日本消化器内視鏡学会雑誌
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26 巻, 5 号
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  • 小田 正隆
    1984 年26 巻5 号 p. 621-631
    発行日: 1984/05/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     腹腔鏡検査法と腹部超音波検査法の盲点を互いに補うことを目的として,リニア型電子走査式超音波腹腔鏡(町田製作所,東芝メディカル株式会社の共同開発)I号機よりV号機までを臨床応用し,器種の改良に参加してきた. すなわち,本機を30症例の各種肝胆膵疾患に応用し,それぞれの診断能について通常腹腔鏡検査や体外式腹部超音波検査と比較検討した. その結果,リニア型電子走査式超音波腹腔鏡は腹腔鏡検査のたんなる補助的診断法というよりも,それ以上の診断能をもち,今後腹腔内実質臓器への新しい診断法として有用であると考えた.
  • ―その臨床像と手術適応について―
    野村 幸治
    1984 年26 巻5 号 p. 632-640
    発行日: 1984/05/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     虚血性大腸炎53例について,臨床像および手術適応を詳細に検討した.注腸X線検査で,客観的に病変部をみるためにstricturing rate(病変部の狭窄した管腔の直径/隣接する正常管腔の直径×100%,s.r.)という概念を設け,Marstonの分類にもとついて,臨床像を重症度別に,新しい分類を試みた.すなわち,(1)gangrenous form:2例,(2)stricturing form,severe(s.r.≦50%):7例,(3)stricturing form.mild(s.r.>50%):11例,(4)transient form:32例〔a)longitudinal ulcer or erosion:17例,b)irregular ulcer or erosion:15例〕であった.そして,gangrenous formを除いて,それぞれのformについて年齢,基礎疾患,主要症状(初発症状),病変部位,治癒期間,血液検査などについて検討した. また,縦走潰瘍は,内視鏡的に1条から3条まで観察された.条数別に病変部位,重症度との相関をみた. 著者の経験でみると,外科的適応は(1)症状が発生後2カ月以上が経っても持続する.(2)s.r.が50%以下,(3)全身状態が良く,手術の危険がほとんどないなどのすべてがそろっているときと考えている. このように,一口に虚血性大腸炎といっても,少しづづ病態が異なっており,手術適応の判断はもっとも慎重に行なう必要があることを強調した.
  • ―大腸粘膜血流測定による成因論の考察―
    野村 幸治
    1984 年26 巻5 号 p. 641-648
    発行日: 1984/05/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     虚血性大腸炎の成因として血管側因子(動脈硬化,血管攣縮など)や腸管側因子(内圧上昇,蠕動運動の亢進など)などが考えられる.本症の特徴的所見として臨床的に,結腸ヒモ側粘膜に縦走潰瘍を認めることが多い.そこで,動物を用いた実験を行ない,空気注入による腸管内圧の上昇や蠕動運動の:亢進に伴う内圧上昇と大腸粘膜血流との関連性,とくに,結腸ヒモ付着側と非付着側の相違について検討した. 内圧を空気注入により30mmHgと強度上昇させると,結腸ヒモ付着側の粘膜血流は非付着側と比べて著明に低下した.neostigminやdinoprost負荷をすると蠕動運動は亢進し,負荷後一時的に平均粘膜血流量は減少したが,個々についてはバラツキがあった. このことは,腸管内圧の変動により粘膜血流は影響を受けやすく,虚血性大腸炎の成因のひとつとして,腸管内圧の上昇が関与していることが示唆された.
