日本消化器内視鏡学会雑誌
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27 巻, 9 号
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  • 竜田 正晴, 飯石 浩康, 奥田 茂, 川本 博司, 谷口 春生, 大島 明
    1985 年 27 巻 9 号 p. 1707-1715
    発行日: 1985/09/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     1968年から1976年まで当院で胃生検が施行された1,333例を対象にその後の経過を内視鏡的または疫学的手法を用い追跡調査し,胃癌診断における初回胃生検の診断精度についてprospective studyを行なった.初回生検にて「良性」(GroupI,II またはIII)と診断された858例については平均7年7カ月間の経過を観察した.初回生検後,癌と判明した偽陰性例は31例で初回生検で良性と診断されたものの3.7%を占め,全胃癌症例の6.2%に相当した.一方初回生検にて「悪性」(GroupIV,V および肉腫)と診断された475例はいずれも手術または剖検が施行され,丹念な病理組織学的検索でも悪性腫瘍が証明されなかった生検偽陽性例は3例で初回生検で悪性と診断されたものの0.6%を占め,全良性疾患の0.4%に相当した. 生検偽陰性例は肉眼的にはI臼型,IIa型,IIIを伴なう早期癌病型,びらんを伴わないBorrmann4型進行癌および粘膜下腫瘤を呈す肉腫に多く,占居部位別には胃体部後壁と幽門部に多くみられた.生検により胃癌を確実に診断するためには病巣部を丹念に観察し,想定される胃癌病型に最も適切な生検採取部位を選定し狙撃生検することが最も重要である.また内視鏡と生検診断がくい違った場合には内視鏡所見を重視し生検を反復施行するとともに内視鏡直視下吸引細胞診・穿刺吸引生検の併用も大切である.
  • ―測定法の検討と臨床応用―
    川村 雅枝, 重本 六男, 栗本 文彦, 小松 達司, 中井 呈子, 三輪 洋子, 前田 淳, 赤上 晃, 勝 健一, 山内 大三, 山下 ...
    1985 年 27 巻 9 号 p. 1716-1722
    発行日: 1985/09/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     われわれは従来の胃粘膜PGE2測定法を再検討するとともに若干の簡易化を図り,内視鏡下に得られたヒト胃粘膜PGE2を測定した.抽出精製過程では高性能薄層クロマトグラフィーを用い,CCl4脱脂過程を省略した.radioimmunoassayには高感度かつ特異性の高いPasteur研究所製抗血清を用いた.この測定方法での3 H-PGE 2回収率は47.7±7.6%(n=29)であった.胃粘膜組織の保存は-30℃ では15日間まで安定であり,また,組織重量5~50mgの範囲ではPGE2測定値に良い相関が得られた.成人男子胃粘膜PGE2は正常例では胃体部3,130±943ng/gw.w(n=6),幽門部3,720±149(n=6),びらん例では1,315±790(n=5),1,402±589(n=6)であり,胃びらん症例では胃体部,幽門部とも正常例に比べ有意に低い結果であった(p<0.05).また,PGE2の変化は他の防御因子と同様の傾向を示した.
  • 張 景明, 三木 一正, 丹羽 寛文, 黄 士哲, 平山 洋二, 木村 正儀, 岡 博
    1985 年 27 巻 9 号 p. 1723-1730
    発行日: 1985/09/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     老年者(60歳以上)と青壮年者(59歳以下)との消化性潰瘍において,両者間の病態の差異につき,血清ペプシノーゲン各成分値,胃液酸・ペプシン分泌動態および内視鏡的Congo red testによる腺境界分類により検討した.対象は内視鏡で確診した正常対照群209名,胃潰瘍群112名および十二指腸潰瘍群142名で,全例,radioimmunoassay法にて血清ペプシノーゲンIおよびII値を測定した.この内,潰瘍症例の106名(老年者43名および青壮年者63名)では胃液検査およびCongoredtestを施行し,以下の結論を得た.(1)老年者胃潰瘍は青壮年者胃潰瘍に比し,低血清ペプシノーゲン各成分値および低酸・低ペプシン分泌を示し,腺境界分類で開放型で高位胃潰瘍が多かった。しかし,老年者でも低位胃潰瘍では高血清ペプシノーゲン各成分値および高酸・高ペプシン分泌を示し,青壮年者との差異を認めなかった.(2)老年者十二指腸潰瘍も青壮年者十二指腸潰瘍と同様で,腺境界分類では閉鎖型が大部分を占め,高血清ペプシノーゲン各成分値を示し,胃酸・ペプシン分泌能も良好に保たれていた.以上より,潰瘍の病期別・発生部位別にみて,老年者消化性潰瘍に特有な酸・ペプシン分泌動態は認められないと考えられた.
