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河村 奨, 飯田 洋三, 東 光生, 永富 裕二, 有山 重美, 冨士 匡, 竹本 忠良, 篠山 哲郎, 大下 芳人, 田辺 満彦, 林 謹 ...
1980 年 22 巻 7 号 p.
897-903
発行日: 1980/07/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
脊髄損傷患者の消化器疾患については,運動・知覚神経の麻痺のため,十二指腸潰瘍の穿孔など重篤な状態で発見されることが多く,死因としても軽視できない.患者側の理由で,上部消化管X線検査や内視鏡検査の行なわれる機会も少なく,とくに頸髄損傷患者においては,それに関する論文も少ないのが現状である.そこでわれわれは,Vagotonie状態下にあると言われている頸損患者の胃粘膜所見と,胃液分泌動態について検討を行なった.対象は慢性期の頸損患者10例で,重症度分類ガストリン測定,胃液検査,内視鏡検査(Congo-red法,生検)を行なって次のような結論をえた.1)頸損患者でも注意して行なえば内視鏡検査は胃X線検査よりも有効である.2)胃粘膜の内視鏡的萎縮パターンは,正常人のそれよりも低いと思われる.3)基礎分泌量の年代別平均値は,正常人のそれよりも高値であった.4)頸損患者の胃液分泌能および,胃粘膜の状態から,十二指腸潰瘍例とその類似性が指摘された.
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高山 哲夫, 加藤 活大, 片田 直幸, 西村 大作, 柴田 時宗, 加藤 健也, 武市 政之, 早川 哲夫, 近藤 孝晴, 榊原 啓
1980 年 22 巻 7 号 p.
904-912
発行日: 1980/07/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
抗コリン剤禁忌例の胃内視鏡検査の診断能を向上させるために,172例の臨床例を対象として内視鏡検査の前処置剤としてのグルカゴンの胃蠕動運動抑制効果を検討した. グルカゴン0.5mg:筋注時の轜動運動抑制効果は対照群(Butropium Bromide 4mg筋注)とほぼ同等であり蠕動運動抑制持続時間も対照群とほぼ等しかった.蠕動運動抑制効果はグルカゴン1.0mg静注群で最も強く,蠕動運動抑制持続時間も1.0mg静注群が最も長かった. グルカゴン投与による副作用は口渇,心悸亢進,悪心例が数例認められたがいずれも短時間で消失し,問題となる副作用は出現しなかった. 以上の結果よりグルカゴンは胃の蠕動運動抑制効果も良好であり副作用の出現も少ないことから抗コリン剤禁忌例の胃内視鏡検査の前処置剤として有用であると思われた.
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大竹 寛雄, 原田 英治, 田中 慧, 児玉 龍彦, 小町谷 恭平, 大林 明, 原 義雄
1980 年 22 巻 7 号 p.
913-920
発行日: 1980/07/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
著者らは,わが国で新たに開発されたオリンパス製自動露出機構内蔵体外フラッシュ型腹腔鏡装置を用いて60例の腹腔鏡検査を行ない,その性能について検討した. その結果,本装置は,診断用腹腔鏡として,種々の利点をもつ水準以上の腹腔鏡装置であるとの確信をもった. この装置の最大の特徴は,光源装置と連動する16mm自動露出機構内蔵小型カメラの開発にある.これによって,従来,ある程度の熟練を要求されていた写真撮影が,短時間に,そして同一条件で行なえるようになり,経験の浅い者でも再現性のある写真撮影が可能となった,これは画期的な進歩であると考える. 今後きらに,35mmカメラへの自動露出機構の導入と,色調の不安定さの原因と思われるライトガイドシステムのなお一層の改良を行なうことによって,将来性の充分ある腹腔鏡装置としての道が開けてくるものと考える.
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CHUAN-PAU SIAUW, CHONG-FU WEI, KUANG-YANG LIN, JEAN-DEAN LIU, CHAUR-SH ...
1980 年 22 巻 7 号 p.
921-935
発行日: 1980/07/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
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小山 隆三, 小関 純一, 及川 潤一, 川島 真人, 近藤 敦, 小山 祥子, 門野 豊, 竹内 秀一, 小笠原 実, 友寄 高士, 佐々 ...
