日本消化器内視鏡学会雑誌
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34 巻, 9 号
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  • 田淵 正文
    1992 年 34 巻 9 号 p. 1993-2001
    発行日: 1992/09/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     近接型拡大電子内視鏡HVC-HM改(商品名,EC7CM2)による内視で,大腸微小病変の鑑別診断,特に腫瘍,非腫瘍の鑑別と異型度の診断を試みた.EVC-HM改は,臨床的使いやすさを損なうことなく,EVC-HMの約2倍の拡大率があるように1990年に開発された.その内視像をもとに大腸病変のピットパターンを6型に分類した.pO型は円形で配列が整.p1型は星芒状で配列がほぼ整.p2型は円形もしくは卵円形,大小不同で配列は舌Lp3型は管状.p4型は溝紋状か樹枝状.p5型はピット構造が消失した不整な表面所見とした.pO~1を非腫瘍性,p2~5を腫瘍性とすると,大腸微小病変が腫瘍か否かについて,正診率約90%で,通常観察よりも優れていた.また,p番号が大きくなるほど組織異型度が強くなった.EVC-HM改は日常の臨床に使えてしかも簡単にピット観察できる性能を持つので,このピット診断システムは日常臨床上,有用であった.
  • 高橋 寿久, 永田 傳, 佐野 淳, 津端 徹, 長谷川 俊二
    1992 年 34 巻 9 号 p. 2003-2009
    発行日: 1992/09/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     上部消化管術後吻合部狭窄は,術後経口摂取がなされた直後から発生することが多く,患者にとってはもちろん,術者にとっても重大な問題である.1977年6月より1991年12月までに上部消化管疾患に対し上部消化管器械吻合を470例に行った.多くの症例から,器械吻合の安全性,迅速性が,確立された.上部消化管器械吻合の吻合部の合併症としては,初期の段階では吻合部縫合不全が最も重要なものであった.しかしながら症例を重ねるうちに,吻合器の導入後,取扱いが熟知され,吻合部縫合不全は激減した.これに反し吻合部狭窄の増加をみた.1981年12月より高周波焼灼メスを用い内視鏡的切開にて対処した.58例に行い,良好な成績をおさめた.内視鏡的切開の術式,方法,術後の内視鏡観察による切開後の治療成績を検討した.吻合部狭窄に対する内視鏡的切開の多くの経験より,吻合部狭窄以外の,その他の上部消化管狭窄の治療にも応用できるものと確信する.
  • 横山 靖, 大井田 正人, 小泉 和三郎, 西元寺 克禮, 嶋尾 仁, 三重野 寛喜, 比企 能樹, 菅 知也, 大栗 健彦, 中 英男
    1992 年 34 巻 9 号 p. 2011-2019_1
    発行日: 1992/09/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     内視鏡的治療としてNd:YAGレーザー法またはヒータープローブ法を施行した胃癌症例66例を対象にし,その経過観察中,治療後の病巣部が治療前に比べて明らかに隆起をきたした8例(癌性隆起4例,非癌性隆起4例)について臨床的病理組織学的検討を行った.癌性隆起例の隆起出現前治療法は,レーザー法とヒータープローブ法がそれぞれ2例ずつであった.癌性隆起例の治療前の組織像は全例分化型腺癌であり,隆起出現前後で病理組織学的に比較すると,構造異型,細胞異型が増す例がみられたことより,癌組織を熱処理することにより分化度の変化をきたす可能性が示唆された.さらに癌性腺管の拡張や肉芽形成が著明にみられる症例もあり,これらが腫瘍の発育に影響を及ぼしたことも考えられた.癌性隆起に対しての再治療により,早期胃癌例では遺残再発はみられなかった.非癌性隆起は4例であり,すべて分化型の早期胃癌に対してのレーザー治療例であった.組織学的には肉芽組織と一部に腺窩上皮の過形成をともなった隆起であった.癌性隆起と非癌性隆起の内視鏡的鑑別は,色調と表面性状などである程度可能であるが,癌性隆起をより早く発見し追加治療を行うには,初期治療後の綿密な経過観察が必要と考えられた.
