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杉本 泉, 成宮 徳親, 坂部 俊一, 老山 大輔, 古島 寛之, 金井 英一, 伊藤 良浩, 浜田 宏子, 丸山 達志, 宮島 浩人, 佐 ...
2000 年 42 巻 6 号 p.
1047-1052
発行日: 2000/06/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
半導体レーザーの発振波長は800nm付近の近赤外域で,ICGの吸収スペクトラム(805nm)と近接しており,この特徴を利川し,ICGを併用した半導体レーザー照射法について基礎的に検討した.摘出したブタ胃粘膜表面にICG溶液を散布し半導体レーザー照射を行うと,照射されたレーザー光がICGに吸収されるため粘膜蒸散能力が増強し,粘膜を蒸散する時間を短縮することが可能であった.ICG溶液粘膜下層注入を組み合わせると,粘膜蒸散能力はさらに増強した.ICG溶液の粘膜下層注人と粘膜表面散布を行い25Wの出力で半導体レーザー照射を行うと,5秒間の照射時問で胃粘膜層が完全に蒸散されることが確認された.また,組織学的にはレーザー照射による固有筋層の傷害は認められず,この手技において胃穿孔の危険はないと考えられた.
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田中 育太, 山科 哲朗, 赤澤 修吾, 西堀 恭樹, 住吉 徹哉, 新津 洋司郎
2000 年 42 巻 6 号 p.
1053-1057
発行日: 2000/06/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
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症例は52歳,男性.食道癌(低分化型扁平上皮癌,stage IV)で化学療法が行われ完全寛解が得られていたが,寛解導入の約3カ月後に頭痛,眩量が出現した.各種画像所見,髄液細胞診から食道癌による髄膜癌腫症と診断した.担癌患者に中枢神経症状の出現をみた場合,稀な病態であるが髄膜癌腫症の可能性も念頭に置くべきと考えられた.
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若浜 理, 西川 秀司, 宮下 憲暢, 工藤 俊彦, 永坂 敦, 樋口 晶文
2000 年 42 巻 6 号 p.
1058-1062
発行日: 2000/06/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
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症例は74歳,男性.健診目的の上部消化管内視鏡検査で,胸部食道に約0.5cmの淡黄色扁平隆起性病変を認めた.生検による病理組織学的検索でカルチノイドを疑い,内視鏡的粘膜切除術を施行した.病理組織学的所見では,小型類円形核を有し淡明な細胞質から成る腫瘍細胞が,粘膜固有層に限局し胞巣状,索状,リボン状配列で増殖していた.免疫組織化学的所見では,S-100 proteinとneuronspecific enolaseが陽性で,カルチノイドと診断された.極めて稀な食道カルチノイドを文献的考察も含め報告した.
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今津 浩喜, 庄司 光孝, 船曳 孝彦, 落合 正宏, 桜井 洋一, 松原 俊樹, 長谷川 茂, 神保 康子, 小林 栄孝, 中山 邦久, ...
2000 年 42 巻 6 号 p.
1063-1071
発行日: 2000/06/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
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78歳,女性.他院入院中貧血精査目的の上部消化管内視鏡検査にて幽門前庭部に全周性発赤帯を認め,精査目的に当科入院.入院時血液検査にて抗核抗体陽性,ガストリン上昇を認めた.上部消化管内視鏡検査所見は幽門前庭部粘膜の毛細血管拡張が主体で,病理組織学的所見は粘膜下層を主体の著明なうっ血を伴った小血管拡張で,胃前庭部毛細血管拡張症(GAVE)として矛盾しない病理所見であった.ヒートプローブ療法を行い,3カ月後幽門前庭部粘膜は正常化した.本症例において,免疫組織化学的に幽門腺底部腺管での局所的な抗原抗体反応の存在と幽門部におけるガストリン産生細胞の増加がみられたことから,自己抗体による局所的な反応によって幽門前庭部の局所血管拡張を来していた可能性も考えられた.今後これらの関連についても詳細に検討する必要があると考えた.
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佐藤 康史, 村松 博士, 住吉 葉子, 佐藤 勉, 栗林 景晶, 長岡 康裕, 佐藤 よしみ, 深浦 純生, 信岡 純, 高山 哲治, 新 ...
2000 年 42 巻 6 号 p.
1072-1077
発行日: 2000/06/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
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症例は74歳男性.上腹部痛を主訴として近医を受診し,X線胃検査および内視鏡で胃角部の潰瘍および前庭部の胃粘膜下腫瘍(以下SMT)を指摘され,精査目的で入院となった.内視鏡的超音波検査法(以下EUS)では,上記SMTおよび前庭部ならびに胃体部,胃噴門部の第3層内に無エコー領域が多発性に認められ,SMT部位からの内視鏡的粘膜切除術(以下EMR)標本でも粘膜下層に胃腺の嚢胞状拡張を認めた.以上より多発性びまん性胃粘膜下嚢腫症と確診した.本症の診断には,EUSとEMRが有用と考えられた.
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中村 二郎, 吉田 経雄, 滝澤 登一郎
2000 年 42 巻 6 号 p.
1078-1083
発行日: 2000/06/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
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症例は55歳,男性.上部消化管内視鏡検査で十二指腸球部上・後面中心の1/2周扁平隆起性病変を認めた.上部消化管造影検査,超音波内視鏡検査所見よりSMに浸潤した早期癌が強く疑われ,リンパ節郭清を伴う幽門側胃切除,十二指腸部分切除を施行した.病理診断は深達度sm1の早期癌で免疫染色の結果等から,十二指腸粘膜から発生した胃腺窩上皮型粘液形質を示すdenovo癌の可能性が強く示唆された.
