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大井田 正人, 広門 一孝, 岡田 信之, 小泉 和三郎, 横山 靖, 三條 晃郎, 真玉 寿美夫, 西元 寺克礼, 岡部 治弥, 比企 能 ...
1983 年 25 巻 2 号 p.
193-203
発行日: 1983/02/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
拡大内視鏡GIF-HMを用い胃の陥凹性病変(胃癌,胃潰瘍,異型上皮巣,ビラン)の表面粘膜模様の特徴について検討を行った.その結果,胃癌の特徴的粘膜模様は不整結節状粘膜とそれに付随する無構造粘膜である事が判明した.さらに,拡大内視鏡の質的診断の限界を知る目的で20mm以下の小さな早期胃癌30病変(うち10mm以下14病変,5mm以下9病変)の検討を行った.5mm以下の微小癌は通常観察で1例(11%)しか診断できなかったが,拡大観察では5例(56%)の診断をえる事ができた.しかし,2mm以下のものは存在診断すらできず,3mmのものは質的診断が行えなかった.加えて,拡大内視鏡の診断における問題点を実体顕微鏡所見,組織所見もあわせ検討を行った.
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米川 元樹, 葛西 洋一, 西坂 剛, 江崎 昌俊, 平塚 秀雄, 黒田 寛人, 竹本 忠良, 加藤 洋
1983 年 25 巻 2 号 p.
204-210_1
発行日: 1983/02/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
各種の胃癌組織標本にArgon laserを照射し,蛍光観察,及びスペクトル分析を行なった.また,通常の蛍光顕微鏡像との比較から,レーザー光を用いることの得失についても検討した. 無染色標本では血管の内弾性板に強い蛍光が観察された. HE染色標本では,胃小窩上皮,血管壁,粘膜筋板,間質の結合織,細胞質などに蛍光が観察され,蛍光スペクトル分析から,これらの蛍光はEosinの蛍光であることが判明した.また,印環細胞では胞体の粘液顆粒が明らかとなった. しかし,これらの所見は,いずれも通常の蛍光顕微鏡においても,同様に得られ,レーザー光の有用性はあまり認められなかった. 従って,LIFMは通常の蛍光観察よりは,むしろmicroirradiationによる,より選択的な蛍光分析や顕微鏡的蛍光時間分解スペクトルなどに応用されるべきものと考えられた.
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大原 毅, 藤間 弘行, 青野 義一
1983 年 25 巻 2 号 p.
213-219_1
発行日: 1983/02/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
切除された胃潰瘍470例,549個をその全範囲にわたり5mm幅で半連続的に全割し,その再生上皮について,とくに腸上皮化生化を中心に病理組織学的に検索した.その結果,1)胃潰瘍再生上皮の約70%は腸上皮化生化を示し,河内らのいわゆる完全型も不完全型も含まれていた.2)再生上皮は一度"先祖帰り"の現象として腸上皮の性格をおび,それから再分化するか,あるいは腸上皮化生として残存するかのどちらかと考えられた.3)胃底腺部または腺境界部に発生した潰瘍の約30%に壁細胞や主細胞の再生が認められた.以上から,再生上皮の治癒過程を通じて,腸上皮化生の発生をかなり解明しえた.
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種広 健治, 久野 信義, 栗本 組子, 横田 哲夫, 加藤 知之, 春日井 達造, 遠藤 登喜子, 木戸 長一郎
1983 年 25 巻 2 号 p.
220-228
発行日: 1983/02/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
閉塞性黄疸に対する各種画像診断法の診断能を検討し合理的な診断法について考察した.最近,閉塞の有無や部位の診断に,胆道描出能にすぐれ無侵襲性のUSやCTが用いられるが,閉塞性黄疸70例の当検討では,USの診断率が95%,CTが98%と共にすぐれていた.従って閉塞性黄疸で第1に選択すべき検査法はCTより無侵襲性,簡便,低コストなUSであり,USで胆管の充分な追跡ができない時のみCTを試みると良い.原因診断にもUSは高い診断能を有し,小病変や切除可能なものを含む胆道や膵臓腫瘍でのUSの診断率は91%,100%とすぐれ,ERCP,PTC,血管造影とほぼ同等であった.またUSは病変の範囲や手術の可否についての検討にも有用であり,症例によっては侵襲性の検査法は不必要である.一方CTによる小病変の診断は容易ではない.乳頭部や総胆管末端部の病変と胆管結石症では,USとCTの診断率は低く,ほぼ100%の診断率を示したERCPとPTCが最も信頼できる検査法である.腫瘤形成型の膵炎の診断は各種検査法を駆使しても困難で,膵腫瘍と誤診されることが多い.穿刺吸引細胞診などの新しい検査法の導入や検査法の改良が必要である.
