日本消化器内視鏡学会雑誌
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40 巻, 6 号
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  • 山縣 さゆり, 大井田 正人, 山田 至人, 西元寺 克禮
    1998 年40 巻6 号 p. 867-877
    発行日: 1998/06/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    画像処理装置EVIP-230による適応型強調処理とIHb色彩強調処理の有用性を主観的,客観的に検討した.主観1的なものとして,41症例の陥凹型早期胃癌の画像の明瞭化を検討した.その結果,適応型強調処理は微細血管模様と胃小区模様の明瞭化に有用であり,IHb色彩強調処理は病変と周辺粘膜の色調差及び陥凹境界の明瞭化に優れていた.さらに,低レベルでの両強調処理法の併用は癌範囲診断に最も有効であった.ついで,客観的なものとして,術前癌範囲診断困難例21症例を対象としてリアルタイム併用処理下に陥凹型早期胃癌の浸潤範囲診断の検討を行った.色調別正診率は,褪色例70%,発赤例80%で,全体として21例中15例71%と比較的良好であった.また,画像処理は色素撒布が無効な褪色例にも有効であった.病理組織学的には,全層ないし表層浸潤の低分化型腺癌に有用で,中層浸潤例でも56%が正診しえた.さらに,内視鏡経験年数:に基づき熟練者及び研修者の2群で行った静止画像の検討では,病変の色調や経験年数を問わず,画像処理後の正診率は向上していた.以上の結果より,両画像処理法は胃癌の浸潤範囲診断に有用と考えられた.
  • 林 琢也, 荒井 恒憲, 日野 昌力, 下屋 正則, 黒木 雅彦, 青野 茂明, 小林 正彦, 永尾 重昭, 宮原 透, 伊藤 和郎, 田尻 ...
    1998 年40 巻6 号 p. 878-888
    発行日: 1998/06/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    内視鏡的粘膜切除術(EMR)において一回の切除で確実に病変を摘出するために,切除範囲の粘膜をあらかじめ半導体レーザーで切開してスネアをかける方法を考案し,ブタおよびイヌ胃に対し基礎実験を行った.胃穿孔防止のため,レーザー光の発振波長に吸収極大を持つ1rng/mlのインドシアニングリーン溶液を粘膜下層に注入し,レーザーを照射した.イヌ胃に対する内視鏡下非接触照射法では,切開幅が広く凝固厚みが広いものの全周切開ができ,スネアリングが可能であった.内視鏡下の接触照射では接線照射や呼吸運動の影響により,やや鈍的な切開になる場合があるものの,多くの場合で粘膜層の凝固厚みが1mm以内の鋭利な切開が可能であった.両照射法とも固有筋層の傷害はなかった.透明フードの使用,プローブの改良によりさらに容易な全周性切開が可能であると考えられ,直径2cm以上の病変のEMRにおける本法の有用性が示唆された.
  • 野村 美樹子, 藤田 直孝, 松永 厚生, 富永 現, 野田 裕, 小林 剛, 木村 克巳, 結城 豊彦, 佐藤 匡, 石田 一彦, 八子 ...
    1998 年40 巻6 号 p. 889-895
    発行日: 1998/06/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    20MHzの高周波数細径超音波プローブによる生体内での正常直腸壁層構造の描出能について,腸管の伸展度を変え(伸展強,伸展弱),機種別(オリンパス社製UM3R,フジノン社製SP501)に検討した.正常直腸壁の超音波検査に同意が得られた20例を対象とした.直腸壁は最大11層に描出された.この11層を上層から順に1,2a,2b,2c,3a,3b,3c,4a,4b,4c,5層と呼称し,以下の結果を得た.1)2bの描出率が最も高かったのは,SP501伸展弱で25%であった.2)3bの描出率が最も高かったのは,UM3R伸展弱で55%であった.3)4bは2b,3bに比べ描出率が高く,SP501伸展弱では95%に達した.4)いずれの機種でも伸展強に比べ,伸展弱での描出率が高かった.以上より,同じ20MHzの細径プローブでも機種によって,また,腸管の伸展度の違いによって,直腸壁層構造の描出能に違いがあることが示された.