  • 金子 宏, 満間 照典, 内田 潔, 小寺 浩, 兼城 賢明, 森瀬 公友
    1992 年 34 巻 9 号 p. 2020-2026_1
    発行日: 1992/09/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     Non-ulcer dyspepsia(NUD)とHelicobacter pylori(HP)感染との関連について検討した.上腹部不定愁訴を1カ月以上訴え,内視鏡検査で胃炎以外に器質的疾患を認めないNUD群106例(男53例,女53例:平均年齢50.0歳)を対象とした.対照群(C群)として年齢,性の一致した無症状群81例を設定した.NUD群を症状から悪心,嘔吐,胃もたれを訴えるmotility-disorder(MD群:41例)と上腹部痛を訴えるulcer-1ikedisorder群(UD群:65例)に分類した.MD群,UD群,C群の内視鏡所見に明らかな差はみられず,また胃液pH,粘膜炎症細胞浸潤・腸上皮化生の程度に有意な偏りは見られなかった.MD群,UD群,C群のHP陽性率は各々41.5%,26.2%,51.9%でUD群でC群に比べ有意に低率であった(P<0.01).喫煙量,アルコール摂取量はUD群でMD群,C群に比べ有意に多かった.以上の結果から,NUDには喫煙,アルコール等の多くの因子の関与が示唆されたが,HP感染の関連は少ないと思われた.
  • 瓜田 純久, 尾崎 元信, 石原 学, 武藤 ます江, 蜂矢 朗彦, 山田 秀一, 近藤 栄作, 成木 行彦, 大塚 幸雄
    1992 年 34 巻 9 号 p. 2029-2037_1
    発行日: 1992/09/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     食道静脈瘤クリップ結紮術(EVL-c)を3例に,1%polidocanolを用いた硬化療法(EIS)との併用療法を12例に施行し,その有用性について検討した.1本の静脈瘤を5cm離して2カ所で結紮し,その間の血管内に2-3ml,さらにEGjunction直上で血管外に1-1.5mlの硬化剤を注入した.透明フードを内視鏡先端に装着するとクリップが収納され,自在に操作でき,F2F3の静脈瘤でも的確に結紮可能であった.EVL-cによる出血は2回(1.5%)のみであり,EIS併用例に要した硬化剤総量は平均23.7m1と大きく減少した.RCsignは12例で消失し,F因子は14例で改善し,F1RC(-)以下に改善したのは11例(73.3%)であった.RCsignの残存した3例は門脈腫瘍栓を有する肝癌合併例であり,1例は再出血し緊急EVL-cで止血した.肝機能が悪化した例はなく,他の合併症も減少した.EVL-c+EIS併用療法は少量の硬化剤で効果が得られ,合併症や肝機能への影響も少なく,静脈瘤に対する有力な治療法となり得ると思われた.
  • 箱崎 幸也, 白浜 龍興, 加藤 雅士, 武井 一雄, 野村 勉, 真方 良彦, 大庭 健一, 佐藤 亮五, 桑原 紀之
    1992 年 34 巻 9 号 p. 2038-2051
    発行日: 1992/09/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     今回われわれは分類困難潰瘍,びらん症例を中心に,回盲弁上潰瘍,びらん性病変について臨床,病理学的に検討した.1984~1991年の全大腸内視鏡検査数2,392件で,回盲弁上に潰瘍,びらんを認めたものは47例(2%)で,その内訳はCampylobacter腸炎15例(32%), Salmonella腸炎2例(4%),起因菌不明感染性腸炎4例(9%),クローン病6例(13%),潰瘍性大腸炎3例(6%),腸管べーチェット3例(6%),分類困難潰瘍3例(6%),分類困難びらん11例(23%)であった.大腸内視鏡像の検討から,感染性腸炎か炎症性腸疾患かの鑑別が推測可能であったが,生検組織像では各疾患に特異所見はえられなかった.回盲弁潰瘍,びらんの発症原因は,回盲弁への高圧が主要因と推測された.今回検討した分類困難な潰瘍,びらん症例は,症状なく検査成績でも異常所見はみられず,スクリーニングの大腸内視鏡検査で認められた.現時点で新たな疾患単位の可能性は低く,分類困難潰瘍,びらんの診断が最も妥当と考えられた.
