日本消化器内視鏡学会雑誌
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23 巻, 12 号
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  • 吉田 操
    1981 年 23 巻 12 号 p. 1691-1703
    発行日: 1981/12/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     食道内視鏡下にトルイジンブルーならびにヨードを用いた二重染色法を新たに試みた.本法により食道粘膜面が青色,褐色,黄白色の3区域にわかれることを知り,それぞれの染色域の意味を検討した結果,褐色域は正常食道粘膜を,青染域は正常粘膜の欠損域を,黄白色域(不染帯)は病的上皮の存在領域であることを知った.特に不染帯は診断価値の高い所見である.食道癌にみられる不染帯は4型に分類でき,このうちの広範囲型と呼ぶものの85%は上皮癌であった.切除標本との対比から,上皮内癌の正診率は63%であり,残る37%は一部で粘膜固有層への浸潤がみとめられた粘膜内癌であった. 良性食道ビラン59例の険討で,ビランは二重染色所見に従い3型に分類でき,組織学的食道炎所見と良く一致した.また9例の経過追跡の結果から,ビランの二重染色型は一定の変化様式を示し,これらの結果から食道ビランは,二重染色型で示される.活動期型→再生期型→治癒期型という経過をたどることが判明した. これらの成績にもとづき,食道の内視鏡的二重染色法は,上皮内癌,ビラン性食道炎の内視鏡診断に有用な補助診断法と考えられた.
  • 大田 由己子
    1981 年 23 巻 12 号 p. 1704-1721
    発行日: 1981/12/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     切除胃ならびに内視鏡的生検材料を用いて酵素抗体法間接法によりG細胞を同定し,胃粘膜G細胞分布を検討した. G細胞は幽門腺腺管に分布し,胃底腺,噴門腺腺管には無かった.G細胞分布パターンは腺境界の型と密接な関係があり,その密度は腺の萎縮,腸上皮化生の程度を反映していた. 内視鏡的生検材料を用いた検討では,congo-red法により判定した萎縮パターンが0―4typeを示す悪性貧血において特徴的な所見が得られた. 高gastrin血症,無酸ないし低酸を伴う悪性貧血,高度萎縮性胃炎,高位胃潰瘍において幽門洞のG細胞過形成が示唆された. 幽門洞G細胞密度は空腹時血中gastrin値とは相関がなく,食事負荷後のintegrated gastrin responseと相関関係があった.胃液酸分泌との関連ではmaximum acid outputと負の相関関係がみられた.
  • 佐野 博, 中澤 三郎, 内藤 靖夫
    1981 年 23 巻 12 号 p. 1722-1735
    発行日: 1981/12/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     膵胆管合流異常と先天性胆道拡張症のX線像を分析し,1)膵胆管合流異常は共通管を有し,notchにて上位と下位共通管に2分された.2)合流異常は総胆管狭窄部の位置,上位共通管の拡張の有無,2本の膵管の関与の有無により4基本型に分類された.3)各基本型によって,上位共通管からの膵管分枝の分岐部位が異なり,また総胆管拡張径の大きさに差異が冷られた.4)先天性胆道拡張症を拡張範囲により分類し,三管合流部を含む総胆管の上1/2の部分の拡張を伴う型では全例に膵胆管合流異常を認めた.5)その他の部分のみの拡張型では正常合流形式を示した.6)他の疾患では膵胆管合流異常との関連性はみられなかったが,先天性胆道拡張症を伴うものの中に胆嚢癌合併例が高率にみられ,合流異常型および総胆管拡張径との間に一定の傾向がみられた.
  • 土谷 春仁, 三室 淳, 桜井 幸弘, 船冨 亨, 池上 文詔, 多賀 須幸男
    1981 年 23 巻 12 号 p. 1736-1745
    発行日: 1981/12/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     1976年11月から1980年3月までの3年5ヵ月間に関東逓信病院消化器内科で前方視ファイバースコーフ.(GIF-P2)を用いて行った連続する12,405件の上部消化管内視鏡検査中,154件122例(件数として1.2%)に主として気管分岐部付近を中心として存在し,噴門にまで連続しない青色調の小隆起病変を認めた.二種類に分類可能であった.第一の型はドーム型の限局性の小隆起で高齢者が多く,食道腺貯留性嚢胞によるものが主で,一部に粘膜下静脈の拡張によるものがある.第二の型は主として縦方向に走行する青色調,半円柱状(カマボコ型)の隆起で,比較的若年者が多い.食道粘膜下静脈が限局性に拡張したものと思われる.合併疾患や肝機能検査成績の検討から,両者とも門脈圧亢進症,うっ血性心不全,上大静脈閉塞など通常の食道静脈瘤の成因となる病変とは大部分の例において関連がないと考えられた.