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小森 英司, 伊吹 康良, 藤見 勝彦, 工藤 正俊, 冨田 周介, 遠藤 義彦, 沖本 芳春, 藤堂 彰男, 北浦 保智
1983 年 25 巻 2 号 p.
229-235_1
発行日: 1983/02/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
潰瘍性大腸炎28例について重症度,転帰,注腸X線像,内視鏡像について相互に比較検討した.軽症型では注腸X線検査にて壁の不整硬化,粘膜網目像の消失,顆粒状化を示し内視鏡にては粘膜の充血浮腫易出血性,小ビランを認めた.中等症では上記の所見に加え多発~地図状ビラン,炎症性ポリープを伴なう例が多く,重症例では注腸X線像にて萎縮性炎型,偽ポリポーシス型,両者の中間型また大潰瘍多発型を認め内視鏡にて各々広汎な浅いビラン,広汎な粘膜剥離と偽ポリープ,深い多発ビランと炎症性ポリープ及び潰瘍海の所見を示した.緊急手術例は共に偽ポリポーシス型で広汎な粘膜剥離と偽ポリープを認めた例であった.潰瘍性大腸炎のビラン,潰瘍の程度はある程度重症度,予後に関連し内視鏡にて広汎な粘膜剥離,偽ポリープを認める例は緊争手術の適応と考えられた.
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菊池 純江, 柴田 泉, 菱沼 義興, 町井 彰, 村上 義次, 相楽 裕子, 松原 義雄, 進藤 仁
1983 年 25 巻 2 号 p.
236-244_1
発行日: 1983/02/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
急性感染性腸炎の中で,Campylobacter腸炎の占める頻度は次第に高くなっている.われわれは,小児5例,成人6例のCampylobacter腸炎を内視鏡的に観察した.また,同時に生検組織像,走査電顕像も併せて検討した.内視鏡的には,概して小児に強い炎症像を認めた.また,小児では回腸まで炎症を認めた.一般的な炎症像は,軽症例では,浮腫に伴なう粘膜表面の光沢,軽微な発赤が主たる所見であり,比較的重症例では,粘膜の粗造,毛細血管の怒張,その末梢からの浸出するような出血,びらん,粘液の付着,および暗赤色の発赤などであった.内視鏡的に鑑別し難い疾患は,細菌性赤痢,潰瘍性大腸炎で,特にその急性期では三者の鑑別は極めて困難であった.組織像では6例にcrypt abscessを認め,これは他の疾患に比し高い検出率であった.走査電顕像では,特に微絨毛の変化が明瞭であったが,疾患特異性は見出せなかった.
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岡田 信之, 勝又 伴栄, 西元 寺克礼, 岡部 治弥, 大井田 正人
1983 年 25 巻 2 号 p.
247-254_1
発行日: 1983/02/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
M.Classenの開発した,ゴム円盤を基準とするコンピューターによる潰瘍面積測定法について,方眼法を用い追試した結果,GIF-P2,P3ではレンズと対物の距離が4cm以下,GTF-B100では3cm以下では面積測定誤差は10%以上となり面積測定は不正確になることが判明した.われわれはこの歪みを矯正するために0.5mmおきに距離測定可能な機器を用い,一辺2.5mmの方眼を夫々GIF-P
2,P
3,GTF-B100で距離を2.5mmおきに撮影し潰瘍面積を測定した.この方法を用いる事により,被写体との距離に関係なく平均5.6%の誤差で面積測定が可能なことが判明した.次いで,われわれは内視鏡フィルムと同じ視野大の歪みの加わった方眼を転写したガラス板を作製した.これを内視鏡フィルムに重ねるだけで簡便且つ正確な面積測定が行える様になった.
