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竹本 忠良, 富士 匡, 播磨 一雄
1981 年 23 巻 8 号 p.
1067-1079_1
発行日: 1981/08/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
近年,膵胆道系疾患に対する診断法,検査法の進歩はめざましく,膵胆道癌の発見症例も各施設ともかなり増加してきたが,こと早期癌の発見や治療成績の向上に関しては,今なお満足できるような結果をえていない現状である.とくに膵癌の治療にかぎってみると,現在の治療成績は惨澹たるものであり,近い将来にわたっても楽観できる保証はない.しかし.,どのような現況にあっても,臨床家は日常診療のきびしい場から逃れることはできない.現実を直視し,自らの診断,検査過程を見直し,現在の診断学の限界を十分に知りつくすことが,将来の診断学の発展につながるものと,われわれは信じている.今回は,膵胆道領域の悪性潰瘍のなかで比較的頻度の高い,胆嚢癌,十二指腸癌,膵癌の診断の現況をとりあげ,診断上の問題点,とくに早期癌診断上の問題点について当科の成績を中心に検討したので一文にまとめた次第である.
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神谷 利明, 森下 鉄夫, 宗像 良雄, 三浦 総一郎, 朝倉 均, 土屋 雅春
1981 年 23 巻 8 号 p.
1080-1087_1
発行日: 1981/08/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
1967年より1980年まで14年間に総計25,824名の内視鏡被検者中,直視下生検により組織学的にカンジダ感染胃潰瘍と診断された30例30病巣をX線的,内視鏡的に検討し,さらに23例23病巣については2ヵ月から12年間にわたり経過追求し,次の結果をえた. (1)ヵンジダ感染胃潰瘍の出現…頻度は25,824被検者中30例(0.12%)と非常に低く,そのうち13例(43%)が60歳台以 上にみられた. (2)カンジダ感染胃潰瘍は特徴的なX線的・内視鏡的所見は示さなかったが,多くは最大径2.1cm以上で(54%),深さはUl五に多く(54%),辺縁不明瞭で(60%),30%にはbezoar-like像を呈した. (3)主に胃の上部に好発し(60%),全身性疾患は30例中10例(33%)にみられた. (4)潰瘍治癒率は経過6ヵ月以上で20例中6例(30%)と低かった.抗カンジダ剤は全例に投与されなかったが,カンジダ感染の続出,出血または穿孔,カンジダ血症さらに死亡例などはみられなかった. 以上の成績よりカンジダ感染胃潰瘍は抗カンジダ剤を投与せずとも陰性化し,出血,穿孔死亡例はみられないが,治癒率の悪い潰瘍に合併する可能性が示唆された.
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熊谷 一秀, 巾 尊宣, 尾良 昭彦, 滝沢 直樹, 前川 勝治郎, 渡辺 伸介, 卜部 元道, 権田 潭文, 林田 康男, 世良田 進三郎 ...
1981 年 23 巻 8 号 p.
1088-1094_1
発行日: 1981/08/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
多発胃癌は今日でも診断学,発生病理学上問題となるところも多い.今回は術前診断上特に問題となる幽門部進行癌の口側に早期癌を有する多発胃癌8例を対象をして主として口側病変の診断上の問題点について検討した.その結果,全例高齢男性症例であり,幽門狭窄状態の進行癌が大半を占め,口側の早期癌は大部分1cm前後以下のIIcであった.さらに切除胃粘膜の胃底腺よりみた萎縮についてみると,口側病巣が萎縮帯領域に含まれるもの4例,中間帯領域に入るもの4例であり,口側病巣が胃底腺領域に含まれるものは1例も存在せず,大部分が高度萎縮例であり,また高度腸上皮化生を伴っていた.これらのことより多発胃癌の術前診断にあたっては充分な観察とともに背景胃粘膜の性状を認識することが肝要と思われた.
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平尾 雅紀, 小林 多加志, 升田 和比古, 山口 修史, 納田 幸一, 山崎 裕之, 仲 紘嗣, 河内 秀希, 佐藤 富士夫
1981 年 23 巻 8 号 p.
1097-1107
発行日: 1981/08/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
上部消化管出血例に対して,内視鏡的高張Na-Epinephrine液(HS・E)局注療法は,強力な止血効果を得る.HS-Eを胃壁組織内に局注した場合の組織反応を,動物実験により検討した.病理組織学的には,組織膨化が主体であり,血管では内膜および中膜の膨化,フィブリノイド変性,内腔の血栓形成を認めた.Epi-nephrineまたはNaCl液単独よりも,両者を併用することにより,相乗効果を得て,強い組織変化をきたした.組織血流の面からみても,HS-Eにより著明な組織血流の低下およびその回復の遷延を認めた.粘膜傷害(潰瘍化)の有無からみた実験結果では,HS-Eの濃度に安全域のあることが判明した. 以上よりHS-E局注による止血効果は,Epinephrineの薬理作用である血管収縮という一次作用と高張NaCl液による物理化学的性質により,Epinephrine薬理作用の持続延長および組織膨化,血管壁のフィブリノイド変性さらに血管内腔の血栓形成という二次的な器質的変化をきたし,それらが相俣って,より確実な止血効果が得られるものと考える.