  • 杉山 秀樹, 木本 英三, 中沢 三郎
    1984 年26 巻5 号 p. 649-662
    発行日: 1984/05/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     内視鏡的超音波検査(EUS)による膵臓の描出方法,並びに膵疾患診断におけるEUSの有用性について,剖検3例,臨床50例を対象として検討した.剖検標本のEUSと割面での検索により,膵同定の指標として門脈系,左腎,胃十二指腸動脈,膵部総胆管などが重要であることが明らかとなった.次いで,これらの諸臓器を指標として臨床50例を検討した結果,EUSは体外走査と比べ,ほぼ膵全体を盲点なく極めて高率に描出した.そして,EUSは時に膵管分枝さえも明瞭に描出可能で,膵の超音波画像としては比類のない高解像力を示した.また,EUSによる膵疾患診断能は,その有所見率が膵嚢胞100%(3/3),慢性膵炎100%(7/7),膵癌100%(10/10)とUS,その他の診断法に比し,高率を示した.特に,膵嚢胞の質的診断,慢性膵炎の診断,小膵癌の診断,慢性膵炎と膵癌との鑑別診断などにおいてEUSは画期的な診断法であると思われる.
  • 藤田 潔, 相部 剛, 有馬 功三良, 宮原 妙子, 野村 幸治, 河野 裕, 藤川 佳範, 川嶋 正男, 内田 善仁, 針間 喬, 青山 ...
    1984 年26 巻5 号 p. 663-670
    発行日: 1984/05/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     大腸疾患に,ラジアル走査式および電子リニア走査式超音波内視鏡を用い,正常大腸壁のエコー像の解明を行うとともに,癌腫,隆起性病変のエコー像の検討を行なった. 正常大腸壁のエコー像は7層よりなるが,病理組織標本との対比により1,2層は粘膜層で,2層内には粘膜筋板が含まれ,3層は粘膜下層,4層は固有筋層のうちの輪状筋層,5層は筋層間の組織,6層は縦走筋層,7層は漿膜下層および漿膜よりなっている.そして,各層構造の表面側には各々高エコー帯としてでる境界エコーが含まれている. 次に,癌腫は低エコー帯として現われ,そのmassiveなinvasionは,正常層構造の中断,断裂像として見られた. 隆起性病変部のエコー像では,その深部側にゴーストエコーとして低エコー帯が出現することがあり癌腫の浸潤との鑑別が必要である.
  • 長谷部 千登美, 関谷 千尋, 幸田 弘信, 矢崎 康幸, 高橋 篤, 並木 正義
    1984 年26 巻5 号 p. 671-677,683
    発行日: 1984/05/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     非A非B型慢性肝炎の形態学的特徴とその進展様式を明らかにする目的で,腹腔鏡所見および肝生検組織所見につきB型慢性肝炎と比較検討してみた.対象は当科において診断された非A非B型慢性肝炎34例,B型慢性肝炎39例の計73例である.非A非B型慢性肝炎例ではB型に比べ典型的な門脈周囲赤色紋理の出現頻度が低く,そのかわり限局性の粗大で不規則な赤色斑をみとめる例が多かった.この赤色斑は広範な肝細胞壊死を反映し,後に瘢痕様の陥凹を形成するものと思われ,B型と比べて部位差の大きい非A非B型肝硬変症への進展過程を示す重要な所見と考えられた.また非A非B型慢性肝炎例ではグリソン鞘にリンパ濾胞形成をみとめる例が多く,肝実質内や中心静脈周囲の変化も高度の例が多かった.このように非A非B型肝炎では,非定型的赤色斑やそれに伴なう陥凹,そして著しい部位差のある肝表面像など,B型とはかなり異なった進展様式をとるものと思われた.
  • 平川 弘泰, 渡辺 誠, 池田 敏, 西村 公一, 應儀 一良, 植木 和則, 岡田 正史, 松浦 達也, 福本 四郎, 島田 宜浩
    1984 年26 巻5 号 p. 678-682_1
    発行日: 1984/05/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     ICG色素の大量静注により,肝を緑色に着色せしめ,非着色部とのコントラストからその診断能を向上せしめようとする,新しい色素腹腔鏡検査法について報告した.ICG色素の投与量は2mg/kgと4mg/kgの両者について検討したが,いずれも色素投与5分後から40分頃まで観察に適した肝の着色状態が続いた.着色を受ける部位は肝細胞の存在する肝実質領域が主体であり,間質結合織,脈管,リンパ小水泡,脂肪組織および肝細胞癌組織への色素の移行は,ほとんどなかった.また肝細胞の集合壊死巣であるとされる赤色紋理(code No.4)への色素の移行はなく,肝細胞の再生部とされるKalkの斑紋(code No.7),再生結節(code No.8)には過剰の色素の集合が認められた.これらのことから本検査法は,肝表面像の解析能を向上するのみでなく,色素排泄能から肝疾患の局所的病態生理面への解明に利用しうるものと思われる.
