日本消化器内視鏡学会雑誌
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34 巻, 3 号
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  • 北川 尚史, 荒木 京二郎, 緒方 卓郎
    1992 年 34 巻 3 号 p. 495-506
    発行日: 1992/03/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     超音波内視鏡(EUS)により胃癌106例の壁深達度を検討した.胃壁の5層構造の変化を4つの類型に分類し,EUSの深達度診断基準とした.EUS像の計測は病変部各層の横幅を計測した. 早期癌の深達度正診率は79.6%(39/49例)であった.不正診の原因は線維化が多く,その診断にはwm(病変によりEUS像上変化を認める第1・2層の横幅)と,wsm(EUS像上変化を認める第3層の横幅)の比が有用であった.不正診例を検討すると,線維化のある症例はEUS上線維化を浸潤と誤判定し不正診となるが,粘膜下層に線維化と微小浸潤が並存する場合は,かえって微小浸潤のため正診となり,EUS像と組織像との厳密な対比が必要と思われた. 進行癌の深達度正診率は93.0%(53/57例)であった.wpm(EUS像上の第4層の横幅)は深達度の進行とともに増加し,ss以上の詳細な深達度診断に有用であった.予後的漿膜面因子(ps)についてはwpm<40mmをps(-),wpm>40mmをps(+)とすると89.5%の正診率が得られた.
  • ―特に溝状陥凹について―
    小畠 敏嗣, 島田 宜浩
    1992 年 34 巻 3 号 p. 507-517
    発行日: 1992/03/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    ウイルス性肝炎から肝硬変への進展に際し,重要な腹腔鏡所見の一つに陥凹がある.この陥凹には,(1)広範性大陥凹(2)溝状陥凹(3)小陥凹(4)門脈周囲赤色紋理の4型が報告されている.このうちC型慢性肝炎における門脈周囲赤色紋理は,B型慢性肝炎のそれよりも,より疎性で,局在性である(irregular RM)ことについては,すでに報告した.今回,残る3型について,慢性ウイルス性肝炎249例に,急性ウイルス性肝炎162例を参考症例として加え,検討した.広範性大陥凹は,急性肝炎にのみ,重症型として存在し,小陥凹は急性肝炎時に発現するものと考えられたのに対し,溝状陥凹は,C型とB+C型慢性肝炎にのみ認められ,C型の特徴の一つと考えられた.また,溝状陥凹の成因についてirregular RMの局在部位および平均年齢の検討より,Cantlie線など肝葉の境界において,irregular 1RMからirregular 2RM,更に溝状陥凹へと進展し,形成されて行くものと思考された.
  • 近森 文夫, 青柳 啓之, 加藤 修志, 高瀬 靖広, 渋谷 進, Niranjan Sharma, 岩崎 洋治
    1992 年 34 巻 3 号 p. 519-529
    発行日: 1992/03/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    静脈瘤内注入方式による硬化療法施行に際しては,食道静脈瘤以外のシャント静脈と手技との関係を明らかにしておく必要がある.今回,胃横隔静脈シャント併存食道静脈瘤11例を対象として,内視鏡的食道静脈瘤造影ならびに経皮経肝門脈造影から,静脈瘤and/or供血路の硬化療法による閉塞の範囲と胃横隔静脈シャントの関係について検討した.胃横隔静脈シャント併存食道静脈瘤に関与する門脈側副血行路の内視鏡的食道静脈瘤造影による描出率と硬化療法前後の経皮経肝門脈造影からみた閉塞率は,食道静脈瘤100%,100%,噴門静脈叢89%,89%,左胃静脈45%,9%,短胃静脈22%,11%,傍食道静脈44%,22%,横隔静脈18%,0%,心嚢静脈0%,0%,肋間静脈0%,0%であった.以上から,胃横隔静脈シャント併存食道静脈瘤においては,硬化療法により食道静脈瘤と噴門静脈叢は閉塞されるが,胃横隔静脈シャントは温存されることが確認された.
