虚血性大腸炎53例について,臨床像および手術適応を詳細に検討した.注腸X線検査で,客観的に病変部をみるためにstricturing rate(病変部の狭窄した管腔の直径/隣接する正常管腔の直径×100%,s.r.)という概念を設け,Marstonの分類にもとついて,臨床像を重症度別に,新しい分類を試みた.すなわち,(1)gangrenous form:2例,(2)stricturing form,severe(s.r.≦50%):7例,(3)stricturing form.mild(s.r.>50%):11例,(4)transient form:32例〔a)longitudinal ulcer or erosion:17例,b)irregular ulcer or erosion:15例〕であった.そして,gangrenous formを除いて,それぞれのformについて年齢,基礎疾患,主要症状(初発症状),病変部位,治癒期間,血液検査などについて検討した. また,縦走潰瘍は,内視鏡的に1条から3条まで観察された.条数別に病変部位,重症度との相関をみた. 著者の経験でみると,外科的適応は(1)症状が発生後2カ月以上が経っても持続する.(2)s.r.が50%以下,(3)全身状態が良く,手術の危険がほとんどないなどのすべてがそろっているときと考えている. このように,一口に虚血性大腸炎といっても,少しづづ病態が異なっており,手術適応の判断はもっとも慎重に行なう必要があることを強調した.
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