日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
Print ISSN : 0387-1207
ISSN-L : 0387-1207
22 巻, 4 号
選択された号の論文の18件中1~18を表示しています
  • 高 恍道
    1980 年 22 巻 4 号 p. 437-441
    発行日: 1980/04/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     早期胃癌症例の年齢,型,部位,大きさ,深達度,リンパ節転移及び手術率について韓国と日本の症例を比較して見た。韓国の総161例は全国5施設の誌上発表によるもので,日本の症例は田坂,林田,本田等の全国集計を引用した。 両国症例を比較すると全般的には大同小異である。ただ2,3の相違点をあげれば,年齢において韓国例が30代に多く60代は却って少ない.また型別では韓国例が日本例よりI,IIa,IIIbが少なく,III型は反対に日本例より多くなっている.病巣の大きさについては日本例より韓国例の方が3cm以上の早期胃癌の比率が少ない.手術例中の早期癌の頻度をみると,韓国では全胃癌手術1,910例中早期胃癌126例,即ち平均6.5%(4.9~12.5%)で,この数字は田坂の報告に近いが,現時点の本田の報告よりは低い.
  • 小西 敏郎, 岩崎 甫, 村田 宣夫, 片山 憲恃, 丸山 雄二, 和田 達雄
    1980 年 22 巻 4 号 p. 442-449_1
    発行日: 1980/04/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     内視鏡的レーザー止血法に用いられているNd-YAGレーザーとArgonレーザーを成犬の胃粘膜に照射し,胃壁への影響を肉眼的・組織学的に検討した.quartz fiberと胃壁の間の距離が1cmではNd-YAGレーザーは30~40ワット3秒閥照射が,またArgonレーザーは5ワット3砂間照射が胃壁の粘膜下層全層にまで光凝固作用がおよぶので安全な止血に適当であると考えられた.以上の結果に基づいて,ヘパリン化した成犬の胃内に作製した出血性潰瘍に内視鏡的レーザー止血法を試みたところ,両レーザー照射共良好な止血効果を認めた.
  • 多田 正弘, 飯田 洋三, 榊 信広, 斉藤 満, 大下 芳人, 岡崎 幸紀, 河村 奨, 竹本 忠良
    1980 年 22 巻 4 号 p. 450-457_1
    発行日: 1980/04/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     従来の鉗子生検は生検組織の大きさに制限があり,組織の挫滅も大きく必ずしも完全な生検法とはいえない.慢性胃炎の拡がり,およびその病態生理を明らかにするために,より大きい組織片を採取する必要性を痛感し,直視下吸引生検によるJumbo biopsyの開発を行っており,その成績を報告する. 30~60cmHgの吸引圧で21症例,56片の生検を行っている.約4mmの胃粘膜が採取され,最も大きいもので8.3mmの生検組織がえられており,組織標本に変形,ひずみなどを認めず,粘膜から粘膜下層まで層状に採取されて完全な組織が得られている.
  • 牧山 和也, 今西 建夫, 三島 致衍, 村上 一生, 原 耕平
    1980 年 22 巻 4 号 p. 458-463_1
    発行日: 1980/04/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     既製の大腸ファイバースコープOLYMPUS CF-MB3をもとに,先端に装着された合成樹脂性のフードが取り外された先端フードレス大腸ファイバースコープが試作された(1978.4).このファイバースコープは"水切れの悪さ"と"附着糞便の洗浄の困難性"の改善を目的として試作され,1979年2月に供用を受け,38例44回に使用を試みた(このうち13例20回は潰瘍性大腸炎症例であった).その結果,先端のフードが外されたために,"水切れの悪さ"は改善され,同時に附着糞便の洗浄除去も完全であった.さらに,前処置を行わないでの挿入,観察,生検を可能にし,重症患者大腸内視鏡検査や緊急大腸内視鏡検査に,また潰瘍性大腸炎の経過観察に,極めて有用な器機であることを報告した.
  • 奥田 順一, 西脇 和善, 宮永 実, 窪田 吉克, 井田 和徳
    1980 年 22 巻 4 号 p. 464-469_1
    発行日: 1980/04/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     慢性胃炎に対する1色素内視鏡検査法として,メチレンブルー(MB)染色法を施行して腸上皮化生の拡がり・程度を観察したのち,直視下にコンゴーレッド・エバンスブルー(C・E)液を散布して酸分泌境界ならびに胃小区像を観察するMB-C・E法を考案し,52症例を対象としてその内視鏡像について検討した.その結果,先行のMB染色法では全例の腸上皮化生の診断が可能であり,更にCE液散布によって胃小区像の摘出は,%以上広範囲観察例が幽門腺粘膜で73%,胃底腺粘膜では85%とMB染色法単独に比し大幅に増加した.腺境界も96%の症例において識別可能であり,先行のMB染色法は妨げにならなかった.15症例について検査前及び検査後3日間にわたっでGOT,GPT,の変動をみたが,1例に一過性のGOTの上昇をみるのみであった。本法は慢性胃炎の総合診断ならびにそのfollow-up studyにとって有用な方法である.