  • 鳥谷 裕, 多胡 卓治, 真栄城 兼清, 白井 善太郎, 有馬 純孝, 古川 浩, 中岡 幸一, 久原 克彦
    1992 年 34 巻 3 号 p. 530-533_1
    発行日: 1992/03/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    胃穹窿部静脈瘤(FV)5例(腫瘤状FV3例,扁平状FV2例)に対し,経食道probeを用いた超音波doppler法による血流測定を試みた.腫瘤状FVの平均血流量は,供血路では478ml/min,FV先端では345ml/min,排出路では464m1/minであり,脾静脈または上腸間膜静脈の血流量に近似する豊富な血流量を有していた.扁平状FVではFVの血流測定は困難であったが,胃壁外側副血行路の血流量は腫瘤状FVと近似していた.以上よりFVの血行動態解明にきわめて有用な診断手技であると思われた.
  • 星原 芳雄, 橋本 光代, 田中 達朗, 吉田 行哉, 早川 和雄, 福地 創太郎
    1992 年 34 巻 3 号 p. 534-539
    発行日: 1992/03/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    18万画素のCCDを使用した電子スコープEVG-HR(フジノン)の画角を120度から90度に縮小した固定焦点式の拡大内視鏡を試作し,各種胃十二指腸病変の表面微細構造を拡大観察した.本内視鏡は35mmフイルム上で4倍の拡大能が得られ,胃粘膜を観察すると0.1mm前後の胃小窩・胃小溝が鮮明に描出されるばかりでなく,Leistenspitz内の微細な毛細血管紋様も明瞭に認識可能である.従来拡大内視鏡で無構造と思われていた潰瘍辺縁の膜様再生上皮に微細な血管網を認めた.分化型の早期胃癌では軽度の大小不同のある胃小溝構造を認め,分化型腺癌の腺管が明確に描出された.十二指腸粘膜でも一本一本の絨毛が鮮明に捉えられるばかりでなく,絨毛内部の毛細血管像も描出出来た.この拡大電子スコープは高画質で解像力に優れ,胃十二指腸の各種病変の表面微細構造を実体顕微鏡レベルで描出でき,これらの病変の微細形態の解明や微小な病変の発見と診断に有用と考えられた.
  • 鈴木 孝典, 井戸 健一, 川本 智章, 吉良 臣介, 礒田 憲夫, 谷口 友志, 大谷 雅彦, 木村 健, 熊谷 真知夫, 堀川 知
    1992 年 34 巻 3 号 p. 541-545
    発行日: 1992/03/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    全身麻酔下に行う腹腔鏡的胆嚢摘出術における,炭酸ガスに因る気腹(10mmHg)の循環呼吸器系に及ぼす影響をみた.呼吸条件,麻酔条件,及び気腹条件を一定にした患者における,循環呼吸器系の各種パラメーター(心拍数,動脈血圧,中心静脈圧,心拍出量,血液ガス,気道内圧,等)の経時的変動を計測した.循環器系では,血圧,心拍数,心拍出量等が軽微な変化を示したに過ぎず,中心静脈圧のみが有意な上昇を示した(p<0.01).一方,呼吸器系においては,気道内圧の上昇,血中炭酸ガス濃度の有意な上昇が見られた(P<0.01).いずれの変化も脱気に伴い,速やかに手術前の値に復する傾向だった.しかし中心静脈圧と血中炭酸ガス濃度は,脱気後に明らかな低下傾向を示したものの,手術終了後でも有意の上昇が残っていた.以上のような麻酔中の変化の特徴を把握することによって,本法はより安全に施行しうる方法と考えられた.
  • ―大結石に対する超音波砕石装置の応用―
    遠藤 正章, 吉原 秀一, 袴田 健一, 宮城島 堅, 羽田 隆吉, 佐々木 睦男, 今 充, 小野 慶一
    1992 年 34 巻 3 号 p. 546-554
    発行日: 1992/03/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    腹腔鏡下胆嚢摘出術では,大きな結石を有する胆嚢の体外摘出が問題となる.そこでわれわれは,超音波砕石装置を応用し,良好な成績を得たので報告した.(1)胆嚢の切離後,トロッカー刺入孔から引き出した胆嚢頸部に小切開を加え,同部から挿入したネフロスコープの観察下に超音波砕石を実施した.(2)超音波砕石装置の胆石破壊力および吸引力は強力で,純コレステロール結石も容易に破砕,吸引除去された.(3)純コレステロール結石4例(結石径25~36mm),混合石3例(最大結石径19~22mm)の計7例では,いずれも超音波砕石により皮膚切開を広げることなく胆嚢を摘出することができた.超音波砕石に要した時間は前者では18~50分(平均35分),後者では13~30分(平均21分)であった.以上のように,大結石を有する症例に対する超音波砕石は,手術侵襲および美容上の利点を損なうことなく腹腔鏡下胆嚢摘出術を実施する上で極めて有用と思われた.
