日本消化器内視鏡学会雑誌
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33 巻, 4 号
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  • 山田 至人, 大井田 正人, 小泉 和三郎, 西元寺 克禮, 中 英男
    1991 年 33 巻 4 号 p. 659-673
    発行日: 1991/04/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     平坦型胃腺腫13病巣,陥凹型胃腺腫18病巣を対象に,臨床病理組織学的特徴を検討した. 陥凹型腺腫の内視鏡的特徴は,周囲に比較的粗大な結節を有する,境界不明瞭な淡い発赤として観察され,陥凹底は平坦で,辺縁における移行はなだらかであった.平坦型の多くは微小病変で,内視鏡で存在診断すら出来なかったことから,色調変化に乏しいと思われた. 病理組織学的検討では,平均最大径は,平坦型が5.1±6.6mmと,陥凹型の11.4±5.6mmに比べ有意に小さかった.また,平坦型腺腫の発育は粘膜表層にとどまり,腺腫深部の嚢胞状拡張腺管は小さく,全体に認められた.一方,陥凹型の発育は粘膜全層におよび,拡張腺管は辺縁に大きなものが存在する傾向にあった. 以上のことから,胃腺腫は細胞増殖帯に発生し,深層腺管のうち異型腺管により導管の狭窄をきたしたものが嚢胞状に拡張するが,腺腫増大により細胞増殖帯全層が置換されると,拡張腺管は縮小,消失する.この様に,陥凹型腺腫は,平坦型腺腫が落ち込み陥凹するという発育形式により出現する可能性を推論した.
  • 坂口 哲章, 木田 光広, 山田 至人, 西元寺 克禮
    1991 年 33 巻 4 号 p. 674-687
    発行日: 1991/04/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     日本消化器病学会慢性膵炎検討委員会の臨床診断基準にて診断された慢性膵炎30例(I群15例,II群15例)に対し,超音波内視鏡検査を施行し,ERP像と超音波内視鏡像との対比を行った.更に健常者70例を対象に膵の加齢変化について検討し,慢性膵炎との比較を行った.超音波内視鏡検査では主膵管の描出は容易で,ERP像とほぼ合致し,膵実質の異常所見の詳細な観察が可能であった.健常例の膵実質の内部エコーパターンは均一で辺縁は平滑であった.加齢に伴い膵実質は軽度の不均一像と,主膵管周囲に点状高エコーを呈する症例を認めた.慢性膵炎では膵実質はより不均一像は高度となり,点状高エコーはびまん性に分布する傾向を示した.この変化は軽度であるが慢性膵炎との鑑別に参考となると考えた.健常例は加齢に伴い膵頭部,体尾部は萎縮する傾向を示した.慢性膵炎では体尾部が萎縮する傾向を示したが,膵実質径では両者の鑑別は不能であった.
  • 北原 大文, 酒井 英訓, 稲葉 宏, 早田 謙一, 小林 良正, 長沢 正通, 松田 裕子, 松本 正廣, 河崎 恒久, 金井 弘一
    1991 年 33 巻 4 号 p. 688-692_1
    発行日: 1991/04/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     内視鏡的硬化療法(EIS)後の食道静脈瘤の再発について検討した.EIS施行101例の再発率は完全消失60例では平均3年5カ月の観察期間中8.3%と低率であったが,静脈瘤残存41例中3カ月以上の経過を追えた27例では平均2年5カ月の観察期間中85.2%と高率であった.EIS後の静脈瘤再発様式はF因子が軽度なわりに発赤所見が高度な独特の所見を呈し,小水疱様の発赤がびまん性に出現するいわゆるatypical red colorsign (ARC)を示すタイプと,telangiectasiaが著明に出現するタイプに分けられた.再発時期はEIS終了後平均8.4カ月と比較的早期で,再治療は再発後平均9.2カ月の時期で行い,69.2%に血管内外注入併用法を,30.8%に血管外注入法を行った.
