日本消化器内視鏡学会雑誌
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44 巻, 4 号
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  • 竹村 聡, 岩下 明徳, 八尾 建史, 八尾 恒良
    2002 年 44 巻 4 号 p. 745-754
    発行日: 2002/04/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     胃隆起型上皮性腫瘍(早期癌32病変,腺腫26病変)を対象とし,血管密度と内視鏡的色調の関連について検討した.血管密度は,CD34による免疫染色を施された標本を,コンピューターを用い画像解析し定量化した. 定量化された早期癌の腫瘍粘膜内血管密度は,周辺非癌粘膜や腺腫と比較して有意に高値を示した.一方,腺腫の腫瘍粘膜内血管密度は周辺非腫瘍粘膜と有意差はなかったが,早期癌と比較して血管密度は低値を示した. 内視鏡的色調は病巣の相対的血管密度,すなわち腫瘍の血管密度(T)とその周辺非腫瘍粘膜の血管密度(N)の比(T/N比)に大きく関与していた.すなわち発赤群の96.3%はT/N比1.0以上,褪色群の81.2%はT/N比1.0未満であった.しかし周辺粘膜と同色を示した隆起性病変のT/N比は1.24と1より高く,内視鏡検査時の光量などが隆起性病変の内視鏡的色調に関与していることが示唆された.
  • 中村 隆俊, 大谷 剛正, 三富 弘之, 金澤 秀紀, 根本 一彦, 国場 幸均, 田辺 聡, 井原 厚, 柿田 章
    2002 年 44 巻 4 号 p. 755-760
    発行日: 2002/04/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     症例は62歳,男性.大動脈及び気管浸潤を伴う食道癌と診断され,化学療法,放射線治療により腫瘍の縮小がみられたが,3カ月後にイレウスを併発した.腹腔鏡補助下に閉塞小腸の部分切除を施行したところ,2カ所に食道癌の小腸転移が確認された.術後3カ月でボート挿入部に癌の再発,5カ月後に脳転移,肝転移を認めた.現缶術後8カ月経過しているが食事摂取可能で外来通院中である.稀な食道癌小腸転移によるイレウスに対し,侵襲の少ない腹腔鏡下手術が有用であった.
  • 萩原 正史, 杉本 元信, 高橋 政義, 柳沢 里佳, 新 浩一, 高村 尚子, 池原 佳世子, 小林 幸代, 篠原 正夫, 川船 隆史, ...
    2002 年 44 巻 4 号 p. 761-767
    発行日: 2002/04/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     症例は71歳の女性.C型肝硬変に肝性脳症を合併しており,経過観察中に悪心が出現,内視鏡検査にて胃角部小彎に長径約30mmの表面陥凹型早期(推定深達度sm)胃癌を認め,組織学的にsignet ring cell carcinomaと診断された.内視鏡的粘膜切除術(EMR)の適応がないため,アルゴンプラズマ凝固法(APC)を行った.症状は軽快し,約1年半(肝不全死直前まで)の問,内視鏡的に遺残再発を認めなかった.手術やEMが困難な早期胃癌に対するAPCの有用性が示唆された.
  • 斎藤 真, 渡辺 純夫, 蓮見 桂三, 小林 健二, 峯 徹哉
    2002 年 44 巻 4 号 p. 768-773
    発行日: 2002/04/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     患者は56歳女性.主訴は右季肋部痛.胆石の既往があり,今回の症状は胆石発作であったが,念のため施行した上部消化管の検査として,内視鏡検査で十二指腸下行部ファーター乳頭対側に25×17×20mmのIpポリープが認められた.病変は巨大であったが,視野のとりやすい下行部であったことから,内視鏡的切除の適応と判断した.留置スネアをかけた後,基部を切除し,残存ポリープは追加切除した.組織学的には過誤腫と診断された.一週間後の検査でポリープの残存は認めなかった.十二指腸隆起性病変に対して内視鏡的治療を施行する場合はe適応と問題点を常に念頭に置いて対処すべきであると考える.