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近藤 哲, 蜂須賀 喜多男, 山口 晃弘, 磯谷 正敏, 堀明 洋, 安井 章裕, 広瀬 省吾, 山田 育男, 深田 伸二, 宮地 正彦, ...
1983 年 25 巻 2 号 p.
255-260_1
発行日: 1983/02/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
胃enterogenous cystの2例を報告した.症例1は50歳男性で,黒色便を主訴として来院し,X線・内視鏡検査にてBorrmann2型胃癌と直径2.9cmの粘膜下腫瘍が発見された.胃全摘が施行され,組織学的検索により粘膜下腫瘍は胃粘膜下層内の単房性嚢胞と判明した.嚢胞壁は腸類似粘膜とそれをとり囲む平滑筋層で構成されていた.症例2は63歳男性で,慢性アルコール性肝障害の再燃のため入院し,上部消化管透視にて3.0×2.2cmの胃粘膜下腫瘍が偶然発見された.開腹時肉眼所見で,粘膜下腫瘍は胃壁内の嚢胞と診断され嚢胞核出術が行なわれた.嚢胞内容は粘液で,壁は胃類似粘膜と平滑筋層から成っていた.胃のenterogenous cystはまれに粘膜下腫瘍として経験される.粘膜下の嚢胞性病変と筋原性腫瘍や迷入膵などを初めとする充実性腫瘍とを鑑別することは必ずしも容易ではない.粘膜下腫瘍の生検に用いられる技法や超音波内視鏡などにより確定診断が得られれば,顕著な症状や合併症がない限りは経過観察のみで十分と考える.
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菅井 俊, 籏福 公正, 藤巻 英二, 引地 勲, 小坂 陽一, 山岡 豊, 狩野 敦, 海藤 勇, 肥田 秀彦
1983 年 25 巻 2 号 p.
261-266_1
発行日: 1983/02/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
Formalinによる腐蝕性胃炎の発病初期の病態をX線および内視鏡で観察し得た1例を報告する.症例は32歳男性.精神安定剤と市販のFormalin原液約10ccを飲み自殺を図ったが,異常に気づいた家族とともに来院.入院の上,全身状態を管理し精神症状の改善を待ってX線および内視鏡にて経過を観察した.第10病日のX線検査では,胃体部から穹隆部にかけての伸展性は不良で,粘膜ヒダの腫大と胃液分泌の増加を認め,穹隆部には粘膜下腫瘍様の隆起性変化を認めた.第11病日の内視鏡検査では,粘膜は浮腫状で著明な発赤と粘膜ヒダの腫大を認め,胃体上部から穹隆部にかけ,ほぼ全周性に線状の白苔の付着を認めた.穹隆部には厚い白苔に被われた隆起性変化を認めた.第19病日になると隆起性変化は消失したが,胃体部に線状の発赤と,その頂部に一致した線状の白苔を認めた.第25病日および第28病日のX線,内視鏡検査では,前述の所見は著明に改善されていた.また経過中,食道には異常所見は認めなかった.
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小西 敏郎, 宮国 泰斗, 片柳 照雄, 粟根 康行, 山辺 恭司, 喜田 剛, 前田 栄昭, 田島 強
1983 年 25 巻 2 号 p.
267-273
発行日: 1983/02/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
胃切除術後の合併症として極めて稀な逆行性空腸胃重積症(Retrograde Jejunogastric Intussusception)の1症例を経験したので報告する.症例は70歳の女性で17年前に胃潰瘍にて胃切除術を受けている.今回子宮頸癌に対する広汎性子宮全摘術を受け,術後2日目より上腹部痛・嘔吐を生じた.内視鏡および胃X線検査を施行して,BillrothII 法で吻合された輸出脚の空腸が残胃内に嵌頓した逆行性空腸胃重積症と診断した.発症後11日目に開腹手術を施行.輸出脚の胃空腸吻合部から約20cmの部位より残胃にまで逆行性に嵌頓した3筒性の重積空腸を認め,この部の空腸を切除して端々吻合を施行した.切除した空腸には潰瘍やポリープ等は認められなかった.術後経過は順調で術後8カ月の現在小腸重積症の再発は認めていない.
