日本消化器内視鏡学会雑誌
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45 巻, 2 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
  • 佐々木 一晃, 大野 敬, 大野 敬祐, 吉川 智道, 川崎 浩之, 高坂 一, 小野 一紀, 松永 隆裕, 鈴木 朝子, 青木 繁雄, 仲 ...
    2003 年 45 巻 2 号 p. 127-131
    発行日: 2003/02/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    大腸癌術後症例の経過観察に大腸内視鏡検査は必要不可欠である,大腸癌術後1年以上経過した59例を無作為に2群に別け,大腸内視鏡検査前処置の腸管洗浄液の減量が可能か否か検討した.ポリエチレンダリコール電解質液(以下PEG)をA群で1,000ml,B群で2,000mlとした.良好な効果(残渣が全くない,または少量あるも観察に支障ない状態)ほA群で50%,B群で78%であつた(p<0-05).しかし,口側大腸癌手術症例ではA群で90%,B群で83%と両群とも良好であった.肛門側大腸癌手術症例の前処置法ではA群で32%,B群で76%と有意にA群で不良であった(p<0.01).口側大腸癌手術症例での内視鏡前処置法ではPEG量を1,000mlに減らす可能性が示された.一方,肛門側大腸癌手術症例の24%は2,000mlでも効果不十分であった.大腸癌術後症例の大腸内視鏡検査前処置法では手術部位を念頭に置いた対応が必要である.
  • 高木 邦夫, 塚原 康生, 福島 幸男, 藤田 淳也, 池川 公正, 中村 貴成, 東本 好文, 市場 誠, 井上 聡, 弘津 喜史, 森田 ...
    2003 年 45 巻 2 号 p. 132-137
    発行日: 2003/02/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    症例は73歳女性,肝部分切除術後約1年経過して,心窩部痛を訴え入院した,上部内視鏡検査にて食道下部に巨大潰瘍を認め,その潰瘍底部に瘻孔を認めた.内視鏡検査,食道透視,腹部CT検査から食道気管支瘻と診断し.薬物投与などの保存的加療を行ったところ潰瘍は瘢痕化し,瘻孔は完全閉鎖した.良性潰瘍による食道気管支瘻に対しては保存的加療により治癒することもあり,まず考慮すべき治療法であると考えられた.
  • 西本 政雄, 味木 徹夫, 松森 正温, 是枝 哲浩, 味木 勝一
    2003 年 45 巻 2 号 p. 138-143
    発行日: 2003/02/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    症例は57歳男性.飲酒後の嘔吐に引き続く吐血により発症した.右膿気胸を11しており,従来の保存的治療の適応からは外れでいたが,全経過中計3本の胸腔カテーテルによる徹底したドレナージと高力ロリー輸液による栄養管理を行い完治した.特発性食道破裂の治療においては,重症例でも良好なドレナージが得られれば保存的治療も可能であることが示唆された.
  • 亀川 夏彦, 中村 志郎, 平田 直人, 斯波 将次, 加島 和俊, 押谷 伸英, 樋口 和秀, 松本 誉之, 荒川 哲男, 葛城 圭, 八 ...
    2003 年 45 巻 2 号 p. 144-150
    発行日: 2003/02/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    症例は51歳の男性.毛嚢炎様皮疹・口腔内アフタ・陰部潰瘍の3毛症状に,消化管病変として十二指腸と回盲部に潰瘍が出現した.狭窄のため行った回盲部切除後に,吻合部潰瘍の再発と.膿瘍及び吻合部と十二指腸,回腸に内瘻形成を伴う多発性の胃・十二指腸潰瘍を認めた不全型腸管型BehGet病の1例を経験した.本症において胃・十二指腸に多発性の病変を認めることは極めてまれであり貴重な症例と考え報告した.
  • 渡辺 研也, 坂 充, 鬼沢 道夫, 佐藤 愛, 滝口 純子, 斉藤 広幸, 中川 貴司, 小原 勝敏, 佐藤 由紀夫
    2003 年 45 巻 2 号 p. 151-156
    発行日: 2003/02/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    症例は60歳,女性.腹痛,下痢,下血を主訴に当院受診.大腸内視鏡検査にて,直腸から下行結腸に,頂部に白色の滲出物を伴うIS型ポリープが多発しており,横行結腸の一部にも同様の所見が認められた.病変の生検標本にて,粘膜脱症候群の線維筋症の所見が疑われ,試験的粘膜切除を行い,Cap polyposisと診断した.生検標本および血清学的にヘルペスウイルス感染の所見が認められ,本疾患発症への関与も考えられた.
