日本消化器内視鏡学会雑誌
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39 巻, 1 号
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  • 崎田 隆夫
    1997 年 39 巻 1 号 p. 1
    発行日: 1997/01/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
  • 中村 孝司
    1997 年 39 巻 1 号 p. 2
    発行日: 1997/01/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
  • ―赤外線電子スコープによる観察下での実験的検討―
    成宮 徳親, 武内 力, 杉本 泉, 浜田 宏子, 丸山 達志, 宮島 浩人, 鶴田 由美, 佐藤 博光, 常喜 真理, 小田切 理純, 渡 ...
    1997 年 39 巻 1 号 p. 3-9
    発行日: 1997/01/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    赤外線電子スコープは胃粘膜下の血管の描出が可能であるが,内視鏡的胃粘膜切除術(endoscopic mucosal resection EMRと略)を赤外線電子スコープの観察下で行い, EMRが及ぼす粘膜下血管への影響について実験的に検討した.実験には成犬10頭を用いた.赤外線電子スコープでは通常光では観察されない粘膜下血管がC領域で2mm程度の太さで樹枝状に描出され, microangiographyにより描出された血管を観察すると,血管描出部には筋層流入部までの粘膜下層を横走する,粘膜下層でも径の太い動脈,静脈が走行していた.描出された血管部にEMRを行い血管に及ぶ影響をmicroangiographyで観察すると,EMRによる血管の損傷はEMRの長径が10mm未満では少なかったが, EMRの長径が15mm以上では血管損傷率が85.7%と高くなった.血管の損傷はEMR部の辺縁で粘膜下層を横走する部の血管の断裂したものが多かったが,筋層流入部付近の血管の断裂も観察された.
  • 小山 孝則, 松永 千佳, 緒方 伸一, 野田 隆博, 武藤 義孝, 綱田 誠司, 後藤 祐大, 森田 秀祐, 大山 隆, 坂田 祐之, 岩 ...
    1997 年 39 巻 1 号 p. 10-18
    発行日: 1997/01/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     出血性潰瘍の予後と内視鏡止血の有用性・限界を検討するため,過去14年間に当院で緊急内視鏡を行った818症例を対象に検討を行った.その結果,出血性胃潰瘍で手術となった12症例は,胃角・胃体部の小弯・後壁に存在し,動脈性出血を呈する長尾分類上の重症症例が多く,病理学的検討で潰瘍底に出血の原因となった血管が同定された.緊急内視鏡後30日以内の死亡症例に関する検討では,多くの症例が重篤な基礎疾患を有し,十二指腸潰瘍では急性球後部潰瘍の性状を有する症例が多かった.出血性十二指腸球部潰瘍の潰瘍底所見と予後に関する検討では,非出血性露出血管や新鮮凝血付着の症例は,内視鏡下にトロンビンとエピネフリンの撒布を行うだけでも,再出血率が各5.6%,15.4%と低く,胃潰瘍に比し低率にとどまることが特徴的であった.今回の結果より,出血性潰瘍の予後因子としては潰瘍底の露出血管の有無,局在部位,基礎疾患の有無が重要であると考えられた.
  • 水野 芳樹, 森 正幹, 熊田 和徳, 林 勝男, 大脇 忠, 加藤 孝治
    1997 年 39 巻 1 号 p. 19-25
    発行日: 1997/01/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     1982年より1994年12月までに当院で経験した36例の赤痢アメーバ症の中で大腸内視鏡検査を施行した21例について検討した.アメーバ性大腸炎の好発部位は直腸,回盲部であった.病変は典型的なskipした,タコイボ潰瘍,びらん,発赤から不整形,融合した潰瘍の非典型例まで多彩な内視鏡像を認めた.潰瘍,びらんは治療により速やかに消失するも発赤は比較的長期間残存していた.9例のアメーバ性肝膿瘍合併例の内視鏡像は潰瘍の著しい例からまったく所見の認めない例まで認めた.診断はアメーバ原虫を16例(76.2%)に証明できたが,検出率の向上のためには糞便,内視鏡下便汁,生検検査の併用が必要である.