  • 二階堂 ともみ, 山科 哲朗, 丸山 裕, 村上 系, 大久保 俊一, 新津 洋司郎
    1998 年40 巻6 号 p. 896-900
    発行日: 1998/06/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    症例は49歳,女性.腹部膨満感を主訴に入院.甲状腺機能低下症,精神発達遅延,自皮症を合併していた.胃内視鏡で,巨大な毛髪胃石を認めたが,その内科的な摘出の試みは不成功に終わり,胃切開で重量890gの胃の鋳型状の毛髪胃石を摘出した.その後,甲状腺剤の内服および定期的な胃内視鏡を施行しているが,胃石の再発は見られていない.本症例の胃石形成の原因として,甲状腺機能低下症の関与が示唆された.
  • 道免 和文, 大塚 容子, 高橋 浩一郎, 宮本 祐一, 下田 悠一郎, 入江 康司, 石橋 大海
    1998 年40 巻6 号 p. 901-906
    発行日: 1998/06/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    症例は70歳,男性.IgA腎症,C型肝硬変を基礎疾患に有し,進行した慢性腎不全に対し透析治療を開始した.その経過中に下血を来し,上部消化管内視鏡検査にてGastric antral vascular ectasia(GAVE)と診断された.同疾患に対し,Heater probe焼灼治療を行った.治療4カ月後,焼灼部に一致して多発性の隆起性病変を認め,生検にて過形成性ポリープと診断された.本症例では長期間にわたりH2受容体拮抗剤が投与されていた.本症例はGAVEに対する治療法,GAVEにおける胃粘膜の修復機序を考える上で示唆に富むため報告した.
  • 尾本 きよか, 金城 盛男, 菊地 馨, 慶田 喜秀
    1998 年40 巻6 号 p. 907-913
    発行日: 1998/06/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    エルシニア腸炎3例を経験した.微熱,右下腹部の軽度圧痛や軽度炎症所見を認め,腹部超音波検査で回腸末端の腸管壁肥厚と多数の腸間膜リンパ節腫大あり,回腸末端炎と診断し,経過などからエルシニア腸炎を疑った.大腸内視鏡検査で終末回腸に発赤,腫脹,多数の円型隆起性病変,白苔を伴う浅い不整形潰瘍を認め,同部の生検粘膜の培養によりYersinia enterocolitica(以下Y.e.)が同定されエルシニア腸炎と確診した.
  • 堀田 和亜, 安武 晃一, 西崎 朗, 中島 卓利, 廣畑 成也, 田村 孝雄, 岩本 和也
    1998 年40 巻6 号 p. 914-918
    発行日: 1998/06/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    症例は59歳男性.右下顎歯肉腫瘍精査目的にて入院,右下顎歯肉腫瘍は肺大細胞癌の転移と診断した.一方,胸部X線検査で左肺尖部に2cm大の腫瘍を認め,気管支鏡下擦過細胞診でも同様の細胞が得られた.第35病日に血便を認めたため,大腸内視鏡検査施行.S状結腸に15mmの易出血性多房性亜有茎腫瘍を認め,病理組織検査にて,肺大細胞癌の転移と診断した.腫瘍の形態より内視鏡的切除可能と判断し,止血目的にて内視鏡的切除を施行した.切除後血便は消失し,内視鏡的切除は有効であったと考えられた.
  • 久居 弘幸, 佐々木 宏嘉, 斉藤 忠範, 片平 竜郎, 高橋 康雄
    1998 年40 巻6 号 p. 919-924
    発行日: 1998/06/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    症例は74歳,女性.家族歴,既往歴に特記すべきことなし.平成8年5月,心窩部不快感を主訴に当院受診.肝胆道系酵素の上昇を認め,同年6月に施行したERCPの際に,Vater乳頭肛側に頭部が分葉多結節状の有茎性ポリープを認めた.同年11月に基部に留置スネアーを置き,分割切除した.病理組織学的には,Peutz-Jeghers型過誤腫性ポリープであった.切除6カ月後の内視鏡検査では再発は認めていない.