  • 嶋倉 勝秀, 白井 忠, 山口 孝太郎, 仲間 秀典, 赤松 泰次, 松田 至晃, 中村 喜行, 滋野 俊, 坂戸 政彦, 古田 精市, 上 ...
    1985 年 27 巻 9 号 p. 1731-1740
    発行日: 1985/09/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     最近19カ月間に種々の悪性胆道狭窄症例98例にERBDを試み83例(84.7%)に成功した.手術不能と診断された64例を内科的に経過観察し,6カ月以上ERBDを維持しえた症例は14例で,1例は464日後の現在ERBD継続中である.ERBD施行後の後期合併症発生率はERBD成功83例中38例(47.8%)であり,胆管炎(23例,27.7%),チューブの閉塞(10例,12.0%)が高率であった.10Fr.径のポリエチレン製Large bore tubeの有効期間は164±83日(91~394日)であったが,チューブ閉塞後2回目以降挿入チューブの有効期間は39±19日(14~70日)と著しく短縮していたことより,ERBD長期維持例においては定期的にチューブの洗浄を行い,チューブの閉塞を予防することが必要と考えられた.また,ERBD施行後比較的長期間経過した後に胆道感染を合併した場合には,重篤になりAOSCにより死亡する場合もあるため,胆道感染合併時にはただちにERCによるチューブの洗浄を行う等の迅速な処置が必要と考えられた.
  • 田辺 利男, 美馬 聡昭, 羽二生 輝樹, 水尾 仁志, 金川 博史, 関谷 千尋, 福田 守道
    1985 年 27 巻 9 号 p. 1741-1749
    発行日: 1985/09/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     腹腔鏡検査および肝生検でアルコール性肝硬変の経過観察を行ない,micronodulartypeからmacronodular typeへの変化を確認した。対象は大酒家で,HBVキャリアでもなく,輸血歴もなく,かつ1年以上の間隔をおいて経過観察したアルコール性肝硬変の22症例であり,腹腔鏡検査および肝生検は計60回施行した.初期アルコール性肝硬変は大きさのほぼ均一な小円形結節と結節間相互の淡い線維性隔壁よりなるが,病変が進展するにつれ結節は大小不同となり線維性隔壁の巾が広がり,最終的には大きな結節で線維性隔壁の巾の狭い肝硬変へと移行した.macronodulartypeの2症例に肝細胞癌の合併をみた. 内視鏡的変化は色素撒布法の併用で極めて明瞭に把握され,この変化は肝生検組織のAzan染色で染まる膠原線維の像とほぼ一致した.今後,アルコール性肝硬変の長期生存例が増えるにつれ,肝細胞癌合併の可能性が高まるものと考えられた.
  • 永井 祐吾, 勝見 正治, 田伏 克惇, 田伏 洋治, 青山 修, 江川 博, 野口 博志, 小林 康人, 森 一成, 中井 健裕, Hir ...
    1985 年 27 巻 9 号 p. 1750-1756_1
    発行日: 1985/09/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     教室で考案した内視鏡的マイクロ波凝固法の上部消化管出血に対する治療成績について検討を加え,有用性を認めたので報告する. 上部消化管出血25例に対する72時間以上の有効止血率は92%であった.出血の状態別止血率は,露出血管を認めなかった例では82%であったのに対し,露出血管を認めた例では,拍動性出血の7例を含め100%の有効止血率であった.患者の全身状態別では,軽症100%,中等症100%,重症50%で,shockを経過した中等症以上の例にも有効であった.再出血のため手術を施行した例は5例あったが,凝固後24時間以内に手術した例は1例のみで,残りは5ないし7日後であった. 以上より,本法は上部消化管出血に対する緊急止血法として,特に露出血管よりの拍動性出血に対して有用である.