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伊藤 克昭, 吉井 由利, 小林 世美, 春日井 達造
1981 年 23 巻 8 号 p.
1108-1114
発行日: 1981/08/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
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早期胃癌の診断は著しく進歩したが,胃上部癌の早期発見は他部位に比し劣っている.私どもは胃上部癌診断の実態を把握し,胃上部早期癌が発見される過程での問題点を検討した. 1)胃上部早期癌が早期胃癌全体に占めた割合は5%にすぎず,1965年から1978年までの年次推移でも増加傾向は認められなかった. 2)胃集検が発見の直接のきっかけとなった症例は皆無であり,一次スクリーニングにおける検査法の改善が望まれた. 3)胃上部早期癌症例の初回検査における存在診断率は低く,胃X線検査で46%,内視鏡検査で30%が当初病変が見逃されていた.併用検査での見逃しは微小癌の1例のみであった.従って病院外来における検査ではルーチンに内視鏡を併用することを原則とすべきである.また,ルーチンの胃X線検査における胃上部撮影の改善を一般化することが急務であると考える.
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松田 徹, 坪井 正夫, 金子 正幸, 新沢 陽英, 上野 恒太郎, 石川 誠, 大泉 晴史, 古沢 晃宏, 板坂 勝良, 宮崎 慎吾
1981 年 23 巻 8 号 p.
1115-1122
発行日: 1981/08/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
近年,内視鏡的膵胆管造影法(以下ERCPと略す)に用いるファイバースコープの開発に伴い,レンズ視野の広角化,先端彎曲長の短縮,右方向アングルの増大とレンズ方向の後方斜視化の必要性の有無が論議されている.われわれは最近試作された4機種(A,B,C,D)と従来のオリンパス社製JF-B3を用いて217例にERCPを行い,そのうちの80症例について,検査した医師にそれぞれアンケート調査を行って,各機種の特徴と実際の有用性を比較検討した. (1)押し込み法の場合は短彎曲,(2)引き抜き法の場合は後方斜視が不可欠であった.(3)右方向アンプル角度は押し込み法,引き抜き法とも従来の90度より大きい110度が望ましく,さらに押し込み法では後方斜視もあった方が便利であった.(4)先端の長さは,引き抜き法では乳頭部観察のためには短い方が良いが,短彎曲では胃内に抜けてしまう割合が多いので,先端彎曲長は37mmよりわずかに長い方が好ましい.したがって,今後のERCP用ファイバースコープとしては,これら,広角,短彎曲,右方向アングル,後方斜視などの点について充分考慮した機種が望ましい.
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田畑 育男, 伊沢 友明, 里見 健裕, 田島 強
1981 年 23 巻 8 号 p.
1123-1129_1
発行日: 1981/08/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
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切除不能膵癌21例に対しβ線術中照射を施行した結果,上部消化管の照射後障害を5例に経験した. それらの照射後障害は胃潰瘍形成2例,十二指腸球部潰瘍形成1例,球後部の高度な狭窄を伴なった潰瘍形成2例であった.これらの照射性潰瘍の内視鏡像の特徴は,灰白色帯に被われた,辺縁のかっちりした打ち抜き型潰瘍であった. 照射より狭窄や潰瘍形成に至る迄の期間は,胃では半月以内であったが,十二指腸では1.5ヵ月,10ヵ月,13ヵ月であった. かかる術中照射後上部消化管障害は,きわめて難治性であり,保存的療法に対して全く治療効果はみられなかった.
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沢田 俊夫, 武藤 徹一郎, 上谷 潤二郎, 小西 文雄, 杉原 健一, 草間 悟
1981 年 23 巻 8 号 p.
1130-1139
発行日: 1981/08/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
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大腸ポリープの多くは内視鏡的ポリペクトミーにより摘除され,組織学的診断・治療が行なわれている,径0.5cm以上の有茎性・亜有茎性ポリープにはスネアによるポリペクトミーが行なわれ,その臨床病理学的報告も多いが,半球状または無茎性の微小ポリープに対するhot-biopsy例の報告は少ない。Hot-biopsyはスネアによるポリペクトミーと同時に行なわれることが多いが(49%),hot-biopsy単独施行例でも腺腫の出現頻度は79%であり,結腸で多く,また多発腺腫例が40%にみとめられた.この結果はスネアによるポリペクトミー例と同じ傾向を示していた.組織学的検索では腺腫はすべて軽度異型の腺管腺腫であり,腺腫以外では化生性ポリープ,過形成性結節または正常粘膜が多く,他にPeutz-Jeghers型ポリープ,炎症性ポリープがみとめられた.径1.0cmまたは径0.5cm以下の小さな腺腫の癌化が報告されており,このような小さな大腸ポリープに対してもhotbiopsyによる積極的な摘除と組織学的診断が必要である.