  • 笠島 眞, 森川 俊洋, 金山 隆一, 高田 昭, 小西 二三男
    1981 年 23 巻 12 号 p. 1746-1751_1
    発行日: 1981/12/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     ヒスタミンH2-receptorの拮抗薬であるシメチジン投与後の胃潰瘍の治癒過程を,他剤治療によるそれと対比して,内視鏡的および病理組織学的に検討した.シメチジン投与群では他剤投与群に比して治癒期間の明らかな短縮が認められ,内視鏡的には潰瘍周辺の淡い発赤と比較的固いもり上がりが高頻度にみられ,これらの特徴的な内視鏡所見のため早期癌と鑑別の困難な例も少なくなかった.病理組織学的にはシメチジン投与群では単層およびtuft状の再生上皮はほとんど認められず.すでに偽幽門腺と不偏上皮の増加した再生粘膜の所見を示すものが多く観察された.これらのことは,シメチジンは他剤に比して強い胃粘膜再生効果を示すことによると考えられたが,その発現機序については明確にはできなかった.
  • 原田 一道, 水島 和雄, 柴田 好, 梶 巌, 北川 隆, 北守 茂, 並木 正義, 葛西 真一, 水戸 廸郎
    1981 年 23 巻 12 号 p. 1752-1758_1
    発行日: 1981/12/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     いわゆる難治性胃潰瘍は,局所的にみて多くの場合,その治癒過程に歪みが生じ,潰瘍の辺縁や底部に過剰の線維化をきたし硬くなり,これが潰瘍の縮小をさまたげていると考えられる.そこでこの硬さをとるためにステロイドを,また肉芽の増生を捉すためにアラントインを局注するという,いわゆる胃潰瘍の局注療法を15年来行い,すぐれた成績を得てきた.このステロイドのかわりにレーザーを照射し,旧い潰瘍をいったん新しい潰瘍にして新たなる治癒過程を起こさせれば,順調な治癒方向に向かうのではないかと思い,YAGレーザー(米国,Molectron社)を用いて,照射距離2-3cm,出力40-50W,1秒,1回のみを潰瘍の辺縁に照射したところ所期の目的を果たし,局注療法にも抵抗を示した7例の難治性胃潰瘍がいずれも2カ月前後で治癒し,その後再発もみず良好な経過をとっている.
  • 幾世 橋篤, 橘田 輝雄, 勝又 伴栄, 岡部 治弥, 大井田 正人
    1981 年 23 巻 12 号 p. 1761-1770_1
    発行日: 1981/12/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     種々の理由で手術を行えない消化管悪性腫瘍に対して溶連菌製剤OK-432の経内視鏡的頻回腫瘍内局注療法を考按し,胃癌5例,胃悪性リンパ腫2例および山腸癌1例に対して実施した.局注には内視鏡用注射針を用い,OK-432は生食5mlに溶解し,週1回を原則とし,10回前後行った.局注を行った腫瘍には著明な縮小効果を認め,4例は生検により,また他の1例は剖検による病理組織学的検査で悪性組織は消失した.遠隔転移が存在する場合には原発巣へのOK-432局注療法は転移巣の進展に対しては効果がみられなかった.OK-432腫瘍内局注療法の作用機序はBCGと同様の巻き込み効果が考えられているが,病理組織学的に,間質にマクロファージの出現は見られず,代りに形質細胞の浸潤が顕著であったことより,OK-432腫瘍内局注はBCG局注の場合とは異なり,体液性免疫の関与も示唆された.
  • 提嶋 俊一, 多田 正大, 山本 実, 渡辺 能行, 梶原 譲, 川井 啓市
    1981 年 23 巻 12 号 p. 1771-1776_1
    発行日: 1981/12/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     われわれは最近7例の若年性ポリープを経験した.内訳は15歳未満の小児4例,15歳以上の成人3例で,全例に内視鏡的ポリペクトミーを行った.我が国の若年性ポリープの報告例119例にこれらの自験例7例を含め,成人と小児の若年生ポリープについてその差異を検討した. 126例中小児の若年性ポリープは107例(84.9%),成人の若年性ポリープは19例(15.1%)であった.年齢分布は3~-歳に大きなピークがみられ,20歳前後に小さなピークのある2峰性の分布を示した.小児と成人とでは,発生部位,性比,臨床症状,大きさ,形には有意の差はみられなかった.また肉眼的にも病理学的にもこれらのグループ間に差はみられず,本症が先天性のものか,後天性のものか結論づけられなかった.
  • 井戸 健一, 吉田 行雄, 上野 規男, 川本 智章, 堀口 正彦, 長沢 貞夫, 田中 昌宏, 関 秀一, 山中 桓夫, 酒井 秀朗, 木 ...