  • 武内 力, 成宮 徳親, 常喜 真理, 岩崎 仁彦, 杉本 泉, 渡辺 俊明, 鎌倉 広俊, 中村 仁, 鈴木 義信, 石戸 浩之, 井上 ...
    1991 年 33 巻 4 号 p. 695-704_1
    発行日: 1991/04/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     われわれは食道静脈瘤の硬化剤として広く用いられているpolidocanol(AS)を胃粘膜下層に局注した場合,胃壁特に粘膜下層血管網に対しどのような影響を与えるかについて実験的に検討した.成犬33頭を用い,動脈よりバリウムゼラチンを注入した透徹標本を作製し,胃微細血管構築像を観察した.ASは粘膜下層への局注直後には同部に著明な浮腫をおこし,その浮腫の範囲に一致して無血管領域が形成された.3日後には粘膜下層に炎症細胞浸潤がみられ,無血管領域の範囲は局注直後とほぼ同程度であった.7日後には血管炎,血栓が広く出現したが,無血管領域の範囲は大きく変化しなかった.14日後には粘膜下層の線維化,動脈の器質化が認められ,無血管領域の範囲は若干縮小した. 以上の結果からAS局注は粘膜下層動脈の破綻による出血に対し,局注直後からその血流を持続的に低下させ,緊急時の止血ならびに再出血防止に役立つものと思われた.
  • ―長期経過並びにリピオドール併用―
    角谷 宏, 大野 博之, 篠原 靖, 六川 博子, 堀部 俊哉, 大久保 公雄, 河合 隆, 中川 雅夫, 関 知之, 近 裕, 山田 孝史 ...
    1991 年 33 巻 4 号 p. 705-710
    発行日: 1991/04/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     静脈瘤に対するCyanoacrylateの基礎的検討を行い,併せて,リピオドール併用療法時の血管内動態について検討した.1.Cyanoacrylateを家兎耳静脈に注入し1,3,9カ月後の組織学的変化を観察したところ,Cyanoacrylateは長期にわたって異物反応を示し,血管内に停滞していた.2.Cyanoacrylate 0.4mlを家兎下大静脈(6cmH2O)に迅速に注入した場合,瞬時に重合凝固し移動性はなく,心臓,肺には異常はみられなかった.3.Cyanoacrylateを家兎下大静脈に約3秒かけて注入した場合は,約8cmにわたって凝固していた.4.同様に家兎下大静脈にCyanoacrylate+リピオドール等:量混合液を注入した場合,等:量混合液は心臓を介して肺にまで到達していた.以上よりCyanoacrylate単独使用では長期にわたって血管を閉塞し,また,迅速に注入すれば塞栓物質とはなりにくい.しかしながらリピオドール併用療法においては血管内を移動し他臓器梗塞の危険性があると思われた.
  • 井上 晴洋, 丸山 道生, 竹下 公矢, 永井 鑑, 河野 辰幸, 滝口 透, 吉野 邦英, 遠藤 光夫
    1991 年 33 巻 4 号 p. 711-714_1
    発行日: 1991/04/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     内視鏡的食道粘膜切除術(EMRT)により形成された人工潰瘍の治癒過程を検討した. 雑種成犬の組織学的検討では,直後に,固有筋層の表面が薄い結合織の膜を残しつつ露出し,実験2日後(POD)には,潰瘍底は炎症細胞浸潤を伴う壊死物質に被われた.6PODには,薄い再生上皮が潰瘍周辺部より潰瘍底を被うように増殖し始め,14PODまでに,潰瘍底は重層扁平上皮に均一に被覆された. 臨床例の内視鏡による経過観察では,直後には固有筋層の表面(non-bleeding resection layer)が均一に露出していたが,翌日にはすでに潰瘍底は薄い白苔に被われはじめ,3PODには白苔は厚みを増した.5PODには潰瘍辺縁に発赤した再生上皮を認め,7PODには潰瘍は縮小傾向を示した.10PODには潰瘍底はルゴール液に染色される組織に被われ,潰瘍辺縁部にはリング状の毛羽様のルゴール不染部を認めた.21PODまでに線状の潰瘍瘢痕となり治癒過程を完了した.