  • 松田 充, 荻野 英朗, 里村 吉威, 中川 彦人, 鵜浦 雅志, 三輪 淳夫
    1998 年40 巻6 号 p. 925-930
    発行日: 1998/06/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    症例は75歳,女性.肝腫瘍の精査目的にて入院.B型肝硬変,肝細胞癌(HCC)と診断し,平成8年2月より計6回の肝動脈塞栓術を行った.同年3月の内視鏡検査では胃体上部小彎に壁外性圧排像を認めたが,同年12月には同部位に潰瘍を形成,平成9年2月には腫瘤へ変化し,さらに同年3月には腫瘤は自潰し消化管出血にて死亡した.剖検では肝左葉のHCCが直接胃壁へ浸潤し胃内腔へ突出しており,組織学的には中分化型HCCであった.
  • 中水流 正一, 肱岡 泰三, 榊原 充, 佐々木 香織, 薬師神 崇行, 岡田 則子, 宮城 琢也, 中西 文彦, 早川 勇二, 堀田 司, ...
    1998 年40 巻6 号 p. 931-936
    発行日: 1998/06/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    症例は28歳女性で,肝腫瘤を指摘され入院した.腹部超音波,CT等で肝左葉に星芒状の中心性瘢痕を伴うhypervascularな腫瘤を認め,肝限局性結節性過形成(FNH)が疑われた.ICG静注腹腔鏡検査で腫瘤の染色を観察できず,悪性腫瘍の可能性を否定しきれないため,拡大肝左葉切除施行し,病理組織学的にFNHと診断した.術前高値であった血清DU-PAN-2は術後正常値となり,切除組織の免疫化学染色ではDU-PAN-2陽性肝細胞を認めた.
  • 菅田 英明, 藤田 直孝, 野田 裕, 小林 剛, 木村 克巳, 八子 章生, 結城 豊彦, 松永 厚生, 富永 現, 野村 美樹子, 佐藤 ...
    1998 年40 巻6 号 p. 937-942
    発行日: 1998/06/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    術後の主膵管狭窄に対し,内視鏡的膵管ステント留置術によるドレナージが奏功した1例を経験した.症例は59歳,女性.膵に高度に癒着した後腹膜腫瘍(神経鞘腫)の切除術直後より,上腹部痛,発熱,および血清アミラーゼ値の上昇を認めた.膵酵素阻害剤を投与するも,症状が反復持続し治療に抵抗を示した.ERPにて膵頭部主膵管の狭窄及び尾側膵管の拡張を認め,膵液の流出障害が疼痛の原因と考えられた.内視鏡的に膵管内にステントを留置したところ,症状は速やかに改善した.ステントは210日間留置し,その後抜去した.ステント留置中及び抜去後も症状の再燃なく,経過良好である.
  • 小林 剛, 藤田 直孝, 野田 裕, 木村 克巳, 八子 章生, 菊地 達也, 菅田 英明, 内海 潔
    1998 年40 巻6 号 p. 943-947
    発行日: 1998/06/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    症例は再燃を繰り返す慢性膵炎例で,膵頭部の主膵管狭窄に対し膵管内にステントを留置した(以下,膵管ステント).後日,ステントのピッグテイル部が拡張膵管内で丸まり,その収縮力によってステントの膵管内迷入が生じた.内視鏡的な回収に難渋したが,Soehendraらによって胆道用として開発されたstent retrieverを,膵管ステントに応用し回収可能となった.このretrieverの特徴はネジ釘状の先端部が,ガイドワイヤーの使用によりステントと同軸化できる構造になっている点である.そのためretriever先端が容易にステント内腔に先進可能で,把持力も強力であった.さらに内視鏡を抜去することなく鉗子口からステントを回収することも可能である.この方法は膵管ステントの偶発症として頻度の高い,ステントの膵管内迷入例に効果的な回収法と考えられた.
  • 1998 年40 巻6 号 p. 948
    発行日: 1998/06/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
  • 1998 年40 巻6 号 p. 949-951
    発行日: 1998/06/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
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