    1981 年 23 巻 12 号 p. 1779-1787
    発行日: 1981/12/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     大酒家脂肪肝(16例)の腹腔鏡所見の特徴を明らかにするため非飲酒家脂肪肝(21例)を対照とし,腹腔鏡所見の特徴を明らかにすることを試みた.アルコール性脂肪肝は黄色斑が不鮮明で表面に軽い凹凸を伴うことが多い傾向を示し,逆に非飲酒家脂肪肝は黄色斑が鮮明で表面平滑である傾向を示していた.このような腹腔鏡所見の差は,飲酒家群では脂肪滴の分布が小葉内に瀰慢性,且つ線維化を伴うことが多く,非飲酒家群では小葉内の脂肪滴の分布が,小葉中心部あるいは中間帯までにみられ,且つ線維化を伴うことの少ない組織学的な傾向を反映しているものと推測された.肝の炎症による肝被膜混濁の影響も強く疑われたが,既往歴や肝機能検査のうえでは両群に大差は認められなかった.
  • 関谷 千尋, 美馬 聰昭, 矢崎 康平, 高橋 篤, 富永 吉春, 大原 和明, 並木 正義
    1981 年 23 巻 12 号 p. 1788-1799
    発行日: 1981/12/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     腹腔鏡検査によって肝線維化の状態や程度を把握することは,肝炎の病態や進展過程を知るうえに重要である.この場合,補助的手段としての色素撒布法はきわめて有用である.このことは,色素撒布法を施行した500例の臨床的検討と,剖検肝,およびイヌの肝を用いての実験的研究結果からも裏付けられた.すなわち色素撒布により貯溜した色素が織りなす模様と,肝生検組織がAZAN染色によって染まる膠原線維の様相とはよく一致していた.このため肝炎の進展程度を5段階に分けて検討したところ,肝生検組織像との一致率は87.6%と高かった.不一致例の多くはoverreadingであった.剖検肝の検討でも,色素貯溜部の大きさや巾の程度とよく一致していた.また,イヌの実験で肝被膜部の病変と色素貯溜の状態とはよく相関する結果を得た.
  • 久野 信義, 遠藤 登喜子, 春日井 達造, 木戸 長一郎, 松浦 昭, 栗本 組子, 伊藤 克昭, 種広 健治, 梅田 芳美, 加納 知之
    1981 年 23 巻 12 号 p. 1801-1809
    発行日: 1981/12/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     閉塞性黄疽の疑われた45例(胆道系腫瘍11例,胆道系結石8例,膵癌18例,慢性膵炎2例,その他の肝外性黄疸3例,肝内胆汁うっ帯3例)に対するUS,CT,ERCP,PTC,RIなど各種画像診断法の診断能を検討すると共に,その診断体系にも言及した.黄疸の鑑別は何れの検査法も良好で,90%前後に可能であった.閉塞部位の診断は,ERCP,PTCがそれぞれ90%以上で優れ,CT(82.5%),US(66.7%)がそれに次いだ.原因疾患の診断は,ERCPが最も優れ(79.5%),PTC(65.2%),CT(57.5%),US(50%)がそれに次いだ.閉塞性黄疸を呈し,切除可能であった膵胆道系悪性腫瘍の診断成績は,ERCP,USが良好であった.以上の成績を踏まえ,検査法の患者に対する負担なども考慮して,閉塞性黄疸の診断手順の一つを提案すると,US,CT,(RI)→ERCP,PTC→US下穿刺細胞診など→血管撮影→手術(または内科療法)となろう.
  • 多田 正大, 陶山 芳一, 田中 義憲, 清水 忠雄, 藤井 浩, 三好 正人, 西村 伸治, 西谷 定一, 鹿嶽 研, 山本 実, 赤坂 ...
    1981 年 23 巻 12 号 p. 1810-1817
    発行日: 1981/12/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     小腸内視鏡器種として,今日までにプッシュ(push)式,ロープ。ウェイ(rope-way)式およびゾンデ(sonde)式の3方式の小腸鏡が開発されているが,各々,一長一短があり,いずれのスコープも完壁なものであるとは言い難い.このうちゾンデ式小腸fiberscope(SSIF)はアングル機構と生検機構のない器種であるが,SSIFにこれらの機構を組み込んだ改良型のスコープ(SSIF-Type V, Olympus)を臨床に用いた.この結果,プッシュ式小腸fiberscopeの挿入法にならって,active insertionを行った場合には上部空腸の内視鏡観察にとどまったが,従来のSSIFの挿入法の如く,passive insertionによった場合には深部挿入が可能であった.生検も簡単に行えることから,本器種は従来のプッシュ式とゾンデ式の両方の長所を兼ね合わせた器種であり,本器種の開発によって小腸内視鏡検査の適応は更に広がることが期待される.
