日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
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43 巻, 4 号
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  • 網岡 徹, 田中 信治, 春間 賢, 森原 正雄, 城戸 珠子, 児玉 寛治, 吉田 成人, 楠 裕明, 北台 靖彦, 吉原 正治, 隅井 ...
    2001 年 43 巻 4 号 p. 821-827
    発行日: 2001/04/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     【目的】外科切除された分化型胃sm癌166病変を対象にリンパ節転移危険因子を再検討し,胃sm癌EMR後の病理組織学的根治度判定基準について考察した.【結果】166病変中29病変(17%)は組織多様性を示し,先進部で低分化な像を認め,うち6病変(21%)にリンパ節転移を認めた.sm浸潤先進部も分化型の137病変のリンパ節転移率13%(18病変)と比較し高かった.sm浸潤度に関して,tub1では,水平方向の拡がりに関係なく700μm以下の病変にリンパ節転移は認めなかった.一方,tub2に関しては,垂直浸潤距離300μmの微小浸潤でもリンパ節転移を認めた.多変量解析の結果では,1y(+),INFγ,papの順で有意なリンパ節転移危険因子であった.【結論】分化型sm癌でもpap,tub2ではリンパ節転移が高頻度であり,EMRによる根治は困難と考えられた.しかし,INFαのtub1で,ly(-)の病変は,1例もリンパ節転移を認めず,浸潤先進部tub1でly(-)のsm微小浸潤癌はEMRで根治できる可能性が示唆された.
  • ―膵管ガイドワイヤー留置法―
    林 裕之, 前田 重信, 細川 治, 道傳 研司, 服部 昌和, 谷川 裕, 渡辺 国重, 伊部 直之, 辰巳 靖
    2001 年 43 巻 4 号 p. 828-832
    発行日: 2001/04/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     胆管造影および経乳頭的治療を目的とする胆管挿管の際・十二指腸乳頭の偏位,可動性等の解剖学的問題に起因した造影困難例が存在し,いわゆる「膵管に道がつく」状態に陥る事がある.われわれはこのような挿管困難例に対し,予め膵管内にガイドワイヤーを留置しておき・乳頭を固定した上で11時方向の胆管に挿管を試みる膵管ガイドワイヤー留置による胆管造影手技を施行した,本法により,通常法での造影困難例21症例中20例で造影が可能となり,合併症も経験しなかった.本法は,「膵管に道がつく」状態に陥った場合,.発想を転換し,膵管造影を繰り返すことから脱却できる有効な手技と考えられる.
  • 堀井 孝容, 金政 和之, 竹内 孝幸, 島本 和彦, 竹下 訓子, 時田 和彦, 若林 直樹, 光藤 章二, 加嶋 敬, 土橋 康成
    2001 年 43 巻 4 号 p. 833-838
    発行日: 2001/04/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     症例は63歳男性.心窩部不快感を主訴に来院.胃内視鏡検査にて前庭部大彎に径3cm大の粘膜下腫瘤を認めた.超音波内視鏡検査にてIII・IV層の肥厚がみられ,III層の内部に管状の低エコー域を認め,迷入膵を疑い,胃部分切除術を施行した.腫瘤には肥厚した粘膜下層と固有筋層がみられ,粘膜下層に幽門腺粘膜に覆われた嚢胞と異所性膵管と膵腺房組織がみられたため,異所性膵組織を伴う胃重複症と診断した.異所性膵組織の合併は本邦では過去に1例しかなく,胃重複症が前腸の分化異常によって起こるとする説を示唆する重要な所見と考えた.
  • 西野 雅之, 宇都宮 直子, 中川 貴之, 木村 りつ子, 若崎 久生, 中尾 大成, 英 肇, 西 理宏, 佐々木 秀行, 三家 登喜夫, ...