  • P.H. CHEN, Y.S. LEE, K.Y. LIN, C.S. WANG, J.D. LIU, C.P. SIAUW, T. Tak ...
    1980 年 22 巻 4 号 p. 470-479
    発行日: 1980/04/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
  • 酒井 正彦, 上田 俊二, 森安 史典, 岡崎 和一, 中村 義徳
    1980 年 22 巻 4 号 p. 480-490
    発行日: 1980/04/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     筆者は1977年9月よりERCPのX線映像をシネ撮影,ビデオ録画しており,1979年5月までの108例を検討して有用性を認めた.後刻動的に繰り返し見なおせるため,見落しを防ぎ,肝内分枝に至るまでの詳細な検討を可能とする.瘻口の存在など変形のある症例では注入時の動きの再現は有効であり,肝内分枝への流入過程も造影剤の淡い時期から充満するまで,一本毎に充分検討出来る.このような診断上の意義は,総胆管末端部の変形に対して良悪性鑑別を含めて認められ,特に排泄時の動きの分析は乳頭の機能的状態の把握を可能とし,その研究に有効である.乳頭機能異常の経過観察は,原因疾患の治療による可逆性の検討を可能とし,現在定説のない胆道系付加手術の要否の基準を明らかとする.また付加手術の術式選択基準にも定説がなく,多くは術申所見に任されているが,術式別に術後経過を追うことにより,術前の乳頭機能の把握により術式を決定できる可能性がある.
  • 戸松 成, 大井 至, 土岐 文武, 進藤 仁, 神津 忠彦, 竹内 正, 小幡 裕, 並木 真生, 中村 正樹, 竹本 忠良
    1980 年 22 巻 4 号 p. 491-502
    発行日: 1980/04/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     胆嚢腺筋腫症の診断に,内視鏡的胆道造影法とその際の胆嚢収縮刺激剤投与法の利用を試みた.9例の胆嚢腺筋腫症で,(1)経口または経静脈胆嚢造影法,(2)経口または経静脈胆嚢造影下の胆嚢収縮刺激剤投与法,(3)内視鏡的胆道造影法,(4)内視鏡的胆道造影下の胆嚢収縮刺激剤投与法を施行し,(1),(2),(3),(4)の胆嚢腺筋腫症の診断能を比較検討した.(1),(2),(3),(4)の順に診断能はよくなっていた.(4)や(2)では診断できず,(3)と(4)の方法ではじめて診断できた症例も少なくなかった.内視鏡的胆道造影法とその際の胆嚢収縮刺激剤投与法は,胆嚢腺筋腫症の診断法として非常に有意義であることがわかった.
  • 南 雄三, 三好 志雄, 河田 純男, 西川 正博, 亀田 幸男, 関 孝一, 進士 義剛, 垂井 清一郎
    1980 年 22 巻 4 号 p. 503-512_1
    発行日: 1980/04/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     腹腔鏡下肝生検を含む諸検査により:確診された原発性胆汁性肝硬変症(PBC)10症例の腹腔鏡肝表面像を検討した.PBC例に特徴的な2種の肝表面像は,(1)直径0.5~3cm大の大きな,不規則且っなだらかな隆起性変化と,(2)網目様の連続する淡い輪郭の白色紋理である.隆起性変化は7例に,白色紋理は8例にみられ,全例いずれかの所見を認めた.AsymptomaticPBC4例申,3例の肝表面に,直径0.5~3cm大の不規則な大きさ,形と分布をもっ,平滑な赤色パッチ(reddishpatch)を認めた.経過とともに,パッチの赤色調は減弱,網目様の白色紋理が増強し,パッチ部が凸部に一致する隆起性変化が出現した.赤色パッチ→白色紋理→隆起性変化の順の肝表面像の変化は,組織学的なScheuerのstage分類の進展とよく対応し,PBCの病期診断上有用と考えられた・なかでも赤色パッチは,早期PBCに特異的な肝表面像で,組織学的には,胆管病変のより軽度な区域に相当した.
  • 上田 稔, 芳野 健, 太田 亘, 伊藤 俊雄, 斉藤 大治, 島田 宜浩, 長島 秀夫, 窪田 政寛, 原岡 昭一
    1980 年 22 巻 4 号 p. 515-520
    発行日: 1980/04/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     本邦で通常行われている局麻下での腹腔鏡検査の心機能に及ぼす影響(特に気腹の影響)を心エコー図法(Pombo法)を用いて検討した.左室拡張末期容量は気腹前値119士30mlが気腹中には102士27mlと有意(P<0.02)に減少した.左室収縮末期容量は気腹前37±18mlが気腹時には35士11mlで有意な変化を認めなかった.1回拍出量(strokevolume)は気腹前値83士25mlが気腹申には67±21mlと有意(P<0.01)な減少を認めた.また心拍出量も気腹値5.8±1.51/minが気腹中には4.7士1.21/minと有意(P<0.05)に減少した. 腹腔鏡検査時はVagotonieの影響も加わり脈拍の減少,血圧の低下をきたすことが多い.従って,循環血液量の減少している老年者,長期間降圧剤の投与を受けている患者では腹腔鏡検査時には充分な循環動態の管理が必要である.