1980 年 22 巻 7 号 p.
936-948_1
発行日: 1980/07/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
良性本態性肥厚性胃炎に癌の合併する病態は稀である.最近,このような病態を3例経験したので報告する. 症例1)48歳男性.ルイソウを主訴として1977年8月22日入院.胃バリウム検査,内視鏡検査で胃体部大彎側に肥厚,屈曲,蛇行した粘膜襞を認めた.また,体下部大彎側の巨大皺襞からの生検組織に印環細胞癌を認めた.胃全剔術を施行.剔出された胃の組織学的所見では,癌は体部大彎側の巨大皺襞内に限局する深達度mのIIb型早期癌であり,非癌部肥厚粘膜は腺窩上皮の過形成と固有腺の増生から成る肥厚性胃炎像であった.症例2)28歳男性.上腹部痛を訴えて1978年7月15日入院.胃バリウム検査,内視鏡検査で体部大彎側に肥厚した粘膜皺襞を認め,また,体下部大彎側に深い潰瘍を伴うBorrmann III型の癌を認めた.癌は深達度ssrの進行癌であった.非癌部肥厚粘膜の組織像は胃固有腺の腺性肥大であった.症例3)35歳男性.上腹部不快感を主訴として1979年1月8日入院.胃バリウム検査,内視鏡検査で胃体部大彎側に,肥厚,蛇行した粘膜皺襞を認め,さらにこの皺襞から離れた体部後壁にIIc様陥凹病変を認めた.陥凹病変(5×8mm)は,深達度mのIc型早期癌であった.また,肥厚粘膜は胃固有腺の腺性肥大を本態とする肥厚性胃炎の組織像であった.本邦における肥厚性胃炎と癌の合併例は報告した3例を含めて11例と少ない.
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河田 耕一, 福士 道夫, 伊藤 愛一郎, 佐々木 義樓, 金沢 鉄男
1980 年 22 巻 7 号 p.
951-957_1
発行日: 1980/07/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
化学療法中に脱落を来たした隆起型胃癌の1症例を経験した.症例は70歳女性,主訴,上腹部不快感.初診昭和53年8月3日,当科外来にて胃X線検査施行,胃前庭部に45×35mmの陰影欠損を認めた.胃内視鏡検査にて前庭部大彎に巨大腫瘤を認め,BorrmannI型胃癌(乳頭状腺癌)と診断し,53年8月9日当科に入院した・手術拒否の為,化学療法(MFC+5-FUD.S.)施行.腫瘍の変形縮小および症状の改善を認め,53年12月7日退院外来治療中54年1月12日,上腹:部激痛を認め再入院。胃X線検査,胃内視鏡検査施行,胃前庭部に腫瘍を認めず,脱落消失と考えた.痕跡部生検では,壊死組織と癌細胞を認めた.MFC療法2回施行するも,著明な貧血,食思不振をみとめ輸血および対症療法を施行,全身状態の改善を認め,54年5月14日退院昭和54年12月現在外来通院中である.本症例の脱落の主因として化学療法による腫瘍基部の壊死化および部位的因子が関与するものと考えられた.
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小森 英司, 冨田 周介, 藤堂 彰男, 北浦 保智
1980 年 22 巻 7 号 p.
958-962_1
発行日: 1980/07/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
原発性小腸癌は比較的稀な疾患であるが,Treitz靱帯より40cmの空腸に輪状狭窄型を示す中分化腺癌の1例を経験した.術中内視鏡検査では狭窄の口側及び肛側に不整な潰瘍を有する腫瘤形成が認められた.本例では術前検査成績にて血中グロブリン主としてIgGの低下を認めたが癌巣切除により正常に復したことより,癌巣あるいはその口側拡張腸管よりの漏出がdys-r-globulinemiaの原因と考えられた.
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伊奈 淳, 中筋 拓哉, 松本 博臣, 塩路 信人, 河野 裕利, 橋本 忠明, 松本 孝一, 殿田 重彦, 浦 伸三, 勝見 正治
1980 年 22 巻 7 号 p.
