日本消化器内視鏡学会雑誌
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26 巻, 8 号
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  • 播磨 一雄
    1984 年 26 巻 8 号 p. 1229-1245
    発行日: 1984年
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     慢性膵炎は,ERPの普及とともに今日の慢性膵炎の臨床診断基準案をみるにいたったが,著者は,教室例の慢性膵炎例163例を対象に,膵管像所見の理解という立場から,病理学的,臨床的に検討し,アルコール性膵炎(以下ア性)の膵管像の特徴について以下のような結論をえた.本症の膵管像所見は,膵全体にほぼ均一な病変からなるD-I型と,不均一な,不連続性病変からなるD-II型と,限局性病変からなるL型に分類できるが,ア性の特徴像は,D-II型,LH(A)型にみとめられた.すなわち,ア性D型の成立過程は,均一なD型病変(D-I型)においても,異時的,多発的,不連続性病変からなる壊死性間質性膵炎の進行像をみとめた.また,ア性L型例は,非ア性例に比較すると,限局性病変の広汎化とともに,病変部の導管の相対的閉塞傾向をみとめた.
  • 藤倉 信一郎
    1984 年 26 巻 8 号 p. 1246-1261
    発行日: 1984年
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     内視鏡検査例100例と剖検例48例を対象にして,正常の終末回腸におけるPeyer板の内視鏡像,肉眼・実体顕微鏡像および組織像を対比検討した.その結果,Peyer板は内視鏡的には3つの型に,肉眼・実体顕微鏡的および組織学的には2つの型に分類された.すなわち内視鏡像が顆粒状あるいは脳回状隆起を呈するPeyer板は,剖検例においての肉眼・実体顕微鏡像が顆粒状あるいは脳回状隆起を呈するPeyer板と同一であり,その組織像は境界鮮明なリンパ濾胞が集合し,粘膜表面を覆う絨毛が少なかった〔「リンパ濾胞型(Lymph Follicle Type,LF型)」と命名〕.また内視鏡像がほほ'平担なPeyer板は,剖検例においての肉眼観察では周辺粘膜との識別困難なあるいはKerckring皺襞の消失部位としてかろうじて識別されるPeyer板と同一であり,その組織像は境界不鮮明なリンパ濾胞あるいはリンパ系細胞・細網細胞・繊維組織が集合し,粘膜表面のほとんどが絨毛で覆われていた〔「リンパ球集簇型(Lymphocyte Aggregation Type,LA型)」と命名〕.その他内視鏡像が上記2つの型の中間の形態をとる,すなわち表面が顆粒状に小さく凹凸しているが全体としてはほぼ平担なPeyer板〔内視鏡的に「境界型(Border Type,B型)」と命名〕は,剖検例の肉眼・実体顕微鏡像あるいは組織像においては,LF型あるいはLA型のいずれかのグループに属しているものと考えられた. 剖検例においてLF型とLA型の2型のPeyer板を比較すると,その大きさには両型の間に有意差は無かったが,回盲弁からの距離はLF型の方が近かった.またPeyer板周辺の孤立性リンパ濾胞の分布密度はLF型に高かった.
  • 塚田 英昭, 小林 裕子, 西田 修, マリオ ロドリゲス, 酒井 正彦, 内野 治人, 三宅 健夫
    1984 年 26 巻 8 号 p. 1262-1266_1
    発行日: 1984年
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     ラット水浸拘束潰瘍発生初期像を微細観察する目的で,胃ろうラットに拡大内視鏡を挿入し,同時に水素ガスクリアランス法を用い,内視鏡下に胃粘膜血流測定を行なった.ラット非病変部胃粘膜の微細観察では,ヒトとは異なり,粘膜表面の形態は観察さ.れず,粘膜内集合静脈の規則的な配列が観察された.また,水浸拘束負荷後約30分よりすでに胃底腺領域を中心に集合静脈の怒張と負荷前にはほとんど観察されない静脈網の出現が認められ,かなり早期より粘膜微小循環の障害が示唆された.また拘束開始約1時間頃より胃体部粘膜表面に白苔を伴う浅い陥凹が認められ,組織学的には,粘膜表層の微細な壊死と考えられた.また同時測定した粘膜血流も早期より急激な低ドを示し,内視鏡所見と相関した.