  • 水入 紘造, 相川 勝則, 陳 鴻章, 羽島 知樹, 山室 渡, 伊東 高仁, 安部 井徹, 佐川 寛, 亀山 正明, 難波 経彦, 国府田 ...
    1984 年26 巻5 号 p. 685-691
    発行日: 1984/05/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     腹腔鏡検査の目的は,肝表面の性状の観察により肝臓の病態や進展課程を理解することにある.したがって,肝表面の微細な所見を観察する必要性が生じる.そこで筆者らは肝細胞に摂取される緑色色素であるIndocyan-ine Green(ICG)を投与することにより,小葉紋理が緑色班としてみられることを期待して,ICGを投与し腹腔鏡検査を施行した.方法はICG 100mgを20mlに溶解し静注15分後,さらに100mg追加投与の15分後に投与前,後のそれぞれの記録写真を撮影した.ICGの投与により,肝表在血管,リンパ管の観察が容易となり,特に前者は記録写真で明瞭となった.肝小葉紋理が緑色に染り,また白色紋理も明瞭に観察しえた.結節肝では結節部が濃染され肝細胞の機能状態を推定できるものと思われる.脂肪化の著明な部位ではICGの摂取が不良であった.以上の成績より,ICG投与下で腹腔鏡を施行することは肝臓の病態を理解する際に有用である.
  • 芳野 純治, 中澤 三郎, 川口 新平, 小沢 洋, 岡村 正造, 小池 光正, 川瀬 修二, 太田 博郷, 林 繁和, 中村 常哉
    1984 年26 巻5 号 p. 692-702_1
    発行日: 1984/05/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     胃癌16例17病変,異型上皮巣6例7病変に対してNd-YAGレーザーによる内視鏡的治療を行なった.根治的照射を行なった20病変中10病変に腫瘍の消失をみた.そのうち4病変は照射後に切除を行ない消失を確認した.術前照射を行なった9病変を病理組織学的に検索すると,粘膜層,粘膜筋板は全例共欠損し,粘膜下層には種々の程度に凝固壊死を認めた.そのうち3例に固有筋層表層の断裂をみた.リンパ節転移も考慮して根治的照射を完全に行なうには,長径が2cm以下で病変が粘膜層内に留まること,肉眼型では隆起型が好ましく,陥凹型では病変内に潰瘍または潰瘍瘢痕を合併しない病変が好ましい.またレーザー照射後,照射野に生じた潰瘍の修復後,短期に元の大きさに復した例やさらに2倍に増大した特異な例を経験し,本法のadverse effectについても考察した.
  • ―接触型レーザーロッドによる基礎的研究―
    鈴木 荘太郎, 椎名 泰文, 三浦 敏洋, 牧野 孝史, 原 雅文, 柴田 晴通, 菊地 一博, 野見 山哲, 三輪 剛, 大工園 則雄
    1984 年26 巻5 号 p. 705-710_1
    発行日: 1984/05/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     消化器レーザー内視鏡治療におけるYAGレーザー照射法の応用は活発であるが,現時点では必ずしも十分な成績は得られていない.筆者らは,従来の非接触照射による欠点を補う目的で,対象部位に確実に照射しうる接触型導光ファイバーの改良を試みた.本研究に用いた接触型レーザーロッドは石英ファイバーより硬度,耐熱性に優れ,組織との癒着あるいは先端の破損を生じない酸化アルミニウムの溶融体(セラミック)である.雑種成犬の開腹下胃粘膜を対象とした実験において,凝固変性は接触部位の粘膜表層で限局し,粘膜下層上部で最大に漸増し,次いで深層に向って漸減する菱形の領域を形成した.レーザーロッドは石英と比べ,高拡散ビームが得られ,非接触照射より深い凝固変性を来たした.今後,内視鏡治療への応用が期待されるが,臨床応用における安全性,さらに有効な照射法に関する十分な検討が必要である.