  • 五十嵐 良典, 藤沼 澄夫, 西川 邦寿, 剛崎 寛徳, 鈴木 金剛, 伊部 晃裕, 伊東 明美, 竹中 希久夫, 澤井 寛人, 酒井 義浩
    1985 年 27 巻 9 号 p. 1757-1761_1
    発行日: 1985/09/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     昭和57年1月から昭和59年12月までに当院に入院した帯状疱疹80例の内41例に上部消化管内視鏡検査を施行した.38例において異常所見を認め,その頻度は92.7%であった.胃病変は81.6%であったが,食道・十二指腸にも病変が併存した.年齢,疱疹出現から内視鏡検査まででの期日,疱疹出現部位について,それらを比較検討した.年齢別では50歳未満,特に20歳代にビランが多く,幽門前部に多く認めた.50歳以上にもビランを約4に認めたが,部位に特徴は認めなかった.疱疹出現から内視鏡検査までの期日において3週まではビランが多く,特に2週以内の施行例では幽門前部にビランが多く認められた.3週まででは潰瘍が多かった.疱疹出現部位においては,頭部,腹部の発疹例にビランが多く,胸部の発疹例には潰瘍が多かった.胸部発疹の1例に噴門部癌を認めた.
  • 田辺 利男, 平尾 雅紀, 仲紘 嗣, 小林 多加志, 松浦 侯夫, 升田 和比古, 奥山 敬, 浅沼 建樹, 山口 修史
    1985 年 27 巻 9 号 p. 1762-1771
    発行日: 1985/09/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     1978年10月から1983年12月までにHS-E局注治療を行った重篤な基礎疾患を有するAGMLとADMLは38例であった.基礎疾患の内訳は肝不全10例,脳血管障害6例,腎不全5例,心不全5例,手術後出血5例,多発骨折2例その他5例.小病変が主体であったが,一方大きなびらんからのびらん性粘膜出血も認められた.出血病巣の分布は胃上部の小轡を中心にした前後壁に多い.露出血管は32/38(84%)に確認された.特徴的所見として短期間での出血病巣の明らかな移動が6例(15%)に認められた. 基礎疾患の存在ならびに病巣の局所的所見から内視鏡的治療が望まれる.HS-E局注止血法で36/38(94.7%)という高い止血効果が得られた.HS-E局注止血法は,組織障害が少いために,多量の使用が可能であり,反復して行える利点をもち,びまん性のびらん性粘膜出血も含めて,あらゆる型の出血に対して効果的な止血法であるといえる。
  • 井上 林太郎, 池田 英雄, 日高 令一郎, 大曲 和博, 江口 敏, 池園 洋, 村山 俊二, 佐々木 英, 豊永 純, 国崎 忠彦, 谷 ...
    1985 年 27 巻 9 号 p. 1772-1776_1
    発行日: 1985/09/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     55歳男性の肝硬変症患者で内視鏡的に確認できた食道静脈瘤出血に対し,内視鏡的硬化療法により救急止血に成功し以後5回にわたる待期的硬化療法を行った.7カ月にわたるその経過中,器質化した静脈瘤上に食道癌を認め手術施行.切除標本より硬化療法後の静脈瘤をも病理学的に検討し,硬化療法が完全に行われていれば,同じ静脈瘤が再出血する可能性は少ないと考えられた.また,食道静脈瘤硬化療法後のclosefollowup故に内視鏡的に早期の食道癌も発見できたものと考えられた.
  • 襄 光男, 酒井 克治, 浜中 良郎, 東野 正幸, 大杉 治司, 伊東 了, 小泉 英勝, 前川 憲昭, 宋 博
    1985 年 27 巻 9 号 p. 1777-1783
    発行日: 1985/09/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     食道扁平上皮乳頭腫は食道良性腫瘍の中でも稀なものとされ,本邦での報告は極めて少ない.患者は47歳の男性,他院で食道早期癌を疑われ来院した.主訴は心窩部不快感,食道・胃透視ではImに境界明瞭な低い隆起性病変がみられ,食道良性腫瘍と診断された.食道内視鏡検査では,切歯より29cm後壁に低い隆起性病変がみられ,その表面には多数の小結節が認められた.また同時に施行された生検では食道乳頭腫と診断された.悪性化に対する懸念及び広基性腫瘍のため内視鏡下の摘出が不可能と判断し開胸下に摘出術が施行された.摘出標本では正常の扁平上皮で被われた低隆起性腫瘍で,組織学的には良性の食道扁平上皮乳頭腫と診断された. 今回,過去12年間に教室で経験した食道良性腫瘍9例及び著者らが集計しえた食道扁平上皮乳頭腫25例(自験例を含む)について臨床的検討を加え報告する.
