日本消化器内視鏡学会雑誌
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22 巻, 10 号
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  • 神谷 利明, 朝倉 均, 三浦 総一郎, 森下 鉄夫, 宗像 良雄, 土屋 雅春
    1980 年 22 巻 10 号 p. 1335-1345_1
    発行日: 1980/10/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    われわれは1,201例・2,013病巣の胃ポリープを内視鏡的に観察し,そのうち52例89病巣については5年~12年にわたり,内視鏡的および組織学的に経過観察を行ない,次の成績をえた (1)胃ポリープ発見率は年々増加することがわかり,さらに年代別では高齢者になるに従い出現頻度が高くなると共に形態学的にも亜有茎性または有茎性ポリープの相対的増加が認められた。胃ポリープの発生部位と胃壁との関係ではA部(胃1/3下部)では大轡に,M部(胃1/3中部)では後壁に,C部(胃1/3上部)では前壁に多くみられた. (2)経過観察では,個数変化群は52例中20例(38.5%),そのうち16例は増加,2例に消退,2例に脱落消失を認めた.形の変化した群は89病巣中29個(32.4%)にみられ,経過を追及すると,持続的増大するもの(6個),増大・静止・縮少をくり返すもの(19個),消退したもの(2個),'脱落消失したもの(2個)もあった.発育期間では個々で著しい差があったが,山田1型から豆型まで平約2年8カ月,1型から皿型へは平均4年7カ月,III型からIV型へは平均1年6ヵ月と比較的長期間を要していた. (3)組織学的には過形成性ポリープは2,013病巣中1,882個(93.5%)で,腺腫が131個(6.5%)であった.さらに経過観察しえた89病巣中3個(3.4%)に癌化がみられ,そのうち2個は初回検査時には腺腫であり,1個は過形成性ポリープであった.
  • 天野 秀雄, 榊 信広, 竹内 憲, 野村 幸治, 多田 正弘, 岡崎 幸紀, 斉藤 満, 飯田 洋三, 沖田 極, 竹本 忠良
    1980 年 22 巻 10 号 p. 1346-1350_1
    発行日: 1980/10/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     新拡大内視鏡分類にもとずいて,胃粘膜表面にみられる胃小区よりもさらに細かい模様像である胃粘膜微細模様を観察し,胃局在病変の微細形態を検討した.新拡大内視鏡分類を用いるにあたって,今回は局在病変部の粘膜微細模様を正確に表現するために,さらに細かく分類し,CおよびDについて,C1(整),C2(粗大),C3(不整),D1(整),D2(軽度不整),D3(高度不整)の亜分類をもうけた. 一般に,過形成性ポリープはBCCD.異型上皮巣(ATP)はC3.隆起性胃癌はC3をとることが多く,一方陥凹性胃癌ではD3,胃潰瘍は病期により異なるが,CD D1D2をとることが多かった.潰瘍の病態との関係では,難治性胃潰瘍では,Dをしめすことが多い.
  • 竹内 憲, 榊 信廣, 天野 秀雄, 野村 幸治, 原田 元, 多田 正弘, 斉藤 満, 小田原 満, 飯田 洋三, 岡崎 幸紀, 竹本 忠 ...
    1980 年 22 巻 10 号 p. 1353-1359_1
    発行日: 1980/10/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     16歳より88歳までの局在性病変を認めない慢性胃炎症例に,メチレンブルー染色法と内視鏡的コンゴーレッド法を同時に行い腸上皮化生と萎縮境界を観察した.また,一部の症例については,噴門部の腸上皮化生および萎縮境界を観察した. 萎縮境界は,加齢に伴って幽門側から進行することが認められ,また同時に噴門側からも進行するのが認められた. 腸上皮化生は,加齢に伴って出現頻度を増し,その拡がりも拡大し,またその密度が増加することがみられた.腸上皮化生の肉眼形態では平坦型が最も多くみられ,胃体部および噴門部ではそのほとんどが平坦型であった陥凹型は若年者に多く,一方隆起型および混合型は老年者に多くみられた.しかし平坦型では年齢との関係はみられなかった. 萎縮境界の上昇に伴って腸上皮化半は出現頻度を増し,その拡がりも拡大してゆくことがみられた
  • 中原 朗, 高瀬 靖広, 塚田 啓二, 折居 和雄, 宮本 二郎, 井廻 道夫, 川北 勲, 山形 迪, 小山 捷平, 武藤 弘, 三田村 ...
