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山田 至人, 大井田 正人, 今泉 弘, 石井 圭太, 小泉 和三郎, 西元寺 克禮, 比企 能樹, 木田 芳樹
1991 年 33 巻 8 号 p.
1643-1656_1
発行日: 1991/08/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
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隆起型胃腺腫161例190病巣について,内視鏡的には6カ月以上経過観察された36病巣を中心に,病理学的には切除された55病巣を中心にその臨床病理学的特徴を検討した. 隆起型胃腺腫の内視鏡所見は,周囲粘膜と同色調から褪色調で,表面平滑から結節状隆起として観察された.経過観察中の形態変化は80.6%が不変で,増大は認められず,生検組織の異型性に変化が認められた6病巣16.7%においても,形態変化は認めなかった.以上より,胃腺腫は形態学的にも生検組織学的にもほとんど変化せず,変化したとしても非常に緩除なものと考えられた. 病理組織学的には,腺腫に比し腺腫内癌共存例は有意に大きく,かつ21mm以上の病変の癌化率は6/14病巣(42.9%)と高率であった.また,化生性変化は,腺腫周囲粘膜では52/55病巣94.5%に認められ,しかも全層性のものが42/55病巣(76.4%)と多かった.これに対し,腺腫深層腺管で化生性変化が主体のものは,4病巣7.2%と低率であった.さらに,嚢胞状拡張腺管は粘膜全層の約20%の面積を占め,かつ病変全体に均等分布して認められた. 隆起型胃腺腫の発育形式は,平坦型を初期像とし,嚢胞状拡張腺管が主因となり,隆起型へと変化していく可能性を推論した.
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原田 昇, 神津 照雄, 大島 郁也, 一瀬 雅典, 有馬 美和子, 菱川 悦男, 石島 秀紀, 佐久間 洋一, 田中 元, 村岡 実, 宮 ...
1991 年 33 巻 8 号 p.
1657-1663
発行日: 1991/08/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
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リニア型超音波内視鏡の特性をいかし,エコーガイド下に体腔内深部組織を穿刺し,生検診断や治療への応用を図ることを目的に基礎的検討をおこなった.使用した装置は東芝町田社製電子リニア型超音波内視鏡EPE-703FL(7.5MHz)およびEPB-503FS(5MHz)である.1.超音波内視鏡下穿刺装置として,深部穿刺針(23G,有効刺入長20mm)および起立機構を試作した.2.穿刺モデルによる実験:経食道リンパ節穿刺モデルを作成し,超音波内視鏡下穿刺装置を用いエコーガイド下に経食道的にリンパ節を穿刺した.同時に吸引細胞診をおこない,十分な組織を採取しえた.3.動物実験:雑種成犬を用い,全身麻酔下に超音波内視鏡下穿刺装置を挿入,経食道的に目標臓器を穿刺し,CH44を局注した.組織学的検索にて目標臓器に穿刺したことを確認した.また,術後重篤な合併症を認めなかった. 以上より,本法は体腔内深部組織の組織診断に有用となる可能性が示唆された.
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―cetraxate hydrochlorideのレーザードップラー血流計による検討―
勝 健一, 西蔵 ツワン, 矢部 諭, 伊藤 進
1991 年 33 巻 8 号 p.
1664-1669_1
発行日: 1991/08/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
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電子内視鏡とレーザードップラー血流計を使用して胃粘膜血流の数値と経時的変化による波形を内視鏡のモニターにスーパーインポーズし,胃運動と血流を記録するシステムを考案した.血流と運動の関係を強調するために,cetraxate hydrochloride (CH)を負荷した.薬剤は粘膜表面に付着が可能な剤型を試作した.健康な男性ボランティア5名と肝硬変の男性(37歳)1例を対象とした.電子内視鏡はOlympus GIF-XV10を使用し,連続的血流測定はPERIFLUX laser doppler flowmeter (PF3)により約20分間幽門洞小彎で測定した.ボランティアの全例で数分毎に周期的な一過性血流低下を繰り返しながら漸増する傾向と肝硬変例に蠕動運動に伴なう血流変化が観察された.ボランティアの測定値はCH負荷前95.8±13.0pu,10分後149.4±40.6pu,15分後232.5±66.7pu,20分後239.4±68.6であった.最大値は16.0±2.5分で338.1±34.6puであった.