  • 蔡 承熹, 川北 勲, 福富 久之, 熊谷 博彰, 樫村 博正, 中原 朗, 小山 捷平, 山形 迪, 武藤 弘, 大菅 俊明, 崎田 隆夫
    1984 年 26 巻 8 号 p. 1267-1277
    発行日: 1984年
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    アルゴンレーザー励起による胃癌および大腸癌の蛍光をより客観的に検討するため,Optical Multichannel Analyzer Systemを用いて,実時間により胃癌および大腸癌の蛍光スペクトルの検討を行なった.結果としては胃癌は正常胃粘膜と同様に580nmと600nmの二峰性の蛍光スペクトルを有し,胃癌に特異的な蛍光スペクトルを認めなかった.陥凹型早期胃癌で観察された特徴的な蛍光は蛍光強度の差による色調の変化にもとつくものと考えられた.大腸癌切除標本の約30%は赤色蛍光に属する630nmの特異的なスペクトルを示す.つづいて,大腸癌病巣にみられる特異的な蛍光と癌組織との関係およびその蛍光の発生のメカニズムを解明するために,動物実験および病理組織学的検討を行なった.結論としては大腸癌病巣に見られる赤色蛍光は癌組織の壊死過程において,癌細胞内のポルフィリン体が何らかの原因(細菌?)により変化した蛍光物質にもとつくものと推測された.
  • 渋谷 隆, 斎藤 清二, 稲土 修嗣, 野尻 裕之, 東 貢, 若林 泰文, 坂東 毅, 本間 保, 田中 三千雄, 佐々木 博
    1984 年 26 巻 8 号 p. 1278-1284
    発行日: 1984年
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     著者らの経験した膵管癒合不全10例について,主として膵管造影所見を中心に検討し以下の結論を得た.(1)膵管癒合不全の頻度は内視鏡的逆行性膵管造影(ERP)335例中10例3.0%であり,これは従来本邦で報告されてきた出現頻度に比べると最も高いものであった.(2)膵管癒合不全の診断に不可欠である副乳頭からの背側膵造影は9例に試み全例成功した.(3)膵管癒合不全症例には高率に腹痛などの膵炎類似症状を認めた.(4)膵管癒合不全症例においては腹側膵管の走向・大きさにはかなりのバリエーションがあった.(5)膵管造影上慢性膵炎と考えられた3症例について,慢性膵炎の原因としては膵管癒合不全以外の要因も考慮された.(6)純粋な慢性背側膵炎は自験例中にはなく,また背側膵管に変化を認める症例では腹側膵管にも変化を認めた.
  • 竜田 正晴, 飯石 浩康, 奥田 茂
    1984 年 26 巻 8 号 p. 1285-1293
    発行日: 1984年
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     内視鏡を用い十二指腸潰瘍の治癒,再発に対する酸分泌,酸分泌領域,年齢および喫煙習慣の影響とヒスタミン受容体拮抗剤(cimetidine)による十二指腸潰瘍の治療について検討した. 十二指腸潰瘍は若年者で,酸分泌領域が広く酸分泌の亢進のみとめられるもの程治癒は遷延し,治癒後も容易に再発することを明らかにし,十二指腸潰瘍の治療には酸分泌を強力に抑制することが重要であることを示した.臨床的には強力な酸分泌抑制作用を有するcimetidineにより十二指腸潰瘍の治癒促進と再発防止が可能で,粘膜防御因子増強剤の併用によりcimetidine内服中止後の再発を抑制し得ることを明らかにした.しかし喫煙習慣の継続はcimetidineの効果を抑制するためcimetidineによる十二指腸潰瘍の治療の際にも禁煙を強く指導することが必要である.
  • 鈴木 安名, 内海 真, 佐藤 仁志, 三好 幸宣, 山崎 裕之, 岡村 毅与志, 上田 則行, 並木 正義
    1984 年 26 巻 8 号 p. 1294-1298_1
    発行日: 1984年
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     1979年6月から1983年12月までの期間に7例の食道カンジダ症を経験した.基礎疾患の内訳は,糖尿病・肝疾患・胃潰瘍・慢性気管支炎・オスラー病およびアレルギー性肉芽腫症であった.食道の内視鏡所見としては,粘膜から容易にはがれない白色ないしは黄白色の隆起した白苔を認め,これが本症の特徴的な所見であった.重症例では白苔は癒合し,厚い偽膜状を呈し,発赤やびらんを伴っていた.白苔の直接塗沫標本(グラム染色)の所見は本症診断上有用であった.一方生検組織診の結果はfalse negativeである場合もあった. ナイスタチンを投与した患者は,全例1週間以内に自覚症状の改善がみられ,3~4週間以内に内視鏡所見の改善が認められた.悪性腫瘍・慢性消耗性疾患でステロイドや抗生物質による治療を受けている患者に対しては,自覚症状の有無にかかわらず積極的に内鏡検査を行うことが本症を早期に診断するうえで重要である.
  • 渡部 和彦, 三浦 邦彦, 川崎 寛中, 門原 三志男, 中山 健二, 山本 貞寿, 佐々木 宏之, 鶴原 一郎, 古城 治彦, 吉田 勝彦 ...