  • 小森 英司, 平佐 昌弘, 伊吹 康良, 高鍬 博, 工藤 正俊, 藤見 勝彦, 上田 俊二, 冨田 周介, 藤堂 彰男, 北浦 保智
    1984 年26 巻5 号 p. 711-719_1
    発行日: 1984/05/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     急性肝不全では画像診断にて所見を示す頻度が高いが急性ウィルス性肝炎における画像診断の意義について腹腔鏡像との対比の面より検討した.急性肝炎では臨床的重症度と回復期,腹腔鏡像での壊死性陥凹の程度とは必ずしも相関を認めなかった.CTにて限局性低吸収域の出現,また超音波検査にて肝実質のirregular pattemを示す例ではいずれも腹腔鏡検査にて強い陥死性陥凹を示した.一方,腹腔鏡所見と肝シンチ所見とは全く関連を認めなかった.重症な経過を示す急性肝炎では画像診断にて広汎な肝の壊死性変化を早期にしかも非侵襲的に診断し急性肝不全への移行を鑑別することが肝要と考えられた.
  • 斉藤 治, 正宗 研, 布出 泰紀, 松本 恒司, 大藪 博, 正木 啓子, 大柴 三郎, 礒田 幸太郎
    1984 年26 巻5 号 p. 720-727
    発行日: 1984/05/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     患者は70歳男性.3年前に下腿の浮腫出現,低蛋白血症を指摘されたが自然に軽快した.その後経過良好であったが再び下腿浮腫出現し入院.入院時検査では血清総蛋白4.0g/dl,アルブミン2.0g/dl,絶対的リンパ球減少496/cmm.131I-RISA(T1/2)6.2日と短縮.125I-PVP便中排泄率6.4%と上昇.空腸生検では粘膜固有層に拡張したリンパ管を認めた.リンパ管造影では腸間膜リンパ系への造影剤の逆流,さらに腸管腔内へのもれを認めた.第11胸椎レベルより上方の胸管は正常に造影された.以上の所見から腸リンパ管拡張症による蛋白漏出性腸症と診断した.胸部X線で右前上葉区の肺癌を認め肺葉切除術施行.肺癌は限局性で偶然の合併と考えられた.4カ月後B型急性肝炎で死亡.剖検でリンパ管造影では描出されていなかった下部胸管,乳ビ槽について検索したが狭窄などの異常所見は認めず,その原因は不明であった.
  • 古賀 俊彦, 野瀬 育宏
    1984 年26 巻5 号 p. 728-733_1
    発行日: 1984/05/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     39歳の女性が大量のパラコート(28.8g)を服毒し,10時間後に当院に転送された.臨床経過中,患者は腎不全,肝障害そして肺障害を呈したが,治療の結果,社会復帰することが出来た. パラコート中毒の効果的な治療として,腸洗浄,hemodialysis,hemoperfusion,plasmapheresisがある.われわれは,十二指腸下行脚へ特殊なイレウスチューブを挿入して,強力な腸洗浄を一定の期間行なった.われわれは,急性パラコート中毒の治療として腸洗浄の重要性を指摘した.
  • 1984 年26 巻5 号 p. 734-764
    発行日: 1984/05/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
  • 1984 年26 巻5 号 p. 764-777
    発行日: 1984/05/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
  • 1984 年26 巻5 号 p. 777-787
    発行日: 1984/05/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
  • 1984 年26 巻5 号 p. 788
    発行日: 1984年
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
  • 1984 年26 巻5 号 p. 789
    発行日: 1984年
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
  • 1984 年26 巻5 号 p. 790
    発行日: 1984年
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
  • 1984 年26 巻5 号 p. 791
    発行日: 1984年
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
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