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松田 至晃, 長谷部 修, 牛丸 博泰, 武川 建二, 松沢 賢治, 大和 理務, 上條 寿一, 藤森 芳史, 赤松 泰次, 古田 精市, ...
1991 年 33 巻 8 号 p.
1670-1679
発行日: 1991/08/20
公開日: 2011/05/09
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肝門部悪性胆管狭窄におけるERBDの有用性と問題点を明らかにするために64例をretrospectiveに検討した.減黄効果は施行前肝機能,原疾患,狭窄形態と関連を認めず,肝内の小区域しかドレナージできない位置にステントが挿入されたC群で不良例が多い傾向を認めた.ERBD後の胆管炎は1カ月以内で37.3%と高率に認めたが,原疾患,狭窄形態,ステント挿入部位別に差を認めなかった.早期死亡例(1カ月以内)は9例に認めたが胆管炎による死亡例はなく全例TypeIIIの症例であった.50%生存期間は胆管癌155日,胆嚢癌119日,Type II242日,TypeIII131日で,年齢別,ドレナージ効果別に生存率に有意差が認められた.施行後2カ月間の経過をみるとC群で経過不良例が多い傾向を認めた.肝門部狭窄では肝左葉ないし右葉の前後区域のいずれかをドレナージ可能な位置にステントを留置できればERBDは比較的有効であるが,胆管炎の発生には十分注意すべきである.
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安武 晃一, 増田 章吾, 吉村 幸男, 時末 充, 西崎 朗, 前田 哲男, 増田 忠之, 大家 学
1991 年 33 巻 8 号 p.
1680-1685_1
発行日: 1991/08/20
公開日: 2011/05/09
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大腸内視鏡下生検にて大腸キサントームと診断された40例63病変について臨床的,内視鏡的に検討した.なお,全結腸内視鏡検査にて正常粘膜であった13例を対照群とした. 大腸キサントームの頻度は2.6%で,平均年齢は56歳,男女比は約3:1であった.検査時の主訴では,精査希望が最も多く,次いで血便,便潜血陽性であった.発生部位では,直腸,S状結腸に96.8%みられた.内視鏡形態は山田の1型および2型が多くみられた.また表面の性状は平滑が最も多く,色調は白色調が多かった. 大腸キサントームにおける合併大腸疾患は腺腫が最も多かった.また,胃キサントームの合併率は13.9%であった. 血清脂質(血清中のトータル・コレステロール値,中性脂肪値,遊離脂肪酸値,HDLコレステロール値),血清アポ蛋白分画,血清リボ蛋白分画は対照群と比較して有意差を認めなかった.しかし,ズダン染色による糞便中脂肪球の有無について検討した結果p<0.05の危険率で有意差が得られた.
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中村 利夫, 神安 雅哉, 川口 稔, 三浦 敏夫, 守屋 尚, 伊藤 博之, 北本 幹也, 高野 弘嗣, 天野 始, 小松 晃一, 田村 ...
1991 年 33 巻 8 号 p.
1686-1692_1
発行日: 1991/08/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
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急性肝炎でプロトロンビン時間40%以下,肝性昏睡1度以下の急性重症肝炎4例に腹腔鏡検査を行い,肝表面像と組織像を検討した.肝不全状態から速かに回復した症例1,2,3では,肝は萎縮せず,肝表面はほぼ平滑であり,組織像はspotty necrosis, bridging necrosisを伴う急性肝炎の像であり,急性型劇症肝炎の肝表面像,組織像に類似していた.肝不全状態が遷延化した症例4では,広範な壊死野と残存肝組織の肥大があり,馬鈴薯肝の像を呈し,亜急性型劇症肝炎の肝表面象組織像に類似していた.肝不全状態からの回復時間の異なるこの2群には,肝表面像,組織像が異なることからして,肝細胞の壊死や再生の機転に差があると思われた.
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柳井 秀雄, 藤村 寛, 松浦 伸二郎, 数住 宗貴, 村田 賀子, 粟屋 信仁, 白石 裕美, 佐貫 むつみ, 苅田 幹夫, 伊藤 忠彦, ...
1991 年 33 巻 8 号 p.