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瀬上 一誠, 三輪 正彦, 鈴木 荘太郎, 菊地 一博, 渡辺 浩之, 野見山 哲, 原沢 茂, 谷 礼夫, 三輪 剛
1981 年 23 巻 8 号 p.
1140-1149
発行日: 1981/08/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
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東海大学病院での胃癌手術例356例のうち,十二指腸潰瘍を合併する6例について,術前検査(内視鏡検査,胃透視,色素内視鏡,胃液検査,胃排出能),病理学的所見(占居部位,肉眼型,組織型,深達度)にっき検討した.胃酸分泌能は全例が正・過酸を示し,congo-red法では萎縮性胃炎の広がりは,比較的軽度であった.癌の占居部位は全例幽門線領域に限られていた.肉眼型はIIc型およびIIc+III型またはそれらに類似したものであり,深達度は6例中5例がmであり,1例はpmであった.これらの結果からつぎの推論をした.(1)十二指腸潰瘍による自覚症状のため,癌が早期に発見された.(2)胃酸分泌能がよく保たれており,そのため悪性サイクルまたはそれに類似した変化をくり返し,長期間,癌が粘膜内にとどまっていた.
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黒田 岳雄, 加納 知之, 小林 世美, 古井 由利, 春日井 達造, 長瀬 啓三
1981 年 23 巻 8 号 p.
1150-1153_1
発行日: 1981/08/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
これまで胃アニサキス症は稀と言われていた愛知県の一施設において,2カ月間に,胃アニサキス症急性型確診例を3例経験した.うち2例は,初診時に問診で本症を疑い,ただちに内視鏡検査を施行し,虫体を摘出,治療する事ができた.今日,食品輸送システムの発達により,どの地方でもアニサキス症は予想以上に高頻度で発生すると考えられるが,臨床面での認識は一部の地域を除きそれ程高くなく,大部分は放置され,重篤な結果に至らないまでも,"食あたり"として治療されている例が多いと思われる.本症の診断には問診が最も重要で,疑いがあれば内視鏡検査および虫体の内視鏡下摘出術により早期治療を行なうべき事を強調した.
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坪田 若子, 小田原 満, 富士 匡, 河野 裕, 宮崎 正子, 東 光生, 川嶋 正男, 飯田 洋三, 岡崎 幸紀, 竹本 忠良, 石黒 ...
1981 年 23 巻 8 号 p.
1154-1159_1
発行日: 1981/08/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
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早期胃癌と胃ポリープを合併した十二指腸球部カルチノイドの生検診断例の1例を報告する. 症例は,72歳の男性で,1ヵ月に2Kgの体重減少のため,検査をすすめられた.上部消化管X線および内視鏡検査で,十二指腸球部にやや分葉状で,頂上に小陥凹をもつ山田III型の隆起性病変が認められ,生検でar-gyrophil cell carcinoidと診断された.さらに,胃角上小彎には,不整形のビランが,体下部大彎には表面が発赤した山田IV型の隆起性病変がみられ,生検を加え,低分化型腺癌であるIIc型早期胃癌と炎症性ポリープと診断した.十二指腸球部ならびに胃2/3切除術をうけ,術後の経過は良好である. 本症例は,本邦で42例目の十二指腸カルチノイドにあたり,5例目の生検診断例である.これまで,早期胃癌の合併は3例,胃ポリープの合併は1例が報告されているだけで,両者の合併例は,はじめてである.
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河野 健次, 中田 恵輔, 室 豊吉, 古河 隆二, 楠本 征夫, 棟久 龍夫, 長瀧 重信, 石井 伸子, 小路 敏彦
1981 年 23 巻 8 号 p.
1160-1164
発行日: 1981/08/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
大量飲酒家で,脾静脈閉塞と胃静脈瘤を伴った膵仮性嚢胞の2例について文献的考察を加え報告する.症例1は51歳男で吐血,症例2は38歳男で下血の既往がある.両症例とも上部消化管造影で胃穹隆部に静脈瘤があり,選択的腹腔動脈造影で脾静脈閉塞胃静脈瘤および著明な側副血行路形成を認めた.さらに,腹腔鏡検査で胃大彎側に沿った著しい静脈の拡張蛇行がみられた.逆行性膵胆管造影では膵尾部において主膵管の圧排像がみられた.手術により,慢性膵炎を確認,膵尾部に生じた仮性嚢胞が脾静脈を圧迫閉塞していることが判明した.なお,肝組織像はグリソン鞘における軽度の線維化があるだけであった. 膵仮嚢性嚢胞による脾静脈閉塞は比較的稀とされているが,腹腔動脈造影の普及によって今後著者らのごとき報告例の増加が予想される.