  • 住吉 健一, 小山 茂樹, 作本 仁志, 安藤 朗, 井上 久行, 藤山 佳秀, 馬場 忠雄, 岡部 英俊
    1997 年 39 巻 1 号 p. 26-32
    発行日: 1997/01/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    1978年10月から1995年4月まで当院にて上部消化管内視鏡検査を施行した14,000症例の内,生検にて腺腫と診断された190症例,213病変を対象とした.胃腺腫に合併した胃癌症例を時間的,空間的に同時性同部位,同時性他部位,異時性同部位,異時性他部位の4群に分類し検討した.胃腺腫の発生頻度は,1.36%で平均年齢は62.4歳,性比1.9:1と男性に多い傾向が認められた.胃腺腫に合併した胃癌症例は36症例,18.9%で,平均年齢は70.0歳であった.同時性同部位症例は14例,同時性他部位症例は16例で,併存癌病変はすべて腺腫病変と同領域または口側領域であった.異時性同部位症例は5例,異時性他部位症例は1症例であった.腺腫病変を見つけた場合,癌合併を年頭に置き詳細な内視鏡観察と定期的な経過観察が必要と考えられた.
  • 佐々木 巌, 岡崎 幸一郎, 猪又 義光, 鈴木 博昭
    1997 年 39 巻 1 号 p. 33-41
    発行日: 1997/01/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     大腸内視鏡時に患者に苦痛を与えず安全に検査,治療を行なう目的で48名の患者に意識下鎮静法(Con-scious sedation)とMonitoringを使用し,その重要性について検討した.前処置は通常どうりに行ない,内視鏡施行直前にフルニトラゼパム平均12μg/kgを静注した.モニターは自動血圧計とパルスオキシメーターを全例に使用し必要に応じて心電図も使用した.内視鏡施行中は患者の疼痛,全身状態に応じフルニトラゼパムを適宜追加した.終了時にベンゾジアゼピン拮抗薬であるフルマゼニル平均gig/kgを静注した.意識下鎮静法の前後での心拍数の変化は僅かであり,血圧は高血圧既往患者の7名を含めて全例意識下鎮静法後に低下傾向を示した。動脈血酸素飽和度は意識下鎮静法後約5%程度低下したが酸素吸入等の処置を必要とした症例はなかった.ペインスコアは有意に低値であったが,開腹術既往のある患者では比較的疼痛が強いことが分った.
  • 中村 雄太, 中澤 三郎, 山雄 健次, 芳野 純治, 乾 和郎, 山近 仁, 印牧 直人, 若林 貴夫, 奥嶋 一武, 岩瀬 輝彦, 滝 ...
    1997 年 39 巻 1 号 p. 42-51
    発行日: 1997/01/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     病理診断の確定している膵管内乳頭腫瘍切除20例に対し膵管内超音波検査(IDUS)を行い,その有用性を検討した.IDUSによる本腫瘍の超音波所見は多房性嚢胞,壁肥厚,壁在結節,粘液エコー,mixed patternを示す腫瘤像であり,壁在結節は腺腫以上,mixed patternは浸潤癌の症例に認められた.病理組織学的検討から壁肥厚,壁在結節の有無とその高さを3mm以下,4mm以上で区分しIDUS像を4型,Type I (壁肥厚,壁在結節なし),Type II(3mm以下の壁肥厚,壁在結節),Type III (4mm以上の壁肥厚,壁在結節,あるいは嚢胞内に充満する腫瘤像),Type IV(mixedpatternを示す腫瘤像,あるいは膵管壁の断裂像)に分類した.その結果Type I,IIには癌の症例はなく,Type III,IVは癌のST100%,SP82%,AC89%であった.また,Type IVは実質浸潤の所見と考えられた.IDUSは良悪性の鑑別,治療方針の決定に有用な検査法であった.