  • 窪田 敬一, 久保田 和義, 田中 岳史, 大淵 俊朗, 中尾 健太郎, 有園 さおり, 照屋 正則, 梶浦 直章
    1992 年 34 巻 9 号 p. 2052-2056_1
    発行日: 1992/09/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     今回われわれは胆嚢結石症例の術中に胆管粘膜,胆管内小結石の有無を詳細に検討するため,経胆嚢管的にファイバーの挿入を試みたのでその結果を報告する.胆嚢結石症例19例中15例で挿入可能であり,肝内,外胆管を充分観察できた.12例では術前診断どうり胆管内結石はなかったが,3例では胆管内小結石が発見され総胆管切開を施行した.自験例では4mmの胆道ゾンデが挿入できれば経胆嚢管的にファイバーの挿入が可能であった.従来の術中検査法と組み合わせることにより,より詳細に胆管を検索できる可能性が示唆された.
  • 酒井 義法, 前田 正人, 江畑 明, 佐藤 千史, 丸茂 文昭
    1992 年 34 巻 9 号 p. 2057-2061_1
    発行日: 1992/09/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     mexiletineの服用により内視鏡的,病理組織学的に稀な所見を呈した食道炎を経験した.症例は67歳,女性.心窩部痛,嚥下困難を主訴として来院.内視鏡検査で食道は,上部食道より噴門部直上まで全周性に縦縞状の白苔で覆われていた.病理組織所見では扁平上皮中層に水泡形成が著明で海綿状態を呈しており天疱瘡の病理組織に酷似していた.以前の内視鏡検査で食道病変は指摘されておらず,mexiletineの投与に一致して症状,検査所見が出現し中止によって速やかに改善を見た.本剤による食道病変の従来の報告例では,潰瘍形成,びらんといった食道粘膜表層の変化が主体である.本症例のごとく扁平上皮中層の海綿状変化を呈する食道炎は稀であり,その発生機序の考察を加えて報告した.
  • 柿沼 臣一, 大和田 進, 竹吉 泉, 棚橋 美文, 川島 吉之, 中村 正治, 宮本 幸男, 森下 靖雄
    1992 年 34 巻 9 号 p. 2062-2067
    発行日: 1992/09/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     症例は21歳男性.縦隔のembryonal carcinomaに対し,自家骨髄移植とG-CSFを併用し,Cisplatine(CDDP),Etoposide,Bleomycine併用の強力な化学療法を施行した後,無顆粒球状態となり,同時に発熱と前胸部痛が出現した.その後大量に吐血したため緊急内視鏡を施行したところ胸部食道の広範なびらん,潰瘍から出血していた.生検ではカンジダ,細菌,ウイルス等の感染はみられなかった.保存的療法により約2週間後に潰瘍は瘢痕化した.広範な潰瘍は抗癌化学療法による無顆粒球期の免疫不全状態が誘因と考えられた.
  • 山本 研治, 高升 正彦, 新井 賢, 水谷 孝昭, 福田 新一郎, 佐藤 達之, 児玉 正, 加嶋 敬, 有薗 直樹
    1992 年 34 巻 9 号 p. 2068-2075
    発行日: 1992/09/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     症例は66歳,男性.気管支喘息治療のためステロイド投与中,上腹部不快感,発熱,好酸球増多が出現,上部消化管内視鏡にて十二指腸下行脚に多発潰瘍を認め,検便にて糞線虫を検出,また潰瘍周辺からの生検にても虫体が証明された.自験例では,初感染はビルマの可能性が高く,ステロイド投与により免疫抑制状態となり発症,増悪したと思われた.アルベンダゾール投与後便中の糞線虫は消失したが,本症は自家感染のため完全駆虫が困難であり,また免疫抑制状態での発症,増悪が報告されており,今後も注意深い経過観察が必要と思われた.