1695-1700
発行日: 1991/08/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
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鉗子チャンネルを介して通常内視鏡で使用可能な,新しい超音波プローブ装置,SONOPROBE SYSTEM(富士写真光機株式会社・アロカ株式会社)を用いて,消化管超音波断層像を検討した. 同システムでは,20MH2の高周波数超音波を用いた事により,粘膜固有層(第1層・第2層)が,厚さを持った実質エコーとして観察され,in vitroの検討では,深達度mのIIc型微小胃癌が描出可能であった.in vivoでの検討においても,電子内視鏡通常検査時に,内視鏡画面での観察下で鉗子チャンネルを介してプローブを操作し,確実に目的病変の超音波断層像を得る事ができた. 手動スキャンに伴う操作上の制約の存在,観察範囲が幅17×深さ16.5mmと狭い事,20MHz超音波が減衰し易い事が今後の問題点として指摘された.
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林 繁和, 荒川 明, 加納 潤一, 篠辺 泉, 加賀 克宏, 宮田 章弘, 伊藤 彰浩, 広瀬 善道
1991 年 33 巻 8 号 p.
1701-1706
発行日: 1991/08/20
公開日: 2011/05/09
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当院で経験した40歳未満の若年者虚血性大腸炎13例について臨床的検討を行い,あわせて高齢者例との対比も行った.全例一過性型で当院における一過性型虚血性大腸炎47例の27.7%に相当した.男女比は3:10と女性に多く,病変部位は全例S状結腸から下行結腸の範囲内にあった.症状は新鮮血下血は全例に,腹痛,下痢も11例と高率にみられた.発症誘因は8例にみられ,その内訳は便秘7例,浣腸2例,精神的ストレス1例であった.基礎疾患は3例にみられたがいずれも血管側因子と関連しなかった.内視鏡所見は全例に潰瘍ないしびらんを認め,大部分は縦走性に存在した.高齢者例に比し女性に多く,血管側因子と関連する基礎疾患がみられないがその他の臨床像は類似した.血管側因子の関与する基礎疾患のない若年者でも腸管側因子や機能的虚血によって本症は稀ならず発症し得ると考えられた.
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仲田 文造, 西野 裕二, 横松 秀明, 曽和 融生, 梅山 馨
1991 年 33 巻 8 号 p.
1707-1714
発行日: 1991/08/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
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膵癌25例,腫瘤形成性膵炎14例に対してEUSを施行し,客観的評価を目的として,特徴的所見を点数評価した.直接所見として(1)内部エコー不均一,(2)辺縁不整,(3)正常膵との境界明瞭,(4)ductal structureなし,(5)duct penetrationsignなし,の5項目,間接所見として(1)主膵管拡張,(2)総胆管拡張,(3)膵周囲リンパ節腫大,(4)血管浸潤像,(5)腹水,の5項目につき,それぞれ所見を認めたときに1点を加算した.直接所見については膵体尾部癌の方が膵頭部癌より有意に高く(p<0.05),頭部での腫瘤の描出能が体尾部に比べて低いことが理由と考えられ,腫瘤像が不鮮明な頭部の症例では特に間接所見の観察が重要と考えられた.腫瘍径と点数評価とは関係を認めなかった. 腫瘤形成性膵炎でも点数評価を行い,直接・間接所見ともに膵癌より有意に低く(p<0.005),今回の点数評価による診断基準の有用性が示された.
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鈴木 卓爾, 石田 基雄, 海老原 哲郎, 加藤 善久, 原田 尚, 増山 仁徳, 門馬 公経, 田島 芳雄
1991 年 33 巻 8 号 p.
1715-1720_1
発行日: 1991/08/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
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食道webの2症例を報告する.症例1は,46歳男性.食道癌と尋常性乾癬を合併した頸部食道webを認め,癌の合併にて外科的に切除した.症例2は,58歳女性,胃切除後にPlummer-Vinson症候群を呈し,頸部食道にwebの合併を認めた.治療として,内視鏡下に高周波ナイフによる切開術とバルーン拡張術を施行し,術後合併症はなく自覚症状の著明な改善を認めた.食道webの内視鏡切開術は,安全かつ簡便で有効と思われた.
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加藤 勝章, 浅木 茂, 大原 秀一, 渋谷 大助, 山口 典男, 関根 仁, 永沼 昭太郎, 枝 幸基, 中山 裕一, 浜田 史朗, 結城 ...
1991 年 33 巻 8 号 p.
1723-1728_1
発行日: 1991/08/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
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われわれは,山田IV型の隆起を呈し,高周波ポリペクトミーで摘出し得た胃粘膜下異所腺の1例を経験したので報告する.症例は,57歳女性,主訴は上腹部痛.胃透視および胃内視鏡検査で胃体上部後壁大彎に,表面平滑で軽度の赤色を示す山田IV型の隆起性病変をみとめ,内視鏡的ポリペクトミーを施行した.切除標本は頭部14×13×9mm,茎部4×4mm,病理組織学的には,粘膜下層に一層の円柱上皮からなる幽門腺類似の構造を示す異所性腺管が認められた.異所性腺管には,腸上皮や異型細胞の出現は認めず,また,粘膜筋板の断裂や粘膜固有腺との連続性はなく,表層粘膜に萎縮や炎症像はみられなかった.以上により,本例は先天性迷入によって生じた胃粘膜下異所腺と考えられた.
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今津 浩喜, 落合 正宏, 天野 洋, 森 紀久朗, 長谷川 茂, 山口 久, 亀井 克彦, 笹山 可則, 四方 敦, 菅沼 正司, 谷口 ...
1991 年 33 巻 8 号 p.
1729-1736
発行日: 1991/08/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
症例は60歳,男性で検診にて胃隆起性病変を指摘,精査目的にて入院.上部消化管造影で幽門洞部後壁にbridging foldを伴う表面平滑,辺縁明瞭隆起性病変,内視鏡検査では幽門洞部やや後壁にbridging foldを有し,表面平滑で立ち上がり急峻な隆起を認めた.胃粘膜下腫瘍の診断で胃切除術施行.触診上波動を認め,穿刺にて無色透明粘稠な液体を吸引し,嚢胞と診断した.切除胃は肉眼的に幽門洞後壁に,3×4cm大の嚢胞と,同前壁に径1cm前後の,正常胃粘膜で被われた,弾性軟の小嚢胞2個を認め,断面より無色透明な,粘液の流出が見られた.組織学的には,幽門腺領域に粘膜内,粘膜下嚢胞が多発,小嚢胞は幽門腺と同様な染色態度のretention cystであり,巨大嚢胞は胃底腺を含むheterogenous cystで,周囲粘膜筋板増生もみられた.本症例は,多発する微小な嚢胞に切除報告例中最大のheterogenous cystを合併した極めて稀な症例であった.
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大川 清孝, 北野 厚生, 中村 志郎, 小畠 昭重, 押谷 伸英, 松本 誉之, 佐々木 義仁, 大森 国雄, 菅 保夫, 宮城 邦栄, ...
1991 年 33 巻 8 号 p.
1737-1743
発行日: 1991/08/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
症例は73歳,女性で,血性下痢と腹痛にて入院した.第3病日の内視鏡検査では横行結腸と上行結腸に限局したskip病変がみられた.横行結腸には潰瘍を伴う半周性の隆起性病変,上行結腸には発赤の強い全周性隆起性病変が存在し,いずれも大腸癌と診断した.第10病日に手術を施行したが,いずれも浅い潰瘍性病変のみであり組織学的に虚血性大腸炎と診断した.存在部位が稀であり,内視鏡像は癌と鑑別困難な像を呈したため報告した.
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井手 誠一郎, 中越 享, 清水 輝久, 石川 啓, 草野 裕幸, 三浦 敏夫, 下山 孝俊, 富田 正雄
1991 年 33 巻 8 号 p.
1744-1747_1
発行日: 1991/08/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
症例は82歳,男性.血便を主訴として入院.直腸指診および注腸透視では直腸下部に大きさ2.8×1.9cmの表面不整な隆起性病変を認め,大腸内視鏡検査にて歯状線の口側約1.0cmの部位に表面やや不整でびらんを伴った橙赤色の亜有茎性の隆起性病変を認めた.直腸早期癌と術前診断し,高齢であることも考慮し経括約筋的直腸局所切除術を施行したが,術後の病理組織学的検索にて悪1生黒色腫と診断した.術後OK432およびDAV療法による免疫化学療法を施行したが,術後5カ月目に局所再発と肝転移を認め,13カ月後に死亡した.術前内視鏡において本症例の腫瘍はごく一部にしか黒色調を示さず,術前診断の困難性を痛感した症例であった.
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山中 静夫, 山本 賢輔
1991 年 33 巻 8 号 p.