  • ―細径大腸ファイバースコープ(CF -11)の有用性―
    多田 正大, 陶山 芳一, 清水 忠雄, 稲富 五十雄, 藤井 浩, 三好 正人, 西村 伸治, 西谷 定一, 鹿嶽 研, 渡辺 能行, 奥 ...
    1980 年 22 巻 4 号 p. 521-525
    発行日: 1980/04/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     大腸内視鏡検査に際しての被検者の苦痛を減らす目的から,CFの蛇管部の太さについて検討を行った.その結果,市販されている直径13.7mmのCF-IBよりも若干細い直径11.0mmのCF-11を用いることによって,CFの操作性を余り犠牲にすることなく,被験者の苦痛を減少させることができた.さらに本器種によって,腸壁の脆弱な高齢者や,腸管腔の狭い小児に対しても,十分に安全に検査を行うことができた.したがってCF-11の利用範囲はCF-IB以上に広いことが強調された.
  • 甘糟 仁, 武田 鉄太郎, 山形 淳, 中野 昇, 角田 実, 佐々木 賢二, 庄司 忠実
    1980 年 22 巻 4 号 p. 526-530_1
    発行日: 1980/04/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     愚者は39歳女性,約4年前右季肋部痛,食欲不振,発熱等を主訴として入院,肝機能上閉塞性黄疽のパターンを示しかなりの変動を示した.退院後もたびたび腹痛を訴えていたが,症状が増強してきたので再度入院した.低緊張性十二指腸撮影では乳頭部に一致して半円形,表面凹凸不整の腫瘤陰影が認められた.内視鏡では乳頭部は腫大し,表面粘膜には変化はないが,開口部が破壊され灰白色,乳頭状の腫瘤が十二指腸腔内に露出していた.開口部からの生検細胞診により癌と診断した.膵頭十二指腸合併切除を行なった.切除標本では,2.5×1.7×1.1cmの乳頭部腫瘤で,破壊された開口部から腫瘍が露出していた.組織学的には膨大部に限局したポリープ様腺腫で,その一部に腺癌が認められた.
  • 藤野 信男, 塚田 勝比古, 広瀬 昭憲, 勝見 康平, 加藤 政仁, 伊藤 誠, 武内 俊彦
    1980 年 22 巻 4 号 p. 531-535_1
    発行日: 1980/04/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     腸管嚢腫様気腫は比較的稀な疾患である.我々は強皮症に合併し,腹腔鏡にて確診しえた症例を経験したので報告する.症例は47歳の女性で全身倦怠感,食思不振を主訴として入院した.胸部X線で横隔膜下に遊離ガスを認めるも腹痛,発熱,筋性防禦,白血球増多などの腸管穿孔症例を欠き,小腸造影にて弛緩拡張した回腸に,表面平滑なほぼ球形のポリープ様病変を散在性に多数認めたため本症を疑った.つづいて腹腔鏡検査を施行し,小腸の漿膜面に壁のうすい多房性の嚢胞を認めた.さらに嚢胞を穿刺吸引したところ,内容は気体のみで本症の確診がえられ,本症の診断における腹腔鏡検査の有用性が示唆された.また皮膚硬化,レイノー現象,γ-グロブリンの高値,抗核抗体陽性,抗DNA抗体疑陽性,皮膚生検像より強皮症に合併したものと考えられた.
  • 内田 善仁, 藤田 潔, 針間 喬, 河野 裕, 藤川 佳範, 青山 栄, 小田原 満, 渡辺 正俊, 竹本 忠良
    1980 年 22 巻 4 号 p. 536-540_1
    発行日: 1980/04/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     最近,著者らは特異な形態を示した大腸炎の1症例を経験した.症例は55歳の男性で,下血を主訴として入院した.注腸X線検査および大腸内視鏡検査を行なったところ,下部大腸にタコイボ様の隆起性病変をびまん性に認めた.経過は良好であり,特別な治療を行うことなく約2ヵ月後には軽快した. 本症例は,局所形態が既知の疾患とは異なっているが,その他の点ではアフタ様大腸炎または大腸リンパ濾胞増殖症との類似も認められるため,これらの疾患との異同を中心に考察を加え報告した.そして,特異的な局所形態を強調し,本症例をタコイボ状大腸炎と仮称して記載した.
  • 1980 年 22 巻 4 号 p. 543-564
    発行日: 1980/04/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
  • 1980 年 22 巻 4 号 p. 565-578
    発行日: 1980/04/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
  • 1980 年 22 巻 4 号 p. 579-581
    発行日: 1980/04/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
  • 1980 年 22 巻 4 号 p. 582-594
    発行日: 1980/04/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
feedback
Top