  • 村上 晶彦, 狩野 敦, 金田 泰一, 遠山 潤, 金子 能人, 黄 振基, 永岡 哲郎, 近藤 公亮, 片山 佐登志, 猪股 正秋, 盛合 ...
    1992 年 34 巻 9 号 p. 2076-2082_1
    発行日: 1992/09/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     今回,豆柿の摂食による柿胃石例にEHLにて砕石し,総胆管結石の内視鏡治療に使用するMechanical lithotriptorを併用し,併存した胃潰瘍を治癒せしめた症例を経験したので報告する.症例は71歳女性,胃内視鏡検査,および胃X線検査にて,5.6×5.4×5.0cmと5.0×6.0×5.2cmの2個の胃石と胃角部にA2stageの胃潰瘍を認めた.胃石除去を目的として,オリンパス社製Lithotron EL21を使用し,ファイバースコープは1チャンネルのXK20を使用した.目盛り付きカニューレで砕石片を測定し,すべて2cm以下になったことを確認し,ファイバースコープを抜去した.この後排便中に破砕された胃石を発見した.胃潰瘍は治療後,約2週間でS2stageとなった.胃石は良い治療内視鏡の適応となるが,従来のスネアー法,レーザー法に比べ,EHL法は,手技時間が45分と短く,1チャンネルのファイバースコープでも可能で安全に行うことができる有力な方法と考えられた.
  • 福富 達也, 大西 勇人, 鋤柄 宏, 磯部 智明, 祖父江 吉助, 早川 富博, 星野 信, 宮治 眞, 武内 俊彦, 立山 尚
    1992 年 34 巻 9 号 p. 2083-2087_1
    発行日: 1992/09/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     症例は64歳,女性.胆嚢結石の精査にてERCP施行時,十二指腸球部より下行脚にかけて黒色点状の色素沈着を認めた.電顕にて色素顆粒は十二指腸絨毛部粘膜固有層マクロファージのライソゾーム内に存在し,組織化学的にはFontana-Masson染色陽性,過マンガン酸カリウムで漂白され,鉄反応弱陽性であったため,十二指腸メラノーシスと診断した.本例はベンゼン環を有する降圧剤の長期服用が,色素形成の一因と考えられた.
  • 尾関 豊, 小山 登
    1992 年 34 巻 9 号 p. 2088-2092_1
    発行日: 1992/09/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     症例は62歳,男.排便時の出血を主訴に受診.1年4カ月の間に3回の大腸内視鏡検査で計33個のポリペクトミーを施行した.このうち7個が粘膜癌であった.また,第3回目の検査時にS状結腸に粘膜下腫瘍様所見を呈した1.0cm大の広基性隆起性病変を認め,ポリペクトミーを施行した.回収標本の組織検査の結果,大量のsm浸潤がある高分化型腺癌で,切除断端は癌陽性であった.このため腸管の部分切除を施行したが,癌の局所遺残もリンパ節転移も認めなかった.粘膜下腫瘍様所見を呈する早期大腸癌はまれであるので報告した.
  • 金政 和之, 福田 新一郎, 野田 昌夫, 赤井 秀幸, 織田 正, 福井 康雄, 佐藤 達之, 児玉 正, 加嶋 敬, 前納 健二, 古谷 ...
    1992 年 34 巻 9 号 p. 2095-2101
    発行日: 1992/09/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     21歳,女性の腸管べーチェット病の1症例を経験した.病型は眼病変を欠く不全型で,大腸内視鏡検査にて回腸末端部に典型的なpunched out潰瘍を認めた.同時に回盲弁のびらんより生検を行ったところ,1週間後にpunched out潰瘍が形成された.本症の潰瘍形成の機序はいまだ不明であり,様々な仮説が提唱されている.べーチェット病では針反応に代表される皮膚の被刺激性の亢進がみられるが,本症例では回盲弁粘膜において同様の機序による潰瘍形成が起こった可能性が示唆された.本症の腸管病変形成機序を推察するうえで,興味深い症例と思われる.
