逆流性食道炎を含め,胃食道逆流症に対する腹腔鏡下噴門形成術は,標準的な外科治療として定着してきた.手術適応の中では,PPI維持療法に対する代替え治療としての位置付けが重要である.開腹手術と同等の治療成績が得られるようになってきているが,噴門形成術としては全周性のNissen法と後壁2/3周のToupet法が多く用いられている.Nissen法が標準的な術式となっているが,短食道症例では,Collis胃形成術の付加が必要であり,腹腔鏡下や胸腔鏡下にCollis胃形成術が行われるようになってきている.噴門形成術の各手技の細かい点についての検討や改良が行われているが,再発や嚥下困難などにより,再手術を必要とする症例が見られている.その原因としては,手術適応や術式選択の問題もあるが,手技の習熟度が関係することが指摘されている.近年話題となる経口的経食道的なラジオ波治療や経口的内視鏡下の噴門縫縮治療は,逆流症状やQOLの改善を示しているが,24時間pHモニタリングによる酸逆流防止効果は弱い.その適応は限られるが,魅力的な治療であり,今後の評価が待たれる.
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