日本消化器内視鏡学会雑誌
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34 巻, 8 号
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  • 長南 明道, 望月 福治, 池田 卓, 藤田 直孝, 李 茂基, 野田 裕, 小林 剛, 木村 克巳, 松永 厚生, 安藤 正夫, 渡邊 浩 ...
    1992 年 34 巻 8 号 p. 1833-1843
    発行日: 1992/08/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     手術により病理組織学的検索がなされた胃悪性リンパ腫13例14病変のEUS所見を病理組織所見と対比検討し,以下の結論を得た. 1)胃悪性リンパ腫のEUS像は,内部エコーパターンから,Type A,Type B,Type Cの3型に分類できた. 2)病理組織学上,Type AはLSG分類のFollicular lymphomaのうち割面上,濾胞様構造が明らかなものに対応し,EUSにおける結節の大きさはそのまま濾胞様構造の大きさを反映していた.Type BはDiffuse lymphomaおよびFollicular lymphomaの一部に対応したが,いずれも割面上,濾胞様構造は不明瞭であった. 3)エコーレベルは,細胞成分が多く線維成分の少ないType BではType Aに比べ,より低エコーとなった. 4)深達度診断能は,正診率が78.6%と良好であった. 5)浸潤範囲の診断能は,内部エコーパターンおよび肉眼型に大きく左右され,(1)Type AおよびType Bで主病変の周囲に第2層の肥厚,不整を伴っているもの,(2)Type Cを呈するもの,(3)肉眼型が表層型を呈するものにおいては十分な注意が必要と考えられた.
  • ―内視鏡的食道胃静脈瘤硬化療法による変化とその臨床的意義―
    瓜田 純久, 中田 正幸, 武藤 ます江, 石原 学, 蜂矢 朗彦, 尾崎 元信, 山田 秀一, 成木 行彦, 大塚 幸雄
    1992 年 34 巻 8 号 p. 1844-1855
    発行日: 1992/08/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     食道静脈瘤硬化療法(EIS)の胸部合併症の機序解明と予防対策を探るため,EIS前後で気管支鏡検査を施行し検討した.EIS前では94.3%に気管支壁血管拡張像を認め,その程度は静脈瘤の占居部位が上部食道に及び,形態が高度になるほど著明となる傾向がみられた.左主気管支の血管拡張が最も著明であり,気管や末梢気管支では軽度となり,肺外肺静脈や気管支静脈の解剖学的特徴を反映していた.静脈瘤血流の末梢の一部を観察していると思われたが,静脈瘤の治療効果や合併症との関連はみられなかった.また気管支潰瘍性病変が左主気管支を中心に22.9%の例に認められた.これは硬化剤注入量,肝予備能,食道潰瘍,さらに胸水,胸痛,発熱などの合併症とも相関しなかった.全身的合併症よりも,EISによる局所的な影響を反映した所見と考えられた.EIS施行例では気管支病変の存在を認識し,重大な胸部合併症に進展しないように早期診断に努め,対処することが重要と思われた.
  • 岩瀬 弘明, 森瀬 公友, 堀内 洋, 黒岩 厚夫, 永井 弘文, 京兼 和宏, 須賀 昭二
    1992 年 34 巻 8 号 p. 1856-1862_1
    発行日: 1992/08/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     カラードプラ超音波内視鏡を用いて食道胃静脈瘤31症例の静脈瘤血流動態を検討した.静脈瘤の内径が2mm以上の29症例が評価可能であった.静脈瘤の内径の最大径(Mean±SD)は内視鏡分類のF1(n=4)では,2.8±0.8mm,F2(n=10)は5.1±1.1mm,F3(n=15)では8.3±2.2mmであった.血流速度は内径が4mm以下の静脈瘤(n=6)は10.8±1.5cm/s,5mm~7mm(n=15)は12.8±2.5cm/s,8mm以上(n=8)では13.7±3.2cm/sであり各々,統計上有意差がなかった.血流の方向は29例中28例(96.5%)が遠肝性に流れ,拍動性のない定常流で,乱流を呈していたが,8mm以上拡張した部位では,8例中6例(75%)に旋回流がみられた.副血行路では血流は定常流で,乱流を呈するのが多くを占めたが,一部は拍動性で層流を呈していた.カラードプラ超音波内視鏡検査は食道胃静脈瘤の血流動態の解明に有用であると考えられた.
  • 有村 文男, 松元 淳, 中塩 一昭, 嘉川 潤一, 末川 清康, 坂元 剛志, 田中 啓三, 有馬 暉勝, 山口 淳正, 迫田 晃郎, 田 ...
