日本消化器内視鏡学会雑誌
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41 巻, 2 号
選択された号の論文の13件中1~13を表示しています
  • 菅田 英明, 藤田 直孝, 結城 豊彦, 佐藤 匡, 石田 一彦, 野田 裕, 小林 剛, 木村 克巳, 松永 厚生, 野村 美樹子, 八子 ...
    1999 年 41 巻 2 号 p. 151-156
    発行日: 1999/02/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     今回内視鏡的に切除した食道平滑筋腫14例の臨床的および病理学的検討を行った.腫瘍の多くは胸部上中部食道,前壁,左側壁に発見されることが多く,内視鏡所見は山田I型の卵円形,白色調隆起を呈する粘膜下腫瘍として観察された.ヨード染色を施行した9例中4例(44%)に腫瘍頂部から口側に不染域を認めた.EUSは腫瘍の食道壁内局在診断に優れ,内視鏡的切除の適応を決定する上で有用であった.キャップ吸引法による切除は安全で,また切除標本の病理診断の点からも有用であった.本症はしばしば腫瘍頂部上皮に異型性を認め,癌の発生母地としての可能性も否定できず,内視鏡的切除を第一に考慮するのが好ましいと考えられた.
  • 千島 功子, 桑山 肇
    1999 年 41 巻 2 号 p. 157-165
    発行日: 1999/02/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     Helicobacter pylori(HP)感染症診断において除菌判定も含めた13C-尿素呼気試験(13C-UBT)のわが国での実施基準の確立のため,日本人の消化性潰瘍症例の除菌前後を中心に延べ110例に13C-UBTを施行し内視鏡的診断法と比較検討した.空腹時13C尿素100mg服用前後各1回座位での呼気採取法で実施し,ROC曲線から測定ポイント30分,カットオフ値2.5‰と設定した(感度98.3%,特異度96.0%,一致率97.3%).さらにHP陽性消化性潰瘍46例を対象として,13C-UBTのUBT値および呼気排出パターンの臨床的意義を,内視鏡所見(潰瘍の部位および活動性),組織所見(菌量,炎症および程度の活動性,萎縮の程度),血清変化(抗HPIgG抗体価,ペプシノーゲン値)について検討した.組織学的菌量においてのみ有意な正の相関を認めた(10~30分値r=0.43~0.37).UBT値および呼気排出パターンはHP陽性消化性潰瘍の内視鏡所見,胃粘膜組織所見,血清変化を直接反映しないが,検査時点での菌量を反映しており,13C-UBTはHP感染診断,除菌判定には最適な検査法であると思われた.
  • 山科 哲朗, 赤澤 修吾, 丸山 裕, 二階堂 ともみ, 大久保 俊一, 西堀 恭樹, 中村 とき子, 新津 洋司郎
    1999 年 41 巻 2 号 p. 166-168
    発行日: 1999/02/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     症例は79歳,男性.孫との遊びの最中に腹部に強い衝撃を受け,翌朝突然の吐血をきたしショック状態で入院となった.緊急内視鏡検査では食道胃接合部粘膜に広く離開した裂創を認めた.発症の経緯から推測して急激な腹圧の上昇を起因としたMalloly-Weiss症候群と診断し,内視鏡的止血術を施行した.本症候群の止血法にはクリップ法が有効であり,また診断の際には食道破裂との鑑別のため慎重な臨床経過の観察が必要であると考えられた.
  • 山田 恭司, 千佐 俊博, 野崎 久充, 四万村 司, 牧角 良二, 須田 泰史, 安彦 篤, 桜井 丈, 前田 壽哉, 岩崎 光彦, 草刈 ...
    1999 年 41 巻 2 号 p. 169-175
    発行日: 1999/02/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     門脈血栓症において特殊な内視鏡像を呈した十二指腸リンパ管拡張症の1例を経験した.症例は65歳男性,腹部CTでは門脈に血栓形成,上部消化管内視鏡検査では食道静脈瘤と十二指腸に強い発赤を呈し,表面に白斑の散在する多数の結節状病変を認めた.組織所見よりリンパ管拡張症と診断した.内視鏡像は発赤が強く,リンパ管拡張症としては特殊で門脈うっ滞により修飾された病変と考えられた.十二指腸リンパ管拡張症と報告された本邦18例では基礎疾患として肝胆道系疾患が1/3を占めた.
  • 眞部 紀明, 大越 裕章, 日高 徹, 武田 祥佳, 藤本 佳史, 明崎 満, 奥原 種臣
    1999 年 41 巻 2 号 p. 176-181
    発行日: 1999/02/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     患者は70歳男性,下血を主訴にショック状態となり緊急入院した.緊急内視鏡検査を施行するも十二指腸に粘膜下腫瘍様隆起を認める以外出血源は不明であった.出血シンチ,腹部CT,超音波内視鏡検査にて胃十二指腸動脈瘤の十二指腸穿破を疑い,血管造影検査にて確診した.その後,再び出血性ショックとなり緊急手術となった.動脈瘤は十二指腸second portionと癒着しており,一部に瘻孔を認めた.動脈瘤壁は,中膜筋層の萎縮と部分的に石灰沈着を認め,動脈硬化性病変に一致していた.術後,再出血なく経過良好である.
  • 須藤 弘之, 東 健, 大谷 昌弘, 伊藤 義幸, 宮地 英生, 山崎 幸直, 伊藤 重二, 栗山 勝
    1999 年 41 巻 2 号 p. 182-187
    発行日: 1999/02/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     症例は68歳男性.主訴は食欲不振,体重減少.上部消化管内視鏡検査で吻合部口側の潰瘍,十二指腸の顆粒状粘膜を認め,大腸内視鏡検査で粘膜粗造,S状結腸から直腸にポリープ様隆起性病変を多数認めた.いずれの生検標本でも粘膜下層を中心にアミロイドの沈着を認めた.検査所見から,原発性と考えられ,また,吸収不良症候群,蛋白漏出性胃腸症の合併も認めた.剖検では小腸にもポリープ様隆起性病変の多発を認めた.