  • -著明な好塩基球増多と高ヒスタミン血症を伴った4症例について-
    白浜 龍興, 井口 和幸, 中島 勉, 大庭 健一, 浅見 恭士, 中川 克也, 加々美 光安, 佐藤 亮五, 遠藤 了一
    1981 年 23 巻 12 号 p. 1818-1823_1
    発行日: 1981/12/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     消化性潰腫の1年以上にわたる経過観察中に慢性骨髄性白血病(CML)を認めた症例を4例経験した.症例1:47歳,男,十二指腸潰瘍(下血)1年→胃潰瘍(下血)+CML.症例2:26歳男)十二指腸潰瘍(下血,胃切除術)6年→吻合部潰瘍(下血再手術)6カ月→合部潰瘍(下血)+CML.症例3:43歳男,胃潰瘍4年→胃潰瘍+CML症例4:51歳,男,胃潰瘍(1年3カ月吐血)1年3カ月→胃潰瘍(下血)+CML.
  • 横田 欽一, 関谷 千尋, 矢崎 康幸, 高橋 篤, 梶 巌, 小野 稔, 並木 正義, 水戸 廸郎
    1981 年 23 巻 12 号 p. 1824-1831_1
    発行日: 1981/12/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     症例は37歳の男性で,HBs抗原陽性の肝硬変として3年半にわたる治療経過中,α-etoprotein(以下AFP)が570ng/mlまで上昇してきたため原発性肝細胞癌(以下肝癌)の併発を疑い精査した.ところが肝シンチグラム,エコーグラム,CTスキャン,選択的肝動脈造影などを行っても肝癌を思わす所見を見い出すことができなかった.しかし,腹腔鏡検査で肝右葉の横隔膜面最上部に半球状の肝癌結節を認め,直視下肝生検を行ったところ,索状型のEdmondson II型の肝癌であることが確認できた.その直後に行なわれた手術の結果,摘出された腫瘍は2.5×3.5cmの被包型細小肝癌であった.術前1,500ng/mlまで上昇したAFP値は術後4週目には5ng/mlとなっていた.以上腹腔鏡検査が肝癌の早期診断に重要な役割をはたした症例を示すとともに,他の同様の文献的報告例も例をまとめて考察し,報告した.
  • 池田 昌弘, 木村 正儀, 丹羽 寛文, 笹本 和啓, 三木 一正, 平山 洋二, 張 景明, 岡 博, 織田 敏次, 毛利 昇
    1981 年 23 巻 12 号 p. 1832-1836_1
    発行日: 1981/12/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     患者は62歳男.1979年2月,腹部腫瘤を主訴に受診.上部消化管造影にて胃前庭部大彎の腫瘤陰影と膵頭部に大きな腫瘤を認めた.内視鏡検査で前庭部にBorrmann I型癌,十二指腸下行脚に多数のポリープ様腫瘤がみられた.臨床検査所見では閉塞性黄疸と高アミラーゼ血症があり,臨床的には膵腫瘤は膵原発性のものと考えられた.剖検の結果は広範な血行性,播種性転移を伴った胃癌で,肝,胆嚢,副腎,十二指腸,横行結腸,膵に転移がみられた.後腹膜リンパ節転移も著明であった.
  • 松元 淳, 渋江 正, 山口 淳正, 喜入 昭, 壱岐 慎一郎, 宮田 晋, 有馬 貞三, 坂口 健次郎, 桑波田 仁, 田中 啓三, 小吉 ...
    1981 年 23 巻 12 号 p. 1837-1842
    発行日: 1981/12/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     近年,ERCP,PTCなどの直接胆道造影法の普及により,多くの胆管系の先天性拡張症が報告されてきている.その大部分は肝外胆管に病変を有する総胆管拡張症であり,これらには従来のAlonso-Lejの分類が適応される.一方,この分類が適応されない症例,すなわち肝内胆管にも病変を有する症例の報告も増えてきており,中でも肝内胆管のみに先天性にのう腫状拡張を呈する,いわゆるCaroli病が近年その診断,治療の両面から注目を集めている.教室でもERCPで診断しえたCaroli病と思われる1症例を経験し,先に秋田らにより報告されたが,最近さらに1症例を加えたので2症例を合わせ報告する.症例1:24歳女性,4歳の時・発熱と腹痛があり肝腫大を指摘された.ERCPで肝内胆管に多発したのう腫状拡張の所見が得られた.症例2:40歳男性,約1カ月前に心窩部痛があり黄疽が出現した.ERCPにて肝内胆管のみにのう腫状拡張を認めた.
  • 1981 年 23 巻 12 号 p. 1843-1889
    発行日: 1981/12/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
  • 1981 年 23 巻 12 号 p. 1894
    発行日: 1981年
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
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