963-969
発行日: 1980/07/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
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S字状結腸捻転症の治療法として,手術によるものと,非観血的に整復するものがある.われわれは今回,大腸ファイバースコープにより,非観血的にS字状結腸捻転症を整復した.1例は急性の,もう1例は再発性の捻転症であった.非観血的整復法には,高圧完腸による方法,肛門ブジーによる方法,直腸鏡による方法及び大腸ファイバースコープによる方法等があるが,大腸ファイバースコープによる方法が他の方法に比し有利と考える.
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多田 正大, 清水 忠雄, 鹿嶽 研, 山本 実, 原田 稔, 川井 啓市
1980 年 22 巻 7 号 p.
970-974_1
発行日: 1980/07/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
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小児の腸重積の原因として,回腸終末部のリンパ濾胞の腫大が要因となっていろことは十分推測できるものの,その明確な証拠の裏付けは難しい.文献的にもごく少数例の報告しか渉猟できない. 本報告例は1歳1ヵ月の女児におこった腸重積の原因として,回腸終末部のリンパ濾胞の腫大が関与したことを手術によって証明しえたが,術前に大腸ファイバースコープ検査を行い,回盲弁付近に結節状腫瘤として観察することに成功した.内視鏡器械の進歩によって,幼児・小児であっても安全に,しかも容易に大陽内視鏡検査が可能となってきていることが強調される.
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斉藤 満, 榊 信広, 竹内 憲, 天野 秀雄, 多田 正弘, 河野 裕, 内田 善仁, 針間 喬, 藤田 潔, 福本 陽平, 飯田 洋三, ...
1980 年 22 巻 7 号 p.
975-979_1
発行日: 1980/07/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
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胃Xanthomaについては内視鏡の発達・普及にともない容易に確認されるようになりその研究も多少行われているが,胃以外の消化管のXanthomaについてはほとんど記載がない.今回,われわれは胃・大腸に多発したXanthomaをもつ1症例を経験したので,主に大腸Xanthomatosisについて内視鏡的,血液学的,組織学的に検討した成績を報告する. 症例は61歳の女性で,下腹部痛・下痢・全身倦怠感・体重減少を主訴として受診・注腸X線検査にてpolyposisを指摘,大腸内視鏡検査施行し直腸から盲腸までの大腸全域に斑状型,平盤隆起型,茸状型の各々の形態を呈した無数のXanthomaと2個の腺腫性ポリープを認めた.加えて本症例は15~16個もの胃Xanthomaの存在も指摘されている.
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大下 芳人, 岡崎 幸紀, 有山 重美, 多田 正弘, 原田 元, 河原 清博, 平田 牧三, 榊 信広, 飯田 洋三, 竹本 忠良, 田辺 ...
1980 年 22 巻 7 号 p.
980-987
発行日: 1980/07/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
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レーザー内視鏡(MACHIDA PFS-LI)を試作し,Nd-YAGレーザーを使用して動物実験を行ない,その性能と問題点を検討した.あわせて臨床例も報告した. 今回開発した内視鏡は2チャンネルの鉗子孔の一方に石英ファイバーを通し,石英ガラス製の1aser windowで保護した密閉型である.この内視鏡の問題点は径の太い前方直視型であるため,胃角を中心とする部位の正面視が困難であること,laser windowの気密が不充分なことである.しかしその他の部位では不自由なく使用できた. 内視鏡以外の問題としては石英ファイバーの耐久性の向上,ガイド光の判別能の向上,電源電圧低下に対する対策があげられる. 動物実験による最適な照射条件は発振器出力70Wで1秒問ずつの間欠照射と考えられたが,出力に関しては内視鏡先端で測定する必要があり,この照射条件は内視鏡先端出力で再確認しなければならない.
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小林 節雄
1980 年 22 巻 7 号 p.
988-989
発行日: 1980/07/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
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1980 年 22 巻 7 号 p.
990-1010
発行日: 1980/07/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
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1980 年 22 巻 7 号 p.
1010-1015
発行日: 1980/07/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
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1980 年 22 巻 7 号 p.
1015-1021
発行日: 1980/07/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
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1980 年 22 巻 7 号 p.
1022-1030
発行日: 1980/07/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
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