  • 安村 政芳, 西本 研志, 塩谷 敏和, 島 基, 池本 英司, 西野 伸夫, 伊藤 秀一, 西岡 新吾
    1997 年 39 巻 1 号 p. 52-55
    発行日: 1997/01/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    症例は43歳,男性.平成5年1月9日心窩部痛,嘔気のため当内科を受診した.1月16日上部消化管内視鏡検査で,門歯より32cmの食道後壁に縦に並んだ,赤色調,類:円形の軽度の陥凹性病変を2個認め,その大きさは近位側のものが径約3mm,遠位側のものが径約5mmであった.2か所の病変部からの生検では,正常食道扁平上皮と連続して噴門腺の組織が認められ,食道異所性胃粘膜島と診断した.平成6年3月12日の内視鏡検査では,遠位側の病変に明らかな縮小変化を認めた.これは食道粘膜欠損が円柱上皮に置き換わったものであり,更に経過と共に再度扁平上皮に置き換わる過程を示したものと考えられ,食道粘膜障害の治癒過程における粘膜上皮の変化を考える上で貴重な症例と思われる.
  • 村井 政子, 加藤 俊幸, 斎藤 征史, 秋山 修宏, 角田 二郎, 小越 和栄
    1997 年 39 巻 1 号 p. 56-61
    発行日: 1997/01/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    症例は70歳,女性.1988年胃集検で胃病変が指摘され来院.胃ポリープを認め経過観察を行うことにした.1991年の検査では胃ポリープとは別に,胃体中部後壁に隆起病変を認めた生検ではgroup IIIであった.さらに1992年7月の内視鏡検査では,胃病変とともに中部食道に発赤を認め,表在平坦型(0-IIb)食道癌と診断された.同年9月,両病変に対してEMRを施行した.食道病変は7×6mmの0-IIb,ml,中分化型扁平上皮癌であった.胃病変はEMR後の組織診断では0IIa,m,tub1の早;期胃癌と診断された.以上から同時性食道胃早期重複癌と診断され,両病変ともに内視鏡的粘膜切除(EMR)により切除しえた症例である.なお3年半後の現在まで,両病変ともに再発を認めていない.
  • 西川 潤, 柳井 秀雄, 松元 裕輔, 時山 裕, 祐徳 浩紀, 日野 啓輔, 多田 正弘, 沖田 極
    1997 年 39 巻 1 号 p. 62-67
    発行日: 1997/01/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    60歳,男性.胃体中部大彎のOI型早期胃癌においてIn situ hybridization法を用いて,Epstein-Barrvirus(EBV)を検出した.EBV関連胃癌は,一般に著明なリンパ球浸潤を伴う中分化型から低分化の腺癌が多いが,本例は,粘膜下層では典型的な組織像を呈していたのに対して,腫瘍表層部に高分化型腺癌の部分を有しており,EBV関連胃癌の初期像を考える上で興味深い症例であった.
  • 磯本 一, 松永 圭一郎, 宿輪 三郎, 大福地 恵, 水田 陽平, 牧山 和也, 河野 茂
    1997 年 39 巻 1 号 p. 68-72
    発行日: 1997/01/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    症例は59歳,男性,主訴は心窩部痛と嘔気.胃内視鏡検査では胃体部大彎に発赤,びらん,皺襞の肥大を認め,組織学的には軽度の好中球浸潤を伴った慢性胃炎像であった.Helicobacter pyloriは検出されなかったが,塗抹法でCastrospirillum hominis(G.hosninis)が認められた.12カ月後再度施行した内視鏡所見及び生検組織像では,胃粘膜はほぼ正常化しており,G.hominisは消失していた. われわれは極めて稀なG.hominis感染を伴った胃体部胃炎を経験したので報告する.
