岩石鉱物鉱床学会誌
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76 巻, 2 号
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  • その2:随伴する変質,鉱化作用と火成アルバイトの成因
    縣 孝之
    1981 年 76 巻 2 号 p. 35-48
    発行日: 1981/02/05
    公開日: 2008/08/07
    ジャーナル フリー
    大浦火成複合岩体の末期分化物からつくられるアピン岩質岩体中には角閃石,緑れん石,斜長石などの変質鉱物が広く分布し,黒雲母に富む変質帯には銅硫化物の濃集体が産出する。鉱化地帯からの石英の中の流体包有物の均質化温度は高く,鉱化作用ならびに変質作用はアピン岩質岩石をつくったマグマから分離した流体によるものとみなきれる。変質鉱物の組み合せはホストである火成岩の生成順序に従って変化し,マグマからの流体の分別分離があったと推定きれ,鉱化流体は最末期のマグマに起因すると考えられる。
    アピン岩質岩体中の火成組織をもつアルバイトは時々Caに富む熱水性斜長石によっておきかえられ,マグマからのもとも.との晶出物である。アルバイトの生成は多量の角閃石のマグマからの晶出の結果とみられ,この不混和溶融する鉱物の晶出は液中の単斜輝石,斜方輝石,灰長石成分を消費しておこり,晶出する斜長石をNaに富むものにすると考えられる。
  • 谷口 宏充
    1981 年 76 巻 2 号 p. 49-57
    発行日: 1981/02/05
    公開日: 2008/08/07
    ジャーナル フリー
    流紋岩質火山ガラスを試料にして熱分析(TGA-DTA)を行い,ガラス転移温度(Tg)を決定した。全てのDTA曲線は490°~760°Cの範囲内にガラス転移による吸熱ピークを示した。TgはTgにおいて試料内に残留する水の量に逆比例する。この事は水によってメルト内の珪酸陰イオンの平均重合度が減少する事を意味している。又,TgとTg~950°Cの間に系外に放出される水の量との相関は,Tg以上ないし950°C以上で放出されるものに較べ極めて良い。この事はメルト構造における水の力の定数の違いによって説明される。すなわち定数の小さな水はより低温においてメルト構造から解離し,熱運動を行いつゝ系外に向って拡散し酸素橋を破壊する。その為にTgは低下する。
  • 大橋 晴夫, 藤田 武敏, 大沢 俊一
    1981 年 76 巻 2 号 p. 58-60
    発行日: 1981/02/05
    公開日: 2008/08/07
    ジャーナル フリー
    水熱合成法によってつくった Co3Al2Si3O12ザクロ石の結晶構造をリファインした。格子常数はa0=11.455Å V=1503.07 Å3,空間群はIa3d, Si-O距難は1.627(2)Åである。
    M32+A12Si3O12ザクロ石のSi-O距離は, M2+イオンの電子構造及び電気陰性度に依存する。すなわち, Si-O距離と修飾イオンの電気陰性度の関係は,M2+イオンにおける3d電子の有無により,二つの系列に分かれ,それぞれの系列においては,電気陰性度の増加とともにSi-O距離が短くなる。
  • 相川 信之
    1981 年 76 巻 2 号 p. 61-67
    発行日: 1981/02/05
    公開日: 2008/08/07
    ジャーナル フリー
    The olivines with remarkably well-developed parting, (100), (010) and (001), from the Komori ultrabasic mass along the Maizuru structural belt were investigated by the powder and single-crystal X-ray methods and the optical microscopy. It has become clear that the very strong intensity of 020 reflection on the powder diffraction patterns is not caused by the change of crystal structure, but by the preferred lattice orientation. Dislocation arrays on (100), (010) and (001) in olivines which were heated at 800°C in air were observed under the optical microscope. The partings are closely related with dislocation arrays; the partings have been formed along the planes with dislocation arrays, because those planes have become weak against the mechanical force in relation to structural movement. The alteration after the formation of partings have taken place under the condition of relatively high temperature and low pressure.
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