日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
Print ISSN : 0387-1207
ISSN-L : 0387-1207
35 巻, 2 号
選択された号の論文の22件中1~22を表示しています
  • 土橋 啓子, 井本 一郎, 柴田 知行, 高司 智史, 池村 典久, 田口 由紀子, 志田 幸久, 長谷川 浩司, 吉田 正樹, 福喜多 茂 ...
    1993 年 35 巻 2 号 p. 253-260
    発行日: 1993/05/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    Helicobacter pylori(H.pylori)感染の診断に関して種々の検査法が開発されているが,各々長所と短所を有している.今回われわれは,胃液中アンモニア濃度がH.pylori感染のスクリーニングに有用であるか否か,またその判定に影響を与える因子につき検討した.対象は上部消化管内視鏡検査を施行した126例で,培養あるいは組織学的検索のいずれかでH.pyloriが同定された症例を陽性とした.その結果,胃液中アンモニア濃度が5.0mg/dl以上の症例は全例H.pyloriが陽性であり,5.0mg/dl以上をH.pylori陽性とした場合の感度は87.6%,特異性は100%と良好であった.また,胃液中アンモニア濃度が5.0mg/dl未満のH.pylori陽性例は,高齢者の比率が高く,かつ組織学的に腸上皮化生の程度が強かったが,陰性例では若年者の比率が高く,腸上皮化生は軽微であった.以上の成績より胃液中アンモニア濃度測定は簡便,容易,迅速でH.pylori感染のスクリーニング法として有用であると考えられた.
  • 島田 宜浩, 平川 弘泰, 梅川 康弘, 小畠 敏嗣
    1993 年 35 巻 2 号 p. 261-269
    発行日: 1993/05/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     1971年に報告した,腹腔鏡番地分類法に対し,若干の修正と追加を行った. まず,肝硬変の結節径による分類では5mmを境界とし,5mm未満を10番地,5mm以上を20番地と定め,10番地にはウイルス性とアルコール性,20番地は両者以外の病因による症例が分類されることを想定した.ICG静注法の開発により,斑紋と周囲組織との識別が容易になったことから,斑紋間隙の広い症例を30番地に加えた.この場合,斑紋間隙の組織所見は慢性肝炎像を呈し,全体像はchronic hepatitis with cirrhosisの病態を示した. つぎに,C型慢性肝炎の腹腔鏡所見に対する研究からグリソン鞘の濾胞形成を示す黄白色小斑を1番地に,C型慢性肝炎時の赤色紋理を4番地に,それぞれ追加し,上記赤色紋理の続発所見とされる溝状陥凹を,新しく,5番地とした.
  • ―prospectiveな良・悪性の鑑別―
    中山 裕一, 浅木 茂, 大原 秀一, 関根 仁, 金原 孝行, 加藤 勝章, 今谷 晃, 杉山 幸一, 豊田 隆謙, 佐藤 彰
    1993 年 35 巻 2 号 p. 270-278_1
    発行日: 1993/05/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    超音波内視鏡による上部消化管粘膜下腫瘍診断における悪性指標として,われわれは既にmalignant sign(MS)を提唱し,その有用性を報告した.今回はこのMSの指標をprospectiveな診断に用い,MSの評価を行った.対象は超音波内視鏡によりMSの有無から良・悪性の判定を行い,その後病理組織学的に診断の確定した計20病変の上部消化管粘膜下腫瘍症例である.MSによる判定は,1)中間型または不整混合型の内部エコーパターンを呈し腫瘍の最大径20mm以上のもの,あるいは2)低エコー型を呈し最大径40mm以上のものをMS陽性とし,それ以外のものを陰性とした.結果は,MS陽性とした11病変のうち組織学的に悪性と判定されたものは8病変,良性と判定されたものは3病変であった.またMS陰性とした9例ますべて組織学的眼性と判定された.以上よりMSの判定基準を用いた悪性判定の成績は,感度100%,特異度75%と良好であった.
  • 垂石 正樹, 綾部 時芳, 蘆田 知史, 斎藤 裕輔, 野村 昌史, 渡 二郎, 小原 剛, 柴田 好, 並木 正義
    1993 年 35 巻 2 号 p. 281-288_1
    発行日: 1993/05/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    Crohn病患者の大腸におけるアフタとLymphoid hyperplasia(LH)所見に注目し,拡大大腸内視鏡を用いて,その出現頻度,部位,肉芽腫の検出率および経腸栄養療法前後での病変の変化につき検討した.使用した内視鏡は富士写真光機社製大腸電子内視鏡EVC-HMで,これを用いて,28人のCrohn病患者に対し,延べ58回の大腸内視鏡検査を施行した.肉芽腫の検索は,生検標本から40枚の連続切片を作製し検討した.その結果,Crohn病患者における大腸のアフタおよびLH所見は,それぞれ14例(50%),12例(44.1%)に認められ,肉芽腫はアフタ14例中10例(71.7%),LH12例中5例(41.796)にみられた.経腸栄養療法によってアフタ8例のうち6例が減少または消失したが,LHは5例中2例がアフタへと変化した.以上の結果から,拡大観察で得られるアフタおよびLHは,Crohn病の初期病変と考えられ,アフタに対しては経腸栄養は有用な治療法であった.
  • 趙 栄済, 芦原 亨, 中島 正継, 安田 健治朗, 向井 秀一, 水間 美宏, 早雲 孝信, 水野 成人, 平野 誠一, 羽生 泰樹, 池 ...
    1993 年 35 巻 2 号 p. 289-294_1
    発行日: 1993/05/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    試作の大腸用2チャンネル電子内視鏡(CF-2T200I)を用いて117例(198病変)に延べ215回の検査または治療を施行し,本スコープの有用性について検討した.施行した215回の内訳は生検を含む通常観察が46回,内視鏡的超音波検査が30回,内視鏡的治療が139回である.本スコープは外径が13.7mmとやや太いが,2チャンネルの鉗子孔(左側2.8mm,右側3.7mm)を有しており,各種の処置具のみならず超音波プローブの挿入も可能である.内視鏡的治療はポリペクトミーが32回(1チャンネル方式:24回,2チャンネル方式:8回),粘膜切除術が107回(1チャンネル方式:81回,2チャンネル方式:26回)であった.2チャンネルを用いることにより適正な位置で病変部を把持・絞扼することが一層容易になり,腺腫や癌などの上皮性病変ばかりでなく,一部の粘膜下腫瘍の完全切除にも有用であった.また,切除直後の出血に対する止血操作も迅速かつ円滑に行えるようになった.以上のごとく,本機種は観察ばかりでなく,超音波検査や切除あるいは止血などの治療における大腸内視鏡としてきわめて有用であると評価しえた.
  • 角谷 宏, 水村 泰夫, 真田 淳, 井出 真理, 三輪 一彦, 小野田 一敏, 大野 博之, 六川 博子, 篠原 靖, 堀部 俊哉, 大久 ...
    1993 年 35 巻 2 号 p. 297-303
    発行日: 1993/05/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    Etanolamine Oleate (EO)とCyanoacrylate(CA)併用により治療し得た食道血管腫の1例を報告した.症例は48歳男性.検診にて食道隆起性病変を指摘され内視鏡検査を施行,翌年の再検査にて増大傾向を認めたため入院となった.入院後の内視鏡検査で門歯より28cmに20mm, 30cmに15mmの表面に発赤を有する2個の青色調結節状隆起を認めた.これらは鉗子の圧迫で容易に陥凹した.血管腫を疑いそれぞれに硬化療法を行った.まず,23G穿刺針にて腫瘍を穿刺し血液を吸引後,EOを注入,引き続きCAを注入し抜針した.1週後の内視鏡所見ではCAは露出し,2週後にはCAの脱落と病巣の消失をみた.腫瘍より採取した血液のガス分析は動脈血のそれとほぼ同様の値であった.本法は食道血管腫に対する新しい内視鏡的治療法と考えられた.なお,本症例は消化管と皮膚に血管腫を合併する,いわゆるBlue Rubber Bleb Nevus Syndromeと思われた.
  • 小林 広幸, 渕上 忠彦, 小田 秀也, 平川 雅彦, 武田 一人, 原田 篤実, 村田 繁利, 松坂 俊光, 岩下 明徳
    1993 年 35 巻 2 号 p. 304-308_1
    発行日: 1993/05/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    症例は60歳女性.慢性腎不全による維持透析導入数年後から難治性貧血を生じ,その後も貧血が進行するため精査入院となった.胃内視鏡検査では幽門輪から前庭部にかけて易出血性の点状発赤が帯状に連なり放射状に広がっていた.RIシンチと血管造影所見からも同部からの出血が考えられたため幽門側胃部分切除術施行.病理組織で粘膜下層までの毛細血管の著明な拡張とフィブリン塞栓を認め,幽門前庭部毛細血管拡張症と確診した.
  • 齊藤 忠範, 池田 成之, 安保 智典, 潘 紀良, 本間 久登, 増子 詠一, 檜山 繁美
    1993 年 35 巻 2 号 p. 309-313_1
    発行日: 1993/05/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    患者は44歳,男性.胃前庭部小彎前壁側の胃粘膜下腫瘍の精査を目的に平成3年11月28日当科入院した.胃X線および内視鏡検査では腫瘍は約3cm,半球状で表面に軽度の凹凸を有し,bridging foldを伴っていた.超音波内視鏡所見では腫瘍は固有筋層と粘膜下層に存在し,固有筋層と連続していた.また内部は比較的均一で固有筋層よりやや高いエコーレベルを呈した.手術を施行したところ胃glomus腫瘍であった.
  • 久米 邦広, 岡田 武志, 山本 昌也, 小川 信, 山本 泰三, 岡 良成, 川崎 俊夫, 大朏 祐治, 真鍋 由以子, 園部 宏
    1993 年 35 巻 2 号 p. 314-321
    発行日: 1993/05/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    症例は75歳,男性.健診の消化管造影で,十二指腸下行部に隆起性病変を指摘された.内視鏡検査で,中心陥凹をもつ3個の隆起性病変を認め,山田II型病変からの生検にて,異所性胃粘膜(HGM)にカルチノイドが共存したものと診断.外科的に腫瘤切除術を施行し3病変はすべてHGMによる隆起で,うち山田II型病変にのみカルチノイドが認められた.HGMは十二指腸下行部においては稀であり,またHGMにカルチノイドを伴った報告は,本例が本邦第一例目と考えられる.
  • 下山 孝俊, 草野 裕幸, 宮下 光世, 松本 佳博, 羽田野 和彦, 七島 篤志, 内川 徹也, 藤瀬 直樹, 谷口 善孝, 糸柳 則昭, ...
    1993 年 35 巻 2 号 p. 322-328_1
    発行日: 1993/05/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    症例は73歳,男性,注腸造影で盲腸に腫瘤性病変を指摘され,大腸内視鏡で虫垂入口部にIIa集簇様病変を認めた.生検でgroup Vの所見を得,回盲部切除を施行した.病変は虫垂入口部に全周性にあり,35×60mm,表面平滑で結節・脳回状の結節集簇様病変で,組織は腺腫内癌であった.血管構築像では隆起部にstalk vesselsがみられ,平坦部は粘膜血管に類似していた.本例は発生部位が稀で,胃にも過形成性ポリープの多発がみられた.
  • 間賀 俊朗, 友田 純, 上江洲 篤郎, 岡田 裕之, 外園 正彰, 平井 通雄, 吉岡 正雄, 藤木 茂篤, 水野 元夫, 法宗 亜紀子, ...
    1993 年 35 巻 2 号 p. 329-334_1
    発行日: 1993/05/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    今回われわれは,胃のInflammatory fibroidpolyp(IFP)の3例を経験し,超音波内視鏡を施行し,その特徴像の検討を行なった.3症例のうち1例は内視鏡下生検組織で診断されたが,2例はポリペクトミーで診断された.超音波内視鏡では,3例とも胃壁第3層を主座として第2層にかけてほぼ均一な腫瘤を認めた.腫瘤は正常第3層より低エコーで,境界は不明瞭であった.第4層および第5層は正常であった.これらの所見は,IFPの特徴像と考えられた.
  • 田口 久雄, 高原 聡, 楠本 征夫, 河野 健次, 後藤 誠, 棟久 龍夫
    1993 年 35 巻 2 号 p. 335-341
    発行日: 1993/05/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    Inflammatory fibroid polypは胃,小腸に多く大腸に発生した本邦報告例は6例にすぎない.今回,S状結腸に発生した1症例を経験したので報告する.症例は32歳女性で主訴は左下腹部痛,血便.大腸X線,内視鏡検査でS状結腸にクルミ大の隆起性病変を認めた.腫瘤の性状より粘膜下腫瘍を疑ったが,入院後腫瘤の肛門からの脱出を認め手術を施行し,病理組織学的にInflammatory fibroid polypでMucosal prolapse syndromeの所見もみられた.
  • 田端 晃博, 北野 厚生, 緒林 誠, 岡部 弘, 加島 和俊, 福嶋 龍二, 中村 志郎, 小畠 昭重, 押谷 伸英, 松本 誉之, 石川 ...
    1993 年 35 巻 2 号 p. 342-346_1
    発行日: 1993/05/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     患者は62歳,男性.1988年5月に検診で初めて便潜血反応陽性を指摘され,翌年6月にも同じ指摘を受けた.同年8月注腸造影検査と大腸内視鏡検査でS状結腸にダルマ型隆起性病変を認め,同年9月当科にて内視鏡的ポリペクトミーを施行した.ポリープは茎の部分に粘液結節を有する粘液癌で,深達度smの早期癌であった.これまで大腸粘液癌は,進行癌での報告がほとんどで,本例のような早期癌の段階での診断は極めて稀で,貴重な症例と考えられた.
  • 片岡 洋望, 伊藤 誠, 倉知 美幸, 谷 智満, 山田 潤一, 塚田 勝比古, 武内 俊彦
    1993 年 35 巻 2 号 p. 347-352_1
    発行日: 1993/05/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     症例は38歳女性.腹部単純X線検査で右横隔膜下腔に直径7cmの楕円形の輪状石灰化,左季肋部から左側腹部,骨盤腔にかけて直径1cmから3cmの輪状石灰化を約12個指摘され精査目的で入院.石灰化腫瘤の内容物は腹部US,CT,MRI画像上,純度の高い脂肪と推測され,卵巣皮様嚢腫の腹腔内播種が疑われた.腹腔鏡では腫瘤は薄い被膜で覆われ,白色調を呈していた.開腹術で36個の腫瘤を摘出した.組織学的にはほとんどの腫瘤の内容物は脂肪で,一部の腫瘤には好酸性の硝子様物質が認められた.組織学的には皮様嚢腫の確診は得られなかったが,既往歴,腫瘤の画像所見,経過,文献上の知見から,良性の卵巣皮様嚢腫の腹腔内播種と診断した.類似の症例は4例の報告をみるに過ぎず,極めて興味ある症例と考えられた.
  • 佐藤 喜夫, 佐々木 寿彦, 荒川 正一, 上野 文昭, 小玉 俊典
    1993 年 35 巻 2 号 p. 353-358_1
    発行日: 1993/05/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     症例は72歳,男性.主訴は黄疸.閉塞性黄疸の診断にて経皮経肝胆管ドレナージ(PTCD),経皮経肝胆道鏡(PTCS)を施行.原発性硬化性胆管炎が疑われたが悪性腫瘍の合併も否定できなかった.PTCDの内瘻化や内視鏡的逆行性胆管ドレナージ(ERBD)は肝門部肝管,総胆管狭窄のため施行不能であった.内瘻化減黄目的でShikeらの方法に準じ経皮内視鏡的胃瘻造設術(PEG)を施行し,この瘻孔から経皮経胃的に径5mmのカテーテルを内視鏡下に十二指腸に留置し,もう一方の端を体外でPTCDカテーテルと接続し外胆道十二指腸ドレナージを行った.十二指腸留置カテーテルの位置が適切であればドレナージ効果は良好であった.外胆道十二指腸ドレナージ療法は特に重篤な合併症もなく,外来通院でも良好な内瘻化減黄が可能な有用な内瘻化法と思われた.
  • 判田 正典, 中澤 三郎, 芳野 純治, 山雄 健次, 乾 和郎, 山近 仁, 印牧 直人, 若林 貴夫, 藤本 正夫, 松本 純夫, 丹 ...
    1993 年 35 巻 2 号 p. 361-364_1
    発行日: 1993/05/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     症例は41歳,女性.口唇,手指に色素沈着があり,大腸および小腸に多発性ポリープを認めた.内視鏡的ポリペクトミーにより切除した23個の大腸ポリープのうち,S状結腸にみられた径50mmの有茎性ポリープの1個に高分化腺癌を認めた.また,小腸ポリープに対して,術中内視鏡的ポリペクトミー及び外科的切除により46個の小腸ポリープを切除し,計69個のポリープを切除した.近年,Peutz-Jeghers症候群は悪性病変の合併の報告も多く,定期的な消化管の検査による経過観察と内視鏡的ポリペクトミーは予後を考える上で重要であると考えられた.
  • 坂井 宣行, 浮田 實, 伊藤 俊雄, 山本 和秀, 水溜 耕吉, 谷水 正人, 垣尾 武志, 小橋 春彦, 松尾 龍一, 宮本 理恵子, ...
    1993 年 35 巻 2 号 p. 365-371
    発行日: 1993/05/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     組織所見はchronic aggressive hepatitis 2B with submassive hepatic necrosisであった.alpha-interferon 600万単位の週3回,6カ月間投与を行った.投与終了1年後,肝表面は311,6番地,組織所見は1iver fibrosisであった.interferon著効例の肝表面像の変化として,赤色紋理の消失および白色紋理の出現を認めた.
  • 田中 栄司, 吉沢 要, 原 悦雄, 藪 剛爾, 薄田 誠一, 赤松 泰次, 清澤 研道, 古田 精市, 堀米 直人, 梶川 昌二, 飯田 ...
    1993 年 35 巻 2 号 p. 372-377_1
    発行日: 1993/05/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     先天性肝線維症を伴ったCaroli病の2例における腹腔鏡所見を検討した.症例1は脾腫,食道静脈瘤の精査にて入院した.胆管造影を含む画像診断で肝内胆管の嚢胞状拡張を認め,肝の組織所見では門脈域の幅広い線維化,胆管の不整形の拡張,門脈枝の減少が観察された.以上より先天性肝線維症を合併したCaroli病と診断した.症例2は肝内結石と胆管炎の精査のため入院し,画像診断にて肝内胆管の多発性の嚢胞様拡張がありCaroli病と診断した.肝生検所見では門脈域の線維化,胆管の拡張が観察された.腹腔鏡所見は,症例1の肝は硬く腫大し,表面に幅の広い白色紋理が網状に観察された.症例2では明瞭な白色紋理が樹枝状に観察された.また,症例1ではシャント静脈が,症例2では暗緑色の小嚢胞様構造が観察された.先天性肝線維症を合併したCaroli病の腹腔鏡所見として,門脈域の線維化を反映すると考えられる幅が広く明瞭な白色紋理が特徴と考えられた.
  • 井上 晴洋, 岡部 聡, 竹下 公矢, 村岡 幸彦, 米島 秀夫, 遠藤 光夫
    1993 年 35 巻 2 号 p. 378-381_1
    発行日: 1993/05/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     大腸スコープの先端に透明プラスチックキャップを装着し,挿入性,観察能,ポリペクトミーおよび粘膜切除術(EMRC)について検討した.透明プラスチックキャップは外径17mm,内径15mm,深さ10mmで,一般の大腸スコープの先端部に容易に着脱可能である. 挿入性については,挿入時から常に連続した視野があり,いわゆる赤玉を作ることがなかった.キャップの側壁を介して,屈曲部でも挿入方向の確認が容易であった.観察能は,内視鏡の視野の辺縁にキャップ先端部がリング状に映るものの,透明であることから視野の著しい制限とはならなかった.大腸皺壁の裏面の観察が,キャップ側壁で皺壁を反転することにより容易であった.また病変の正面視も簡単であった. ポリペクトミーでは,吸引を掛け病変をキャップ内に吸い込んだ後にスネアで絞扼する方法が容易であり,粘膜切除術では生食の局注のあとに吸引下に安全にスネアによる絞扼切除を行った.キャップを使用した大腸内視鏡検査は診断および治療に極めて有用であると考えられた.
  • 渡邊 浩光, 藤田 直孝, 野田 裕, 小林 剛, 木村 克巳, 塩谷 昌彦, 池田 卓, 長南 明道, 松永 厚生, 安藤 正夫, 結城 ...
    1993 年 35 巻 2 号 p. 382-389
    発行日: 1993/05/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     肝門部胆管狭窄(閉塞も含む)による黄疸例では,左右肝管への選択的なドレナージが必要となる.従来,このような症例に対しては,EBDによる選択的ドレナージは手技的に困難であり,積極的には試みられていなかった.今回われわれは,肝門部胆管狭窄を示した手術不能の胆管癌11例,胆嚢癌8例の計19例についてEBDによる左右肝管への選択的ドレナージを試みた.成功率は73.7%で,成否は原疾患や狭窄部の長さに関係はなかったが,左右肝管の完全分断例で成功率は低い傾向が認められた.しかし,完全分断例での成功例もあり,選択的なEBDテント挿入は,手術不能の肝門部胆管狭窄例においても試みてよい方法と考えられた.
  • 1993 年 35 巻 2 号 p. 390-420
    発行日: 1993/05/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
  • 小林 正文, 香川 隆男, 伊藤 誠
    1993 年 35 巻 2 号 p. 421-425
    発行日: 1993/05/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
feedback
Top