    1992 年 34 巻 8 号 p. 1863-1870
    発行日: 1992/08/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     術前に超音波内視鏡(EUS)が施行された肝外胆管癌16例(外科的切除例14例,非切除例2例)を対象として,漿膜浸潤,膵浸潤,門脈浸潤に焦点を当てEUS像からみた肝外胆管癌の進展度診断を試みた.切除例では病理所見と,非切除例では手術所見と比較検討し,さらに進展度診断能をCT,血管造影などの各種画像診断法と比較した.これらの検討から胆管癌はEUSにより大部分が内部不均一な低エコー,辺縁不整な腫瘤像として描出され,EUSは胆管癌の漿膜浸潤,膵浸潤,門脈浸潤などの進展度診断においても有用であると考えられた.
  • 内沢 政英, 平尾 雅紀, 山口 修史, 仲 紘嗣, 腰山 達美, 高平 敏一, 芝田 行徳, 今津 純夫, 宮崎 有広, 升田 和比古
    1992 年 34 巻 8 号 p. 1871-1878_1
    発行日: 1992/08/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     胃・食道の腫瘍性病変に対して高張ナトリュムーエピネフリン(HSE)局注を併用した内視鏡的粘膜切除法(ERHSE)が優れた方法であることをこれまでに報告をしてきた.今回はさらに大腸の腫瘍性病変に対する臨床応用の実際とその有用性について述べた.本法施行症例はIIa型早期大腸癌4例,扁平大腸腺腫6例で,病変部位は直腸3例,S状結腸7例であった.切除された粘膜は最小7×9mm,最大25×25mmであり,病理組織学的には高分化型粘膜内癌3例,高分化型sm癌1例,腺腫6例であった.切除断端は全例が腫瘍性病変陰性で,合併症は経験していない.本法は,直径20mm以上の粘膜を一括切除できるし,大腸の表面型早期癌,扁平腺腫などの腫瘍性病変に対して優れた粘膜切除法といえる.
  • ―特に肝表在血管について―
    坪田 昭人, 村島 直哉, 竹内 和男, 中島 正男
    1992 年 34 巻 8 号 p. 1879-1887
    発行日: 1992/08/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     血清HBs抗原陰性でHCV抗体第2世代(以下第2世代)を測定し得た肝硬変例21例を,C群;アルコール歴の乏しい第2世代陽性群,AL群;第2世代陰性かつ輸血歴・肝疾患歴のない大酒家群,Mix群;第2世代陽性の大酒家群の3群に分け,腹腔鏡的に比較検討した.C・AL群の腹腔鏡所見は肝・結節の大きさ,色調等に従来通り明瞭な差を認めた.また表在血管では,小枝状・樹枝状と表現される門脈末梢枝がC群に,"Curly hair" appearanceと表現される被膜動脈枝がAL群に,高頻度かつ高密度に認め.られた.この比較からMix群を検討すると,アルコール主体例,ウイルス主体例があり,ウイルスの関与を知る上で重要な情報が与えられた.
  • 宇野 良治, 佐々木 賀広, 棟方 昭博
    1992 年 34 巻 8 号 p. 1888-1893
    発行日: 1992/08/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     良性の大腸粘膜下腫瘍であるリンパ管腫・脂肪腫は,polypectomyにより確定診断と治療が同時に可能であるが,腫瘍が粘膜下に存在するため,切除後の合併症を常に念頭に置かねばならなかった.著者らは,腫瘍の基部の粘膜下にメチレンブルーを加えた生理食塩水を注入し,切除する方法を考案し,リンパ管腫2例,脂肪腫2例に施行し完全切除に成功した.粘膜下腫瘍の基部に生食を注入することにより,electrocoagulationを限局出来,また,生理食塩水にメチレンブルーを加えることにより注入部位が明瞭となるばかりではなく腫瘍の存在部位が明らかとなり,より安全で取り残しのない内視鏡的切除が可能となった.
  • 藤野 啓一, 市倉 隆, 猪川 弘嗣, 冨松 聡一, 上藤 和彦, 平出 星夫, 玉熊 正悦
    1992 年 34 巻 8 号 p. 1895-1899_1
    発行日: 1992/08/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     内視鏡的に特異な形態変化を示した45歳男性の悪性リンパ腫症例を経験した.初回内視鏡検査で体上部後壁に,中心に陥凹を伴う隆起性病変を認めた.8カ月間に同部位は周堤の消失を伴う不整な陥凹性病変に変化し,胃角上小彎には新たな潰瘍性病変が出現し,さらに噴門から角上部小彎にかけて乳白色調粘膜が出現した.悪性リンパ腫の診断のもとに胃全摘術を施行した.乳白色調粘膜は病理学的に扁平上皮化生であった.