    1984 年 26 巻 8 号 p. 1301-1308_1
    発行日: 1984年
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     急性上部消化管出血に対する局所用トロンビン直視下散布の止血効果を検討する目的でH2-receptoranta-gonistまたは制酸剤を主体とした基礎治療群32例,これにH2-receptorantagonistの経静脈性投与下にトロンビンを散布したトロンビン群30例計62例における止血成績を対比検討した.両群間で平均年齢,末血血色素値,輸血量,出血より内視までの期間,出血の重症度,出血の様式に有意差を認めなかった.しかし後者で血管露出例が多かった. 各治療別の止血有効率は基礎治療群で69%,トロンビン群で80%の結果であった.出血状況即ち軽度,中等症出血,血管露出,非露出,湧出型出血における止血有効率はいずれもトロンビン群で高い止血有効率が得られた.以上より,中等症以下の出血で血管露出がなく湧出型の出血例に対しては局所用トロンビン直視下散布が治療上有用と考えられた。
  • 星加 和徳, 長崎 貞臣, 宮島 宣夫, 内田 純一, 石原 健二, 木原 彊, 日下圭 圭
    1984 年 26 巻 8 号 p. 1309-1313_1
    発行日: 1984年
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     食道血管腫の1例を経験した.症例は33歳の女性で,昭和58年8月に左季肋部痛あり,近医受診し,上部消化器造影,内視鏡検査にて下部食道に血管性隆起性病変を指摘され,当科紹介となる.消化管造影にて,胸部下部食道の10cmにわたり隆起が認められ,その隆起は表面平滑な小隆起の集合よりなっていた.内視鏡検査では,門歯列より28cmから35cmにかけて右側から背側にわたる半周性の青色調の柔らかい小隆起の集合からなる隆起を認め,食道血管腫と診断した. なお,皮膚および他の消化管,腹部臓器には血管腫を認めなかった.食道血管腫は手術にて摘出され,大きさは7×5×1.2cm大で,組織像は海綿状血管腫であった. 本邦においては21例の報告がある.
  • 黒沢 光俊, 長嶋 知明, 池 薫, 奥山 修児, 柴田 好, 武藤: 英二, 武田 章三, 神田 誠, 鈴木 安名, 水島 和雄
    1984 年 26 巻 8 号 p. 1314-1318_1
    発行日: 1984年
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     症例は49歳の主婦で,吐血を主訴として入院した.緊急内視鏡検査で胃穹窿部に径5cm大の凹凸不整な粘膜下腫瘍様の隆起性病変を認めた.その表面に不整形の潰瘍が多発していた.潰瘍の辺縁より生検し,検索したところ,正常粘膜と変性を伴う細胞反応および結合織性の壊死組織の所見を得た.胃X線検査でも胃穹窿部に不整形の潰瘍を伴う隆起性病変を認めた.血管造影を行ったが,質的診断に至らないまま再吐血したため手術を施行した.その摘出標本の病理組織学的所見から非寄生虫性の好酸球性肉芽腫と診断した.胃の好酸球性肉芽腫で本症例のように穹窿部に発生し,しかも大量の出血をきたした例は非常に稀なので文献的考察を加えて報告した.
  • 千々岩 芳春, 中手 悟, 三澤 正, 山内 孝, 西原 秀一郎, 蓑田 俊二
    1984 年 26 巻 8 号 p. 1321-1323_1
    発行日: 1984年
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     胃内視鏡検査にて従来未報告の広範囲地図状毛細血管拡張所見を有するRendu-Osler-Weber病の1例を報告する.症例は60歳の男性で主訴は吐血.口腔粘膜,舌,下口唇,指趾先に点状ないし結節状の血管拡張を認め,胃内視鏡検査にて点状および結節状毛細血管拡張,網状毛細血管拡張,更に広範囲地図状毛細血管拡張を認めた.腹腔動脈造影検査では肝全体及び胃にtelangiectasiaに特徴的な不規則で小斑点状の陰影が認められた.
  • 篠原 昭博, 石賀 光明, 加藤 啓一郎, 阿部 勝海, 塚本 真言, 坂本 武司, 平松 収
    1984 年 26 巻 8 号 p. 1324-1329
    発行日: 1984年
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     症例は28歳の男性である.既往歴として,3年前より飲酒後に左側腹部痛が出現することがあり,近医で年に一度程度治療をうけていた.1年前には膵炎と診断され,2週間の入院治療をうけたことがあった. 今回,日本酒4合を飲酒し,翌日,腹痛が増強するために入院となった.急性再発性膵炎と考えられたが,精査目的でERCPを施行したところ,膵管が十二指腸下行脚の周囲をとりまいて造影されていった.この経時的なレントゲン写真を検討すると,Wirsung管につづく輪状の膵管は細く,十二指腸下行脚の背側から腹側へ完全に一周し,造影されていった.しかし,これにつづいて造影された膵体部から膵尾部にかけての主膵管は,正常範囲であった. ERCPにより輪状膵と診断した症例を報告した.