  • 水間 美宏, 中島 正継, 安田 健治朗, 趙 栄済, 向井 秀一, 早雲 孝信, 芦原 亨, 水野 成人, 平野 誠一, 林 誠, 池田 ...
    1991 年 33 巻 4 号 p. 717-724_1
    発行日: 1991/04/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     今回世界で初めてCO2レーザー用の光ファイバーが開発され,内視鏡的治療に応用可能となった.内視鏡用CO2レーザープローブは直径2.3mm,許容曲率半径20mmであり,通常の内視鏡に使用可能である.雑種成犬を用いた実験より,照射条件は距離を5mm,出力を5~10Wとし,一点の照射野に計5秒間とすることが適当と考えた.この結果を基に,早期胃癌13病変を含む消化管の38病変に臨床応用をしたが,組織の欠損に対して変性の深さが浅く,穿孔の危険が少ない安全な方法であると評価された.特に,比較的小さな粘膜内癌には本法のみで安全かつ十分な根治が期待できた.今後は,粘膜下層に達する早期癌や進行癌による狭窄解除にはYAGレーザーを,粘膜内癌にはCO2レーザーを使用するなどの消化管癌治療におけるYAGレーザーとの使い分けや,薄い壁をもった組織にも比較的安全に使用し得ることから,胆道系の癌治療への応用等が考えられる.
  • 中西 公王, 道堯 浩二郎, 松浦 文三, 菊池 孝, 野中 卓, 神田 公敏, 舛本 俊一, 梶野 一徳, 恩地 森一, 太田 康幸
    1991 年 33 巻 4 号 p. 725-732_1
    発行日: 1991/04/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     急性肝炎重症型6例の腹腔鏡像を劇症肝炎救命例8例と比較検討した.肝葉萎縮は劇症肝炎救命例2例に認められたが,急性肝炎重症型では認めなかった.しかし,肝細胞の集合壊死を示す肝表面の陥凹所見は,急性肝炎重症型では,軽度微細型2例,高度微細型1例,軽度広範型2例,高度広範囲型1例と全例に陥凹所見を認め,劇症肝炎救命例と同程度の陥凹所見であった.高度広範型を示した急性肝炎重症型の1例では,ヘパプラスチンテストの回復に5カ月必要とした.腹水・昏睡度などの臨床像と肝表面像とは必ずしも一致しなかったが,急性肝炎重症型・劇症肝炎救命例とも黄疸持続期間が長い症例では,肝表面の陥凹程度が高度であった.
  • 岸 幹夫, 笠貫 順二, 鈴木 康夫, 吉川 信夫, 大久保 裕司, 園部 洋己, 中村 貢, 橘川 嘉夫, 宮城 英慈, 山田 暁, 吉田 ...
    1991 年 33 巻 4 号 p. 733-738
    発行日: 1991/04/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     われわれの施設では,Davisらが発表した特殊腸管洗浄液(PEG)を大腸鏡検査前処置法に一人当たり41の服用法で使用しはじめたが,ほとんどの被検者が量が多いことに対する苦痛を訴えた.投与量を減量した所,21投与群で前処置不良で検査に支障を来す症例があった.そこでわれわれは,I群:検査当日PEG溶液31服用群,II群:検査前夜Sodium Picosulfate (SP) 10ml及び検査当日PEG溶液21服用群,IIII群:検査当日SP10m1服用1時間後PEG溶液21服用群の3群の前処置法を考えその効果と被検者の受容度を検討した.III群が被検者の受容性において優れ,また検査当日のみで前処置が行える事とあわせより良い方法と考えられた.