  • 島本 史夫, 阿部 和夫, 岩越 一彦, 芦田 潔, 折野 真哉, 林 勝吉, 大柴 三郎, 千福 貞博, 革島 康雄, 岡島 邦雄
    1985 年 27 巻 9 号 p. 1785-1790_1
    発行日: 1985/09/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     全身にみられたびまん性の紅斑性皮疹が,胃癌のskin markerと考えられた1例を経験したので報告する.症例は66歳の女性で,2年前より皮膚科的治療に反応しない難治性の非定型的紅斑が全身に出現した.その後,消化管の精査をおこなったところ,噴門部から前庭部までscirrhousに浸潤した胃癌と診断された.皮疹は胃全摘術後にすみやかに改善された.自験例にみられた皮疹は,従来より報告されている内臓悪性腫瘍のskin markerとしての紅斑性皮疹とは異なっていたが,皮膚科的治療に反応せず,胃全摘後にすみやかに改善したことから,胃癌のskin markerと推察された。このことから,皮膚科的治療に反応しない皮膚病変をみた場合は,内臓疾患の精査をおこなう必要があると考えられた.
  • 鴨井 三朗, 下津浦 康裕, 古賀 聖祥, 日高 令一郎, 江口 敏, 川副 良治, 上田 隆, 池園 洋, 村山 俊二, 平井 賢治, 佐 ...
    1985 年 27 巻 9 号 p. 1791-1797
    発行日: 1985/09/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     胃粘膜下腫瘍と胃外性の圧迫による隆起の鑑別は極めて困難なことがあり,今回われわれは各種画像診断にて興味ある所見を示した肝血管腫の1例を経験したので,若干の文献的考察を加え報告する.症例は,33歳の女性で,上腹部痛を主訴に,近医を受診.上部消化管X線検査にて胃穹隆部に胃粘膜下腫瘍様の隆起を認め,精査のため,当科入院となった.CT,内視鏡検査にては,胃粘膜下腫瘍を強く疑わせる所見で,さらに,粘膜下造影(Submucosography)にても,確診は得られなかった.しかし,腹部血管造影で,腫瘍は左肝動脈より栄養を受け,静脈相では,cotton wool-like poolingを示し,肝血管腫と診断した.手術時所見では肝左葉より,肝外性発育を示し胃穹隆部を圧排する腫瘍で,病理組織所見では良性の肝海綿状血管腫であった.
  • 五十嵐 潔, 千葉 満郎, 吉田 司, 太田 弘昌, 小松 眞史, 長崎 明男, 荒川 弘道, 正宗 研
    1985 年 27 巻 9 号 p. 1798-1806_1
    発行日: 1985/09/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     広範囲に消化管に浸潤したWaldenström's macroglobulinemiaの1例を経験した.症例は,62歳男性で,主訴は全身倦怠感,吐血,下血である.血中1gM異常高値(2,376mg/dl)を認め,免疫電気泳動で1gM,λtypeと同定され,さらに末梢血中に異型リンパ球(16%)がみられ,Waldenström's macroglobulinemiaと診断した.肝脾腫,回盲部腫瘤を触知した.消化管精査の結果,胃では粘膜の巨大皺壁様肥厚,びまん性のびらん,潰瘍,十二指腸では散在性びらん,回腸末端部では腫瘤形成,ポリープ様隆起,びらん,潰瘍,横行結腸では限局性に扁平ないし亜有茎性の粘膜下腫瘍様隆起が集籏という多彩な所見を得た.それぞれの部位からの生検では,粘膜固有層に著しいリンパ球浸潤があり,その中に散在性に異型リンパ球の集籏が認められた.PAP法でこの異型リンパ球は抗IgM,抗λ 抗体で染色され,消化管浸潤と診断した.本疾患の消化管病変についての報告は極めて少なく,若干の文献的考察を加えて報告した.