    2001 年 43 巻 4 号 p. 839-846
    発行日: 2001/04/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     内視鏡治療にて止血し得た出血性vascular ectasia(VE)の2例を経験した.症例1は40歳女性,僧帽弁閉鎖不全(grade III)によるうっ血性心不全と鉄欠乏性貧血にて近医加療中,全身倦怠感を主訴に入院.著明な貧血を認め,内視鏡検査にて十二指腸下行脚に出血性VEを認め金属クリップ(オリンパス社製MD-59)を用いて止血した.症例2は68歳男性,C型肝硬変のため外来通院中,貧血と全身倦怠感精査のため入院.内視鏡検査にて胃体上部大彎前壁に出血性VEを認め,99.5%エタノール局注にて止血した.2例とも2年間に再発は認めていない.
  • 山根 建樹, 加藤 弘之, 並木 禎尚, 石井 隆幸, 中村 眞, 古谷 徹, 大久保 至, 藤瀬 清隆, 川村 忠夫, 小泉 大樹, 増田 ...
    2001 年 43 巻 4 号 p. 847-853
    発行日: 2001/04/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     無症状で検診を契機に発見されたAA型の消化管アミロイドーシスの2例を経験した.1例は十二指腸下行脚に内視鏡的に粗造な粘膜とAA型としては非典型的なAL型様の多発性粘膜下腫瘍様隆起がみられ,もう1例は胃体部大彎を中心に内視鏡上細顆粒状の粘膜が認められた.生検組織所見からAA型と診断されたが,両者とも基礎疾患がみられず原発性と考えられ,さらにAA型では今までに報告例がみられないが限局性と考えられた.
  • 櫻井 伸也, 栗山 茂樹, 富永 謙太郎, 岸田 秀樹, 小泉 雅紀, 赤羽 たけみ, 安 辰一, 簗瀬 公嗣, 吉川 正英, 菊川 政次, ...
    2001 年 43 巻 4 号 p. 854-858
    発行日: 2001/04/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     症例は75歳,男性.腹痛,発熱,嘔気などの自覚症状を伴うことなく暗赤色の血便が出現し,3日間に渡り血便が持続したため,当院へ緊急入院した.入院時に著明な貧血を忍めたため,緊急大腸内視鏡検査を施行したが,多量の凝血塊のため出血源を同定し得なかった,入院3日目に再度大腸内視鏡検査を施行したところ,直腸に径10mm大のangiodysplasiaを認めた.同腸末端部まで観察を行ったが,他に出血源と考えられる病変を認めなかったため,直腸のamgiodysplasiaからの出血と診断した.入院6日目に施行した超音波内視鏡では,病変部の粘膜下に異常血管像を認めず,angiodysplasiaは不明瞭となっていた.入院9日目の大腸内視鏡検査では,直腸のangiodysplasiaは自然消退していた.その後4年間に渡る経過観察を行っているが,下血は一切認めず,内視鏡検査でもangiodysplasiaの再発を認めていない.大腸のangiodysplasiaは,高齢者における下部消化管出血の原因として注目されている疾患であるが,本例のように,大量出血を契機に自然消退した大腸angiodysplasiaに関する報告はなされておらず,貴重な症例と考え報告する.
  • 青木 哲哉, 大川 清孝, 大磯 龍太, 須藤 玲子, 中井 隆志, 追矢 秀人, 根引 浩子, 針原 重義
    2001 年 43 巻 4 号 p. 859-862
    発行日: 2001/04/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     症例は48歳,男性.歯科医院にて治療中,歯科器具(リーマ)を誤飲した.その後特に腹部症状は認めなかったが,腹部単純X線上器具は右下腹部より移動しないため,誤飲より18日後当科にて大腸内視鏡検査が施行された.器具は盲腸に刺人しており,刺入部は肉芽様に隆起していた.生.検鉗子を用いて針先を把持し,抜去した.
  • 2001 年 43 巻 4 号 p. 866-872
    発行日: 2001/04/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
  • 2001 年 43 巻 4 号 p. 873-878
    発行日: 2001/04/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
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