  • 三吉 博, 四方 淳一, 戸倉 康之
    1992 年 34 巻 3 号 p. 555-560_1
    発行日: 1992/03/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    食道癌切除再建術後3年2カ月後に胸骨後経路に挙上した胃管内に急性胃粘膜出血とIIa型早期胃癌を併発した1例を経験した.症例は63歳男性で大量吐血を主訴とし,内視鏡検査にて診断確定後,胃粘膜出血に対しては保存的療法を施行して緩解させ,早期胃癌に対しては内視鏡的切除術を行った.胃粘膜出血の原因は,胃管内圧測定・粘膜血流量測定・24時間PH測定の結果から,胃酸分泌残存と粘膜防御因子の低下によると考えられた.
  • 加藤 直也, 伊藤 誠, 古谷 雅秀, 早川 富博, 横山 善文, 武内 俊彦
    1992 年 34 巻 3 号 p. 561-569
    発行日: 1992/03/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    症例は72歳男性で,便潜血陽性のため上部消化管内視鏡検査を施行し,食道と胃の同時性重複癌と診断した.合併症として肺気腫による呼吸不全があり手術不能のためレーザー照射で経過観察した.1年半後に呼吸不全のため死亡し,剖検を施行したが,病理組織学的に食道,胃とも癌の残存はみられなかった.食道癌と胃癌が早期癌であった同時性重複癌は1975年以降21例の報告をみるにすぎず,レーザー治療にて病巣の消失をみた本症例は非常に稀な例と考えられた.
  • 入澤 篤志, 小原 勝敏, 小野 重明, 大庭 敬, 渡部 則也, 平原 美孝, 西間木 友衛, 粕川 禮司
    1992 年 34 巻 3 号 p. 570-575_1
    発行日: 1992/03/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    成人型の多発性肝嚢胞症に合併した食道静脈瘤に対して硬化療法を施行した1例を報告する.症例は43歳の女性で,外科にて開窓術等を施行された後,食道静脈瘤の治療目的にて当科に入院した.静脈瘤は嚢胞自体の門脈系の圧迫によるものと考えられ,EO・AS併用法により完全消失した.術後のタリウムシンチグラフィーでの心/肝比も高く,十分な側副血行路の発達がうかがわれ,術後30カ月にわたり再発をみていない.
  • 白崎 信二, 三浦 正博, 会田 隆志, 藤野 晋, 佐藤 富貴子, 窓岩 清治, 松能 久雄, 小西 二三男
    1992 年 34 巻 3 号 p. 576-580_1
    発行日: 1992/03/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    症例は41歳男性,アニサキス感染によると思われる心窩部痛を契機として胃癌が発見され,胃全摘術を施行した.術前α-fetoprotein(以下AFPと略す)値が23ng/mlと軽度上昇していたが,肝転移は認められなかった.病変はIIa+IIc型(深部浸潤型)sm癌で,主に粘膜層にてpapillary clear adenocarcinomaの像を呈し,免疫染色にて原発巣,リンパ節転移巣共に癌細胞内にAFPの局在を認め,術後AFP値は5ng/mlと低下した.以上より本例はAFP産生早期胃癌と診断した.同様のAFP産生早期胃癌の本邦での報告例は6例と少なかったが,決して希な病変ではないと考えられた.
  • 嘉川 潤一, 松元 淳, 坂元 剛志, 末川 清康, 有村 文男, 中塩 一昭, 田中 啓三, 渋江 正, 有馬 暉勝, 山口 淳正, 田中 ...