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小笹 晃太郎, 藤本 荘太郎, 吉田 俊一, 今岡 渉, 小林 正夫, 清田 啓介, 中島 正継, 沢井 清司, 加藤 元一, 東 健, 徳 ...
1983 年 25 巻 2 号 p.
274-280_1
発行日: 1983/02/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
患者は57歳の男性で,食欲不振,全身倦怠感等の主訴にて来診し,血液生化学検査にてLAP,Al-P,γ-GTPの特異的異常高値を認めたため精査された.低緊張性十二指腸造影にて腫大した乳頭を認め,十二指腸内視鏡検査にて発赤腫大した乳頭と総胆管十二指腸瘻を観察し,ERCPにて総胆管および主膵管の開口部付近に比較的軟かな陰影欠損を認めた.生検にて異型腺管を認めたため(Group IV),非露出腫瘤型乳頭部癌と診断され,膵頭十二指腸切除術が施行された.患者の術後予後は良好である.切除標本の組織学的検索により,本例は共通管より発生したと考えられる早期乳頭部癌であり,腫瘍の大半は腺腫としての性格を呈していたが,開口部付近にはOddi氏筋層への浸潤像を示す異型性の高い癌腫の部分があり,これより胆管肝側および膵管尾側に移るにしたがって異型性の低い腺腫に移行していることが判明した.本例は,腺腫の癌化を示唆する貴重な早期癌であると考え,若干の文献的考察と共に報告した.
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水本 孝, 北村 清明, 高橋 裕子, 為我 井道子, 重森 恒雄, 高田 久之, 西島 克己, 古川 裕夫, 雑賀 興慶
1983 年 25 巻 2 号 p.
283-289_1
発行日: 1983/02/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
症例は20歳の女学生で,大量の粘血便と腹部激痛を主訴として緊急入院した. 入院する半年前より峻下剤(sennosideA・B,12mg/錠)を服用しはじめた.発症の2日前に上記の下剤を一度に3錠も服用したが,軽度の腹痛を生じただけで排便しえず,発症の約6時間前に更に2錠用いた. 入院2日目に,緊急大腸内視鏡検査を行ったが,直腸から横行結腸の左半分の部位には全く異常がなく,右半分より盲腸に至る部分には広範囲に浮腫及び出血を伴う潰瘍または,びらん形成が見られた.あたかも潰瘍性大腸炎の激症型に酷似していた. 1943年,Heilbrunは下剤を長期間乱用している患者で,上行結腸を中心とした右側半分の大腸に好発する特殊な大腸炎を始めて報告し,cathartic colon(以下c.c.)と命名した. その後,多数の症例報告があるが,腸管の神経叢や筋組織までが変性崩壊し広範囲の不可逆的な病変を生じているのが通常であった. このような症例には最終的に,やむを得ず右側大腸半切除術等の外科的処置も行われるが,それでも充分の効果はなく,なお長期間にわたって腹痛や腹部不快感を訴える上に,低蛋白血症や血清電解質異常を来すものが多い. 著者らの症例は一過性で,便秘薬の服用を禁止し,食餌療法と抗生物質の投与で症状は速やかに軽快しはじめ,三週後の大腸内視鏡検査ではほとんど正常に戻っていた. 一方,cathartic colonはmelanosis coliとの関連性が問題になっているが,われわれの症例でもこれを認めた.われわれのような例もある故,慢性便秘症の患者が安易に下剤を乱用しないように戒しめたい.
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坂本 清人, 小川 清, 早川 亨, 田中 靖邦, 下田 悠一郎, 豊島 里志
1983 年 25 巻 2 号 p.