  • 山本 貴章, 白部 多可史, 森 俊雄, 徳原 秀典, 篠田 昌宏, 竹中 能文
    1997 年 39 巻 1 号 p. 73-78
    発行日: 1997/01/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    症例は79歳,男性.上腹部痛を主訴として来院.上部消化管内視鏡検査および腹部超音波検査にて胃壁肥厚をともなう4病変よりなる多発胃癌と診断した.切除標本の肉眼的,組織学的検索の結果,びまん性胃粘膜下嚢腫により胃壁の肥厚をきたした5個の多発早期胃癌と判明した.びまん性胃粘膜下嚢腫症は多発胃癌を高頻度に合併することが知られているが,5個の多発早期胃癌の合併例は希少な症例であり報告した.
  • 遠藤 一夫, 山崎 雅彦, 葛島 達也, 深尾 俊一, 横田 広子, 中野 貞生
    1997 年 39 巻 1 号 p. 79-83
    発行日: 1997/01/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    症例は70歳の男性.内視鏡的大腸ポリープ切除後の経過観察のため施行した大腸内視鏡検査で回腸終末部に腫瘍を認めた.外科的切除した腫瘍は亜有茎性で,大きさ4.5×2.8×高さ2.2cm,病理組織学的に高分化腺癌で,深達度はmであった.極めて稀有な症例と考えられた.回腸癌の早;期発見のためには回腸終末部の観察が重要である.
  • 青木 哲哉, 大川 清孝, 佐野 弘治, 大庭 宏子, 森吉 靖子, 木岡 清英, 根引 浩子, 宋 健二, 岡 博子, 山田 英明, 針原 ...
    1997 年 39 巻 1 号 p. 84-88
    発行日: 1997/01/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    症例は35歳,男性で,腹満感を主訴に当科を受診した。患者は10年前より過敏性腸症候群の症状を有しており,また,排便時に10分以上息む習慣をもっていた.下部内視鏡検査にて肛門縁より約5cmの直腸に全周性で帯状の発赤した粘膜を認めた.生検の結果,fibromuscular obliterationの所見を認め,直腸粘膜脱症候群と診断した.超音波内視鏡では第3層の肥厚と第3層内のmicrocystic lesionを認めた.
  • 藤原 明子, 井上 裕史, 深澤 真子, 桑原 直昭, 佐々木 博雅, 友田 純, 水野 元夫, 辻 孝夫, 嶋本 文雄
    1997 年 39 巻 1 号 p. 89-94
    発行日: 1997/01/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    患者は36歳女性.血便を主訴として来院.大腸内視鏡検査を施行したところ,直腸前壁に粘膜下腫瘤様隆起を認め,表面には大小不同の発赤した顆粒状変化を伴っていた.月経に一致して血便,下腹部痛がみられた.直腸生検組織標本の追加切片で子宮内膜腺管を確認し,直腸子宮内膜症と診断した.挙児希望のためダナゾール内服治療を行い,その後の内視鏡検査で病変の消退傾向を確認した.
  • 武田 一弥, 篠原 靖, 武井 和夫, 糸井 隆夫, 堀部 俊哉, 角谷 宏, 福田 定男, 斉藤 利彦
    1997 年 39 巻 1 号 p. 95-101
    発行日: 1997/01/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    症例は76歳,女性.肝機能障害にて当科を受診.腹部US,CTにて肝内胆管の拡張とS5を中心とする7cm大の肝嚢胞を認めた.ERCにて上部胆管に狭窄を認め,胆管癌を否定し得ずPTCDおよび経皮経肝胆道鏡(PTCS)を施行した.PTCSでは,胆管狭窄部は細長い間隙となっており,胆管壁は青味を帯びて盛り上がっていた.またPTCS下の胆管内超音波検査にて,狭窄部胆管壁外に接してecho freespaceを認めた.以上より肝嚢胞の圧排による胆管狭窄と診断し,経皮的嚢胞内エタノール注入による治療を施行した.
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