胃潰瘍を合併した柿胃石の1例に対し,電気水圧衝撃波を用いた内視鏡的破砕術を施行した.胃石が破砕されるとともに併存した胃潰瘍を治癒させることができた症例を経験したので報告する.症例は,57歳女性で上部消化管内視鏡検査,および上部消化管造影検査にて,5.0×8.2cm大の胃石と胃角部にA
2胃潰瘍を認めた.鉗子あるいはレーザーを用いて胃石破砕を試みたが,硬い外郭のため,破砕できなかった.そこで,電気水圧衝撃波を用いたところ,容易に破砕することができた.胃潰瘍は砕石終了後,約4週間でS
2となった.電気水圧衝撃波による胃石破砕の報告は過去3例のみであるが,胃石の内視鏡的治療において,特に硬い外殻をもつ柿胃石に対しては極めて有効な方法であると考えられた.
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