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針原 重義, 宋 健二, 栗岡 成人, 塩見 進, 斉藤 忍, 井本 正己, 東森 俊博, 河 正訓, 辰己 駿一, 金 賢一郎, 丸毛 俊 ...
1981 年 23 巻 8 号 p.
1165-1175
発行日: 1981/08/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
症例1は腹壁静脈怒張を主訴とし,女性ホルモン剤投与の既往がある47歳女性.血管造影では下大静脈の膜様閉塞が強く疑われた.腹腔鏡では暗赤褐色の肝,1~3cm大の多数の丘状隆起と,びまん性のリンパ小水泡を伴う肝表面像が特徴的であった.肝組織像は門脈域の軽度拡大と中心帯類洞の軽度充血を示した.症例2は腹壁静脈怒張を主訴とするアルコール多飲の33歳男性.血管造影では下大静脈が約4cmにおよぶ血栓様閉塞を示した.腹腔鏡所見は症例1に極めて類似した肝表面像を示し,リンパ小水泡はより.一層高度であった.肝組織像は門脈域の軽度拡大と,中心帯類洞のかなり高度な充血を示した.症例3は腹壁静脈怒張と右季肋部鈍痛を主訴とする51歳男性.血管造影では下大静脈がかなり広範に血栓様閉塞を示した.腹腔鏡では彩やかな赤色斑紋が認められる斑紋肝であり,0・5~5cm大の多数の丘状隆起と少数のリンパ小水泡を伴う肝表面像が特徴的であった.肝組織像は肝硬変を示した.腹腔鏡観察による腫大脾は症例3のみであったが,肝円索および腹膜の静脈増生は全例に認められた.症例1は用指膜破砕術,症例2は経皮経管腔血管形成術の施行により良好な経過を辿っている.
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乾 和郎, 中江 良之, 佐藤 太一郎, 二村 雄次
1981 年 23 巻 8 号 p.
1176-1180_1
発行日: 1981/08/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
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強度の黄疸・腹痛を主訴として来院した74歳の男性に,経皮経肝胆管ドレナージ(PTCD)施行後1ヵ月で,経皮経肝胆道鏡検査(Percutaneous Transhepatic Cholangioscopy, PTCS)を施行し,同時に直視下生検を実施した.下部胆管に限局結節型の腫瘤による狭窄を認めた.結節と離れた肝側粘膜の生検組織片もgroupVと診断されたため,再度PTCSを施行したところ,下部胆管より総肝管まで連続した,細顆粒状の粘膜と発赤及び褪色帯を認めた.内視鏡所見と生検組織から癌の浸潤範囲を診断できたので,膵頭十二指腸切除術及び胆管を肝門部直下まで切除した. 切除標本で,下部胆管の限局結節型腫瘤と,腫瘤より肝側粘膜に連続した,細顆粒状の粘膜と発赤及び褪色帯を確認できた. 病理組織学的には,主病巣部では胆管壁内にとどまり,肝側胆管では粘膜内にとどまった乳頭管状腺癌であった.
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棟方 昭博, 樋口 茂樹, 佐野 正明, 福士 道夫, 金城 福則, 相沢 中, 吉田 豊
1981 年 23 巻 8 号 p.
1181-1185_1
発行日: 1981/08/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
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大腸ファイバースコープを利用し,逆行性に回腸の観察を目的とした親子式スコープをオリンパス光学の協力を得て開発したので報告した.回盲弁まで挿入する親スコープは有効長1,865mm,先端部の径16mmで,径5mmと大きなチャンネル孔が特徴である.回腸観察を行う子スコープは全長2,520mm,軟性部最小径4.5mm,視野角80°の直視型で観察深度は3-50mmで,彎曲角は上下方向のみで各々150°で,子スコープが親スコーフ°から突出可能の長さは300mmである.挿入法は親スコープ。を回腸末端部に挿入後,子スコープを親スコープの鉗子孔より挿入し視野を確認しながら,必要に応じ子スコープ上下方向アングル及び親スコープのローリング等を利用し挿入,十分な範囲(子スコープの突出可能の長さ300mm)の観察が可能であった.又大腸癌や腸結核などでの狭窄病変や瘻孔例でも本法は内視鏡診断上有用であった.
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