  • 大司 俊郎, 岡部 聡, 田波 秀朗, 深原 俊明, 桑原 博, 宇田 川勝, 村瀬 尚哉, 山下 博典, 杉原 健一, 岩井 武尚
    2002 年 44 巻 4 号 p. 774-779
    発行日: 2002/04/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     症例は65歳女性,子宮癌にて子宮付属器全摘術及び術後放射線治療の既往がある.1983年放射線障害による膀胱穿孔,尿性腹膜炎にて手術が施行された.1996年直腸膀胱瘻が出現し手術にて改善したが,1998年再度直腸膀胱瘻となりその後直腸膣断端・膀胱瘻となった.2000年年3月直腸内にcovered expandable metallic Stentを挿入したが,症状の改善は3カ月間にとどまり,その適応に関しては今後さらに検討か必要と考えられた,長期間の症状改善に役立てるのは困難であった.
  • 貴島 芳彦, 山本 光成, 榎本 平之, 吉田 賢哉, 黒田 了文, 小川 弘之, 伊藤 裕章, 中村 秀次
    2002 年 44 巻 4 号 p. 780-787
    発行日: 2002/04/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     当科で経験した単純性腸潰瘍5症例について臨床的特徴を検討した.初期の消化器症状として,腹痛,血便は全例に認められた.下痢は5例中4例(80%)に,また繰り返す血便も4例(80%)に認められた.合併症として,口腔内アフタは5例中4例に認められ,その内2例は難治性の深い咽頭潰瘍を有した.難治性の深い咽頭潰瘍を有する症例は,より穿孔や反復性血をきたす加能性が高いと思われた,回盲部潰瘍のみならず上・中部小腸にも病変を有する2症例においては経過中腸穿孔が認められ,上・中部小腸に病変を有する症例では穿孔を起こす危険性が高いと思われた.緩解導入・維持には栄養療法,Salazosulfapyridineあるいは5-aminosalicylic acid療法が必要であった.また,5例全例にステロイド投与がなされており,内4例では潰瘍の治癒傾向,瘢痕化が一時的には得にれており,ステロイト治療は緩解導八に対して少なくとも短期的には効.果か認められた.
  • 館花 明彦, 福田 直人, 永山 淳造, 酒井 滋, 宮島 伸宜, 山川 達郎
    2002 年 44 巻 4 号 p. 788-791
    発行日: 2002/04/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     症例は69歳,女性.主訴は右下腹部不快感.20歳時,急性虫垂炎にて虫垂切除術を施行された.66歳時に受けた大腸内視鏡検査にて盲腸粘膜下腫瘍を指摘された.69歳時に右下腹部下快感に対し大腸内視鏡を施行し,盲腸粘膜下腫瘍の増大を認めた.各柿画像検査ならびに腹腔鏡による観察にて,腫瘍の漿膜外浸潤やリンパ節転移,腹腔内転移などの悪性所見はみられず,腫瘍を破損することなく完全切除が可能と判断し,腹腔鏡下盲腸底切除を施行した.粘液嚢胞腺腫と病理組織診断され,術後経過は順調である.本症に特有の症状はみられないが,腹部不快感,腫瘤触知,腹痛などを生ずることがある.また腸重積の発症や悪性腫瘍,腹膜偽粘液腫発症の報告もあり,一般的に外科手術が推奨されている,症例によっては悪性肺瘍に準じた手術も行われているが,自験例のように腹腔鏡下に完全切除か可能と考えられる症例も存在することか示唆された.
  • 北澤 利幸, 森村 昌史, 松為 裕二, 福井 博
    2002 年 44 巻 4 号 p. 792-797
    発行日: 2002/04/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     症例は46歳男性.アルコール性肝線維症の患者で,吐下血を主訴に来院,食道および胃には静脈瘤などの血源となる病変は認めず,十二指腸下行脚Water乳頭肛門側に半球状および蛇行状の静脈瘤を認めた.観察中に静脈瘤より噴出症出血を認めたため、直ちに,内視鏡的静脈瘤結紮術を施行して止血した.門脈圧亢進症では.食道および静脈瘤を認めないとき,十二指腸にのみ静脈瘤か存在する場合もあるので注意が必要であるとえられた.
  • 日本消化器内視鏡学会
    2002 年 44 巻 4 号 p. 804-809
    発行日: 2002/04/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
  • 日本消化器内視鏡学会
    2002 年 44 巻 4 号 p. 810-816
    発行日: 2002/04/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
  • 日本消化器内視鏡学会
    2002 年 44 巻 4 号 p. 817-824
    発行日: 2002/04/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
  • 日本消化器内視鏡学会
    2002 年 44 巻 4 号 p. 825-830
    発行日: 2002/04/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
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