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丹羽 治男, 岡 勇二, 日下部 篤彦, 鮫島 庸一, 春田 純一, 山口 丈夫, 鳥井 圭子, 佐久間 晶子, 南 正明, 楠神 和男
2000 年 42 巻 6 号 p.
1084-1089
発行日: 2000/06/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
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症例は,67歳の男性で,高血圧,糖尿病,胃潰瘍のため通院中,平成10年2月18日突然の腹痛,血性下痢のため入院した.理学所見で右下腹部および謄部に圧痛を認め,入院時の血液検査では強い炎症反応が認められた.腹部CTでは回腸末端の壁肥厚と空腸の拡張があり,腹部大動脈は高度に石灰化していた.同日下部消化管内視鏡検査を施行したところ,回盲弁より10cm口側の回腸から連続した縦走傾向のある不整形の浅い潰瘍を認め,その周囲の粘膜は浮腫状で発赤を認めた.生検組織の細菌培養で病原菌は同定されず,病理組織学的には粘膜の浮腫と出血,好中球を主体とした軽度の炎症細胞浸潤がみられた.保存的治療にて自覚症状・炎症所見とも徐々に軽快した.第15病日の小腸造影では,回腸末端に小潰瘍を認めた.第29病日の下部消化管内視鏡検査では,前回潰瘍のあった部位に一致した粘膜の顎粒状変化と雛壁の変形を認め,病理組織検査にてヘモジデリンの沈着を認めた.以上各種検査や臨床経過から本症例は一過性型虚血性小腸炎と考えられた.
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鈴木 裕, 本間 照, 小林 正明, 中村 厚夫, 東谷 正来, 竹内 学, 林 俊壱, 成澤 林太郎, 朝倉 均, 味岡 洋一
2000 年 42 巻 6 号 p.
1090-1095
発行日: 2000/06/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
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症例は66歳,男性.大腸内視鏡検査で横行結腸に約2.5mm大の表面陥凹(IIc+IIa)型病変を認めた.陥凹は境界明瞭な星芒状を呈し,pitはIIIs型であった.腺腫または粘膜内癌を疑ったが,事情により経過観察とした.半年後に再検したところ,形態は陥凹のない扁平隆起(IIa型)になり,pitもIII
L型に変化していた.病理診断は低異型腺腫であった.表面陥凹型大腸腺腫の形態変化を観察しえた貴重な症例と思われ,文献的考察を加えて報告した.
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北島 竜美, 林 裕之, 伊部 直之, 辰巳 靖, 道伝 研司, 白崎 信二, 細川 治, 武田 孝之, 渡辺 国重, 津田 昇志
2000 年 42 巻 6 号 p.
1096-1101
発行日: 2000/06/20
公開日: 2011/05/09
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症例は84歳女性.10カ月前に脳出血で手術を受けた後より寝たきり状態で,反復する発熱と右側腹部痛のために紹介された.急性無石胆嚢炎の診断で,経皮的胆嚢ドレナージを行い,急性炎症を消退させた.胆嚢管閉塞を原因として無石胆嚢炎が発生したと考えられたが,高齢かつpoor riskにより手術適応はないと判断された.胆嚢炎再発予防を目的に内瘻術:経乳頭的胆嚢ドレナージ術を試み,胆嚢炎の再燃や合併症なく良好な結果を得たので報告する.
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山崎 和文, 佐藤 尚一, 神崎 真一郎, 森川 俊一, 田浦 幸一, 川本 充, 磯本 一, 竹島 史直, 水田 陽平, 村瀬 邦彦, 村 ...
2000 年 42 巻 6 号 p.
1102-1107
発行日: 2000/06/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
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症例は46歳男性.元来大酒家であったが,左側腹部痛が持続するため,注腸X線検査を施行され,脾彎曲部近傍の下行結腸に限局性の狭窄所見が認められた.大腸内視鏡検査では,狭窄部の粘膜は浮腫状であり,発赤,潰瘍,びらんはみられなかった.保存的治療により,1カ月半後の注腸造影では,狭窄所見の消失をみた.CT上,膵臓には石灰化が存在し,経過中に膵尾部に嚢胞の形成を認め,エラスターゼ1の軽度上昇も伴っていたため,この結腸狭窄は慢性膵炎の増悪に伴う随伴症と考えられた.
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樋口 良太, 渡邊 文利, 堀尾 嘉昭, 景岡 正信, 岩崎 央彦, 杉本 健, 本川 聡, 甲川 賢治
2000 年 42 巻 6 号 p.
1108-1113
発行日: 2000/06/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
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症例は40歳,男性.主訴は心窩部痛.腹部超音波検査で膵体部に44×24mm大の内部エコーを伴う低エコー腫瘤を認めた.超音波内視鏡下穿刺吸引細胞診を含む諸検査にて確定診断に至らず手術を施行した.病理組織学的に嚢胞壁は内層が重層扁平上皮で,中層はリンパ組織で構成され,.最外層は結合組織より成り立っており,膵リンパ上皮嚢胞と診断した.現在までの報告例は70例と稀であり文献的考察を行った.
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奥田 茂, 酒井 正彦, 金子 榮蔵, 鈴木 博昭, 浅香 正博, 伊藤 誠, 大橋 計彦, 岡崎 和一, 中原 朗, 牧山 和也, 吉田 ...
2000 年 42 巻 6 号 p.
1114-1119
発行日: 2000/06/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
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日本消化器内視鏡学会
2000 年 42 巻 6 号 p.
1123-1128
発行日: 2000/06/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
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日本消化器内視鏡学会
2000 年 42 巻 6 号 p.
1129-1135
発行日: 2000/06/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
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2000 年 42 巻 6 号 p.
1158
発行日: 2000年
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
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