石に固溶されるMgは,オケルマナイト(Ca2MgSi2O7) 中のMgと同じ四配位席を占有することが示唆された。また, X線単結晶回折法からは, Mgの固溶量が増加するに従って,単位格子の体積が増加する傾向が明らかになった。以上のことから灰長石におけるMgの固溶は,雲母,角閃石,輝石に認められる通常のTschermak置換, Mg+Si ?? ;2Al, とは異なり,四配位席だけでのTschermak置換が,メリライトと同様に灰長石においても成立することを明示している。
  • 周藤 賢治, 加々美 寛雄, 山本 和広
    1992 年 87 巻 12 号 p. 510-519
    発行日: 1992/12/05
    公開日: 2008/03/18
    ジャーナル フリー
    奥尻島に分布する白亜紀藻内火山岩類(ドレライト,安山岩,流紋岩質溶結凝灰岩など)のRb-Sr全岩アイソクロン年代は, 101.3±4.8 Maを与え, 87Sr/86Sr初生値は, 0.70532±0.00007を与えた。この年代と87Sr/86Sr初生値は,奥尻島および西南北海道西縁に産する白亜紀花崗岩類の年代と87Sr/86Sr初生値に類似している。この事実は,藻内火山岩類とこれらの花崗岩類が,ほぼ同時代に活動したことを示唆するとともに,両者の起源物質の同位体組成も似たものであることを示唆している。藻内火山岩類は,北海道・日高山脈の西側地域から東北日本の北上山地にいたる地帯に分布する同時代の火山岩類よりも高い87Sr/86Sr初生値を有している。東北日本から北海道にかけて広く分布する,前期白亜紀の火山岩類と花崗岩類の87Sr/86Sr初生値の水平変化(東側から西側へ87Sr/86Sr初生値が増加する)は,大陸縁部の火成岩にみられる傾向と一致しており,東北日本の第四紀火山岩にみられる87Sr/86Sr初生値の水平変化とは逆の傾向にある。
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