  • 佐藤 博文, 針金 三弥, 龍村 俊樹, 山本 恵一, 小島 道久, 山本 和夫, 柴崎 洋一, 松本 貞敏, 鈴木 亮一
    1984 年 26 巻 8 号 p. 1330-1334_1
    発行日: 1984年
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     尋常性疣贅の多発を伴ったS状結腸癌の2例を報告した.症例は59歳の女性と78歳の男性で,ともに消化器症状はなかったが,2年以上前から尋常性疣贅が顔面,手背に多発し治癒傾向にないため,消化管の精査を行った. 上部消化管には異常所見を認めなかったが,注腸造影と大腸内視鏡検査によりS状結腸癌の合併をみとめ,根治術をおこなうことが出来た. 近年,本邦での結腸癌の罹患率は増加傾向にあり,結腸癌による死亡率を低下させるには一般住民を対象とした大腸集検と共に高危険群の精査による早期癌の発見が必要である. 尋常性疣贅はhuman papilloma virus(HPV)による皮膚感染症で,その発病は細胞性免疫能の低下と関連しているといわれている.今回の2症例の経験から,高齢者で尋常性疣贅が多発し,しかも難治傾向にある場合には,内臓悪性腫瘍の高危険群に屈すると考え,精査追跡をすすめるべきである.
  • 藤巻 英二, 狩野 敦, 折居 正之, 加藤 浩平, 菅井 俊, 籏福 公正, 安宅 龍一郎, 小豆島 正博, 栃内 秀貴, 鈴木 恒男
    1984 年 26 巻 8 号 p. 1337-1343_1
    発行日: 1984年
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     患者は51歳の女性で,下腹部痛を主訴として近医を受診し,精査目的で当科に紹介され,入院した.入院時右下腹部に圧痛を伴う腫瘤状の抵抗を触知し,検査上白血球増多と便潜血反応強陽性を認めた.超音波検査にて,右下腹部に中心より高エコー,低エコー,無エコーの層状を呈する腫瘤エコー像を認め,回盲部の腸重積症が疑われ,注腸造影で母指頭大の腫瘤を先進部とする回盲部重積症と診断した.大腸内視鏡検査を施行し,先進部腫瘤は表面の性状より上皮性腫瘍と考えられたが,生検では正常小腸粘膜であった.開腹すると,腫瘤はBauhin弁より口側23cmに存在し,18×15×30mmの大きさで,16mmの茎を有し,表面は顆粒状で分葉していた.組織学的にはリンパ管腫であった.術前に臨床的検索が行なわれた小腸リンパ管腫はほとんど報告がなく,非常に貴重な症例であった.腸重積の診断には超音波検査が有効であったが,生検を含めた内視鏡検査でも先進腫瘍の質的診断は困難であった.
  • 広岡 大司, 湯浅 肇, 板倉 恵子, 山本 博, 岡村 良邦, 福井 寛也, 梁 勝則, 喜多野 三夫, 三輪 博久
    1984 年 26 巻 8 号 p. 1344-1350_1
    発行日: 1984年
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     大量の新鮮下血をもって発症し特徴的な臨床像および内視鏡像を呈した直腸潰瘍を10例経験した.10例はいずれも重篤な基礎疾患を有する高齢者で9例が女性であった. 基礎疾患の内訳は脳血管障害6例,大腿骨頸部骨折に肺炎合併2例,糖尿病性ケトアシドーシス1例,心不全に肺炎合併1例と脳血管障害が多く見られた. 病変の内視鏡的特徴は歯状線直上の下部直腸に限局する浅い不整形,地図状ないし帯状の横軸に長い潰瘍で,管腔の1/3周ないし全周に達する点にあった. また一般に出血は大量ではあるが露出血管の結紮やタンポナーゼなどの適切な止血処置により止血可能であった.経過は基礎疾患により異なるが,潰瘍の経過は一般に良好で20日以内に瘢痕化がみられた. 河野らは同様の臨床像,内視鏡像を呈する2自験例を急性出血性直腸潰瘍と命名して報告し,そのなかで,同疾患の頻度はそれ程少くないことを記述している. 筆者らも急性出血性直腸潰瘍の頻度は少くないと考えており,高齢化社会が進むなかで重要な疾患の一つになると考えられたので,一つの臨床概念とすることを提唱した.
  • 1984 年 26 巻 8 号 p. 1351-1352
    発行日: 1984年
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
  • 1984 年 26 巻 8 号 p. 1353-1382
    発行日: 1984年
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
  • 1984 年 26 巻 8 号 p. 1383-1430
    発行日: 1984年
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
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