日本消化器内視鏡学会雑誌
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44 巻, 6 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
  • 下山 孝, 福田 能啓, 田村 和民
    2002 年 44 巻 6 号 p. 957-979
    発行日: 2002/06/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     Barry MarshallがHelicobacter pyloriの培養に成功してから21年が過ぎた.日本で教室の大学院生井上宏之が初めてこの菌を培養してから丁度20年になる.この記念すべき年,21世紀最初の日本消化器内視鏡学会総会,第61回総会を,神戸市でお世話する栄誉を頂戴した.理事長丹羽寛文先生のご厚情に心より感謝申し上げます.同時に20年間の研究をまとめて会長講演をさせて頂きました.ご司会賜った大先達奥田茂先生に厚く御礼申し上げます. この度,編集委員長の中村孝司教授から,学会誌への投稿依頼をうけて,大変恐縮いたしました.折角のお奨めですので,これまでの兵庫医科大学での研究を中心に,培養成功以後の20年間の研究をレビューしてみたいと思います.私どもの研究は,動物実験と菌の遺伝子やリボ多糖体のLipid Aに偏っているきらいがあります.他施設の先生方の成果を交えさせて頂きながら,私どもが目指したところをまとめてみます.最初に研究の歴史,細菌としての特徴,サルでの感染実験,毒素とサイトカイン,感染経路と小児期感染,消化性潰瘍の発生・再発とスナネズミの感染モデル,除菌療法の問題点に言及します.がんや悪性リンパ腫については定説がまだ得られていないので,詳細については今回は割愛させて頂きました.
  • 小沢 俊文, 渡辺 秀紀, 堀江 裕子, 奥村 浩二, 土屋 豊一, 丹治 伸夫, 安斎 幸夫, 海上 雅光
    2002 年 44 巻 6 号 p. 980-989
    発行日: 2002/06/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     食道胃接合部に生じた炎症性隆起性病変14例について内視鏡所見と臨床病理学的所見を中心に検討を行った.腺窩上皮型は内視鏡的形態が山田・福富分類のlないしll型を呈することが多く,色調は発赤調でヨードに不染を示し診断は容易であった.また胃側から連続する腫大した皺襞を伴うことが多いのが特徴的であった.一方,扁平上皮型はlll型を呈することが多く,色調は褪色あるいは白色と赤色からなる混合型で,ヨード染色では不染部と濃染部からなる混在型を呈した.上波や間質に反応性の強い異型を認める場合は悪性疾患との鑑別を要した.この点を熟知していないと生検での誤診につながりやすいと考えられた.治療面では腺窩上皮型は酸分泌抑制剤などの内服治療にて改善,消失することが多く,同治療下で経過観察してもよいと思われた.扁平上皮型は薬物治療で消失することは少なく,内視鏡的切除術を第一選択としてもよいと考えた.また生検組織にて悪性疾患と鑑別困難な場合にもポリペクトミー標本での慎重な検討が望まれた.
  • 川久保 博文, 小澤 壯治, 加藤 悠太郎, 植松 義和
    2002 年 44 巻 6 号 p. 990-995
    発行日: 2002/06/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     症例は51歳男性.主訴は発熱.両肩および前胸部から左側腹部にかけての疼痛と血液検査で高度の炎症所見を認めた.上部消化管内視鏡検査ではスキルス胃癌の食道浸潤が疑われたが,その後のCT検査にて食道および胃壁内に低吸収域を認めたことより食道胃蜂窩織炎と診断し禁食,化学療法にて保存的に治療した.1週後の内視鏡検査では胃壁から膿の排出もみられた.保存的治療が奏効し,治療開始後約1カ月で軽快退院した.
  • 佐々木 欣郎, 宮地 和人, 青木 秀和, 小野寺 真一, 田口 泰三, 長町 将雄, 依田 紀仁, 金子 広美, 倉山 英生, 東 宗徳, ...
    2002 年 44 巻 6 号 p. 996-1000
    発行日: 2002/06/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     胃アニサキス症の大部分は胃粘膜の虫体刺入部に浮腫,発赤,びらんなどを認める急性胃アニサキス症であり,粘膜下腫瘍様の形態を呈するのは比較的稀であるため,胃アニサキス肉芽種の超音波内視鏡像の報告はほとんど無い.胃粘膜下腫瘍を疑い,超音波内視鏡検査にて胃壁第3~4層の紡錘型低エコー腫瘤とその中心の高エコーの膿瘍および虫体が観察され,病理組織学的に好酸球性肉芽腫と確認された2例を経験したので報告する.