  • 大久保 賢治, 鈴木 亮一, 富永 静男, 並木 庸浩, 沼田 和司, 森 隆, 中村 三郎, 田中 克明, 遠藤 修, 杉政 龍雄, 高邑 ...
    1992 年 34 巻 9 号 p. 2102-2107_1
    発行日: 1992/09/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     症例は56歳,女性.肝硬変の患者で黒色便の精査中.注腸X線検査で上行結腸に径3cm大の表面平滑で軽度凹凸のある半球状隆起を認めた.大腸内視鏡検査では青白色調の粘膜下腫瘍としてとらえられた.粘膜下腫瘍とともに静脈瘤も疑い,腹部血管造影,カラードップラー超音波検査さらに超音波内視鏡を施行し,大腸静脈瘤と診断した.門脈圧亢進症患者では大腸静脈瘤も念頭に置き検索することが必要と思われる.
  • 荻野 敦弘, 稲葉 征四郎, 近藤 雄二, 土屋 邦之, 川合 寛治, 梅田 朋子, 上田 泰章, 中野 知幸
    1992 年 34 巻 9 号 p. 2108-2111_1
    発行日: 1992/09/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     バルーンカフを装着した人工食道を用いて悪性食道気管瘻の閉鎖を行った.カブは送気,脱気により外径を調節し適度な圧で瘻孔閉鎖できるようにした.食道気管瘻を有する65歳男性食道癌患者に内視鏡下に挿管し35日間の経口摂取が可能であった.カブ付き人工食道は悪性食道気管瘻の治療に有用であった.
  • 松崎 浩司, 山田 秀一, 中谷 尚登, 竹内 ます江, 伊原 文恵, 瓜田 純久, 飯田 和成, 大塚 幸雄, 定本 貴明, 野中 博子, ...
    1992 年 34 巻 9 号 p. 2112-2119
    発行日: 1992/09/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     1990年開発されたMicrovasive社製のAutomatic 18 Gauge Core Biopsy System(以下ASAP-18)とBaxter社製14GのTru-Cut Biopsy Needle(以下Tru-Cut)で同時に肝生検を施行しえた20例について,操作性と安全性及び組織診断性を比較検討したので報告する.ASAP-18は介助者なしで組織採取が可能で,Tru-Cutに比べ簡便であった.組織片の長さにおいてTru-Cutは,平均13.0mm,最短は4mmで,ASAP-18は平均14.1mm,最短は7mmでほぼ同程度であった.グ鞘の数はTru-Cutで平均16.4個ASAP-18は平均11.3個でやや少なかった.組織診断性においてASAP-18は,Tru-Cutと比較し,びまん性の肝細胞障害は,ほぼ差を認めなかったが,限局性の線維増生は,十分に所見をとらえられなかった症例を幾つか認めた.生検後の出血においては,ほぼTru-Cutと同程度であったが,1例ゾンデによる圧迫止血を要した.
  • 日本消化器内視鏡学会
    1992 年 34 巻 9 号 p. 2120-2128
    発行日: 1992/09/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
  • 日本消化器内視鏡学会
    1992 年 34 巻 9 号 p. 2128-2139
    発行日: 1992/09/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
  • 日本消化器内視鏡学会
    1992 年 34 巻 9 号 p. 2139-2153
    発行日: 1992/09/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
  • 日本消化器内視鏡学会
    1992 年 34 巻 9 号 p. 2153-2167
    発行日: 1992/09/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
  • 日本消化器内視鏡学会
    1992 年 34 巻 9 号 p. 2167-2201
    発行日: 1992/09/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
  • 日本消化器内視鏡学会
    1992 年 34 巻 9 号 p. 2201-2221
    発行日: 1992/09/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
  • 日本消化器内視鏡学会
    1992 年 34 巻 9 号 p. 2222-2231
    発行日: 1992/09/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
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