  • 加藤 充朗, 米島 学, 本多 政夫, 北野 善郎, 飯田 茂穂, 橋爪 泰夫
    1992 年 34 巻 8 号 p. 1900-1907
    発行日: 1992/08/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     症例は41歳男性,嘔気・上腹部痛にて当科を受診.内視鏡検査にて胃体下部後壁に中央陥凹を有する粘膜下腫瘍が認められ,生検にて胃迷入膵と診断した.超音波内視鏡検査では迷入膵内部に石灰化を伴うことを確認した.胃切除術により摘出した迷入膵内には数個の結石を認めた.結石合併の原因としては,迷入膵内の導管に組織学的に炎症所見がみられたことから,導管の炎症性閉塞による膵液の貯留が関与している可能性が考えられた.
  • 高橋 定雄, 岡部 聡, 菅原 稔, 松倉 一郎, 和田 靖, 遠藤 光夫
    1992 年 34 巻 8 号 p. 1908-1913_1
    発行日: 1992/08/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     症例は46歳の男性で検診時の胃体上部後壁の潰瘍性病変が1カ月後には境界不明瞭な粗慥面となり生検で高分化型腺癌と診断された.切除標本の実体顕微鏡観察ではareola崩壊型IIc境界を示す遠浅型のIIc病変と診断.組織学的にはU1-Isの粘膜内癌であった.本例はmalignant cycleのために著明な形態の変化をきたし,また,画像診断の難しいC領域後壁で腺境界に接する胃底腺領域にあったために病変の境界が不明瞭化したものと推察された.
  • 前田 和弘, 小畑 伸一郎, 塚本 敦子, 木村 圭志, 紫藤 忠博, 水谷 純一, 荒木 啓介
    1992 年 34 巻 8 号 p. 1914-1918_1
    発行日: 1992/08/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     長期間発見が困難であった消化管出血の原因が十二指腸球部のvascular ectasia(VE)であることを内視鏡的に診断し,高周波電気焼灼により止血し得た症例を経験した.症例は61歳の男性.糖尿病性腎不全のため血液透析を開始した頃から約7年間,間欠的な消化管出血が続くため入院した.くり返し行なった上部消化管内視鏡検査中に十二指腸球部内に出血が起こり,翌日の側視内視鏡検査で球部幽門輪直下後壁に約5mm大のVEを発見した,同部が易出血性であることから出血源と判断し,高周波電気焼灼により止血することが出来た.最近本邦でも消化管出血の原因として消化管VEが注目されているが,十二指腸球部VEは極めて稀であり,内視鏡的に止血し得た例の報告は少なく,その点で本例は貴重な症例と考えられる.
  • 矩 照幸, 岡本 敏彦, 井上 久行, 小山 茂樹, 吉岡 うた子, 近持 信男, 中條 忍, 馬場 忠雄, 細田 四郎, 佐野 晴夫, 柴 ...
    1992 年 34 巻 8 号 p. 1921-1927
    発行日: 1992/08/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     症例は29歳,女性.繰り返すタール便と全身倦怠感を主訴に来院.胃内視鏡検査,大腸内視鏡検査,腹部血管造影検査などによっても出血部位の同定が困難であった. 三回目の開腹術にて,小腸に5個の浅い潰瘍と多数のびらんを認めた.組織学的には,UL I~IIの潰瘍で,炎症性細胞浸潤を認め,非特異性多発性小腸潰瘍症と診断した. 術中内視鏡検査においてみられた小腸の多発性小びらんは,潰瘍形成の初期あるいは治癒過程の一段階を示す重要な所見として,本症診断の有力な手がかりを与えるものと考えられた.
  • 徳山 博, 東 冬彦, 玉置 英人, 国正 紀彦, 玉置 幸子, 玉置 政子, 玉置 英夫, 玉置 友三郎, 河合 純, 坂辻 喜久一, 伊 ...
    1992 年 34 巻 8 号 p. 1929-1932_1
    発行日: 1992/08/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     症例は79歳,女性.上腹部不快感を主訴で某医に受診.上部消化管X線検査で十二指腸球部から下行脚にかけて隆起性病変を指摘され,精査のため当内科に紹介された.内視鏡検査により十二指腸下行脚上端に基部を有する細長く突起する隆起性腫瘤を認め,内視鏡的ポリペクトミーを施行した.切除標本の外側面は正常の十二指腸粘膜で被われ,病理組織学的に先端部の一部にBrunner腺の増生と拡張した静脈を有する粗な粘膜下組織を認め,内部には大小の嚢胞状に拡張した腺が認められた.しかしBrunner腺の増生や嚢胞状に拡張した腺も突起する腫瘤全体からの比率からするとその組織量が少なく,この隆起の原因とは考えられなかった.本例は稲本らにより提唱されたIntraluminal duodenal protrusion(IDP)なる概念に相当するものと考えられる.
