岩石鉱物鉱床学会誌
Online ISSN : 1883-0765
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65 巻, 6 号
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  • 蟹沢 聡史
    1971 年 65 巻 6 号 p. 247-264
    発行日: 1971/06/05
    公開日: 2008/08/07
    ジャーナル フリー
    表記地域の火山岩類について岩石学的に検討した結果,次の事実が明らかになった。すなわち,下部石炭系の火山岩類は緑色片岩相の変成鉱物を生じており,斑晶斜長石の大部分は秩序度の高い低温型の曹長石に変っているのに対して,二畳系のそれはより変成度が低く,斑晶斜長石はほとんど火山岩的な要素を残存している。化学組成は,各層準により特徴があり,先上部デボン系母体層群のものは久野 (1960) のアルカリ岩系に属し,下部石炭系有住層のものはMgOとむソレアイト系列に属するもので,新生代の日本の火山岩類とはやゝ異なった性質を示し,New Mexicoのかんらん石ソレアイトに近いものである。二畳系姥石層のものは高アルミナ玄武岩系に属しており,石英安山岩質のものまである。西南日本の秩父系で見っかつている深海ソレアイトに属する火山岩類はみられない。
  • 岩生 周一, A. HUSHMAND-ZADEH
    1971 年 65 巻 6 号 p. 265-285
    発行日: 1971/06/05
    公開日: 2008/08/07
    ジャーナル フリー
    1965年に約1ケ月間調査を行つた結果,始新統に属するKaraji層の層序が明らかとなつた。堆積間隙を示さない厚い地向斜的堆積物から成り,累層の厚さは10,000メートル以上に達する。熔岩・火山砕屑物など火山性堆積物を主とし,泥岩,泥灰岩などを夾在する。火山物質は上・中部の層準では主として酸性,下部層準では主として塩基性である。
    全体が深部埋積による低度広域変成作用を受け,上部層準のものは沸石相の変成岩となり,下部層準のものはパンベリ石を欠き緑簾石とブドウ石とで特徴付けられる変成岩となつている。両者の間には漸移帯がある。Karajダム近くにモンゾニ岩々床があり,それを囲む変成ハローにだけダク沸石が発達している。
    これらの変成作用の様相は,日本のグリンタフの累層の大部分と類似するが,全体としてはもっと緩かな地下温度勾配の下で行われたものと推定される。
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