    1992 年 34 巻 3 号 p. 583-587_1
    発行日: 1992/03/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     症例は56歳男性.特に自覚症状はないが,胃集検で胃体上部に隆起性の腫瘤陰影を指摘され,胃内視鏡検査を施行.胃体上部大轡後壁に小隆起性病変を認め,生検で胃カルチノイドと診断された.超音波内視鏡(EUS)で病変は胃壁第2層から主に第3層に存在する円形,境界明瞭な低エコー腫瘤として描出され,腺管底部(粘膜層)より発生し,粘膜下層へと浸潤していくカルチノイドの特徴を示していた. 胃全摘術が施行され,病理組織学的には粘膜層及び粘膜下層に限局したカルチノイドであり,術前のEUS所見とよく一致していた.術前にEUSを施行した胃カルチノイドの報告は未だ少ないが,EUSでは大きさ,深達度診断が可能であり,治療方針の決定に有用であると考えられた.
  • 林 繁和, 荒川 明, 加納 潤一, 篠邊 泉, 加賀 克宏, 宮田 章弘, 伊藤 彰浩, 広瀬 善道
    1992 年 34 巻 3 号 p. 588-593
    発行日: 1992/03/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    症例は65歳,男性,主訴は新鮮血下血,既往歴は33歳より両側白内障で全盲,現病歴は1989年5月25日朝,コップ1杯程の下血あり,以後,2回下血が続き,同日緊急入院した.大腸内視鏡検査では肛門輪より5cmの部位に露出血管を有する不整形潰瘍を2カ所認め,1方は口側に縦走潰瘍を形成,保存的療法にて再出血はなく,第14病日に潰瘍は搬痕化した.本例は重篤な基礎疾患や発症誘因と考えられるものを認めないので河野らの命名した急性出血性直腸潰瘍には相当しないが類縁疾患と考えられる.これら急性に発症する直腸の潰瘍性病変はその発症機序に不明な点も多く,その病態が解明されることが期待されるが,今後これらの疾患を急性直腸粘膜病変として一括して取扱うことを提唱したい.
  • 越知 敬善, 鈴木 敏行, 小林 英治, 吉岡 宣夫, 小川 裕, 稲垣 孝憲, 鈴木 貞輔, 内藤 靖夫, 塚本 純久, 三竹 正弘
    1992 年 34 巻 3 号 p. 594-598_1
    発行日: 1992/03/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    患者は80歳,男性.全身倦怠感,黄疸を主訴に当科入院し,血液検査,CT,USで肝硬変と診断された.ルチーンの内視鏡検査で,Vater乳頭開口部肛側から小帯にかけて,丈が低く白色調で,粒の揃った顆粒の集簇を認めた.EUSでは同部に径15mmの高エコー領域を認め,乳頭部胆膵管の構造,十二指腸固有筋層は保たれていた.生検で管状腺腫と診断されたが,腺腫の増大による症状を鑑み,内視鏡的ポリペクトミーを行った.自験例ではポリペクトミーの適応を決める上でEUSが有用であった.
  • 石垣 徳江, 三富 弘之, 渡辺 隆司, 小林 清典, 五十嵐 正広, 勝又 伴栄, 西元寺 克禮, 工藤 康生, 大谷 剛正, 瀬川 謙一 ...
    1992 年 34 巻 3 号 p. 599-607
    発行日: 1992/03/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    症例は21歳の男性.1年間の海外渡航後,腹痛,血性下痢,発熱,体重減少を認めたため本院に入院.内視鏡検査にて,S状結腸から横行結腸にかけ,断続的な炎症と不整形の潰瘍が多数みられ,上行結腸から盲腸には全周性の潰瘍も認められた.臨床経過,内視鏡所見より感染性大腸炎も疑われたが,病原菌は検出されなかった.禁食,高カロリー輸液,抗生剤等を投与し,臨床症状,炎症反応は改善傾向であったが血便は持続した.入院4週後の注腸造影では,縦走潰瘍,敷石状外観が明らかとなり,下行,横行,上行結腸~盲腸の狭窄が進行しており,また,血便が持続していたため手術を施行した.病理組織学的には,ul-IIの潰瘍,粘膜固有層の血管増生,粘膜下層の線維化とそれに伴う固有筋層の伸展障害がみられ,肉芽腫も散見され,クローン病と診断した.本症例は血性下痢を主症状とし,諸治療に抵抗性で,急激な狭窄の進行がみられた興味ある症例と考えられた.
  • 重松 忠, 倉田 博之, 大久保 詠子, 赤松 尚明, 玉垣 俊幸, 加藤 一晴, 岡森 博史, 鳥居 幸雄, 小野 紀弘, 今西 努, 湊 ...
