胆嚢結腸瘻は,特発性内胆汁瘻の中でも比較的稀な疾患である.今回,術前大腸内視鏡検査にて観察しえた胆嚢結腸瘻の1切除例を経験したので報告する.症例は68歳男性,39℃台の発熱,右李肋部痛,腹部膨満,胆汁性嘔吐を主訴に来院した.既往歴に主訴出現4カ月前,狭心症で冠動脈バイパス術を受けており,その術後無石性胆嚢炎を併発したが,保存的に軽快していた.腹部超音波では胆泥,胆嚢壁との一部境界不明瞭化を認め,CTでは胆嚢体部で結腸との交通を認めた.大腸内視鏡では同部位に大腸癌2'型様病変を認めた.胆嚢結腸瘻の診断で,胆嚢摘出術および結腸部分切除術を施行した.病理組織学的には炎症所見のみで悪性所見は認めなかった.
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