1748-1752_1
発行日: 1991/08/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
症例は88歳女性,胆嚢・総胆管結石症の術後,Tチューブからの瘻孔造影をきっかけに胆道内視鏡にて高さ約1.5cmの総胆管有茎性ポリープを発見し,内視鏡的にポリペクトミーを施行した.組織診断は炎症性ポリープであった.肝外胆管良性腫瘍の報告はきわめて稀であり,しかも開腹せずに内視鏡的にて切除し得た症例は,本邦第1例目であり,ここに報告する.
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黒川 峰夫, 中釜 斉, 郡司 俊秋, 金子 隆志, 松橋 信行, 大西 真, 井廻 道夫
1991 年 33 巻 8 号 p.
1753-1759
発行日: 1991/08/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
症例は58歳女性.下腿皮疹,肝障害,高γ-グロブリン血症,抗核抗体陽性等より自己免疫性肝炎を疑い,腹腔鏡施行.自己免疫性肝炎の腹腔鏡像としては赤色紋理,溝状陥凹,粗大起伏等が知られているが,本症例は肝表面に大小不同で黄白色調の境界不鮮明な小結節をびまん性に認めるという特異な像を呈した.肝組織像は自己免疫性肝炎に合致した所見であった.本症例の腹腔鏡所見は,自己免疫性肝炎の腹腔鏡像の― 亜形として留意すべき所見と考えられた.
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坂本 一博, 清水 忠典, 林田 康男, 前川 武男, 権田 厚文, 福島 文典
1991 年 33 巻 8 号 p.
1760-1765_1
発行日: 1991/08/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
試作胆道ファイバースコープ(オリンパス製XCHF-P20QY,以下P20QY)を,1990年2月~7月の間11例に計16回使用した.対象疾患は,総胆管結石症7例,肝内結石症1例,胆管癌2例,および原発性硬化性胆管炎1例であった.この器種の特徴は,吸引機構および4アングル機構を備え,かつ外径の細径化を計ったことである.従って,P20QYは,先端部外径4.1mm,挿入部外径4.5mm,チャンネル径1.2mmの仕様となっている. 従来の器種に比べ,4アングル機構のため操作性に優れていた.また,耐久性の点でも問題はみられなかった.外径の細径化により挿入性に優れ,末梢胆管の観察が容易であり,瘻孔の拡張も短期間で行うことができた.一方,細径化に伴い,チャンネル径が細くなったため,吸引能はやや低下した.鉗子類の通過性に問題はなかったが,今後,把持鉗子や電気水圧衝撃波(以下,EHL)用プローブなどの処置具の改良・開発が期待される.
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小泉 聡, 鍜治田 英俊, 徐 以政, 西尾 彰功, 上田 俊二, 大熊 稔, 塚田 英昭, 酒井 正彦
1991 年 33 巻 8 号 p.
1766-1771
発行日: 1991/08/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
電子内視鏡マルチファイリングシステムを導入することにより,内視鏡画像の記録保存,有効利用が可能となった. 現在著者らの施設で使用しているのはアナログ光ディスクを画像記録媒体として用いているものであり,これを中心として附属設備を周辺に配置,接続したものである. 本装置の特長は,次のようであった.(1)複数の電子内視鏡装置からリアルタイムで画像を記録できる.(2)組み合わせた電子内視鏡のモニタにより検査中患者に供覧することもできる.(3)検査後,画像の再生,プリント,報告書作成が速やかにできる.(4)記録した画像はいろいろな角度から,速やかに検索でき,多人数で検討できる.(5)データの保管のためのスペースを節約することができる.(6)コンピュータの併用により,画像処理が可能である.
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日本消化器内視鏡学会
1991 年 33 巻 8 号 p.
1772-1785
発行日: 1991/08/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
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日本消化器内視鏡学会
1991 年 33 巻 8 号 p.
1785-1793
発行日: 1991/08/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
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日本消化器内視鏡学会
1991 年 33 巻 8 号 p.
1793-1806
発行日: 1991/08/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
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日本消化器内視鏡学会
1991 年 33 巻 8 号 p.
1807-1868
発行日: 1991/08/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
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日本消化器内視鏡学会
1991 年 33 巻 8 号 p.
1869-1892
発行日: 1991/08/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
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日本消化器内視鏡学会
1991 年 33 巻 8 号 p.
1892-1932
発行日: 1991/08/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
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日本消化器内視鏡学会
1991 年 33 巻 8 号 p.
1933-1953
発行日: 1991/08/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
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1991 年 33 巻 8 号 p.
1995
発行日: 1991年
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー