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吉田 智治, 榊 信広, 青沼 久美子, 荻野 昌昭, 門 祐二, 新開 泰司, 名和田 浩, 音成 龍司, 松岡 和子, 安永 満, 斎藤 ...
1981 年 23 巻 6 号 p.
775-780
発行日: 1981/06/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
逆流性食道炎は,下部食道括約帯圧が低く逆流液が食道内に長く停滞することによって発生すると考えられている.逆流液として,胃液は十二指腸液とともに食道炎に影響を及ぼすと考えられる.今回,逆流性食道炎と胃酸分泌との関連をみるために,背景因子としての胃粘膜の萎縮パターンを中心に検討した. 内視鏡的に逆流性食道炎と診断されたもののうち胃切除例を除いた50症例について検討し,胃粘膜の萎縮パターンを確認できた30症例について萎縮パターンをみたところ,木村,竹本の分類のclosed typeが86.7%と高率を占め,加齢による差はなかった.さらに,食道の滑脱型ヘルニア22症例について,逆流性食道炎の合併の有無によって萎縮パターンを比較した.逆流性食道炎合併例11例では,全例closed type(C1,C2)を示し,逆流性食道炎合併の有無によってそれぞれの萎縮パターンに明らかな差が認められた.
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宮本 二郎, 高瀬 靖広, 竹島 徹, 中原 朗, 川北 勲, 山形 迪, 小山 捷平, 武藤 弘, 福富 久之, 崎田 隆夫
1981 年 23 巻 6 号 p.
781-791
発行日: 1981/06/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
胃潰瘍の発生に攻撃因子と防御因子との不均衡が強調され,最近においては胃粘膜防御の減弱機序が明らかにされ,ことに微小循環動態の変化と水素イオン逆透過性亢進が胃潰瘍の成因として重要であることが認識されだした.今回は胃潰瘍患者35例と正常コントロール群27例について,前庭部,体上部の血流量と潰瘍については中心部,潰瘍辺縁部および周辺正常粘膜部血流量を内視鏡的水素クリアランス式血流測定法を用いてそれぞれ測定した.そして以下の結論を得た.(1)正常者群,胃潰瘍患者群とも胃体部血流量が前庭部血流量より有意に多かった.しかし正常者群と潰瘍群との比較では差はみられなかった.(2)50歳を越えると血流量が減少する傾向がみられた.(3)周辺正常粘膜と潰瘍辺縁の血流量を比較すると,活動期潰瘍では辺縁の血流低下,治癒期潰瘍では周辺より血流の多い態度がみられた.潰瘍中心部はいずれの時期でも血流は周辺部より少なかった.(4)同一症例で潰瘍辺縁の血流量をstage毎に測定すると,治癒機転が働くにつれて血流は増加傾向を示した.(5)難治性ないし頻回に再発をくり返す潰瘍では,辺縁血流の低下が何らかの因果関係を持つと予想される症例が7例中6例あった.
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―99.5%エタノール局注止血の試み―
浅木 茂, 西村 敏明, 岩井 修一, 北村 英武, 増田 幸久, 迫 研一, 佐藤 玄徳, 渋木 諭, 榛沢 清昭, 佐藤 彰, 大方 俊 ...
1981 年 23 巻 6 号 p.
792-798_1
発行日: 1981/06/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
著者らは,高周波電流による内視鏡的胃ポリペクトミー時の大出血例7症例と,緊急内視鏡検査で,大出血のため止血が必要と判断した出血性胃・十二指腸潰瘍9例の出血部に,直視下に99.5%エタノールまたは純エタノールを局注し,全例止血に成功した.局注止血後の再出血例はなく全身状態の急速な改善がみられ,全例外科的処置を必要とせず内科的に管理できた.本法は操作が簡単で,出血血管の周囲に適確に局注できる内視鏡のエキスパートであれば誰れでも,どこででもできる方法で,静脈瘤以外の出血に対して効果的な止血法と考える.
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斉藤 満, 榊 信広, 竹内 憲, 原田 元, 多田 正弘, 後藤 一紀, 佐高 マリオ, 飯田 洋三, 岡崎 幸紀, 竹本 忠良
1981 年 23 巻 6 号 p.
801-807_1
発行日: 1981/06/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
表層性胃炎は,SchindlerがGastritisに報告したことに始まる. われわれは,内視鏡学的に表層性胃炎の再検討を試みているので,現段階における成績を報告する. 表層性胃炎の内視鏡学的診断において,斑状発赤,櫛状発赤が重要であり,これらの発赤は,拡大内視鏡観察にて,胃小窩は正常に保たれており,びらんと鑑別できる・ 発赤部,非発赤部の組織学的検討では,細胞浸潤には差はみられず,これに反し固有層の浮腫,血管充盈,および再生上皮の有無について若干の差を認めた. 発赤と萎縮パターンについてみると,closedtypeが大半を占め,ており,とくに櫛状発赤を前庭部に認めた症例は,C
1,C
2パターンのみであった. 経時的観察において,発赤の消失する症例,変化のない症例および,発赤の変化はあるも,なお存在する症例が認められた.
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―赤色小円形斑紋と肝癌との関連について―
沼 義則, 福本 陽平, 江崎 隆朗, 小田 正隆, 安藤 啓次郎, 坪田 若子, 宮崎 正子, 森本 哲雄, 松田 彰史, 渡辺 精四郎, ...
1981 年 23 巻 6 号 p.
808-813
発行日: 1981/06/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
慢性肝疾患(慢性肝炎,肝硬変症)103例および原発性肝細胞癌(以下肝癌)25例について,腹腔鏡上みられる赤色小円形斑紋(以下斑紋)に注目し肝癌との関連について検討を行なった.斑紋は,慢性肝疾患103例中30例(29.1%)にみられた.Liver cell dysplasia(以下LCD)を認める症例では23例中11例(47.8%),認めない症例では80例中19例(23.8%)に斑紋が認められ両者の間には有意の差(P<0.05)があった.肝癌症例では,25例中10例(40.0%)と慢性肝疾患全体より多い傾向にあった.HBsAg陽性あるいはHBsAb陽性の頻度は,斑紋を認める症例では29例中6例(20.7%),認めない症例では71例中32例(45.1%)で両者間には有意の差があった(P<0.03).慢性肝疾患症例で,α-fetoprotein(以下AFP)の200ng/ml以上の上昇は,斑紋出現例では29例中11例(37.9%),非出現例では64例中8例(12.9%)と出現例に多かった.以下LCDやAFP上昇と斑紋出現の関係より,斑紋は慢性肝疾患患者の発癌へのhigh risk group決定の1つの所見として重要な意義をもつものと考えられた.
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柴田 興彦, 古沢 毅, 有田 毅, 工藤 輝俊
1981 年 23 巻 6 号 p.
814-818_1
発行日: 1981/06/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
食道平滑筋腫は癌腫に比較して稀であり,食道平滑筋腫の内視鏡的ポリペクトミー施行例は文献的に検索し得た限り本邦では自験例を含めて12例にしか過ぎない.われわれは61歳,男性の出血性食道平滑筋腫に対し,緊急治療の目的でポリペクトミーを施行し,有効であった症例を経験したので報告する.なお本症例は9年前に胃穹窪部に胃平滑筋腫があり核出術を施行した. 食道平滑筋腫はIuにあり,1.0×0.7×0.7cm大,茎がみられ,頂部にはビランを有していた.組織学的には平滑筋腫で粘膜固有層内に限局していて完全に摘出されていた.食道ポリペクトミーの1つの適応と考えて報告する.
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柴田 興彦, 古沢 毅, 有田 毅, 工藤 輝俊
1981 年 23 巻 6 号 p.
819-822_1
発行日: 1981/06/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
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食道・胃境界部の早期癌は発見が困難であり,その報告例も少ない.しかし前方直視型の内視鏡が普及するに従い食道・胃境界部の観察も比較的容易になってきた.われわれは胃十二指腸潰瘍の経過観察中にパンエンドスコープにてこの部の癌を発見し生検にて確診したので報告する.症例は65歳,男性で,1.4cm×1.1cm大のHa型境界部早期癌(E=C)で組織学的にはtubl,深達度はsmであった,文献的に検索し得たE=C早期癌5例と自験例1例を含めて6例を検討した。
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蜂巣 忠, 榎本 和夫, 柏原 英彦, 横山 健郎, 江原 正明, 鈴木 直人
1981 年 23 巻 6 号 p.
825-828_1
発行日: 1981/06/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
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新しいタイプのパピロトームを試作し8例の内視鏡的乳頭切開に使用して満足すべき結果を得た.試作パピロトームは手元操作によりナイフ部分となるワイヤーが突出,または収納する構造になっており,収納した状態ではワイヤーは完全にテフロンチューブ内に納まり,一般造影チューブと全く同様の形態となる.試作パピロトームを使用した8例はいずれも総胆管結石症例であり,うち1例は慢性腎不全例,1例はビルロート1法の残胃例および3例は傍乳頭部憩室合併例であったが全例重篤な合併症なく結石除去に成功した.試作ピロトームは既存のパピロトームより挿管性耐久性の点ですぐれており,特に小範囲の追加切開や腎不全例の切開,および十二指腸傍乳頭部憩室例の切開等きめこまかな操作にすぐれていた.