    1992 年 34 巻 3 号 p. 608-612_1
    発行日: 1992/03/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     8歳男児,新鮮下血を主訴に来院.緊急大腸内視鏡検査にて湧出性出血を有する異常血管を認め動静脈奇形と診断.エトキシスクレロールによる止血を施行,再出血を認めず入院第21病日に退院した.第5病日に腹部血管造影を施行したが明らかな異常血管は確認出来なかった. 動静脈奇形は欧米では報告例は多く一つの疾患単位として認識されている.本邦では近年報告例は増加傾向にはあるが自験例を含めて66例と未だ少ない.従って,本症診断における内視鏡検査の有用性の認識は未だ低いと考えられる. 本症の診断において血管造影の診断的価値は高いが,無症候性の動静脈奇形の存在を考慮すると,相補的に内視鏡検査による粘膜所見・出血巣の確認が重要である.報告例の内視鏡検査では61例中49例(78.8%)に病変を確認している. 本症は高齢者発症が多く,また小病変であることが多いため,非侵襲的な内視鏡下治療は今後手術に代わる治療と考えられた.従って,本症診断治療において大腸内視鏡検査は極めて有用と評価し得た.
  • 檜沢 一興, 渕上 忠彦, 久保 元敏, 平川 雅彦, 小田 秀也, 小林 広幸, 綾部 俊一郎, 村田 繁利, 大野 尚文
    1992 年 34 巻 3 号 p. 613-619
    発行日: 1992/03/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     Indomethacin坐剤によると思われる直腸潰瘍で,血管損傷を伴いpseudoaneurysmが形成されたと考えられる症例を経験した.患者は38歳の女性で,腰痛のためIndomethacin坐剤を挿入翌日,新鮮下血出現.内視鏡検査にて下部直腸に怒張血管様隆起を伴う潰瘍を認めた. 3週後の血管造影検査で右中直腸動脈末梢に14×5mmの拡張蛇行した異常な血管と造影剤の貯留を認めた.坐剤の中止で怒張血管様隆起は消失し,8週後には潰瘍も治癒した.
  • 平田 信人, 藤田 力也, 神長 憲宏, 杉山 圭一, 遠藤 豊, 大栗 茂芳, 菅田 文夫, 丸山 俊秀
    1992 年 34 巻 3 号 p. 620-626_1
    発行日: 1992/03/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    27歳男性の膵石,膵仮性嚢胞を有するアルコール性慢性膵炎患者に内視鏡的膵管口切開による膵石除去と内視鏡的膵嚢胞切開術を施行した.本症例は膵仮性嚢胞破裂による腹腔内膿瘍で開腹手術の既往があり,外科的再手術が困難であった症例である.このような症例には有効な治療法と考えられるので報告する.しかし,Sahelによれば直接の死因も2.1%に認められ,その適応は慎重にすべきと思われた.
  • 山本 英明, 綿引 元, 相羽 英雄, 多々見 光仁, 吉村 誠, 相羽 公則, 加藤 真二
    1992 年 34 巻 3 号 p. 627-632_1
    発行日: 1992/03/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    膵管鏡にて観察し,切除しえた膵癌を経験したので報告する.76歳,男性.ERCPで膵体部主膵管の狭窄を認めたが,US,CT,血管造影では腫瘤の同定ができなかった.膵管鏡では,狭窄部主膵管は片側性に粘膜下腫瘍様に圧排され,発赤,新生血管の増生,易出血性を認め,膵癌を疑い膵体尾部切除を行った.切除標本では,狭窄部主膵管は腫瘍により圧排され,一層の膵管上皮に被われていたことから,膵管鏡の所見を示唆していた.
  • 日本消化器内視鏡学会
    1992 年 34 巻 3 号 p. 633-659
    発行日: 1992/03/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
  • 日本消化器内視鏡学会
    1992 年 34 巻 3 号 p. 659-682
    発行日: 1992/03/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
  • 日本消化器内視鏡学会
    1992 年 34 巻 3 号 p. 683-724
    発行日: 1992/03/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
  • 日本消化器内視鏡学会
    1992 年 34 巻 3 号 p. 725-738
    発行日: 1992/03/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
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