順天礦山産ニッケル礦は片麻岩中を貫ぬく細縫脈に屬する〓
本礦石の最初の成生物はその兩側の石英及び黄銅礦である。
次にそれらの間隙を充たして,主として方解石を生じ,これに多數のニッケル コバルト礦物類の結球と,自然銀の捩糸状小片を伴なひ,カナダのCobalt産銀礦に類する。細球の中核は概ね紅砒ニッケル礦(niccolite)で,その周圍及び割目に沿つて硫砒ニッケル礦(gersdorffite)乃至砒ニッケル・コバルト礦(chlanthite-smaltite)の發達を見る。
自然銀の一部は紅砒ニッケル礦に伴なつて比較的初期から生じ,一部は方解石と共にその發育を最後まで續けたが,すべて初成のものと見られる。
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