  • 古川 孝広, 高山 哲治, 佐川 保, 奥 隆臣, 高橋 稔, 照井 健, 加藤 淳二, 古川 勝久, 川西 譲児, 新津 洋司郎
    2003 年 45 巻 2 号 p. 157-161
    発行日: 2003/02/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    症例は68歳,女性.46歳時子宮頚癌(StageIIb)にて,広汎子宮全的術及び骨盤部放射線治療を受けている.放射線照射後22年経過した後,腹痛及び腹部膨満感を主訴に当科受診,イレウスの診断にて入院となった.保存的治療によりイレウスは軽快したため下部消化管内視鏡検査を行ったところ,回腸末端に粘膜浮腫像・毛細血管の拡張/蛇行を認めた.逆行性小腸ガストロ造影にて,回腸末端部の狭窄・辺縁鋸歯状影を認め放射線回腸炎と診断した.手術を勧めたが同意を得られず,外来にて経過観察を行っていたところ,強い腹痛を自覚し再入院となった.穿孔性腹膜炎の診断にて緊急手術を施行したところ,回腸末端に腸重積と穿孔が認められた.放射線回腸炎の経過中に腸重積を合併して穿孔をきたした領めて稀な症例と考えられた.
  • 渡部 智雄, 木原 晃, 小見山 博光, 仙石 博信, 野口 肇, 落合 匠, 西村 和彦, 杉谷 通治
    2003 年 45 巻 2 号 p. 162-167
    発行日: 2003/02/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    症例は35歳の女性.主訴は黒色便,呼吸困難.全身に多数のcafe au lait spotsと皮膚結節を認めた.小腸造影・小腸内視鏡検査で上部空腸に3×2.cm大の粘膜下腫瘍を認め小腸部分切除術を施行.病理所見で紡錘形細胞の索状配列を認め.免疫染色でCD34,c-kitが陽性を示す空腸GIST,uncommitted typeと診断した.von Reckihlghausen病に合併したGISTの報告例は稀であり,自験例を含めた本邦報告例10例の臨床像とともに報告する.
  • 斉川 芳久, 炭山 嘉伸, 長尾 二郎, 高瀬 真, 奥村 千登里, 中村 陽一, 中村 寧, 浦松 雅史, 片桐 美和
    2003 年 45 巻 2 号 p. 168-171
    発行日: 2003/02/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    大腸良性狭窄にExpandable Metallic Stent(EMS)治療が有効であった1例を経験したので報告する.症例は74歳男性.下行結腸人工肛門閉鎖術術後に吻合部口側の折れ曲がりとねじれが原因のイレウスを発症,一般的保存療法で改善せず,気管芝用EMSを挿入し,イレウスを解除した.その後イレウスの再発は認められない.結論:下部消化管に対するEMSは悪性狭窄だけでなくこのような良性狭窄に対しても有効である.
  • 内川 尚仁, 筒井 邦彦, 小原 英幹, 正木 勉, 鎌川 英紀, 有友 雄一, 松岡 裕士, 江崎 徹, 福岡 博基, 栗山 茂樹
    2003 年 45 巻 2 号 p. 172-176
    発行日: 2003/02/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    前回,われわれは,造影剤用のルーメンだけでなく,独立したガイドワイヤー用ルーメンも有し,ガイドワイヤー操作と造影剤注入の協調操作が可能なブレカット用パピロトームの有用性を報告した.今回,本プレカット用パピロトームに若干の改良を加えたので報告する.改良点はノーズ長を0mmとしたことと,プレード(長さ20mm)の近位側10mmに絶縁コーティング(Clever cut coating)を施したことである.ガイドワイヤーを先端から少しだけ出すことにより,よりtaperingしたノーズが得られるようになった.前回のパビロトームでの選択的胆管挿入の成功率はその後の追試で10例中7例の70%であった.今回の検討のそれは6例中5例に成功し,83.3%であった.両者に統計学的な有意差はなかつた.しかし,ガイドワイヤーによるtaperingしたノーズにより,より正確なプレカットが可能になり,さらに,絶縁コーティングを施すことにより,近接でのプレカット操作や選択的胆管挿入後の追加の内視鏡的乳頭切開術がよりスムースに行えるようになった.本パピロトームはプレカットを容易とし,その安全性と成功率の向上に役立つと思われた.
  • 竹下 公矢
    2003 年 45 巻 2 号 p. 177
    発行日: 2003/02/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
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