290-296_1
発行日: 1983/02/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
大腸に腺腫を併存し,胃にも多発性ポリープを認めた若年性大腸ポリポージスの1例を報告した.症例は22歳の男性で主訴は血便および貧血であった.大腸のX線および内視鏡検査にて,結腸および直腸に合計9個のポリープを発見した.9個中6個は有茎性ですべて内視鏡的ポリペクトミーを施行し摘除した.組織学的には1個が腺腫であった他はすべて若年性ポリープの像を呈していた.残り3個は無茎性で生検のみ施行され若年性ポリープを示唆する組織所見を得た.本例は胃にも多発性小ポリープが存在していた.合併していた大腸腺腫ならびに胃ポリープの組織所見に若年性ポリープと類似した点が見い出され,本疾患が全消化管ポリポージスの一疾患である可能性に言及した.また,本例には原因不明の脾腫を合併していた.
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門 祐二, 藤田 潔, 荻野 昌昭, 新開 泰司, 名和田 浩, 安永 満, 吉田 智治, 五嶋 武, 富士 匡, 竹本 忠良
1983 年 25 巻 2 号 p.
297-303_1
発行日: 1983/02/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
胆石症が原因と考えられた特発性胆嚢結腸瘻の1例を報告する.患者は65歳男性,主訴は難治性の下痢と体重減少であった.腹部単純X線写真で肝内胆管にガス像を認め,大腸X線検査およびERCPによって造影剤の異常流出が確認され,本症と診断された.また,大腸内視鏡検査では,横行結腸の肝彎曲部に近い部位に瘻孔の開口を認めた.なお同部からの組織生検で悪性所見を否定できた. 本症では,合併瘻の有無,瘻孔開口部の確認および原疾患の良性・悪性の判定のために,積極的に検査を行なう必要があると考えられた.
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金沢 重俊, 岩渕 国人, 小時田 宏仂, 中村 元行, 折祖 清蔵, 班目 健夫, 狩野 敦
1983 年 25 巻 2 号 p.
304-309_1
発行日: 1983/02/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
発症初期より経過観察し得た虚血性大腸炎の1例を報告する. 症例は59歳の男性で,突然に発症した下腹部の激痛を主訴として入院した.初診時より高度の血圧上昇(190/100mmHg)がみられた.入院後,すなわち腹痛出現より12時間後に突然の下血をみた.第2病日の注腸造影所見ではS状結腸に狭小化,壁不整,thumb printing signsがみられた.また内視鏡にては粘膜浮腫がみられ,小出血および多発した不整形の潰瘍が散見された.腹痛,下血は保存的療法により数日以内に消失し,以後は症状の出現はみなかった.本症例は退院後,異常をみず外来に通院している.発症より4カ月後の注腸造影および内視鏡検査にては全く異常なかった.以上の発症様式,臨床経過,内視鏡および注腸造影所見より,本症例はMarstonのいうところのischemic colitisのtransient formと考えられた
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富士 匡, 有山 重美, 天野 秀雄, 衣川 皇博, 浅上 文雄, 相部 剛, 播磨 一雄, 竹本 忠良
1983 年 25 巻 2 号 p.
310-315
発行日: 1983/02/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
近年,内視鏡的胆道ドレナージ法は非観血的胆道内瘻術として発展してきた.本法は安全性の高い,減黄効果のすぐれた生理的な方向への胆道ドレナージであり,切除不能の膵,胆道癌患者にとっては特に理想的なドレナージ法である.われわれは昨年から本法を施行し,胆道閉塞をおこしている膵胆道悪性疾患ばかりでなく,良性疾患にもその適応を拡大し,良好の結果をえている. 本法をさらに一歩すすんで,膵への応用を試み,内瘻チューブを十二指腸乳頭部癌で閉塞した主膵管の尾側に留置し内視鏡的膵管ドレナージの内瘻術に成功した.膵管ドレナージは膵管内圧を減圧することによって,膵癌,乳頭部癌,慢性膵炎症例にみられる腹痛や高アミラーゼ血症などを改善させるものと思われる.従って,内視鏡的逆行性膵管ドレナージ法は近い将来,膵疾患の内視鏡的治療になることが期待される.
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崎田 隆夫
1983 年 25 巻 2 号 p.
317-343
発行日: 1983/02/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
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日本消化器内視鏡学会
1983 年 25 巻 2 号 p.
344-345
発行日: 1983/02/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
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日本消化器内視鏡学会
1983 年 25 巻 2 号 p.
346-348
発行日: 1983/02/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー