日本消化器内視鏡学会雑誌
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37 巻, 12 号
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  • ―酸分泌抑制薬ならびにHelicobacter pylori除菌療法の意義―
    川口 淳
    1995 年 37 巻 12 号 p. 2687-2700
    発行日: 1995/12/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     十二指腸線状潰瘍におけるHelicobacter pylori (H.P.)感染と十二指腸球部粘膜血行動態の関連について治療薬―プロトンポンプ阻害薬(P.P.I.),H2受容体拮抗薬(H2-RA)―並びに除菌の血行動態に及ぼす影響を臓器反射スペクトル法を用いて検討した.潰瘍の好発部位である球部前壁からridgeでは潰瘍の病期に関係なく,球部粘膜血行動態は常に,hyperdynarnicな状態であった.酸分泌抑制剤での赤色瘢痕期(S1),白色瘢痕期(S2)のいずれにおいても薬剤間並びに未投薬群間に血行動態上,明かな差は認められなかった.H.P,除菌群の粘膜内ヘモグロビン酸素飽和度は除菌療法終了時において開始時に比し高値を示す傾向が認められ,終了後4週では終了時に比し低下する傾向が認められた.粘膜内ヘモグロビン含量は除菌療法終了時において,開始時に比し有意に低下した.この結果よりH.P.除菌成功により十二指腸球部粘膜血行動態の改善が得られ,十二指腸線状潰瘍のより高質なる治癒がもたらされ,さらに除菌成功例では24週以降も全く再発がみられないことから,H.P.除菌は十二指腸潰瘍の再発の防止に極めて有効であり,大きく寄与すると考えられる.
  • 結城 豊彦, 長南 明道, 藤田 直孝, 井上 茂, 石田 一彦, 野田 裕, 小林 剛, 木村 克巳, 松永 厚生, 安藤 正夫, 富永 ...
    1995 年 37 巻 12 号 p. 2701-2708
    発行日: 1995/12/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     細径超音波プローブ検査による胃癌深達度診断能を病理組織学的所見と対比し,細径超音波プローブの臨床的有用性について検討した.装置はアロカ社製ラジアル型細径超音波プローブ(MP-PN20-06,15/20MHz)である.対象は1993年6月から1994年4月までに,細径超音波プローブ検査施行後,当センターで手術または内視鏡的に切除された胃癌105例,115病変(早期100病変,進行15病変)である.深達度正診率は,早期胃癌m~sm1,sm2では,隆起型で,それぞれ94%,100%,線維化を伴わない陥凹型で93%,83%,線維化を伴う陥凹型で86%,0%であった.内視鏡的粘膜切除術が施行された病変では全体で97%であった.進行胃癌mp,ss,seでは,それぞれ22%,50%,25%であった.以上より,細径超音波プローブは,線維化を伴わない小さな早期胃癌の描出に優れ,内視鏡的粘膜切除の適応決定に有用と考えられた.一方,線維化合併例,大病変,および進行胃癌では通常EUSを選択すべきであると考えられた.
  • 三好 広尚, 中澤 三郎, 芳野 純治, 山雄 健次, 乾 和郎, 山近 仁, 印牧 直人, 若林 貴夫, 岩瀬 輝彦, 滝 徳人, 杉山 ...
    1995 年 37 巻 12 号 p. 2709-2721
    発行日: 1995/12/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     細径超音波プローブ(外径2.4mm;12,20MHz,外径3.4mm;7.5MHz)を用いた管腔内走査による十二指腸乳頭部癌の進展度診断能について検討した.対象は総胆管結石切石術後1例,肝外胆管癌7例,肝内結石切石術後2例,膵癌3例,粘液産生膵腫瘍切除例2例,剖検例より摘出した正常十二指腸乳頭部3例,および切除可能であった十二指腸乳頭部癌10例の計28例である.正常十二指腸乳頭部(縦ヒダ部)ではプローブが内腔に密着している場合には4層構造として,密着していない場合には5層構造として描出され,Oddi筋は低エコー層,十二指腸粘膜下層は高エコー層,十二指腸固有筋層は低エコー帯として明瞭に描出された.プローブの出し入れにより十二指腸固有筋層,十二指腸内腔,膵実質の位置関係が変化することから,十二指腸浸潤,膵浸潤についてはビデオ録画することにより3次元的に判断した.十二指腸乳頭部癌切除例10例の癌部は全例において不均一な低エコー腫瘤像として描出された.術前進展度診断と病理組織像との対比を行い進展度診断の正診率について検討したところ,十二指腸浸潤は全例(100%),膵浸潤は10例中9例(90%)で正診できた.細径超音波プローブを用いた経皮的胆道内超音波検査法は,十二指腸乳頭部癌の進展度診断に有用な診断法と考えられた.
  • ―動物実験による基礎研究および臨床応用―
    本橋 修, 佐野 秀弥, 高木 精一, 大庭 堅太郎, 幾世橋 篤, 大川 伸一, 玉井 拙夫, 多羅尾 和郎, 西元寺 克禮
    1995 年 37 巻 12 号 p. 2722-2727
    発行日: 1995/12/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     われわれは,内視鏡的粘膜結紮術を併用した胃粘膜切除術の有用性を報告してきた.今回は前回の報告の結果を基に,胃粘膜の吸引結紮による胃粘膜の脱落壊死による粘膜切除(Endoscopic Mucosal Ligation; EML)に対する安全で確実性のある手技を確立するための基礎実験を行い,この手技を臨床応用した. 生理食塩水の粘膜下局注併用したEML1週後では,この結紮手技によって直径約13mmの粘膜面が脱落し,深さは粘膜下層におよぶ潰瘍となった.局注無しのEML1週後では,この結紮手技によって直径約20mmの粘膜面が脱落し,深さは固有筋層におよぶ潰瘍を形成した.3例の臨床症例(直径5-10mmの粘膜病変)に対して,完全脱落が内視鏡的に確認された. 内視鏡的粘膜結紮術による胃粘膜切除は,臨床使用に耐えうる簡便で価値ある治療手技であると思われた.
  • 小松 工芽, 山形 倫, 浅木 茂, 菅場 尚一
    1995 年 37 巻 12 号 p. 2728-2733
    発行日: 1995/12/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     最近の胃・十二指腸潰瘍の内視鏡的性状と臨床像が,十数年前と比べてどのように変化してきたのかを知る目的で下記の検討を行った.すなわち,東北労災病院における1979年からの5年間に初回内視鏡検査を受けた1,995例中,胃潰瘍,十二指腸潰瘍,胃十二指腸併存潰瘍と診断された424例を前期群,1988年からの5年間における1,776例中,同343例を後期群として内視鏡像を中心に対比した.結果,以下の成績を得た.1.胃潰瘍の減少と,十二指腸潰瘍の増加(若年層,女性で著明).2.体部潰瘍の増加と幽門部潰瘍の減少(P<0.05).3.大きくて深い潰瘍の減少と,小さくて浅い潰瘍の増加(P<0.05)などが認められた.これらは社会背景の変化に伴う潰瘍発生要因の変化によるものと推測された.
  • 佐藤 自伸, 望月 福治, 長南 明道, 結城 豊彦, 藤田 直孝, 野田 裕, 松永 厚生, 安藤 正夫, 富永 現, 野村 美樹子, 池 ...
    1995 年 37 巻 12 号 p. 2734-2739_1
    発行日: 1995/12/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     食道顆粒細胞腫8例の臨床的事項を検討し,以下の結論を得た. 1)内視鏡的には,(1)起始部が健常粘膜に覆われた,(2)頂上部に陥凹を有する,(3)山田II型の,(4)縦長,楕円形の,(5)黄白色調隆起という特徴的な像を呈した.さらに,その診断は隆起の頂上陥凹部からの生検を組み合わせることにより容易であった. 2)EUS上,第3層(粘膜下層)に留まる境界明瞭,辺縁平滑な均一低エコー腫瘤として描出され,壁内局在診断に有用であった. 3)本症の治療は,粘膜下層に留まれば完全生検の意味も兼ねて,内視鏡切除を,第一選択にすべきと考えられた.
  • 大川 敬一, 恩田 昌彦, 宮下 正夫, 京野 昭二, 樋口 勝美, 吉行 俊郎, 松谷 毅, 笹島 耕二, 山下 精彦
    1995 年 37 巻 12 号 p. 2740-2745
    発行日: 1995/12/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     72歳男性,胸部中部食道癌症例に対し,胸部食道全摘,左頚部にて食道胃管吻合術を行った.術後2カ月目より吻合部の瘢痕性狭窄を認め,内視鏡下バルーン拡張術を行った.以降瘢痕性の狭窄を繰り返し嚥下障害を訴えるため,術後7カ月間に同様の拡張術を4回施行した.4回目の拡張術施行後,ただちに吻合部にデキサメタゾン1mgを4カ所に,計4mg注入した.以降18カ月を経過したが,狭窄症状は認められていない.ステロイドの局所注入が,瘢痕形成を抑制することから拡張術の効果を増強するものと考えられた.
  • 前谷 容, 高木 拓郎, 星 一, 酒井 義浩, 石井 信光
    1995 年 37 巻 12 号 p. 2746-2752_1
    発行日: 1995/12/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     症例は72歳男性.露出血管を伴った胃潰瘍からの出血を繰り返し,3回の内視鏡的止血法を施行したが奏効せず,N-butyl-2-cyanoacrylateを用いて経カテーテル的動脈塞栓術を施行し止血しえた.血管造影では胃壁枝の出血部位には動脈瘤が認められ,内視鏡的止血法の限界と考えられた.内視鏡では動脈瘤の診断はできず,このような例に内視鏡治療を繰り返すことは危険であり,引続き血管造影を行い出血の責任血管を同定し,TAEを行うことが望ましいと思われた.
  • 小林 利彦, 木村 泰三, 吉田 雅行, 櫻町 俊二, 石原 行雄, 梅田 容弘
    1995 年 37 巻 12 号 p. 2755-2760_1
    発行日: 1995/12/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     症例は69歳,男性.5年前より胃粘膜下腫瘍として内視鏡的に経過観察されていたが,腫瘍部からの出血のため入院となった.内視鏡的には8カ月間で1.5cmから4cmへの腫瘍径の増大があり,EUSで内部エコー不均一であることなどから悪性筋原性腫瘍を疑い手術が行われた.腫瘍は65×55×45mmの壁外発育の著明な胃平滑筋肉腫であった.胃の筋原性腫瘍は2cm前後から急速な発育を示すことがあり,積極的な対処が望ましいと考えられた.
  • 宮城島 拓人, 大村 卓味, 大西 俊介, 中馬 誠, 岸本 篤人, 熊谷 研一, 青島 優, 石塚 淳, 小林 隆彦, 藤本 望, 小笠原 ...
    1995 年 37 巻 12 号 p. 2761-2767_1
    発行日: 1995/12/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     症例は71歳女性.前医にて偶然発見された十二指腸腫瘍の精査のため入院.低緊張性十二指腸造影で,腫瘍は十二指腸下行部の2×2cmの隆起性病変として描出され,内視鏡的には,白色絨毛状粘膜で覆われたIIa集簇様であった.同部位の生検で悪性リンパ腫と診断され,超音波内視鏡では腫瘍の深達度は粘膜下層(sm)までと考えられた.腫瘍を含めた十二指腸部分切除が施行された.組織学的検索にて,非ポジキンリンパ腫(B細胞性濾胞性中細胞型)と診断,深達度はsmまでであり,早期悪性リンパ腫と考えられた.また,遺伝子学的検討でもIg(JH)の再構成が認められた.現在術後化学療法を施行中である.十二指腸原発早期悪性リンパ腫は極めて稀であり報告した.
  • ―本邦報告例249例の臨床病理学的検討―
    藤澤 貴史, 友藤 喜信, 黒田 信稔, 萩野 晴彦, 阪本 哲一, 坂下 正典, 前田 光雄, 河野 富雄, 松野 寧子
    1995 年 37 巻 12 号 p. 2768-2775_1
    発行日: 1995/12/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     患者は80歳女性で,肺炎のため当科入院となったが,内視鏡検査にて十二指腸第2部にIsp型十二指腸腫瘍を認めた.赤色調で表面は顆粒状を呈し,生検診断は腺管絨毛腺腫であったが,腺腫内癌を否定しえず,膵頭十二指腸切除術を施行した.腫瘍は腺管絨毛腺腫を伴う高分化型腺癌で深達度m・1y0・v0・n0・40×35×20mmであった.本症例とともに早期十二指腸癌249例につき臨床病理学的検討を加え報告した.
  • 橋本 晃, 北野 俊行, 今田 祐子, 岸本 浩之, 金 義宣, 鳥居 惠雄, 梶山 徹, 上田 俊二, 大熊 稔, 酒井 正彦
    1995 年 37 巻 12 号 p. 2776-2780_1
    発行日: 1995/12/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     症例は,49歳,女性.上部消化管内視鏡検査にて十二指腸に腫瘍性病変を指i摘され,精査目的にて京大病院を受診した.上部消化管内視鏡検査にて十二指腸球部前壁に中心陥凹を伴う平盤状の隆起性病変を認め,生検にて軽度から中等度の異型を伴う腺管腺腫と診断した.後日,確定診断を目的として内視鏡的に十二指腸粘膜切除術を施行し,Brunner腺過形成と診断した.内視鏡的粘膜切除術は,十二指腸隆起性病変の診断に対しても有用であると思われた.
  • 足立 洋祐, 神山 俊典, 小島 茂, 武田 雄一, 青木 正明, 野内 俊彦, 浅倉 禮治, 田尻 久雄, 永尾 重昭, 宮原 透, 丹羽 ...
    1995 年 37 巻 12 号 p. 2783-2788_1
    発行日: 1995/12/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     61歳,男性.左下腹部痛および腫瘤触知を主訴に,精査加療目的で入院.注腸造影にて,S状結腸壁の伸展性の消失および腸間膜付着側の不整鋸歯像を認めた.大腸内視鏡検査では,発赤した浮腫状粘膜を認めるのみで,生検でもGroup 1であった.腹部CT検査では,S状結腸壁周囲が脂肪織と考えられるdensityにより取り囲まれていた.これらの所見よりS状結腸間膜脂肪織炎と診断し,禁食,抗生剤投与を行った.治療に反応し,約1ヵ月後の注腸造影にて著明な改善を認めた.その後現在までのところ再発等は認めていない.
  • 大川 清孝, 渡辺 憲治, 佐野 弘冶, 濱崎 尚子, 大庭 宏子, 青木 哲哉, 森吉 靖子, 木岡 清英, 根引 浩子, 宋 健二, 岡 ...
    1995 年 37 巻 12 号 p. 2789-2793_1
    発行日: 1995/12/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     症例は71歳,女性.他院にて大動脈弁狭窄(AS)兼閉鎖不全と診断されたが,大量下血のため,入院した.上部および下部内視鏡検査,血管造影にて異常所見を認めずy当院を紹介された.3カ月後に再度大量下血があり,大腸内視鏡検査にて上行結腸にvascular ectasia(VE)を認め,内視鏡治療を行った.AS,VE,繰り返す消化管出血の合併はHeyde症候群と呼ばれ,本邦では稀であり報告した.
  • 近藤 豊, 加藤 孝治, 森 正幹, 水野 芳樹, 林 勝男, 早川 俊彦, 大脇 忠, 和田 昌也
    1995 年 37 巻 12 号 p. 2794-2798_1
    発行日: 1995/12/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     症例は38歳男性.右下腹部痛を主訴に来院.注腸検査・大腸内視鏡検査を施行したところ,上行結腸に,発赤調で表面が平滑な,粘膜下腫瘍を強く疑う隆起性病変を認めた.生検を行いGanglioneuromaと診断.諸検査の後,粘膜切除術を施行した.一般にGanglioneuromaは,後縦隔,後腹膜の交感神経節や副腎髄質から発生する腫瘍であり,消化管の発生例は非常に稀である.今回,画像所見・組織像の呈示と共に若干の文献的考察を加え報告した.
  • 前田 壽哉, 大舘 敬一, 山田 恭司, 石川 修司, 須田 泰史, 亀谷 忍, 加納 宣康, 草刈 幸次
    1995 年 37 巻 12 号 p. 2801-2805
    発行日: 1995/12/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     症例は78歳,男性.両側鼡径部の膨隆を主訴に来院.両側とも内鼡径ヘルニアの術前診断にて腹腔鏡下ヘルニア修復術を施行する事とした.右側は内鼡径ヘルニアであったが,左側は外側臍靱帯内側にヘルニア門を認め,膀胱上窩ヘルニアと診断,プロリンメシュにて修復した.膀胱上窩ヘルニアは稀な疾患であり,本邦では本症例を含め9例の報告をみるのみであるが,腹腔鏡下に行うことにより解剖学的位置を確認することができ,的確に手術を施行し得た.
  • ―内視鏡にて腸管内腔への排膿が観察された2例―
    花立 史香, 水野 洋一, 北村 達也
    1995 年 37 巻 12 号 p. 2806-2811_1
    発行日: 1995/12/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     内視鏡にて腸管内に排膿を認めた結腸周囲膿瘍の2例を報告した. 症例1は78歳の男性で右下腹部腫瘤を主訴として来院,種々の画像診断では回盲部及びその周囲の腫瘤が疑われた.大腸内視鏡検査では盲腸に隆起性病変を認め,生検を施行したところ生検部位の粘膜より黄白色の膿状物質の排出が観察された.手術所見,病理所見より虫垂炎による盲腸周囲膿瘍と診断された. 症例2は42歳の男性で右下腹部痛にて来院画像診断では上行結腸周囲の腫瘤と診断された.大腸内視鏡にて回盲弁直上に隆起性病変を認め,詳細に観察したところ隆起頂上の小さく深い粘膜の陥凹より黄白色の膿状物質の排出が認められた.手術所見および病理所見より憩室穿孔と診断された. 上記2例の内視鏡所見は報告例もまれで,貴重なものと考える.
  • 近藤 栄作, 石原 学, 小山 博, 栗田 俊夫, 北篠 裕, 山田 秀一, 武藤 ます江, 松崎 浩司, 蜂矢 朗彦, 瓜田 純久, 尾崎 ...
    1995 年 37 巻 12 号 p. 2812-2821
    発行日: 1995/12/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     食道静脈瘤患者10例を対象に撲滅結紮法による内視鏡的静脈瘤結紮術(eEVL)を行い静脈瘤の完全消失を試みた.eEVLの治療法の特徴として(1)EG-J直下の噴門部より結紮を行うことにより,すだれ静脈からの血流遮断をできるだけ行うこと,(2)EG-J直下の噴門部の高さから,EG-Jより10cm前後口側までの下部食道で,多数の結紮を行うことで残存粘膜をできるだけ消滅させることがあげられる.治療目標は食道静脈瘤の完全消失F0RC(-)とした.eEVLによる平均治療回数は4.2±0.8回,平均使用0-ring数は40.4±11.6個であった.静脈瘤の荒廃率は100%で,重篤な合併症も認めなかった.更に細径超音波プローブによる検討では,観察した下部食道のほとんどの部位で第1層から第3層までの厚さが3mm以上となり,治療前より有意に(P<0.01)肥厚した.以上のことから硬化剤を使用しなくても,eEVLにより食道静脈瘤の完全消失が得られるだけではなく,地固め効果も期待できると考えられた.
  • ―特に境界病変について―
    喜納 勇, 中村 眞一
    1995 年 37 巻 12 号 p. 2823-2824
    発行日: 1995/12/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
  • 芳野 純治
    1995 年 37 巻 12 号 p. 2825-2826
    発行日: 1995/12/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
  • 金子 榮藏
    1995 年 37 巻 12 号 p. 2827-2828
    発行日: 1995/12/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
  • 藤田 力也
    1995 年 37 巻 12 号 p. 2829-2830
    発行日: 1995/12/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
  • 北野 正剛
    1995 年 37 巻 12 号 p. 2831-2832
    発行日: 1995/12/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
  • 1995 年 37 巻 12 号 p. 2833-2849
    発行日: 1995/12/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
  • 1995 年 37 巻 12 号 p. 2850-2864
    発行日: 1995/12/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
  • 1995 年 37 巻 12 号 p. 2865-2876
    発行日: 1995/12/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
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