  • 奥山 修児, 長島 知明, 池 薫, 柴田 好, 武藤 英二, 武田 章三, 三好 幸宣, 原田 一道, 上田 則行, 並木 正義
    1985 年 27 巻 9 号 p. 1807-1812_1
    発行日: 1985/09/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     症例は86歳の男性で,めまいを主訴として来院,高度の貧血を認めたため入院となった.入院後何度も下血を繰り返した.上部消化管の内視鏡検査では異常なく,注腸X線検査でS状結腸の憩室がみられたが特に出血の原因となる病変は認められなかった.その後下血に加えて頻回の嘔吐が出現するようになったので,腹部血管造影を施行したところ,SMA空腸支配領域に円形の腫瘍濃染像を認めた.小腸X線検査で,その部位に一致して表面に潰瘍を伴う2.5×3.5cmの腫瘤像がみられた.小腸内視鏡検査でも表面に潰瘍を形成する粘膜下腫瘍が観察され,平滑筋腫を強く疑った.また腹部CT-scanにて腫瘍による腸重積の所見がみられた.手術が施行されたが,その病理組織学的検索では空腸原発の管内発育型の平滑筋腫であった.
  • 清水 誠治, 多田 正大, 清田 啓介, 小林 正夫, 藤本 荘太郎, 中島 正継, 川井 啓市
    1985 年 27 巻 9 号 p. 1813-1821
    発行日: 1985/09/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     WAVE system(Welch-Allyn Video Endoscope system)は,スコープの先端部に内臓されたCCDチップで捉えた画像を電気信号に変換し,ビデオプロセッサーで画像処理をし,モニターテレビ上に画像を映し出すという全く新しい方法論に基づいた内視鏡装置である.操作の面では,スコープに接眼せずモニター画面を見ながら検査を行うため,一度に複数の人が内視鏡像を見ることができ,教育の場における有用性が考えられる.解像力は従来のスコープに比べ決して劣るものではなく色調も自然である.画像処理の段階でコンピュータを介入させ新しい内視鏡診断に応用するという方向性も考えられる.記録としては,ビデオテープに収録することで動的な再現性・客観性に富む記録が得られる他,モニター画面よりスチル写真撮影も可能である.スコープの器械的特性,スチル写真撮影方法など問題点もあるが,将来の内視鏡検査の方向性を示すものとして高く評価できる.
  • 糸島 達也, 浮田 実, 伊藤 俊雄, 服部 修三, 北代 正大, 水谷 繁樹, 喜田 恵治, 田中 良治, 長島 秀夫
    1985 年 27 巻 9 号 p. 1822-1831
    発行日: 1985/09/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     1958年から1983年までの26年間に腹腔鏡検査を3,212例(男2,481例,77.2%;女731例,22.8%)に施行した.施行した症例の98%は肝疾患であり肝生検を併用している.番地分類では200番地43%,300番地16%,400と500番地(肝硬変)16%,100番地が9%であり100~500番地が83%を占めていた.腹腔鏡を2回以上繰り返した249人(543回)の検討から,番地分類で慢性肝炎の活動性と予後が良く判定出来ることが分かった.腹腔鏡または肝生検の偶発症を0.65%に認め,そのうち腹腔内出血が10例(0.31%)で,1例(0.031%)がRobbers鉗子生検による出血で1か月後に死亡した. 500例以上の腹腔鏡を施行した報告49文献を検討した.腹腔鏡は肝生検とともに肝疾患の診断に貢献してきた.今後も非観血的な画像診断を補う,実像観察法として適応を選んで発展するだろう.
  • 日本消化器内視鏡学会
    1985 年 27 巻 9 号 p. 1832-1843
    発行日: 1985/09/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
  • 日本消化器内視鏡学会
    1985 年 27 巻 9 号 p. 1843-1851
    発行日: 1985/09/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
  • 日本消化器内視鏡学会
    1985 年 27 巻 9 号 p. 1851-1854
    発行日: 1985/09/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
  • 日本消化器内視鏡学会
    1985 年 27 巻 9 号 p. 1854-1874
    発行日: 1985/09/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
  • 日本消化器内視鏡学会
    1985 年 27 巻 9 号 p. 1875-1879
    発行日: 1985/09/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
  • 日本消化器内視鏡学会
    1985 年 27 巻 9 号 p. 1879-1896
    発行日: 1985/09/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
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