  • 平林 修子, 中津 敏明, 福間 博基, 内田 尚仁, 西岡 幹夫
    1991 年 33 巻 4 号 p. 739-745
    発行日: 1991/04/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     胆嚢癌の早期診断を目的として1988年よりERCP施行時にdeep cannulation可能な胆嚢疾患症例に対して内視鏡的経乳頭的胆嚢内挿管(Endoscopic Transpapillary Catheterization in the Gallbladder: ETCG)による胆嚢二重造影を施行してきた.19例に本法を施行し,そのうち1例はfine reticular patternの描出が可能であり,15例はfine reticular patternの描出はできなかったものの通常のERC像よりもより鮮明な胆嚢粘膜像を得ることができた.残り3例中,2例は通常のERC像と差はなく1例では劣っていた.明瞭な二重造影像を得るためには胆嚢胆汁の吸引と造影剤の工夫が大切であった.本法は胆嚢二重造影による胆嚢小病変の描出に有効であるのみならず胆嚢胆汁の細胞診も施行可能であり,また,胆嚢疾患への経皮的ルートによるアプローチより侵襲が少なく手軽に行える点で今後積極的に行われるべき検査法であると思われた.
  • 福光 真二, 時田 和彦, 伊勢谷 和史, 若林 直樹, 小西 英幸, 上平 博司, 福田 新一郎, 布施 好信, 児玉 正, 加嶋 敬, ...
    1991 年 33 巻 4 号 p. 746-750_1
    発行日: 1991/04/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     陥凹型早期胃癌は,悪性サイクルとして形態変化をおこすことが知られている.今回,III+IIC型早期胃癌が陥凹を有さない著明な隆起となり,さらにIIc+IIa型に変化した特異な1例を経験した.症例は79歳の男性,胃内視鏡検査にて胃角部後壁に潰瘍性病変を認めた.H2プロッカーなどの抗潰瘍剤を投与したところ,2カ月後に潰瘍は瘢痕化したが,さらに4カ月後の検査で同部位に隆起性病変が出現した.隆起部からの生検組織は高分化型腺癌であった.その後隆起部は急激に縮小し,最終的にIIc+IIa型早期胃癌の形態となった. 切除標本の組織像では,深達度は粘膜固有層までで,粘膜下層に著明な線維組織が認められた.組織学的に推測すると,隆起部は癌成分から構成されていたと考えられた.本症は陥凹性早期胃癌が悪性サイクルの枠をこえて変化したきわめて稀な例と考え報告した.
  • 佐藤 由紀夫, 近藤 祐一郎, 小原 勝敏, 西間木 友衛, 粕川 禮司, 川口 隆憲, 宇佐見 啓治, 東梅 誠太郎, 野口 尚一, 水野 ...
    1991 年 33 巻 4 号 p. 751-757
    発行日: 1991/04/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     症例は50歳の男性で,倦怠感,貧血を主訴に来院.胃X線検査にて"bull'seye"signを呈する小腫瘍の多発を認め転移性胃腫瘍と診断した.胃内視鏡検査では,胃体上部大彎中心に出血性の陥凹を伴う粘膜下腫瘍様の隆起性病変の多発を認めた.生検組織像では,異型核をもち細胞質の豊富な腫瘍細胞が粘膜内に浸潤していた.腹部CT検査では脾は著明に腫大し,まだら状の低吸収域を認め,脾原発の悪性腫瘍が疑われた.また,血液検査所見では播種性血管内凝固症(DIC)所見を認め,頻回に下血が見られた.死亡後の脾のnecropsyにて得られた腫瘍組織を病理組織学的および免疫組織学的に検索したところ,胃生検組織像と同様な腫瘍細胞がみられ,一部は血管腔を形成しており,また,免疫染色で腫瘍細胞の細胞質の一部に第VIII因子関連抗原陽性の部分を認め,血管肉腫と診断された. 転移性胃血管肉腫はきわめて稀であるが,血液に富んでいるために出血しやすい.また,血管系腫瘍はDICを併発しやすいことが報告されており,DICを併発した場合,転移巣からの出血は致命的となる.よって,DIC予防と純エタノール局注療法などによる転移巣の止血は重要であると考えられた.
  • 石見 法邦, 南雲 久美子, 飯塚 孝, 山崎 忠男, 野ツ俣 和夫, 伊藤 慎芳, 安部 孝, 土谷 春仁, 桜井 幸弘, 池上 文詔, ...