    1980 年 22 巻 10 号 p. 1360-1373
    発行日: 1980/10/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    Nd-YAGレーザーの消化管粘膜に与える影響に関する基礎的検討を行った後で臨床に応用し,隆起性病変に対する内視鏡的レーザー治療を行った.レーザー光をレンズ及び微動装置により伝導率50%,core径80μの石英fiber先端に集光し,1.6mmのテフロンチューブ内に通し,このテフロンチューブを内視鏡の鉗子口に挿入し使用した.直視型(細径P2を含む),側視型全ての内視鏡に使用可能であった.隆起性病変に対するレーザー使用方法には照射法と接触法がある.接触法は照射法に比べ組織障害の深さがより深い.従って,接触法は病変の中心部,根部の凝固止血に効果が大である.36病変に対してレーザー治療を行い,術後の潰瘍も3週間以内に全例が瘢痕化し,何ら偶発症も経験しなかった.隆起型早期癌,ATPに対しても治療を行ったが結果は良好であり,早期癌に対する新しい治療法としての可能性が期待された.
  • 播磨 一雄, 富士 匡, 東光 生, 相部 剛, 川嶋 正男, 永冨 裕二, 前谷 昇, 有山 重美, 清水 道彦, 河村 奨, 竹本 忠良
    1980 年 22 巻 10 号 p. 1375-1380
    発行日: 1980/10/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     主膵管狭窄像を示した膵癌8例,慢性膵炎6例を対象に,(I)膵癌像所見からみた膵癌と慢性膵炎の鑑別点,(豆)病理学的所見からみた膵癌と慢性膵炎について検討し,両者の鑑別点と今後の問題点に関して見解をまとめたので報告した.(1)膵癌と慢性膵炎の鑑別に際し,最も重要なことは膵管像における狭窄性病変がmonocentricなものか,multicentriCなものか,判別することにあり,膵癌例では全例monoentricな病変であると診断できた.慢性膵炎でも6例中3例にmonoentcicな狭窄像を認めたが,慢性膵炎では膵癌とは異なる膵管像の特徴を認めた.(II)膵癌にともなう尾側のいわゆる随伴性膵炎は,主膵管に強い腫瘍性変化を認めたものほど高度であり,病理学的には慢性膵炎による病理学的変化とは区別しがたい.しかし,慢性膵炎の病理学的変化としては,狭窄部尾側に非連続性の,多発性膵炎病変を認め,膵管像全体にmulticentricな病変をつくる傾向を認めた.また,proteinplugや膵石,のう胞,膿瘍など,膵管狭窄による副次的産物は慢性膵炎に比較的多い. 膵管像にmonocentriCな狭窄像をもった.慢性膵炎と膵管の臨床経過は比較的よく似ており,臨床的にも,膵管像の上からも両者の鑑別は容易ではないが,(I),(II)で検討した両者のちがいを考慮にいれ,今後は膵実質造影法を併用した新しい鑑別法を積極的にとりいれ,診断能の向上を期することができるものと考えた.
  • 金子 栄蔵, 熊谷 純一, 縄野 光正, 花井 洋行, 本田 西男, 丹羽 寛文, 三木 一正, 平山 洋, 中村 孝司
    1980 年 22 巻 10 号 p. 1381-1385
    発行日: 1980/10/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    胃集団検診において2,878名に問接X線5枚撮影を行い,球変形4.9%,充盈不良3.3%,計8.2%を見出した.これら球異常者にGIF-P2検査を行い,球変形の67%,充盈不良の36.6%に異常を認めた.二次検査の受診率は82.6%で全例受診したと仮定すれば全受診者の4.4%に球部病変が存在することになる.「球変形」に存在する潰瘍73例の41.3%が多発・線状潰瘍であるのに対し「充盈不良」から発見された26例のそれは13.3%であった(P<0.025).また瘢痕の頻度は球変形で43.8%,充盈不良で69.2%でこの違いも有意差を認めた(P<0.05).「変形」と「充盈不良」とで発見される潰瘍の性状にこのような差の出る原因として潰瘍の形状と胃排出との関連が推定されるが,その一端として幽門輪の変形の頻度が単発潰瘍と多発・線状潰蕩とで異なることも関与していると考えられる.
  • 芳野 健, 島田 宜浩, 糸島 達也, 窪田 政寛, 小林 敏成, 樋口 祥光
    1980 年 22 巻 10 号 p. 1386-1394
    発行日: 1980/10/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    岡山大学第一内科で昭和33年5月より54年3月までに腹腔鏡検査を施行した2,646例中,主要偶発症は15例(0.57%)であり,気腹針,套管針刺入障害5例,腹腔内出血5例,その他5例であった.気腹針刺入障害例中,腸管穿刺例は2例で腹部手術既往例であった.いずれも内科的処理で治癒しえた.腹腔内出血例は肝・脾生検に起因する出血であり,全例内科的処置で軽快したが,検査前の出血・凝固に関する諸検査が重要である.閉塞性黄疽患者の肝生検後,レイウス病状をきたし外科的手術を施行したものが1例あった.高度の食道静脈瘤患者の1例に腹腔鏡検査後,吐血をきたし外科的処置を行った症例があった.検査時間を短く,疼痛による怒責などで腹腔内圧を高めないように注意する必要がある.心疾患合併例の腹腔鏡検査例中特に偶発症はなかったが,検査前の十分な治療と,検査中厳重な観察と注意が必要であり,特に短時間に疼痛を与えず終了することが大切である.
