岩石鉱物鉱床学会誌
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72 巻, 4 号
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  • 赤羽 久忠
    1977 年 72 巻 4 号 p. 139-151
    発行日: 1977/04/05
    公開日: 2008/08/07
    ジャーナル フリー
    Ogawa Granodiorite Mass, one of the late Cretaceous granite, can be classified into the following three rock facies: (a) medium-grained facies, (b) porphyritic facies, (c) finegrained facies.
    According to the mode of occurrence and microscopic observations, these three rock facies are considered to be formed in situ through the crystallization differentiation process, after the intrusive movement of Ogawa Mass.
    Zoning patterns of plagioclases consisting the above-stated rock facies are investigated, and the following results were obtained. In the case of Ogawa Granodiorite Mass, zoning structures of plagioclases are correlative among the most crystals of the three rock facies. The type of zoning pattern of plagioclases of Ogawa Mass is distinguishable as follows from inner part to the outward.
    -inner patchy zone-inner oscillatory zone-outer patchy zone-outer oscillatory zone-rim.
    From the comparison of zoning structures of plagioclases in above three rock facies, the present author concluded that the outer oscillatory zone might have been formed after/or the same time of crystallization differentiation.
  • 新井田 清信
    1977 年 72 巻 4 号 p. 152-161
    発行日: 1977/04/05
    公開日: 2008/08/07
    ジャーナル フリー
    幌満超苦鉄質岩体のはんれい岩相中にはケルスート閃石・チタンパーガス閃石およびパーガス閃石が含まれている。このうち,チタンに富むパーガス閃石は斜長石レルゾライトの細粒部およびはんれい岩Iに認められ,ケルスート閃石ははんれい岩Iの周縁部に限って産出する。一方,パーガス閃石はより早期相と考えられるはんれい岩IIに含まれる。これらの角閃石はいずれも幌満岩体の残液から晶出した初生鉱物である。これらのうちケルスート閃石5個,チタンパーガス閃石14個,パーガス閃石2個をEPMAにより化学分析したところ,著しい組成変化が認められた。
    幌満岩体の角閃石を含む世界各地のこれらの角閃石187個について化学組成を検討した。その結果,ケルスート閃石とパーガス閃石の間には, 4配位の位置でのSi〓Al置換とともに, M(1)~M(3)サイトでTi+2Fe2+〓Mg+2AlVIの置換がおこなわれていることが明らかとなった。また,チタンパーガス閃石はパーガス閃石とケルスート閃石の間の漸移型と考えられる。従って,チタンパーガス閃石は,将来,ケルスート閃石を含む他の岩石にも多く見発されるであろう。
  • 木股 三善
    1977 年 72 巻 4 号 p. 162-172
    発行日: 1977/04/05
    公開日: 2008/08/07
    ジャーナル フリー
    薬品Na2CO3, H2BO3, SiO2ゲルを使い,温度:270~450°C,圧力:100~430kg/cm2の熱水条件下で,リードマグネライトNaBSi3O8を合成した。リードマグネライトのobliquity“傾差”,即ち, 2θ(131)-2θ (131):CuKαを調べたところ,天然のリードマグネライト(低温型)の値からずれるものがあり,高温型のそれと予想される側にずれ,その格子定数も両者の中間に位置することが判明した。これは,リードマグネライトが,低温型曹長石NaAlSi3O8の同形であることから,四つのT siteにおけるBとSiの秩序-無秩序による効果と考えられる。X線分析,赤外線分析,熱分析等により,リードマグネライトの多形に関するデータを報告し,その転移温度および転移機構の不連続性を推定した。
  • 青木 謙一郎, 諏訪 兼位
    1977 年 72 巻 4 号 p. 173-179
    発行日: 1977/04/05
    公開日: 2008/08/07
    ジャーナル フリー
    ケニア中央部を南北に縦貫するグレゴリー地溝帯とその東西両翼の地帯には,中新世以降現世に至る各種の大規模な火山岩の活動がみられる。グレゴリー地溝帯東翼部に位置するサンブール地方のヌドニュオ・オルンチョロとササニのスコリア丘は,かんらん石を含む優黒質霞石岩のスコリア集塊岩・溶岩よりなる。この中に,かなり多量のかんらん岩団塊が見出される。新しく, 15ケのかんらん岩団塊を分析したところ,いずれもMgO量およびMg/Mg+Fe比が高く, Al2O3, CaO, Na2O, K2Oの各量がきわめて低い,ハルツバージァイトであることが確認きれた。
    これと類似の化学組成を示す,かんらん岩団塊は,ケニアに南接するタンザニア北部のラシャィン地域からDawsonらによって報告されている。ここもグレゴリー地溝帯地域に属する。グレゴリー地溝帯地域産のかんらん岩が,世界の地域産のクローム尖晶石かんらん岩と化学組成上顕著な差異を示すことは注目に値する。
    おそらく,グレゴリー地溝帯地域の地下50~150kmの深さに存在する上部マントルのかんらん岩は極端に溶融成分に乏しくなっているのであろう。このことはまた,重力・地震波などの観測からも推定されている。
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