  • 鈴木 典子, 中村 志郎, 十河 光栄, 松本 誉之, 荒川 哲男, 西口 幸雄, 玉森 豊, 前田 清, 平川 弘聖, 石黒 信吾, 黒木 ...
    1999 年 41 巻 2 号 p. 188-192
    発行日: 1999/02/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     症例は57歳男性.検診でCEA軽度高値を指摘されたため注腸検査,大腸内視鏡検査が施行された.S状結腸に有茎性病変を認め,同病変は隆起を二分するくびれを有するダルマ型を呈していた.その近傍にsm massive癌が存在したため,両者に対しS状結腸切除術が施行された.ダルマ型病変は,病理組織学的に,粘膜内に腺腫内癌が,粘膜下には多量の粘液を含む粘液結節がみとめられ,粘液結節内の細胞成分は僅かで,異型が弱く,pseudo invasionを伴うm癌と診断された.特異な形態はpseudo invasionにより形成された粘液結節に起因するものであった.
  • 浜本 順博, 平田 一郎, 村野 実之, 佐々木 伸一, 森川 浩志, 前村 憲太朗, 大坂 直文, 田中 雅也, 勝 健一, 西口 完二, ...
    1999 年 41 巻 2 号 p. 193-198
    発行日: 1999/02/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     症例は41歳,男性.大腸内視鏡検査で盲腸底部の虫垂開口部に一致して半球状の粘膜下腫瘤様隆起を認めた.虫垂粘液瘤が疑われる所見であったが腹部CT,大腸EUSでは充実性腫瘤様であり,平滑筋腫も疑われた.腹腔鏡下回盲部切除術が行われ,組織学的に線維芽細胞と豊富な膠原線維を主体とした肉芽腫性病変で好酸球浸潤を伴い虫垂Inflammatory Fibroid Polypと診断した.大腸IFPは稀で,虫垂発生例は本例が3例目である.
  • 中沢 和之, 土橋 重隆, 中江 遵義, 勘野 貴之, 向林 知津, 生馬 和樹, 熊本 光孝, 石原 靖士, 谷口 友志, 清水 達也, ...
    1999 年 41 巻 2 号 p. 199-202
    発行日: 1999/02/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     症例は67歳,女性.平成9年12月9日右季肋部痛と嘔吐出現.12月14日,症状が持続するため,精査加療目的で,当院を紹介され,同日入院した.内視鏡的逆行性胆管造影では径1cm大の胆石と胆嚢結腸瘻を認めた.平成10年1月22日腹腔鏡下に瘻孔部位を確認し,endo GIA®にて切離縫合した.特発性内胆汁瘻の中で,胆嚢結腸瘻は比較的まれな疾患であり,一般的には開腹下に胆嚢摘出術と瘻孔閉鎖切除術にて治療されている.今回われわれは,腹腔鏡下に治療しえた胆嚢結腸瘻の1例を経験したので報告した.
  • 小沢 俊文, 中澤 三郎, 乾 和郎, 芳野 純治, 若林 貴夫, 奥嶋 一武, 中村 雄太, 高島 東伸, 鵜飼 宏司, 三戸 隆, 江藤 ...
    1999 年 41 巻 2 号 p. 203-209
    発行日: 1999/02/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     症例は88歳,女性で,主訴は全身倦怠感と黄疸であった.平成9年8月より主訴が出現し,肝機能障害の精査目的に当院に入院となった.腹部超音波検査では総胆管内に3個の結石エコーを認めた.ERCPで肝外胆管は憩室様突出と狭窄を交互に繰り返し,全体として『昆布様』形態を呈していた.PTCSにて切石を実施した後の観察では,胆管内に瘢痕と憩室様突出が多発していた.胆管内超音波検査では瘢痕部で第2層の著明な肥厚を認めたが,憩室様突出部では壁肥厚はみられなかった.胆管生検では上皮のびらんと炎症細胞浸潤および線維性結合組織の増生を認め,肝生検では肝内胆管周囲の軽度のリンパ球浸潤のみであった.原発性硬化性胆管炎との鑑別診断に関し直接胆道造影所見が重要かつ有用であり,病因として動脈硬化を背景とした胆管周囲動脈叢の虚血や結石を含めた何らかの炎症による可能性が考えられた.
  • 青木 茂, 山田 潤一, 岩田 章裕, 宮木 知克, 大原 弘隆, 伊藤 誠
    1999 年 41 巻 2 号 p. 210-214
    発行日: 1999/02/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     症例は67歳女性.心窩部痛を主訴に来院.上部消化管内視鏡検査で,Vater乳頭開口部から新鮮血の流出を認め入院となった.内視鏡的逆行性膵胆管造影では,主膵管の狭窄と副膵管の不整な拡張,蛇行を認め,経鼻的膵管ドレナージ術を施行した.膵液細胞診でもクラスIVであった.膵癌と診断し,膵頭十二指腸切除術を施行した.Vater乳頭部からの出血をきたした膵癌の報告は本邦では2例のみであり,極めてまれな症例と考え報告した.
  • 日本消化器内視鏡学会消毒委員会
    1999 年 41 巻 2 号 p. 215-219
    発行日: 1999/02/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
  • 小越 和栄
    1999 年 41 巻 2 号 p. 220-222
    発行日: 1999/02/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
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