  • 前田 淳, 松野 堅, 三輪 洋子, 赤上 晃, 上地 六男, 横山 巌, 山下 克子, 市岡 四象, 横山 泉
    1980 年 22 巻 10 号 p. 1395-1405_1
    発行日: 1980/10/20
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    著者らは胃癌と腸上皮化生との関連を考えるうえでDisaccharidase活性を指標として胃癌周囲,良性疾患(胃潰瘍,胃ポリープ)周囲の腸上皮化生部について対比させ検討を加えた.胃癌周囲の腸上皮化生部のDi-saccharidase活性は明らかに低下しており機能的に低下していることが示唆された.さらに胃癌部,胃癌周囲の腸上皮化生部についてα-fetoproteinによる螢光抗体直接法により免疫組織学的検討も加えた.胃癌部におけるAFPの局在は41例中20例(48.8%)にみられ印環紅胞癌に陽性率が高かった.またAFPの局在部位は高分化型胃癌では腺腔上皮,基底膜に低分化型胃癌では紐胞質であった.AFP陽性胃癌周囲の腸上皮化生20例申9例(45.0%)にAFPの局在がみられたがAFP陰性胃癌周囲の腸上皮化生にはAFPの局在はみられなかった.今後,酵素学的,生化学的,免疫学的方法による多方面からの腸上皮化生へのアプローチが必要と思われる。
  • 柴田 醇, 藤井 信, 赤木 笑入, 岡村 進介
    1980 年 22 巻 10 号 p. 1406-1411
    発行日: 1980/10/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    49歳の女性で,腹満感,嘔吐,微熱を主訴に入院した. 低緊張性十二指腸造影において十二指腸皿部の狭窄を認め,内視鏡検査では同部の狭窄とその口側の数個のびらんと白苔を認めた.生検ではGroup-IIであった. 胸部レ線には著変を認めなかった. 開腹時には,Treitz靱帯に接して狭窄を認め,所属リンパ腺の腫大を認めた. 切除十二指腸標本では,狭窄部に潰瘍を認め,その口側にはびらんなどを認めた. 組織学的には,粘膜個有層及び粘膜下層にLanghans氏巨細胞を伴う乾酪壊死巣を認め,切除リンパ腺にも同様の所見を認めた. 以上より,十二指腸に限局した十二指腸結核と診断した.
  • 大田 由己子, 黒川 きみえ, 丸山 正隆, 渡辺 伸一郎, 白鳥 敬子, 鈴木 博孝
    1980 年 22 巻 10 号 p. 1413-1420
    発行日: 1980/10/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    多発早期胃癌(多発群)診断の問題にっいて検討するために,まず多発群を,単発早期胃癌(単発群)と比較し,臨床病理組織学的検索を行なった.多発群の頻度は,1968年から1977年までに切除された胃癌症例中,2.1%で,男女比は7.6:1,年齢分布は61.1±9.7(mean±SD)歳であった.単発群では,陥凹性病変が過半数を占めていたが,多発群ではこの傾向はみられず,むしろ隆起性病変が44.0%で,多くみられた.また,組織型では,幽門腺領域内に存在する高分化腺癌が多く,'胃低腺領域内のものはなかった.切除胃粘膜像では,単発群に比べ,多発群の腺境界はより高位にみられ,腸上皮化生の広い範囲にわたる分布がみられた.多発群では,腸上皮化生性粘膜内の癌が多かった.多発群は,単発群に比べ,胃粘膜の萎縮性変化と,より密接な関連を持つことを示唆する成績を得た.
  • 春日井 達造
    1980 年 22 巻 10 号 p. 1421-1422
    発行日: 1980/10/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
  • 春日井 達造
    1980 年 22 巻 10 号 p. 1423-1430
    発行日: 1980/10/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
  • Charles S. Winans
    1980 年 22 巻 10 号 p. 1431-1432
    発行日: 1980/10/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
  • Paul Salmon
    1980 年 22 巻 10 号 p. 1432
    発行日: 1980/10/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
  • 1980 年 22 巻 10 号 p. 1433-1453
    発行日: 1980/10/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
  • 1980 年 22 巻 10 号 p. 1454-1470
    発行日: 1980/10/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
  • 1980 年 22 巻 10 号 p. 1470-1482
    発行日: 1980/10/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
  • ― ERCPとUS,CT,RIを中心に―
    1980 年 22 巻 10 号 p. 1482-1502
    発行日: 1980/10/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
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