  • 瀬川 昂生, 鈴木 隆史, 有沢 富康, 丹羽 康正, 後藤 秀実, 浜島 英司, 下平 雅哉, 大宮 直木, 塚本 純久
    1992 年 34 巻 8 号 p. 1933-1937_1
    発行日: 1992/08/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    大腸内視鏡検査4時間後に腹痛で発症した急性虫垂炎の一例(49歳,男性)を報告した.切除した虫垂は発赤,腫大し,表面に膿苔の付着を認めて,壊疽性虫垂炎であった.内腔には糞石なく,穿孔部位はなかった.検査から汎発性腹膜炎迄が短時間であって,大腸内視鏡検査が虫垂炎の発症に関与したと考えられた.大腸内視鏡検査の後に起こる急性腹症の中に急性虫垂炎も念頭におくべきである.
  • 西尾 彰功, 上田 俊二, 大熊 稔, 酒井 正彦, 山本 富一, 梶山 徹, 高鍬 博, 洲崎 剛, 羽白 清, 兼松 雄象
    1992 年 34 巻 8 号 p. 1938-1942_1
    発行日: 1992/08/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     術前に診断し得た回腸悪性リンパ腫による腸重積の1例を報告する.患者は74歳,女性.2カ月来の右下腹部痛を主訴に近医を受診.注腸透視,小腸造影で回腸末端部に腫瘤を発見され当科に入院した.大腸内視鏡で回盲部に蠕動運動に伴い脱出と整復を繰り返す半球状の腫瘤病変を認め,腫瘤表面よりの生検で悪性リンパ腫と診断した.大腸内視鏡にて腫瘍の回盲弁よりの脱出,整復を観察し得た例は文献上きわめて稀であり報告した.
  • 篠田 昌孝, 森瀬 公友, 楠神 和男, 斉藤 祐一郎, 春田 純一, 岩瀬 弘明, 金山 和広, 古沢 敦, 榊原 真肇, 渡辺 正, 伊 ...
    1992 年 34 巻 8 号 p. 1945-1950_1
    発行日: 1992/08/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     新生児期より頑固な便秘を認めながら保存的に経過していた成人Hirschsprung病の1例を経験し,本邦報告例51例の文献的考察を加えて報告する.症例は31歳の男性で,下腹部痛を主訴として1990年2月,受診した.下腹部に25×10cm大の比較的柔らかい腫瘤を触知し,注腸X線検査ではnarrow segmentおよびmegacolonを認めた.大腸内視鏡検査では,直腸に狭窄を認め,その口側にはびらんを伴う巨大結腸が認められた.患者は一期的に,Duhamel法による根治術を受けた.狭窄部では,病理組織学的に神経叢及び神経節細胞は認めず,Hirschsprung病と診断した. 本邦において1964年以後に報告された51症例では,そのほとんどは30歳以下で手術を受けており良好な経過予後が得られている.一方,一部の症例では穿孔や腸閉塞,呼吸困難などの合併症が報告されており,本症の診断がつけば速やかに適切な外科的治療を検討すべきであると考えられた.
  • 富永 雅也, 渕上 忠彦, 岩下 明徳
    1992 年 34 巻 8 号 p. 1953-1957_1
    発行日: 1992/08/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     症例は67歳女性.血便を主訴として来院.注腸造影にて下部直腸に隆起中央に広く粘膜模様の消失を伴う14×13mm大の粘膜下腫瘍様の隆起性病変を認めた.大腸内視鏡検査では隆起のほぼ中央に広い発赤調,不整形のびらん面を認め易出血性であったため,悪性病変との鑑別を要した.しかし,生検にて過形成性のリンパ組織を認めるのみで,直腸リンパ濾胞性ポリープと診断し,経肛門的局所切除術を行った.
  • 藤本 正夫, 中澤 三郎, 山雄 健次, 芳野 純治, 乾 和郎, 山近 仁, 印牧 直人, 奥嶋 一武, 渡辺 量己, 平野 謙, 岩瀬 ...
    1992 年 34 巻 8 号 p. 1958-1964_1
    発行日: 1992/08/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     症例は70歳,女性.他院のUSで膵頭部の低エコー腫瘤と主膵管の拡張を指摘され,当院のUS・EUS・ERCPにて粘液産生膵腫瘍と診断した.EUSおよび膵管内超音波検査(ID-US)にて腺腫あるいは上皮内癌と診断した.切除線の決定には経口膵管鏡(POPS)が有用であった.切除標本の病理診断は嚢胞腺腫であった.粘液産生膵腫瘍の腫瘍性か非腫瘍性かの診断,および膵管内進展度,膵実質浸潤の診断におけるEUS,POPS,ID-USの有用性につき考察した.
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