    1991 年 33 巻 4 号 p. 758-765
    発行日: 1991/04/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     昭和51年から63年までの期間に,関東逓信病院で,細径前方視鏡を用いて上部消化管を検査した36,388例について,十二指腸潰瘍(DU)と胃癌の関係について調査した.DUが異時性もしくは同時性に存在したものをDU合併胃癌とし,DU術後の残胃癌は除外した.それぞれの頻度は,DU9.39%,胃癌2.56%,DU合併胃癌は0.15%であった.年齢分布をみると,DU合併胃癌は50~59歳に多く,胃癌のそれと同一で,DUの40~49歳に比して10歳高齢である. 胃癌がDUを合併する頻度は5.7%,DUが胃癌を合併する頻度は1.6%であった.前者を早期胃癌と進行胃癌に分けてみると,それぞれ11.0%,2.80%で,早期胃癌でDUの合併率が有意に高い(P<0.001).男女で比較すると,両者の合併は男性で有意に高い(P<0.01).胃癌が診断された時点におけるDUの大半は瘢痕期にあった.70%の症例ではDUと胃癌が同時に発見されており,DUをfollowしているうちに早期胃癌を多く診断できたとは言えない.DU合併胃癌の胃癌診断時の症状は,腹痛,次いで吐下血である.早期胃癌についてDU合併胃癌の特徴を非合併胃癌と比較すると,陥凹した型が多く(P<0.01),胃潰瘍併存例が多く(P<0.01)A領域に多い傾向がみられた. DUが見逃される可能性が少ない早期胃癌のみについてみると,DU合併胃癌の頻度は両者の頻度を乗じた期待値と男性では一致したが,女性ではそれより少なかった.少なくとも男性では,DUの存在は胃癌発生の可能性を減じるものではない.
  • 飯塚 政弘, 千葉 満郎, 石井 伸明, 大高 道郎, 伊藤 良, 児玉 光, 正宗 研, 小林 満
    1991 年 33 巻 4 号 p. 766-770_1
    発行日: 1991/04/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     56歳,男性.多発リンパ節転移を伴う食道癌のため1988年10月17日当院放射線科入院,放射線療法施行,疼痛に対しボルタレン座薬を使用し,30日後肛門出血がみられ当科に紹介.内視鏡検査で直腸下端に凝血塊を伴う潰瘍が認められた.8日後,潰瘍は改善したが露出血管より突然拍動性出血をきたしたためエタノール局注施行,以後再出血はなかったが基礎疾患のため死亡.本症で露出血管がみられる場合,本法は有効な治療法と考えられた.
  • 石井 伸明, 千葉 満郎, 飯塚 政弘, 伊藤 良, 大高 道郎, 児玉 光, 正宗 研
    1991 年 33 巻 4 号 p. 773-778_1
    発行日: 1991/04/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     64歳,女性.大量の肛門出血を主訴に当科入院.内視鏡検査で,直腸肛門部に全周の約1/2を占め,一部黒色調を呈する分葉した腫瘍を認めた.生検所見では,明瞭な核小体を有し,好酸性で細胞質の厚い異型細胞が粘膜内にびまん性に増殖し,一部の細胞内にメラニン色素を認め,悪性黒色腫と診断した.胃内視鏡検査で,胃体下部大彎に,粘膜ひだの先端に単発した小隆起性病変が認められ,生検所見から,悪性黒色腫の胃転移と診断した.
  • 日本消化器内視鏡学会
    1991 年 33 巻 4 号 p. 779-788
    発行日: 1991/04/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
  • 日本消化器内視鏡学会
    1991 年 33 巻 4 号 p. 789-832
    発行日: 1991/04/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
  • 日本消化器内視鏡学会
    1991 年 33 巻 4 号 p. 832-839
    発行日: 1991/04/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
  • 日本消化器内視鏡学会
    1991 年 33 巻 4 号 p. 839-864
    発行日: 1991/04/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
  • 日本消化器内視鏡学会
    1991 年 33 巻 4 号 p. 864-894
    発行日: 1991/04/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
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