  • 大澤 一郎, 山本 敏雄, 中村 菊洋, 林 忠毅, 飯田 拓, 小笠原 誠, 長屋 章三郎
    2002 年 44 巻 6 号 p. 1001-1007
    発行日: 2002/06/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     症例は66歳女性.上部消化管内視鏡にて十二指腸第2部に有茎性ポリープ様腫瘤を認めた.生検施行時に内容液の漏出が認められ,嚢胞性ポリープとして内視鏡的切除術を施行した.腫瘤は基部にブルンネル腺過形成を認め,嚢胞壁はブルンネル腺細胞から成り,嚢胞形成を主体としたブルンネル腺過形成と診断した.1990年以降のブルンネル腺腫瘍本邦論文報告例に自験例を加えた62例を組織学的に分類し,検討を加え報告した.
  • 長岡 栄, 宿輪 三郎, 濱田 久之, 真鍋 英二, 林 剛, 江崎 宏典, 宮下 光世, 伊東 正博, 水川 陽平, 磯本 一, 村瀬 邦 ...
    2002 年 44 巻 6 号 p. 1008-1014
    発行日: 2002/06/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     症例は79歳,.女性.検診で便潜血検査が陽性で大腸内視鏡検査を施行.直腸Isp型早期大腸癌を指摘され,内視鏡的粘膜切除術(EMR)を施行した.1.でト後,EMR後の局所再発を認め,当科紹介入院.大腸内視鏡検査で直腸Isp型の早期大腸癌と回盲部~上行結腸に側方発育型大腸腫瘍,いわゆるlaterally spreading tumor(以下LST)を7病変認めた.直腸病変にEMRを施行し,病理組織学的にsm浸潤の診断で,低位前方.切除術を施行.多発型LSTに対して右半結腸切除術を施行した.直腸の切除部分は,瘢痕のみで腫瘍の残存は認めなかった.右半結腸のLST1病変は高度異形腺腫で,その他は管状腺腫であった.7病変と多発したLSTはまれであり報告する.
  • 今津 浩喜, 落合 正宏, 庄司 光孝, 桜井 洋一, 松原 俊樹, 長谷川 茂, 中村 康子, 三浦 弘剛, 野副 泰智, 中山 邦久, ...
    2002 年 44 巻 6 号 p. 1015-1018
    発行日: 2002/06/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     症例は74歳,男性.痙性四肢麻痺にて入院中タール便と貧血が出現した.下部消化管内視鏡検査にて盲腸から上行結腸にかけ粘膜毛細血管の著明な拡張が多発し,粘膜からのoozingを伴い腸vascular ectasiaと診断した.以後も貧血は改善せずタール便が持続するため,内視鏡下に粘膜焼灼を施行.以後タール便は消失し貧血も改善し2カ月後の内視鏡所見上vascular ectasiaはほぼ消失し出血も認めなかった.
  • 河村 攻, 澤田 武, 原 威史, 兒玉 達樹, 真田 治人, 島崎 正晃, 麦倉 光哉, 西田 泰之, 大原 裕康, 松下 和彦
    2002 年 44 巻 6 号 p. 1019-1022
    発行日: 2002/06/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     症例は45歳の男性で,肛門からアルコール濃度35%の焼酎を注入したところ下.血を生じ,当院へ入院した.大腸鏡検査では,肛門からS状結腸下部まで連続性に潰瘍,びらん,発赤,浮腫が見られた.病変部と健常粘膜との境界は明瞭であった.組織像では表層にちかづくほど粘膜の著しい壊死,脱落が見られ,腺管構造の破壊,血管の破綻による出血,滲出が見られた.アルコール注腸による直腸結腸炎は極めてまれであり貴重な症例である.
  • 日本消化器内視鏡学会
    2002 年 44 巻 6 号 p. 1023
    発行日: 2002/06/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
  • 日本消化器内視鏡学会
    2002 年 44 巻 6 号 p. 1027-1029
    発行日: 2002/06/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
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