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伊沢 友明, 田畑 育男
1981 年 23 巻 6 号 p.
829-834_1
発行日: 1981/06/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
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65歳女性.6カ月前より右季肋部痛,悪心・嘔吐を訴え,体重減少は6kg・症状は消失したが精査を希望して来院.経口胆嚢造影法にて胆嚢は造影されず胆石症を疑診し検査を進めた.生化学検査では胆道系酸素の異常,PS試験では最高重炭酸塩濃度が軽度に低下していた.DICにて総胆管末端部の嚢腫状の拡張を認め,内視鏡ではVater乳頭に一致して粘膜下腫瘍様の隆起を認めた.ERCP,PTCとHDGの併用によってcholedo・choceleと診断した.嚢腫と膵・胆管末端部の関係は,ScholzらのIIIa,IIIbのいずれとも異なるtypeであった.嚢腫を切除し定型的乳頭形成術を施行した.組織学的には嚢腫の外壁は十二指腸粘膜・内壁は胆管粘膜であった.Choledochoceleは非常に稀な疾患で本邦における詳細の明らかな成人例の報告は自験例を含め11例に過ぎない.
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蜂谷 勉, 小味淵 智雄, 大崎 往夫, 福山 隆之, 桶口 拓, 友野 尚美, 桂 邦夫, 岡本 暢夫, 清水 達夫, 中嶋 健一, 松本 ...
1981 年 23 巻 6 号 p.
837-841_1
発行日: 1981/06/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
手術前総胆管結石との鑑別診断が困難であったいわゆる早期胆道癌を経験した.臨床症状,経過および血液化学検査所見等は胆石症に極めて類似し,早期胆道癌に特徴的なものはない.ERCP像を詳細に検討すると総胆管結石との鑑別すべき所見が認められ,術前診断可能である.早期胆道癌の発見の為にはERCP,PTCなどの直接胆道造影検査の積極的な施行が強調される.
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竹内 憲, 飯田 洋三, 多田 正弘, 原田 元, 佐高 万理夫, 後藤 一紀, 斉藤 満, 榊 信廣, 河原 清博, 藤田 潔, 渡辺 正 ...
1981 年 23 巻 6 号 p.
842-844_1
発行日: 1981/06/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
胃ファイバースコープの記録性の向上を目的として開発された先端カメラ付胃ファイバースコープFGS-CMXを改良したFGS-CMXIIが試作された. FGS-CMXIIは電子式シャッターとEE機構による1,000分の1秒までのシャッター速度連続可変機構をそなえており,プレの防止,近接撮影時のハレーションの減少などをはかっている. われわれは63例にFGS-CMXIIを使用した胃内視鏡検査を行った.プレの防止についてはほぼ満足のゆく結果が得られたが,その他の記録性については十分満足のゆく結果はえられなかった.
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武藤 邦彦, 東 宗徳, 白石 哲, 今泉 明, 池田 舜一, 長島 金二, 信田 重光
1981 年 23 巻 6 号 p.
847-852_1
発行日: 1981/06/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
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小児の肝,胆,膵系の疾患で問題となっている先天性総胆管嚢腫,先天性胆道閉塞症そして乳児肝炎を鑑別するためにERCPを施行してきたが,1980年6月に試作された小児用十二指腸ファイバースコープOlympus PJF-BSは,JF-B
2,JF-B
3と同一の優れた観察性と操作性をもち,施行平均年齢2歳9ヵ月であるが現在のところ100%成功している.またPJF-B・Sは,ERCPのみでなく,胃,十二指腸の内視鏡検査にも充分有効であり,胃下垂が著明でない成人に対しても使用可能である. われわれの教室でのERCP最少年齢は2ヵ月であったが,より早期に検査を施行する場合には,先端部の径8.8mφより細型で,側視型が必要であり,今後の開発が待たれる.
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―アンケーによる全国集計―
奥田 茂, 井田 和徳, 鈴木 茂
1981 年 23 巻 6 号 p.
853-861
発行日: 1981/06/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
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橋本 修治
1981 年 23 巻 6 号 p.
865
発行日: 1981/06/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
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竹本 忠良
1981 年 23 巻 6 号 p.
866-869
発行日: 1981/06/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
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1981 年 23 巻 6 号 p.
870-909
発行日: 1981/06/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
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1981 年 23 巻 6 号 p.
910-913
発行日: 1981/06/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー